今回はちょっと勢い強めに書いてみました!
では本編どうぞ!
あれから2時間ほど経過しただろうか、狐を捕らえるように仕掛けた罠を確認しようと俺と小傘は例の森林に戻ることにした。
そして、なんと掛かっていたのだ!
そう、掛かっていたのだ…いたのだが…
「………」
掛かっているソレをただ茫然と眺める小傘と俺
「…小傘、アレってもしかして…」
「間違いありませんね、アレです。」
掛かっていたのは狐ではなかった。しかし、ハズレと言うわけではないのだ。
灰色で袖が破けた着物、そして足には古びた下駄、頭にボロボロの藁製の紐付きの傘を被っていた。
「おいゴラァ…てめぇらかぁこんなちんけな罠作りやがった輩は?」
そう言いながら罠に掛かったソレはこちらをギロリと睨みつけてくる。
「あの〜、こんな状況で聞くのもあれなんですが〜その…」
「あぁん?なんだよ」
「もしかして、雨降り小僧さんでしょうか?」
「ったりめぇだろうが!天下の雨降り小僧と言えばこの俺以外に誰がいるってんだぁ!!」
うわぁ…すっげぇ気性の荒い雨降り小僧だ…
「まさか、狐ではなく目的としているコチラが先に掛かるとは…」
「け、計画通りですね!」
小傘は舌を出しながら親指を立てる
まぁ、どうあれ手間が省けたのは確かだ。
「あの〜、罠に掛けてしまったことに関しては謝ります、ごめんなさい」
「もっと気持ち込めろよ!!そこでああいいですよ、なんて言うと思ったかクソ餓鬼が!!」
まずい、ここで怒らせ続けるとお願い出来なくなる…
「うぅ…申し訳ございませんでした…」
俺は念入りに深々と頭を下げた。
それを真似るように小傘も頭を下げた。
「全く…こんな森の中で妙に香ばしくていい匂いがすると思って来てみりゃあ美味そうなもんが転がってるじゃねぇか…腹が減ってたんで食べようと近寄ったら…よくもやってくれたなぁてめぇら!!」
動物ならまだしも、ちゃんと言葉も話せる奴があの罠に掛かるとは…
「今、降すのでジッとしてて下さい」
「おうおう、早くしやがれってんだ!」
俺は気性の荒い雨降り小僧を罠から解放した。
「で、なんだ…俺に用があってあんな罠を仕掛けたんだろう?」
「え?何故そう思ったんですか?」
「俺は大妖怪だからな、よっぽどすげぇ罠じゃねぇと引っかからねぇんだ。しかし、そんな俺を引っ掛けた、つまり俺を捕らえるための罠って訳だ。」
「その理屈だと他の妖怪でも掛かるのでは…」
「うるせぇ!俺の理屈にケチつけんのか!!」
やべぇ…凄く面倒くさい
「さ、流石ですね、その通りです。貴方様に用がある為、罠を仕掛けさせて頂きました!!」
「その言葉遣いもやめろ!気持ち悪い!!」
ガッ…こ、こいつぅ…
「さっきから文句ばっかり!なによ!旦那様が頑張ってるのに!」
「こ、小傘?」
と、小傘は頬を膨らませて飛び出してきた。
「あぁ?なんだよ、俺が間違ってんのか!?」
「そうよ!アンタが間違ってるだけだもん!」
小傘はカンカンに怒っている。
「なんだと…ん?お前…」
雨降り小僧は目を細めて小傘をよく見る。
「そうか…傘化けか…けっ!お前みたいな下等妖怪にあれこれ言われる筋合いはねぇよ!!」
「かっちーん!アンタだって凄い妖怪じゃないでしょ!!鬼とか龍でもない癖に!!」
ザワ…
…!?
なんだ…一瞬寒気が…
辺りが暗くなり、鳥が飛び散っていく。
「俺が…凄くない…だと? 」
ポツン…ポツン…
「…雨だ。」
雨降り小僧の力が発動しているのか、しかしこの雰囲気…何か…
「この妖力…旦那様!!」
「え?」
「只者じゃないです!!この雨降り小僧!!」
ザーッ
「ぐっ…!? 」
唐突に雨が強くなった。
「俺を見縊ったな…唐傘如きが…」
一層雨が強くなる
「まだ雨が強くなるのか…!? 」
身体全身に衝撃が来るほどの勢いで雨が降っている、これ以上雨が強くなると言うなら身体が保たないかもしれない…
「くぅ…このぉ!」
小傘は雨を防ぐ為に上にさしていた傘を雨降り小僧の方に向け
「くらえぇぇ!!」
数日前の朝に小傘が放った例の弾幕が放たれた。
「ぐおっ!?」
小傘の放った弾幕は雨降り小僧に直撃した。
「こ、この野郎…痛ぇじゃねぇか…」
飛び散った砂埃の中から雨降り小僧は姿を現す。
すぐさま雨降り小僧は構え始めた。
「雨降り小僧はなぁ…長年生きると雨を降らすだけじゃなく…自在に操ることが出来るんだよ!!」
森を囲むように降っていた大雨は、範囲を狭め
「……ぬぅ…!!?」
小傘に対して集中豪雨がきている。
「小傘!!」
あまりの衝撃に小傘は膝をつき、身体が倒れそうになってしまう。
「どうだ…これが雨降り小僧の真の力だ…」
余程の大技なのか疲れている様子が見える。
「やめろぉ!!」
「うお!?」
奴が小傘の方に集中している隙に俺は横から飛び掛かった。
「離せこの!!」
「嫌だね!小傘を豪雨から解放してくれるまで離すもんか!!」
俺は必死に離れまいと抵抗する。
「くそぉ!何故、人間であるお前が妖怪なんかを!」
「人間が妖怪を助けたいと思っちゃいけないのか!!そんな理由があるのか!!」
「くぅぅ…おらぁぁ!!」
俺は払い退けられてしまった。
「ぐっ!…」
奴は息を切らしながらも立ち上がり倒れた俺を見下す。
「ちっ…俺はなぁ…人間が大の苦手なんだよ!静かに暮らしてぇのに勝手に木とか伐採して変に建物増やして、俺や俺以外の妖怪の住処どんどん減らして…」
そうか…だから人間である俺にめっぽう当たりが強かったのか…
「そ、そうか…そうだよな…あんた達妖怪が減ってるのは俺たちのせいだもんな…」
「なに知った風な口ほざいてんだよ!!今更同情でもする気か!!?」
横たわった俺の腹を蹴る。
「ごふっ!!」
何回も…何回も…
「ごはっ…げふっ!」
「お前らはいいよなぁ…数増え続けて、楽しく暮らして、俺達の気持ち理解したことあんのか…?」
蹴り続けることをやめない。
「や…やめて…よ…」
豪雨に打たれながらも小傘は声を必死に張っている。
「旦那様に八つ当たりしないで…」
「あぁ…?そもそもお前もだ、なんで人間の味方なんてする!?傘化けって言っちゃあ人間に忘れられた傘の成りの果てって言うじゃねぇか…」
「そうだよ…私だって置き忘れられた恨みで人を驚かすけどさ…でもね…人間って…悪い人だけじゃないんだよ…?」
こ、小傘…
「子供の面倒を見てたらありがとうって言ってくれる人がいたり…私みたいな妖怪を家に泊めてくれる人がいたり…喧嘩しても必死に探してくれる人がいたり…良い人間も沢山いるんだよ!!」
「黙れ!!!!」
小傘に対して降り注ぐ雨が一層強くなる。
「ぐぅぅ…!!!」
小傘ぁぁ…
「助けてくれ…頼む…」
「なんだ、命乞いか…けっ、やっと分かったか妖怪の偉大さが…」
「違う…俺はどうでも良い…あの妖怪だけは…小傘だけは助けてやってくれ…頼む…」
「お前…何故そこまで妖怪に身を張れる…」
「お願い…だ…」
「!?…お前…泣いてるのか…分からねぇ…何故だ…分かり合えないはずなのに…」
「妖怪とか人間とか…そんな区別なんて必要ない…その存在を助けたいかは自分の勝手だろ…」
「………そんな目で俺を見るな…」
「…たの…む…よ…」
「くっ……ちくしょうが!!」
その瞬間小傘に降り注いでいた豪雨は止んだ。
「あ…りが…とう…」
俺の意識はそこで途切れた。
今回はどうでしたでしょうか?
初めての戦闘(?)のような話になりました!
では今回はここまで!次回もよろしくお願いします!