今回は小傘視点での回想となります。
そして、今回から少しずつ文章を直していこうかと思います!
この作品を読んでくれた友人達にアドバイスを貰い、少しずつではありますが改善して投稿していくつもりです!
それではどうぞ!お楽しみください!
その日は天気が良く、人を驚かす気分でもなかったそうな
どうして天気が良い日に驚かす気分にならないのか
それは彼女が晴れの日を嫌うからだ
別に天気そのものを嫌ってるわけじゃない
なぜかと言えば晴れの日に傘をさしてたら馬鹿にされるからだと
そんなデリケートな心の持ち主である小傘は相棒であるナスみたいな傘はささずに木陰で昼寝をしていた。
「ちぇ、どうしてお花畑の妖怪さんや、スキマの妖怪さんは傘をさしててもバカにされないのにわちきだけ馬鹿にされるのよ…」
彼女以外にも晴れの日に傘をさす妖怪が何人かいるのだがその中で小傘だけあれこれ言われるのが不満らしい。
「そんなにこの傘変かなぁ、可愛いと思うのに…」
晴れの日には外で妖精や妖怪の子供が遊ぶためお出かけ中の小傘を見つけては彼女の傘をからかってくるんだとか
そのため、小傘は雨が降り外で遊ぶ子が見当たらなくなってから人を驚かしに出かけるという習慣を繰り返していた。
しかし昔はそんな習慣はなかったと彼女は言った
最近馬鹿にされるのが嫌になりこのような習慣がついたらしい
彼女なりの思春期だろうか?
そんな彼女は晴れの日という暇を持て余し昼寝をしていたのだ。
「もういいや、寝よ…」
その一言を最後に彼女はこっちの世界にやってきたらしい。
目を覚ました時、彼女は薄暗い路地裏に居たらしい
辺り一面にカビ臭さとホコリが目立つ
彼女はとりあえず光が目立つ方向に歩いた、寝起きの重い体で一歩ずつ目を凝らしながら歩く、そしてその先に広がっていたのは
見慣れない衣服をまとった人間達と見かけない造りをした家々だった。
その光景に唖然としたが、しばらく考えてわかった
「もしかして外の世界…? 」
どっからどう見ても科学の発展に特化している乗り物や小道具が見え
彼女にはそうとしか考えられなかった。
でもどうして? と彼女は考える
幻想郷側に突如として引き込まれる事例は聞いたことあるが、外の世界にいきなり飛ばされる事例は彼女にとっては聞いたことのない話だった。
「うそぉ…こんなことってあるの…?」
未だに謎が多い幻想郷、何が起こるかわからない世界ではあるが、彼女としてはかなり恐怖の体験である
緊張と恐怖からか震えが止まらない
人に助けを求めたいが、話しかける勇気もないし話しかけたとしても小馬鹿にされる程度であろう。
彼女は仕方がなく、あの薄暗い路地裏の方面へと進んでいき、元いた場所よりさらに奥に進んだ。
すると
「わぁ…」
そこには古く所々が傷んだ小屋が建っていた
隅々にまで墨のような汚れが行き渡り、カビ臭さもあり決して良いところとは言えないであろう
だが、その古臭さが逆に彼女を安心させたのだ。
自分が元いた世界と全く異なる文化を見せつけられ何もわからない恐怖に怖気付いた彼女にとってはその古臭さが恋しかったのだ。
その小屋に背を預けてその場に座り込んだ。
頭を伏せて脚を腕で囲んで丸くなる
「はぁ……」
彼女からため息が漏れる
幻想郷から外の世界に放り出されたのは自分の所為なのでは?
など悪い方に考えてしまう
そんな自分に負けないように彼女は頭を横に振り自分を激励する
「ううん!わちきは負けないもん!何としてでも戻るもん!」
そう自分に言い聞かせ、顔を上げた彼女には勇気が身についた。
「でもぉ…」
ぐぅ〜っと彼女の腹が鳴る
「お腹空いたなぁ…」
ここ最近人を驚かせず、ロクな食事をしていなかった彼女には辛い空腹であった。
腹を空かせて憂鬱な気分の彼女
そんな彼女の頭にポツリと何か落ちてきた。
「ん?」
それはザーッと沢山降り注いできた
そう、雨だ
「今降られてもなぁ…」
彼女の驚かし日和である雨であるが、ここは生憎の外の世界
ここの住民たちの反応もどう来るか分からないし変な事になったら大変だ
この世界では迂闊には動けなかった。
「神様仏様〜…わちきにお恵みを〜…」
もうここまで来たら神頼みだ
幻想郷と違ってそういう力は弱まってるかもしれないが
今彼女の頼りになるのはこれしかないのだ。
すると、彼女の想いが通じたのか
ピチャピチャ
この雨の中を走る足音が聞こえる
次第にその音は近くなり
そして
「…止まった…? 」
この古びた小屋の前でその足音はピタリと止まったのだ
恐らく雨宿り、つまり傘を持っていない
これはチャンスだ、恐らく人間であろうその足音の主を驚かせば腹が満たされる、良いことに周りでは人の声や足音は聞こえずその人間しかいないようだ。この者に拾われれば…
「よ、よぉ〜し…」
生唾をゴクリ、彼女は覚悟を決め
「助けて!!」
彼女は大きな声でそう叫んだ。
このSOSには二つの意味がある
第1に彼女は腹を満たしたく、その獲物を引き寄せるため
そして第2は…
ただ…助けて欲しかったのだ。
この何もわからない世界、誰かに助けを求めたかった。
驚かしてしまえば嫌われるかもしれない、だが
助けて欲しいのだ。
ひとまず拾ってもらい腹を満たして事情を話す。
この人に拾って欲しい、助けて欲しい…
彼女はその気持ちをもう一度声にした。
「助けて!!!」
この雨の音に負けないくらい大きな声でそう叫んだ
そうすると
ピチャリピチャリとこちら側に足音が聞こえるではないか
やった…うまくいった!
彼女はすぐに傘に化けその人間を待ち構えた
………………
しかし、本当に拾ってくれるのだろうか
みんなからナスのようなだとか変な色だとか
さらには不気味などと言われ続けた彼女
足音が近づくにつれて気持ちが焦りだす
拾われなかったらどうしよう!このまま放っておかれちゃう!
捨てられちゃう!
そんな焦りも心の準備をする事も今では無駄だ
もう来てしまった。
「………」
そこにいたのは一人の少年だった。
学生服の格好に端麗でとは言わないがそこそこな顔立ち
そして予測通り傘は持たず、ずぶ濡れだった。
少年は彼女が化けた傘の存在に気付いた
「傘…?」
少年はまじまじと彼女を見つめる
緊張と焦りで変化が解けてしまいそうだ
彼女は必死にこらえた。
すると
少年は彼女を拾い上げそれをさし駆け出した
やった…!!
彼女の作戦は成功したのだ、派手に喜びたいが
その気持ちは抑えて少年の帰宅後を狙う
数分後、彼の自宅に着いたようだ。
その家は二階建てで和を意識した造りをした家だった。
少年は急いでその家の中に入り、彼女を玄関に置き、脱衣所に向かう
彼女はその隙を見てすぐ隣の和室に隠れる
「あの人…お風呂に入ったのかな?」
彼女は息を潜めて待ち、少年が入浴を終えたタイミングを狙う
約15分後
少年は入浴を終え脱衣所から出てきた。
よし!いま…はっ!?
少年はタオルを一枚下半身に巻いただけの格好だった。
この状態の少年を驚かして、もしタオルが取れてしまったら…
だめだめだめ/////…!
彼女は慌てて定位置に戻り息を潜めた。
少年は階段を登り服を取りに二階に向かったようだ
彼女も向かおうとするが、バレては満足に驚いた心を食べれないと思いじっと待った。
しばらくすると少年は階段を降りてそのまま玄関に向かった。
すると、少年は玄関に置いてあった傘がなくなったことに気付いたようだ。
今なら彼の背後から驚かせる…
だが、ここまで来てアレなのだが彼女は驚かすのが下手だ。
彼女はそれを心配して少し足が竦む
「ふぅ…わちきならいける…いける…」
彼女はまた自分を激励した。
「よし…!」
彼女は覚悟を決め少年の背後に忍び寄る
空腹に耐えて耐えて耐えしのいだこの気持ち
ココで今、全てぶつける!
「 」
ドゴォォォォン
「……!!?」
彼女は今、渾身の力で驚かしたのだが突如として鳴り響いた轟音に声が掻き消されてしまった。
今のは…雷?
そう、雷の音だったのだ
彼女のお決まりの「うらめしや」の渾身の一声は自然の猛威によって掻き消されてしまったのだ。
勢いで目を瞑ったまま驚かしに行った彼女は目を開けるのが怖くなった
怒られたらどうしよう…
小傘はビクビクしながらもゆっくり目を開けた
するとそこには
「…ほえ?」
なんとあの少年が仰向けに倒れていたのだ。
そして、彼女は自分の腹も満たされていることに気づいた
つまりこれは
「成功…?」
形どうあれ雷のお陰で迫力が増したようだ
久々の食事にありつけた彼女は飛び跳ねたいほど喜びたいはずなのだが
「あわわ…どうしよう…」
どうやら少年の心配をしているようだ。
「驚かしたのはわちきだけど…助けてくれたのはこの人なのに…でもお腹空いてて…あうぅ…ごめんなさぁぁぁい…!!!!」
彼女は罪悪感に押され大泣きしてしまった。
今回はどうでしたでしょうか?
まだ未熟でちゃんとしたものを作れない私ですが
これからも作品は時間を見つけては作っていくつもりなので応援よろしくお願いします!!
ではまた次回!!