虹彩異色の妖怪少女   作:A.H

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前回に引き続きよろしくお願いします!
前回登場した渋沢さん、彼がどのような人物なのか
今回で大体明かされます。
では本編どうぞ!


第8話〜頑固な老人と不器用な少年〜

渋沢寿一(しぶさわ としかず)

俺とは昔から面識のある爺さんだ。

最初に出会ったのは…確か、4歳の頃だ。

母さんがまだいた頃、一緒に俺用の傘を買いに行ったんだ。

夕飯の買い物帰りのついでだったかな。まだ幼かった俺は母さんと色んなお店に行くのが好きだったから、こういった初めて行くお店はワクワクした。

今の俺は18歳だから、14年前になるのか

その時は初めて見る大人の人だったから、結構ビクついてたな…

4歳頃の俺は両親以外の人間とはほぼ面識がなく、友達と言えるほどの友達はいなかったから初めて見る人には大抵緊張していた。

そんな俺を本当の孫のように渋沢さんは可愛がってくれたのだ。

俺の祖父は俺が生まれる前に亡くなっていたから、このような関係を持てて幸せだった。

「なんで書き置きとかせずに外出しちゃうんですかぁ〜」

「ばあさんはおらんかったかい?」

「渋沢さん…おばさんは…」

渋沢さんの奥さん 名前は「智代美(ちよみ)」というのだが

おばさんは2年前、亡くなっている。

仲の良い夫婦で、おばさんも俺に優しくしてくれていた。

「あぁ…ごめんね…そうだったね…」

渋沢さんは少し暗い顔になった。

この通り、渋沢さんは物忘れが多く、知人から身内の事さえも忘れることがある。俺が高校生になったと報告をしたその次の週に会ったら

「来年高校生だっけ?」と、言ってきたのだ。

いわゆる認知症というやつである。

「渋沢さん…」

渋沢さんは今年で78歳でかなり高年齢であり、身体も弱くなってきているためかなり心配している。

隣にいる小傘も察したのか表情が少し暗くなっている。

「さて…着いたねぇ」

そんな話をしながら俺たちは先ほどの傘屋に着いた。

ガラリとした店内、人が全く来ないというわけではなく今は午後6時過ぎでこの時間帯は基本人は来ない。

「そういえば…なんでおじちゃん探してたの?」

渋沢さんは店内の椅子に腰を下ろしてそう話し出した。

「えっと…まぁ小傘がある事情でここに来てまして、それを俺が見つけて小傘とこのお店についてとか話してたんですけど、渋沢さんがなかなか帰ってこなくて…それで探しに」

「お邪魔してました…」

と小傘も一礼

小傘の正体や成り行きは誤魔化しつつそう話した。

「ああ、そうなんだ…ごめんねぇ」

最近よく謝られるな…俺

「どこ行ってたんですか?」

「えっとね…」

渋沢さんはしばらく黙り込んでから

「病院…行ってきたんだ。」

「…!」

前々から病院に通っているのは知っているのだが、こう話されると動揺してしまう。

「な、何か言われましたか…?」

「んー…老人ホームに通って下さいってね…」

渋沢さんにはもう身内が居なく、介護してくれる人もいない。

だから老人ホームを勧められたのだ。

「渋沢さん…」

渋沢さんはよく言っていた。

この店で生涯を終わらせたいと。

だから、そのような施設に通う気は無いと。

「渋沢さん…もう休んで良いんですよ…?」

前はおばさんと渋沢さん同士が協力しあって仕事は別で働き生活費はそこまで困らなかったのだが、おばさんが亡くなってから渋沢さんは一人になってしまい、おばさんは保険にも入っていなかったので元々稼げた分の生活費を作る為には渋沢さんがおばさんの分も含めてという事で、傘屋意外にもアルバイトをいくつかやっている。

傘屋は、良い店なのだが売り上げはあまり良くなく満足した稼ぎはしてなかった為このような形になってしまった。

「いや…おじちゃんは最期までここで頑張るよ…」

彼なりのプライドなのだが、俺は心配で心配で仕方がないのだ。

「渋沢さん…無茶はダメだよ…おばさんだってこんなこと望んでないだろ?…だからさ、もう休もうよ…な?」

渋沢さんは下を向いたまま

「ありがとうね、ハルくん…でもね、おじちゃんは諦めないよ…」

その時俺に積み重なってた苛つきが溢れてしまった。

「なんでだよ、渋沢さんもう年だろ…? いい加減休めって…頼むから…」

「おじちゃんには…()()()()()()()があるんだよ」

「やり残したこと…?なんだよ…それ…」

「内緒だよ、これはおじちゃん一人の問題だからね。」

「はぁ…?なんで、隠すんだよ…」

渋沢さんは優しい人なのだが妙に頑固なところがあり、ここまでくると俺は焦りで激昂してしまう。これ以上無理はさせたくないんだ…

「旦那様…」

小傘の一声で少し落ち着きを取り戻した。

「…なんだ?」

「渋沢さんの考え信じてあげませんか…?」

「こ、小傘…!? 」

なんだよ、小傘も賛成してるのかよ…

「小傘ちゃん…」

渋沢さん自身も驚いているようだ。

なんだよ…人の心配を…

「ああ!もう!勝手にしろよ!」

「だ、旦那様どこいくんですか!? 」

「散歩だよ散歩!!」

俺が間違ってるみたいじゃねぇか、なんだよちくしょう!

「旦那様!」

「小傘ちゃん、大丈夫だよ。ハルくんはすぐ戻ってくるから」

「で、でも…」

「ハルくんは何も間違ったことは言うとらん…おじちゃんのわがままなんだからね…。」

「渋沢さん…」

 

 

ったく…渋沢さん…何を理由にそこまで…

おかしいよな、辛いお願いなんてしてないのに…

むしろ、幸せな事じゃねぇか…

俺だって…俺だって…

「恩返しの一つや二つしてぇよ…」.

この前だってそうだ…俺がバイトで稼いだ分渋沢さんに渡そうしたら

気持ちだけで良いって…あんたがそう…何でもかんでも拒んだら…

俺何にも出来ねぇじゃねぇかよ…

少しくらい…少しくらい…

受け入れてくれても良いじゃねぇか…

 

馬鹿野郎…

 

 

 

 

 

 




どうだったでしょうか?
ある理由を元に考えを曲げない渋沢さん
心からの恩返しを上手く伝えられないハル
渋沢さんの成し遂げたい事とは?
その気持ちをハルはどう受け止めるのか
次回にご期待ください!
小傘も頑張りますよ!
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