佐久間大学?え、学校ですか?   作:佐久間大学

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ジャックちゃんや玲霞さんは出ません








大戦へ 完結
召喚


 魔術師、相良彪馬は二流である。

 日本の呪術と西洋の魔術がごっちゃとなり、代償(生贄)を利用する魔術系統であり、人柱などで等価交換の様に建造物などの安全を確立するという、一般人からすれば外道の権化のような魔術刻印を受け継ぐものであった。

 だが、魔術師としては諜報、潜伏、暗示等の地味な物ばかりで、他の魔術師からは“ネズミ”呼ばわりを受ける等、軽い扱いを受け続けてきた。

 それが彼には耐えられない。

 魔術師という人種は、基本的に自己中心的で、己の目的を果たす為ならば手段を選ばず、如何なる犠牲も平気で強いる様な者なのだ。

 そんな人種が、軽い扱いを受ける。それだけでも酷いストレスとなり、同時にストレスは人間性を歪めることにしかならない。

 

 だが、彪馬はチャンスを得た。それこそ、手の甲に宿った三画の令呪。

 聖杯戦争への参加権にして、サーヴァントを従える為の命令権を有した無色の膨大な魔力の塊。

 今回行われる聖杯大戦(・・・・)においては、彼は“黒”の側としてサーヴァントを呼ぶ手筈となっていた。

 クラスはアサシン。魔術師であるマスターの天敵であり、気配遮断を使いこなせばマスターを全滅させることも出来る。

 だが、問題もある。

 冬木から奪われた聖杯の術式がバラまかれた結果、世界各地で小規模な聖杯戦争が起きていたのだが、その結果アサシンのクラスに呼ばれるハサン・サッバーハの全員が呼ばれてしまい、その対策が確立されてしまったのだ。

 誰が呼ばれようとも、対策されてしまえばアサシンは力を発揮することなく脱落してしまう。

 そこで、彪真は新たなサーヴァントに目を付けた。

 霧のロンドンを恐怖の底へと突き落とした殺人鬼、ジャック・ザ・リッパー。

 神秘こそ薄いが、その知名度は世界的だ。知名度補正というものが存在するサーヴァントにとって、それはアドバンテージにもなりディスアドバンテージにもなる。

 とにかく、彼はそんな存在を呼び出すべく、召喚のための触媒と状況を作り上げ――――――――しかし、その手をハタと止めた。

 それは、単純な疑問。というよりも、長年の諜報関連に携わってきた故に育まれた直感とでも言うべき第六感による警鐘。

 即ち、殺人鬼を自分の手駒で飼いならせるのかという点。

 魔術師としてのプライドはあるが、彼自身はクソ雑魚ナメクジの戦闘力しか持ち合わせていない。少なくとも一般人でも格闘技を修めている相手には負けかねない。

 そんな思考に至った。至ったが、かといって令呪が発現してしまった手前、逃げだすことも不可能。

 更に、触媒を集めて後は、ロンドンで呼べれば良かったのだが、そこは敵のお膝元だ。呼んだ直後に即脱落など笑い話にもならない。

 そして、有る手段に出る。

 

――――日本人鯖呼べばいいじゃない、と。

 

 日本の忍者は、当然アサシン枠だ。大戦の行われるルーマニアでは、知名度など微々たるものだが、仕事が熟せるならば問題無く。何より、外国人である他マスターが知らなければアドバンテージにもなる。

 それだけではない。日本人のサーヴァントは勝利に手段を選ばない場合も多い。

 真剣勝負を望むが、その勝敗の付け方には拘らない。勝てば官軍負ければ賊軍とはよく言ったものである。

 とにかく、日本人サーヴァントを呼ぶ。そう決意した彪馬の行動は早かった。

 文献をひっくり返し、アサシンの適性があり、尚且つ顎で使える様なそんな相手を探した。

 そして、見つける。

 

 場所は愛知県名古屋市。名塚砦跡。

 生贄の血液と、触媒となる無銘の刀を金と銀の溶液によって描かれた魔法陣に備えて令呪を向ける。

 

「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公

 祖には我が大師■■■■■■■

 手向ける色は“黒”

 降り立つ風には壁を。四方の門を閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ

 閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)

 繰り返すつどに五度

 ただ、満たされる刻を破却する

 ――――――――告げる

 汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に

 聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ

 誓いをここに

 我は常世総ての善と成る者

 我は常世総ての悪を敷く者

 汝は三大の言霊を纏う七天、

 抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ――――――――!」

 

 猛る魔力が魔法陣の中心に渦を巻き、形を成す。

 現れるのは、壮年の若い男。

 黒髪を後頭部で纏めた、黒の紋付袴姿であり、その顔には真面目を形にして張り付けた様な無表情が形を成していた。

 

「サーヴァント、アサシン。召喚に応じ、参上いたしました。何なりと御命じくださいませ」

 

 彪馬の前で膝をついた男、アサシンは深々と頭を下げた。

 

「お前は、佐久間盛重なんだろ?」

「然様にございまする、マスター殿」

「なら、直ぐにでも日本を発つぞ。霊体化してついてこい」

「御意」

 

 空間へと溶けるように消えたアサシンを見送り、彪馬は証拠の隠滅を行っていく。

 狙いのサーヴァントは引けた。実力のほどはハッキリとしないが、少なくとも自身に牙を剥くタイプには見えない。

 であるならば、今は早急に日本を出て、ルーマニアへと向かわねばならない。元々彼は戦闘向きの魔術師ではないのだ。正面から時計塔の刺客に抗えるとは到底考えていなかった。

 幸いにも、移動にはユグドミレニアの息がかかった者たちが間に入る為、危険はそこまでない。

 兎にも角にも、こうして“黒”のアサシン主従の聖杯大戦は幕を開ける。

 彼らの先に待つのは、勝利か敗北か。

 それは神のみぞ知る。
















書いて思うコレジャナイ感。
しかし、文才の無い私にはこれが限界です
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