佐久間大学?え、学校ですか?   作:佐久間大学

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劇毒

 激化していく最終戦。

 

(ここまで勝ち目の見えない戦いは、久しぶりにございまするな)

 

 “赤”のアーチャーをどうにか退けて、負傷していた左腕も動かす分には支障をあまり感じなくなった頃、“黒”のアサシンはその頬に一筋の冷や汗を伝わせていた。

 空中庭園、王の間。

 この部屋へと入り込んだ“黒”のアサシンを待ち受けていたのは、これまた同じクラスである“赤”のアサシン。

 くしくも、両陣営のアサシンクラスのサーヴァントが顔合わせを果たした形となった。

 

「待っていたぞ、“黒”のアサシン」

「…………待っていた、という事は小生をこの部屋に誘い込んだのは貴殿という事になりまするが」

「その通りだ。貴様は我の手、直々に葬ってやろうと思ってな」

「それはまた、何とも」

 

 右手に握る刀。左手は添えるだけ。

 

「―――――高くみられたものにございまする、な!」

 

 戦闘開始の合図は存在しない。

 その場から消えるような踏み込みを以って駆けるは“黒”のアサシン。ステータス通りの敏捷は、最早影を捉える事すらも難しい様な速度へと至っている。

 だが、この場は全て“赤”のアサシンによるフィールドでしかない。

 

「いいや。貴様への評価は妥当だろう?潰しておかねば、あやつの目的に差し支えるのでな」

 

 玉座に腰かけたまま、ほんの少しだけ払うように動かされた左腕。

 たったそれだけで十数にも及ぶ魔法陣が現れ、幾筋もの光線が対象へと射出されていく。

 迫る光線を前にして“黒”のアサシンが選択したのは、前進。だがそれは、真っ直ぐに突き進むのではなく右へ左への回避を織り交ぜてのものだ。

 彼がもしもセイバーのクラスであったならば、多少の対魔力スキルを有していた。だが今は、それが無い。彼の宝具は人外に対しての特攻こそあれども、それがイコール魔術に対する対抗手段ではないのだから。

 

「くっ…………」(近づけませぬな…………!)

 

 右へ左へ、上へ下へ。文字通り縦横無尽に駆け回りながら、どうにか接近を果たそうとする“黒”のアサシンだが、その旗色は宜しくない。寧ろ悪い。

 彼には記憶は無いが、いつぞやの夜の様にその相性は最悪と言う外ないものだった。

 どれだけ駆け回ろうとも、一定距離に近づく前に魔術による縦断爆撃を受けて迂回するほかない。その過程で、玉座の背後へと回って斬りかかろうとしたが、それすら女帝にとっては掌の上の事。容易く握りつぶすことが出来た。

 

「少し、趣向を変えよう」

 

 呟く“赤”のアサシン。瞬間、彼女の前に一際大きな魔方陣が浮かび上がりそこから無数の鎖が射出された。

 先端が鏃のようにとがり、純黒に染まったソレは、放たれていた光線にも勝るとも劣らない速度で“黒”のアサシンへと襲い掛かってくる。

 

「ッ…………!」

 

 左右のステップで体ごと躱し、それでも躱しきれないものは刀で撃ち落とす。

 光線以上に、この鎖は厄介だった。何せ、射線が残り続けるのだから。自然、彼の進む道は遮られ下がる事になってしまう。

 更にここで足を引っ張るのが、先の戦いで負傷した左腕。

 見た目こそ万全だが、その内側は未だにボロボロ。握力がほとんど機能しておらず、実質右手一本でこの状況を捌かなければならないのだ。

 そして、“赤”のアサシンはそんな僅かな揺らぎを見逃すような甘さを持ち合わせてはいない。

 光線が幾筋も“黒”のアサシンの右側より迫り、その対処に彼が追われたところで左側より複数の鎖が襲い掛かってくる。

 それでも躱した“黒”のアサシンだったが、空中に跳躍せざるを得なかった現状では逃げ切れるはずもなかった。

 軋む鎖が彼の右足へと絡みつき、その棘を食い込ませてくる。

 

「そら、舞わせてやろう」

 

 “黒”のアサシンの左足へと巻き付いた鎖が勢いよく引かれ、その体は勢いよく空中を滑っていく。

 そのまま、体が引き延ばされるような遠心力を乗せて黒衣の侍は壁へと叩きつけられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 “赤”のセイバーとそのマスターである獅子劫は、“黒”の陣営が庭園に乗り込んだ直後に小型戦闘機を用いて乗り込んでいた。

 獅子劫の目的は聖杯だが、セイバーの目的はこの先に居るであろう“赤”のアサシンを討つこと。

 果たして、二人が大きな扉の数メートル前に到達したとき、それは起きた。

 

「…………!マスター!」

 

 直感に優れたセイバーは、咄嗟に鎧を纏い獅子劫の前へと躍り出る。直後、盛大な破壊音を上げて瓦礫と粉塵が二人の前に広がった。

 

「ごほっ、げほっ!おいおい、こいつはどういう事だ?戦ってる事は分かってたが、随分と派手じゃねぇか」

 

 口元をジャケットの袖で覆った獅子劫は、そう茶化すがその瞳は鋭く細められている。

 魔力の高ぶりから既に“赤”のアサシンが戦闘を行っている事は察知していた。その上で乗りこむつもりだったのだが、どうやら想定よりもどちらかの旗色が悪いと察したからだ。

 獅子劫が思考を回す中、不意に金属が千切れる音が響き何か引きずるような音が粉塵の中より聞こえた。

 

「―――――…………げほっ…………はぁ」

 

 粉塵が晴れ、そこに立つのは一人の侍。

 この聖杯大戦で二度も苦渋を味わわせられた相手。

 

「黒のアサシン…………」

「む?これはこれは、赤のセイバー並びにそのマスター殿」

 

 体にかかった粉塵の残りを払って文字通り叩き出された部屋へと戻ろうとする“黒”のアサシンは、セイバーたちを一瞥するにとどまっていた。

 彼には時間がない。それは気が急いているとかそんな事ではなく、文字通り時間がない。

 思った通り、いや、思った以上に“黒”と“赤”両陣営のアサシンは相性の有利不利が明確に表れていたのだ。因みに前者が不利で、後者が有利。ぶっちゃけ、何その無理ゲーとプロゲーマーがコントローラーぶん投げてゲームのディスクをぶっ壊すレベルの無理ゲーだ。

 それでも、彼は挑む。勝ち目を度外視した戦闘など、慣れたものなのだから。

 だが、そんな彼の足をセイバーは引き留めた。

 

「待てよ、アサシン」

「何用にございましょう、セイバー殿」

「てめぇ……!あのカメムシ女はオレの獲物だ!」

 

 吠えるセイバーの怒声を受けて、そこで初めてアサシンは振り返った。

 その瞳は凪いでいる。

 

「それは、聞き捨てなりませぬな。貴殿、横槍を入れるおつもりか?」

「ハッ!横槍だと?あの女を斬るのは、オレだ!てめぇこそ、引っ込んでやがれ!」

 

 そう言って吐き捨てたセイバーは、アサシンの横をズカズカと踏み進み部屋の中へと向かって行ってしまう。

 

「…………」

「まあ、何だ。悪いな、セイバーは話聞かねぇ奴で」

「……いえ、小生の知り合いにも話の通じない方は少なくありませんでしたので」

 

 生前の話だが、彼の周りにはナチュラルボーンバーサーカーが数人居た。話を聞かない者も少なくなかったし、その手の輩を言葉で説得するのは無駄であることもよく知っている。

 苦労人な雰囲気を感じ取った獅子劫。苦笑いして、己のサーヴァントに続こうとしてその前に引き留められる。

 

「貴殿、少々お待ちくださいませ」

「ん?どうした、アサシン」

「あの部屋には貴殿は入らぬ方がよろしいかと」

「…………どういうことだ」

「毒にございまする」

 

 怪訝そうに眉根を寄せた獅子劫に対して、アサシンは袴の左の裾を持ち上げてみせる。

 その下、彼の左の足は黒く変色している部分があった。

 

「どうやら“赤”のアサシンは、毒の扱いに長けている様子。サーヴァントである小生ですら、骨身が溶かされそうな激痛がありまする。人間の貴殿が入れば、まず間違いなく命を落とすすこととなりましょう」

「…………だからって、見てるわけにはいかねぇだろ」

「であるならば、コレを」

 

 獅子劫の反応を予想していたのか、流れるようにしてアサシンは己の纏っていた羽織を彼へと差し出した。

 

「内側を利用し、口当てとしなるべく吸い込まぬようにお願いいたします」

「お、おお…………」

 

 宝具でなかろうとも、サーヴァントの持ち物は神秘の塊だ。魔術使いである、獅子劫にとってもその羽織はレアものに他ならない。

 ただ同時に、戦場暮らしの彼としては腑に落ちないこともあるわけで。

 

「なあ、アサシン。今は、不戦協定があるとはいえ、元は敵同士だろう?なぜここまでする」

 

 どこか見定めるような光を視線に乗せて、獅子劫は問う。

 恩義で鈍るような軟なメンタルはしていないが、それでも知っておくべきこと。

 対してアサシンはというと、

 

「小生らは所詮、死人。聖杯戦争が終わるまでの影法師にすぎませぬ」

 

 痛む体を無理矢理動かして、部屋へと足を向ける。

 

「生者を生き残らせるのは、当然にございまする。“今”を生きているものこそが“先”を作れるのですから」

「…………」

「それでは。小生は行きます故」

 

 それだけ言い残して、今まさに破砕音が響き始めた部屋へと向かうアサシン。

 その背を見送り、獅子劫は渡された羽織を強く握っているのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 “赤”のセイバー、“黒”のアサシン。この二騎は決して弱くは無い、むしろ通常の聖杯戦争ならば優勝さえ狙える程度には優れたサーヴァントだ。

 そして、そんな二騎をもってしても知名度補正最大の“赤”のアサシンは攻めあぐねる相手であった。

 

「しばし、羽虫の気分を味わってみてはどうだ?」

「なっ………ぐあっ!?」

 

 光線を躱しながら突き進んでいたセイバーだったが、その直後に入れ替わるようにして襲ってくる鎖が甲冑の上からその体を縛り上げる。そのまま、振り回され部屋の壁を引きずり回され、天井に溜まった水の中へと叩きつけられてしまった。

 その隙とも言えぬ瞬間を責めるのが、“黒”のアサシン。

 最短最速で“赤”のアサシンが腰掛ける玉座へと迫り、

 

「ッ……!」

「そう易々と、踏み込ませはせぬよ」

 

 横合いから襲い掛かってきた蛇により、迎撃を余儀なくされてしまう。

 人外殺しという効果を持つ刀により、斬り殺すことは容易い。だが、蛇は巨躯だ。突っ込まれれば自然と視界が塞がり、斬り飛ばせば広がった黒いヘドロの様な血しぶきが更に視界を埋めてくる。

 そこに迫るのは、血飛沫ごと薙ぎ払うように振るわれた鎖。

 咄嗟に防御した“黒”のアサシンだったが、その体は勢いよく後方へと弾き飛ばされ壁へと叩きつけられてしまう。

 二対一なのだから、セイバーたちの方が有利に見えるかもしれない。だが、彼らは二騎で手と手を取り合って戦っているわけではないのだ。

 

「ごほっ…………チッ、埒が明かねぇ…………」

「…………」

 

 それぞれが、“赤”のアサシンを挟むようにして立つ二騎。

 赤雷を滾らせるセイバーは、魔力を更に獅子劫より要求。

 

「一か、八かだ!」

 

 兜が解除され、彼女の持つ宝具のギミックが解放される。

 放出するのは血のように赤い雷の膨大な魔力。

 

「―――――【我が麗しき(クラレント・)…………父への反逆(ブラッドアーサー)】!!!!」

 

 宝具の解放。放たれる一撃は、容易く“赤”のアサシンを埋めて余りあるほどのものだった。

 しかし、

 

「―――――『水の王』」

 

 魚鱗を模した障壁が、女帝を包み赤雷を届かせない。

 宝具を防がれ目を見開くセイバー。だが、これはある種のチャンス。

 何せ、今の“赤”のアサシンは視界が埋まっている。涼しい顔をしているが対軍宝具を止めているのだから、相応の負荷がかかる事は不思議ではないのだ。

 その隙を“黒”のアサシンが突く――――――――――常ならば。

 

「ごっ…………ぐぅっ……………………!」

 

 彼は膝をついていた。その口からは黒い泡のようなものが溢れ始めており、支えにしている刀を握る手は震えて止まらない。

 

「刻限か」

 

 宝具を防いでいた“赤”のアサシンが呟いた直後、状況は一変する。

 

「何が………ッ、ごぶっ!?ぁああああああああああ!?」

 

 宝具を防ぎ切られたところで動揺した直後、セイバーは絶叫を上げた。

 左目が赤く染まっていき、血管の様な筋がいくつも浮かび“黒”のアサシンと同じくその口から黒い泡のようなものを溢れさせる。

 二騎共に、同じ症状だ。“黒”のアサシンの方が発症が早かったのは、彼の方が先に交戦を開始していたため。

 のたうち回るセイバーと、完全に息も絶え絶えで今すぐにでも消滅しかねない“黒”のアサシンを見下ろし、女帝はその口元に笑みを浮かべた。

 

「我が宝具【驕慢王の美酒(シクラ・ウシュム)】は、我の周囲の環境全てを毒物へと転化する。水の一滴に至るまで、全てが毒。今回は“黒”のアーチャーの為に用意したヒュドラの毒だ。骨の髄まで、溶けるがいい」

 

 最早勝敗は決した。少なくとも、第三者の目から見てもそれは明らかだろう。

 何せ、大賢者すらもその苦しみから逃れるために己の不死を返上し死を選び、かの大英雄は鏃にこの毒を塗り多くの偉業をなしてきた。

 生半可な対毒のスキルを持っていたとしても気休めにしかならないような超猛毒。

 如何なる英霊でも、最早立ってはいられない。

 淀んだ血だまりに沈むのみだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――人間五十年、化天のうちに比ぶれば、夢幻の如くなり」

「敦盛にございまするか。お好きですな」

「くくく、まあ、な…………そなたはどうじゃ?」

「小生にございまするか?…………いやはや、何とも。何分、小生は刀を振るうしか能の無い男。芸の世界は、評価のしようがありませぬな」

「なんじゃ、つまらん。そこは嘘でもおべっかを使うところではないか?相も変わらずのクソ真面目じゃの、お前は」

「我らが軍には破天荒が多く居りますので」

「うわっはっはっは!言うではないか!……………………わしがこの唄を好いておるのは、偏に人間という存在の儚さを伝えるからじゃ」

「儚さ、にございますか」

「人の世は、天上の世界と比べ儚く短い瞬きの間の様な時間。じゃからこそ、わしらは“今”を生きておるんじゃ」

「………今を」

「儚いからこそ、わしらはこの時間を大切にせねばならん」

「はっ…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――…………ッ!」

 

 月夜の晩、主との語らい。その時の事を夢に見ていた“黒”のアサシンは、意識を取り戻していた。

 前身は鉛のように重く、それでいて筋の一つでも動かすだけでも激痛が走る。

 だがそれでも、

 

「……何だと?」

 

 “赤”のアサシンは、目を見開いた。

 彼女が見たのは、うつぶせに倒れ沈黙していたであろう“黒”のアサシンが今まさに立ち上がる姿だった。

 その体は、ヒュドラの毒に侵され今すぐにでも座に還ってしまいそうなほどにボロボロ。目も潰れてしまったのか真っ赤に充血しており、血涙が頬を濡らしその頬には幾筋もの引き攣れが起きている。

 それでも、彼は確かに立ち上がった。右手には、刀を携えて。

 

「永遠の世界……人の死なない世界…………それは、素晴らしいことなのかどうなのか小生には、分かりませぬ…………」

 

 笛の様な音を響かせながら、“黒”のアサシンは右足を引き構えるのは霞の構え。

 

「それでも、既に死した小生たちが手を出すのは別にございましょう?」

 

 血を吐きながら、“黒”のアサシンは笑う。

 主の心理はどうあれ、彼はその時の彼女の顔を覚えている。

 月明かりに照らされた、それはとても綺麗な横顔で、それでいて憂いを含んだ色合いを差したそんな顔。

 死があるからこそ、必死に今を生きる。儚いからこそ、何かを残さんと今を生きる。永遠となった世界では、そんな瞬間を見ることなど出来ないだろう。

 だからこそ、“黒”のアサシンは立ち上がった。

 その反対側では、同じくセイバーも立ち上がっている。

 

『おい、アサシン聞こえてるか』

「セイバーの、マスター殿?……何用にございましょう」

『これから、こっちは賭けに出る。扉が塞がっちまって令呪が意味為さなかったんでな。そこでだ、お前にも手伝ってほしいんだが―――――』

「承知いたしました」

 

 パスが繋がり、送られた念話に対して“黒”のアサシンは一切の事情を聴くことなく頷いていた。

 面食らう獅子劫だったが、彼としてもこの場で問答をする時間がない事は理解している。それならば話が早いと計画を彼へと伝えた。

 

『頼めるか』

「問題ありませぬ」

 

 そこで念話が途切れ、セイバーが動く。

 動かない体に鞭を打って、赤雷を走らせ剣を振るう事で背後の壁を破壊する。そこから飛び込んでくるのは口元に黒い布を巻いた獅子劫だ。

 二連のソードオフショットガン片手に駆け、その銃口を“赤”のアサシンへと向ける。

 とはいえ、如何に彼が優れた魔術使いでも、もはや魔法の領域に片足突っ込んでいるような彼女を傷つけるには至らない。

 お返しの光線が迫り、

 

「フッ……!」

 

 何故動けるのか、そんな疑問を抱かせる“黒”のアサシンがそれらを一息に切り刻んでいた。

 彼は膝をつくセイバーと、彼女に駆け寄る獅子劫を守るようにして立ち回っていたのだ。

 果たしてそれは、実を結ぶ。

 こと守る事に優れた“黒”のアサシンの防御は、数分で抜けるほど容易くない。その結果、彼の背後で守られていた彼女は立ち上がっていた。

 

「変われ、アサシン!」

「ッ…………!」

 

 セイバーの声に、光線と数本の鎖を断ち切ったアサシンは、膝をついてその場に崩れ落ちる。

 その上を、彼女は抜けて行った。

 甲冑を脱ぎ捨て、赤雷を纏い迷いの晴れた彼女は最早魔術では止まらない。

 呼び出された怪物を突き抜けて、

 

「…………見事」

 

 ぽつりと呟いた“黒”のアサシンの眼前では、今まさに“赤”アサシンへと一太刀入れたセイバーの姿が映っていた。

 左肩から切り込まれた一撃は、間違いなく致命傷だろう。

 だが、彼女はまだ終わっていない。逃げる直前、女帝の右腕が前に突き出されていた。

 

「貴様だけでも…………!」

「くっ…………!」

「アサシ―――――」

 

 咄嗟に、“黒”のアサシンは獅子劫を庇った。

 衝撃と、爆発が王の間を彩る。

 

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