さて、一応だが、言っておこう
「どうしてこうなった」
「…貴方が言いますか」
俺と依姫は巨大なドームで向き合っていた
のだが
「レギュレーションを説明するゼェ!
オマイらは実力テストにおいて
試験中止という結果となった!
ゆえにぃ!再試験ダァっ!
フィールドはドーム全体!
殺しあり、銃、剣含むあらゆる武器無制限、全能力使用可の
終了条件は降伏か意識喪失
あるいは戦闘不能と認識できる状態になった時!
お前の今回のお相手はぁっ!
実力テスト!最上位の部!
クラス
「よろしくお願いします」
「あっ、よろしくお願いします」
様になった動きでスッと頭を下げて
礼の姿勢になる依姫、それに慌てて頭を下げる俺
「おいテメェら何してんだオラッ!実戦にカウントなんてねぇぞ!」
怒鳴りつけるようなアナウンスが聞こえた瞬間
ひんやりとした刃物が首に当たる
「失礼します」
「無理だ!」
首に当てられた刀が引き切られるより前に左に飛び、
「来い!スカルマグナム!」
スカルマグナムを召喚
スカルマグナムをマキシマムモードで使用して、
『dash』
メモリを装填、加速の恩恵で走り
同時にミラーシールドを召喚
『beast』野獣のメモリを装填して、同時に加速
「甘いっ!」
依姫は刀を大きく払い
俺の体を横薙ぎに切り裂きに来る
その軌道は殺意に満ちた一撃であり
それを見た瞬間、俺は覚悟を決めた
「いくぞ………」
『penetrate』
スカルマグナムに装填したペネトレイトメモリでマキシマムドライブ、同時にミラーシールドのビーストメモリでマキシマムドライブ
ツインマキシマム…
「ビーストオーラペネトレイター!」
シールドバッシュ
ゴールドは危険ゆえに使っていなかったが、殺されかけた相手だ、殺してやってもかまうまい
スカルマグナムマキシマムモードから
金色の弾丸が放たれ
それがシールドに直撃すると同時に
「「「「ウォーゥン!」」」」
四体の透き通った狼のオーラが出現
そこら中を駆け巡り、依姫に飛びかかった
『scull』
スカルにスカルを装填、
「
マキシマムモードで発射
同時に、依姫の防御を掻い潜って噛み付いた狼たちが、依姫の四肢を封じ
弾丸が依姫に直撃した
「game set!!
あっ、違った試験終了!」
試験の終了コールが入ったのと同時に
狼のオーラが消滅した
「ふぅ…………ガハッ…チッ」
吐血だと、スカルの痛覚鈍化が切れたら絶叫不可避か…永琳に頼むか
「よし!もう帰って良いぞ!」
…………放り出された
「………………………」
「オラ帰れ早くオラッ!」
「ちょっと怒鳴るのらやめてくださいよ怒鳴るのは」
「うるせえ早く帰れってんだよ!
この第三大隊長のお言葉がきけねえってのか!」
「アッハイ帰ります」
誰だよそれ、
俺しらねぇんだが
ちなみに、そのあと永琳に聞いたところ
軍内のトップ10くらいに入ってるんじゃないか?という答えが返ってきて超焦った
「それにしても、あの性格で偉いのかぁ」
ちょっと心配だなぁ
大丈夫か?
まぁ、大丈夫じゃないんだろうけど
「さぁて、寝るか」
俺はもう疲れた、内服薬も飲んだし
スカルメモリ解除はした、もちろん激痛も耐えた、なら少しくらいご褒美が欲しいところだが
「あげません、怪我して帰ってきて!どれだけ心配したと思ってるんですか!」
現在形でハヤテに抱きつかれているからいいか
「もう離しません!ずっとです!」
駄々をこね始めたウサギに、永琳が喝を入れた
「家事はどうするの?」
「…………そこまで考えてませんでした」
「はぁ、これだからこの子は…」
残念だがそれは俺も同じ意見だ
さて、ハヤテを振り切って立ち上がり、ちょっと傷を直した後にはやることがある、と催促
そう、食事だ
ハヤテの飯はうまい、正直俺が食ったことのある最高位の飯よりもよほどうまい
ここだけはこいつをべた褒めできる
…いや、容姿も十分優れているが
「…あっ、ありがとうございます」
「そういえば感情が読めんだったか?」「はいっ♪」
嬉しそうだな、、
「いちゃついてるところ悪いけど
そのメモリと武器はメンテよ、少し貸しなさい」
「……はい」
なんと、俺の適合率が上がっていると言われて驚いた
なぜ適合率が変化するのかも知らないが
とりあえず適合率が上がると
メモリの力を強く引き出せるのはわかるが、どうも武器がそれに追いついていないらしい
このままではいずれ壊れるとの事なので、武器のアップグレードと別の武器の作製を行うとの事だ
「ちゃちゃっとメンテしちゃうから
貴方はその間にご飯でも食べてなさい」
「了解した、早めに飯にしよう」
「かしこまりました!お任せ下さい!」
単なる栄養食なはずなのに
レバニラ炒め(に似た味の何か)とか
ステーキ(に似た味の何か)とか
割と好物が出てきた
ちなみに、この世界では生物の生、死を穢れと捉えるらしい、一切の生食をしない
まぁ腹壊す可能性もあるし
養殖とかもしてないんだろう
つまり、完全に合成品の食事らしいが
これを上手いこと改造した代物が目の前のコース料理じみたもの、な訳だ
あぁ、旨い……
「うふふぅ♪喜んでくれて何よりです!」
かわええなぁ、
それはそれとして飯旨え
「ご馳走さまでした!」
「お粗末様でした、」
飯も食ったし、相変わらず元の世界に戻れないし、あの駄神に繋がるスマホも沈黙している
充電のアテがない以上
あれは迂闊には使えないのだが
「はーい!出来たわよっ!」
永琳が丁度いいタイミングでメモリとスカルマグナム、ミラーシールドを持ってきてくれた
「ありがとう!」
「いいえ、メモリの方は相変わらずだけど、スカルマグナムは28%ほどの威力向上、24%の射程向上が出来たわ、
シールドはエネルギーフィールド展開効率が5%、展開サイズが12%向上、他のメモリ使用時の防御率も向上したわ!」
まくし立てられて耳がいたい…
その日の夜は、ずっと試験とドーパント化せずにマキシマムドライブを行使する訓練で過ごした
翌朝
「まぁたここだよ、まったく」
「うるせえってんだよ!今解説してやっから待ってろ!
ええっと〜、お前の入試順位は15位!実力区分は
Aと書かれたタグが試験官のおっさん
えっと、第三大隊長だったか?
から渡された
「エリートクラスのAはその分自由がきくが訓練は厳しい!気を付けろよ!」
「…はい」
そのまま兵学校の1- A教室に転移させられた
「のうわっ!」
転びかけるが、慌てて耐える
「…今日は朝の……あら?」
そこにいたのは、担任の先生?かな?
緑色の髪をボブカットに揃えた
メガネの美少女だった
「生物学科の、
「アッハイ」
「席は左奥の、一番後ろです
よろしくです」
「ありがとうございます」
取り敢えず示された席に移動した
俺にさっそく一つ前の席の奴が絡んできた
「よう!俺は
「あぁ、仲良く、な」
坊主頭、といっても剃っているわけではなく、ベリーショートの野郎だった、筋骨隆々、というには少し頼りないが、十分な筋力もありそうだ
【キーンコーンカーンコーン】
っと!鐘の音?
「おっと予鈴だ、次の授業はたしか…」
カバンを漁り始めた馨
そこへ
「結界術ですよ」
涼やかな声が聞こえた
「私もこのクラスですので、皆さんどうぞよろしく」
そこにいたのは…依姫
「お前死んだんじゃ」「バカですか?あの程度では死にません、首が飛んだ心臓が爆ぜた程度で一々死んでいては人類など発展していない」
いやそれはおかしい
というツッコミが全員から入った
結界術の担当、碓氷先生が教えてくれた正解は
心臓を貫いた銃弾の開けた穴が小さかったこと、
事前に狼が噛み破った四肢からの出血で血圧が低下していたこと、
訓練所に展開されていた無菌フィールド
などの要因が重なった結果、そうそうに心臓が炸裂せず、なんとか回復が間に合ったらしい
「悪運というかなんというか…」
「生存していればそれで勝ちです」
「確かにな」
俺の隣の席となった依姫と掛け合いしながら時間を過ごして、配布された教科書をパラ見する
落丁、乱丁はない
印刷技術あったのかこの世界は
「さぁ、皆さん、本誌五ページを開いてください」
授業が始まった