幻想の記憶使い   作:魚介(改)貧弱卿

13 / 17
13話

「陣形は確認した、よぉし!訓練生にしては良く出来ている!だがまだまだ甘い!」

 

隊長の叫び声とともに

全力の(メモリを使わない)

防御が弾かれ

 

「喝!」

 

拳が俺に迫る

 

それをあえて受けて、

 

「もらったぁっ!」

 

馨が加速、空中から隊長を殴りに行き

 

「甘いっ!」

隊長は霊力を噴射する推進法で背中から高密度な霊力を放出、物理的衝撃を発生させて

拳を弾いた

 

「行くよ…」

 

霊力を空間に拡散させ、周囲一帯を支配する

これが吟薇の能力

『時と場所を弁える程度の能力』

 

詳細としては、自分の霊力が拡散している空間の存在や挙動を感知し、空間に拡散している霊力を操作する能力!

 

枝分岐帚木(ブランチネイル)!」

 

霊力を結晶化した針が枝分かれしながら張り出し、隊長へ襲いかかる

が、

 

「無駄だあっ!」

 

隊長の体に刺さることはなかった

鎧砥甲隊長の能力、

『研鑽する程度の能力』

 

固め、叩き、研ぎ澄ます力

と称される能力だ

 

自身の体表面を硬化させたのだろう

 

「いまっ!」

 

二年間で検証を経て実用化、

量産まで至ったサプレッサーを標準装備した

軽量低反動銃『黒揚羽』が引き金を弾かれ

 

美埜理の元から銃弾が飛び立つ

それは寸分たがわずに針と同じ場所を貫き

 

パリィン!

 

甲高い音と共に()()()砕いた

「良い狙いだ!だが甘い!

格闘タイプだから結界を使わないとでも思ったか!」

 

練度が違う、と笑いながら

一瞬で後続二人を戦闘不能に落とし

 

「ガジェットオン」

 

俺は全力を使うことを決定した

『stage』「スタッグフォン」

『spider』「スパイダーショック」

『bat』「バットショット」

三種のメモリガジェットがライブモードに入り

「来い、スカルマグナム、ミラーシールド」

 

銃と盾を装備、装填するメモリは

武器と同じ

 

『scull』『mirror』

「行くよ…撃ち砕く銃弾(スカルパニッシャー)+リフレクトリフレイン!」

 

「むぅぅん!」

 

体表を硬化した体調の、装甲を揺さぶる弾丸は

何度弾いても帰ってくる

それは終わりなき戦いの始まりを意味していた

 

「おおおおおおおっ!」

 

「マキシマムドライブ!!」

さらに出力を上げて攻撃し、

しかし、次第に軌道が読まれ始める

 

「そこだあっ!」

 

加速した隊長が包囲を抜け

 

「待ってました!」

振り抜かれた馨の鉄拳に背筋を打ち砕かれた

 

「グボァッ!…よぉし!二人ともいい気概だった!

訓練は終了!」

 

「「オス!」」

「後衛二人は咄嗟の対処を磨く必要があるな、それについては明日別メニューを用意しておく、軍に入る以上、体力が無い力が無いでは話にもならない!心しておけ!」

 

「「了解」」

 

「それとお前は…なぜ最初からアレ等を使わなかった?」

 

「メモリガジェットは俺の強さとは関係ないですし、それに、後衛がいるときにアレを使うと援護が通らなくなるので」

 

「なるほど、まぁお前なりの援護用武装、という事で考えておこう、それと!明日から体力トレーニングがあるから、心しておけよ」

 

「了解です」

 

そこまで話したあと、体調は声を張り上げ

「今日は哨戒も非番だ!故に解散!」

《了解!》

 

「と言われたはいいが…」

小隊員同士で顔を見合わせる

 

「帰る?」

「…だいぶ、というかかなり早いよねぇ」

「俺は早く帰って寝たいんだが」

「寝る子は育つ理論は流石に適用できる歳ではないと思います」

 

どうしようどうしよう

と議論を交わした結果

 

「チッ!早くコイツの訓練してぇんだが」

 

馨が取り出したスティック状のそれに目が集まる、というかそれRのガイアメモリだろオイ

 

『revive』

 

自動的にメモリが起動して

俺の首に刺さる

 

「のわっっ!」

「何何何なにっ?」

「はひゃあっ!」

 

「リバイブメモリの力…これは」

 

右半身に白い包帯、焼け焦げたような黒い左腕

鋼鉄のような装甲をもつ左足

 

「死者の蘇生、リバイブ、

なるほどな」

 

俺はドーパント化を解除して

メモリを取りだす

 

「回復、蘇生を司るメモリ

死の淵からの復活と強化、それがお前に適合したメモリだ」

 

はい、と馨にメモリを渡す

「お前になら、完全に性能を引き出すことができる筈だ」

 

とはいえ、メモリの毒素の影響も心配だし…今度純化してもらおう

 

「だから何なんだそれえっ!」

 

総ツッコミであった

「わかったわかった、説明しよう

ちょっと家に来い」

 

「ちゃんと説明しろよ?!」

「…へっ?」

「お、お家、に…お呼ばれ…」

 

後半なんか反応がしょっぱくないか?

 

「まぁ、いいや

お前らにはちゃんと、一部説明しよう」

「全部説明しろよっ!」

 

「…………ぜんぶぅ?…

ここ数年のなっがぁい話になるぜ?」

 

「長いのはこの際いいから早くしろ」

「コレは面白いネタになりそうですねぇ!」

「聞かせて、知りたいです、全部!」

 

みんな全部聞くらしい、めんどくせぇ

 

「…あく来い、時間たりねぇぞ」

 

「おうっ!」

「はいよっ!」

「えぇ、」

 

みんなで移動して、家に帰る

「…んで、謎の少女に突然キスされて、なんかビビってるとこの世界に来ていた、ここまでOK?」

 

「何だそれっ!突然すぎんだろ!」

「ファーストは…女神ねぇ?ちょぅと刺激的?」

「唇…で、、そんなぁ……」

 

なんで美埜理は残念そうなんだ?

「まぁ、いい

そこは超常現象という事で許してやる」

 

「そこから先は二年間、戦い続けて頑張った」

 

「依姫様に勝ったのか…」

「そりゃ当時の話、今は無理だろ」

メモリガジェット使ってもドーパントの力には及ばないし、流石に攻撃も通るさ

 

「んで、コレが今持ってるメモリな」

アンチマターを初めとするメモリたちを並べてみせると

「ん、何かの文字?が書いてあるっぽいけど」

 

「…お前らアルファベット読めないの?」

 

そうだった、この世界

ちょっとアレなんだった…

 

「アルファベット?」

「まずそこから始めようか」

 

突然英語の講義が始まった

といっても中学レベルのであり、

簡単な文法と英単語、接続詞程度である

 

受動態条件法や過去完了、進行の使い分けなどは俺もよくわかっていないため教えられていない

 

「丸一日で理解しちまうお前らってやっぱすげぇよなぁ」

 

「逆に俺らにとっては全く知らない言語を使えるお前の世界の方がすげえよ」

「そもそも言語っていうのが複数種存在してなかったからねぇ」

 

「…なんのために生まれたのでしょうね」

いやお前らも英語使ってたし

 

「そこについてはまぁわかっていない

多分方言みたいな環境依存の経過変化で○語系と×語系みたいに変化したんだろう」

 

まぁ、起源はともかく

コレでメモリの意味はとりあえずわかるよな

 

「俺の集めているメモリのうち一つ

『R』の『revive』メモリがそれだ」

 

「なるほどなぁ…って、俺が持ってていいのかよ!」

「いいんだよ、お前なら使える

お前になら信頼に値するさ」

 

「…いっよっしゃ!」

メモリを受け取った馨と他のメモリについて相談しながら

新たなメモリのための武器を作る方向で考え始める

 

リバイブメモリだからやっぱり爪か?

 

「そっと仲間はずれにされてますが!」

「私じゃ、ダメなの…」

 

二人の声をBGMに、ゆったりと議論が続くのだった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。