slushよりdashの方が早いと判断した俺は取り敢えず走りながら索敵して
「みっけた!」
少女が、狼のような姿の怪物に襲われているのを見て取った
「ウォォン!」
その怪物は
俺に蹴り飛ばされた
「返せ、それは俺のだ」「ぅゔヴォォオ!」
少女の前に立ち、怪物から庇うが
(どうせ彼女にとっては怪物が二体になったと言った程度だろう…ダッシュもトライセラトップスやアノマロカリスほどではないが外観は歪んだ怪物バケモノそのものなのだから)
「ヴォォ!」
(俺から先に排除と、なかなか頭が回るな
だが悪手だし、何より遅い、)
陸上最速のスピードを提供する
つまり、短距離ではリニアモーターの最高時速並みの速度を叩き出すのだ
「セァッ!」「ゥゥォオ!」
行動に割り込んで攻撃なんぞ
造作もないことだ、、だが
(相手が
相手も高速移動能力を持っている
その力を出すか否か、、)
「お前、ひとっ走りつき合えよ」
「ウオォオン!」
高速で移動し、相手の背後を取る
その瞬間、相手もまたそれに反応し得る速度で俺の方へ向き直る、
(やはり単なる狼でも、人狼でもない
こいつは
(俺には星の本棚のような技能は無いからな)
だからこういう方法で相手の能力を見取るしかないのだ、そして
「ウォアァ!」
牙を剥き出しにしたビーストドーパントが襲ってきた、が
「知能は低いのか?」
それはあまりにも直線的で
交わしやすい突撃だった、
(dashの速度には追いつけないからと最短距離で追いかけに来たのか?
少女から離れられたのは褒めてやるが)
「…まぁ良い、メモリは回収する!」
『dash、マキシマムドライブ!』
両足に灰色に濁った光が宿り、
「ソニックダッシュストライク!」
オリジナルの名前でマキシマムドライブを発動し、走る、通常よりはるかに速く加速して、ジャンプ
真横に向けてドロップキックをぶつける
「ヌウォォオン!」
相手もそれに反応したか、マキシマムドライブらしき光を爪に宿して大振りの二連撃を放つ
だが、、遅い
マキシマムドライブを始動した俺にはそんな物は遅すぎる!
鍔迫り合いにすらならずに
圧倒的な速度で、
伸ばされた足はビーストドーパントを貫いた
「ウォォオン!」
爆発とともにメモリが排出され、
「やはり、 beastメモリだったな」
自身もドーパント体を解除してメモリを拾う、ダッシュドーパントは関節構造が単純なため、指先などの細かい動きの調整はできないのだ
(ええッとこれで既存のメモリは
4本で、B.D.M.Sか)
「止まりなさい!」
「ん?」
振り向いた瞬間、首を矢が掠める
「次は当てるわ」
そこには、
先程襲われかけていた少女が弓を構えている姿があった
(無理しなくて良いのに…俺はroadメモリの副作用でもなきゃ人を食いはしないんだけど?)
「両手を挙げなさい!」
(ほう、それなりの考えを持っているようだ、弓矢なんて前時代的な武器を脅しに使えるレベルで習熟している時点で、ここがいわゆる現代的な世界ではないとはわかっていたが、ここでもその要求は一般的なのか)
「だが、、弓矢対策なら」俺は上げた手ではなく、足でさりげなく落としたメモリを起動する
『 beast!』
起動したメモリが浮遊し、
俺の首へ挿さる
直後に矢が飛んできたが、マスカレイドやパペティアのような下級メモリや非直接戦闘型メモリでもない限りは
カン!
まぁ、当然のごとく弾かれる
「……ウォォオン!」
わざとらしく大声を上げると、少女はわずかに怯んだ
(当然だろ、ついさっき自分を殺しかけた化け物の姿なんだから)
むしろ矢が弾かれても逃げようとしない辺り、精神力はかなりの物だ
「ウォォ!ン!」
足元で倒れているビーストの元変身者(恐らくメモリの登録外のユーザーだが)の怪物を蹴り飛ばし
走る、 beastは野獣だけあって
桁外れのスタミナと爪による攻撃力
そしてある程度の速度を与えるメモリ
その代わりに防御力は比較的低いメモリだが総合的に見て中級の上位だ
数百メートルほど走って視界から外れた時点でメモリを排出した
(メモリの生体コネクタがなくても使えるのは便利だな、、アレは無いと使えないんじゃなく毒の影響をモロに受ける部分故の緩衝具だから無しでも使えるのは分かるが)
たしかバードの使い回ししてた奴は毒の影響で付けた部分が焼けてたな
ガイアメモリをポケットに入れて
(あれ?デカくて上手く入らないか?)
メモリの上部が半分ほど出ている状態だ
(T2メモリは色が目立つからなぁ)
「待ちなさい!」
「おっと」
(弓矢が効かないだろうに、追いかけて来たのか?)
なんという精神力か、全く無意味であり
むしろ見逃されている側であるはずの彼女が俺を追いかけてくる理由などないのに
「貴方はなんなの?!」
「……答える必要はない」
流石にメモリがどうこうを説いても納得しないだろう
「答えなさい!」
「…………」
(もう矢が底をついているのは見て取れる、この状況で遠距離武器なしでは流石に対抗し得ないだろう)
と考えたのはフラグだったようで
「私が霊力を使えないとでも?」
キュイィンという音と共に、少女の手の内に光の矢が出現し
慌ててメモリを起動しようとする俺を嘲笑うかの様に
普通の矢とは比べ物にならないスピードで俺に突き刺さり、貫通した
「ぐぁあっ…、いってぇ…」
「都市の害悪…死ね!」
攻撃が通じて調子に乗ったのか
少女が更に矢を生成、射出してくる
その瞬間
「クソッ!」
わざと乱暴にジャンプして足音を立て、シャウトと共に足を地面に叩きつける
同時に激しい振動が傷口を刺激するが
狙った通り、ポケットからメモリが飛び出す
俺は空中でキャッチしたメモリを確認する暇もなく起動した
『mirror!』
「変身!」
それは鏡、反射のメモリ
高速で浮き上がって俺の首に挿さり
俺は銀の体に透明な装甲パーツを持ったドーパントへ変身した