幻想の記憶使い   作:魚介(改)貧弱卿

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5話

「で、家をもらったはいいものの……」

 

どうするか、正直寝たいが

 

だが、唯一の都市、と言われていた以上

より危険性の高まったメモリもある

 

バイラスだ、virusメモリはウイルスのメモリ、すなわち感染症を操るメモリ

 

人類唯一の都市、であるこの街が

バイラスの殺傷半径(キルレンジ)にすっぽり入っている以上、バイラスは早期に発見、回収しなくてはならないだろう、さらにユートピアやエターナル

危険なメモリは数多い、

 

動物系メモリはzooがあれば一網打尽であるが

T-rex、すなわちティラノのメモリなどの覚醒すると巨大化する能力持ちは現状撃破手段がないといえる

 

急がなくては……

 

みんな死ぬ可能性だってあるんだ

バイラスは原作では事故的に精神体ドーパントだったが、こちらでもそうなる、なんてのは期待できないからな

 

もしかしたらミュータミットみたいな怪物が変身して超強化モードみたいなことになるかもしれない、ありえないと思いたいが

 

「さて、人民として貴方が登録された位階は平民(ノルマーレ)よ、これ以外の位階は冠位(グランディオーソ) 文官(レガルデ)武官(ベルセーレ)工匠(マエストーソ)があるわ、それ以外だと犯罪者(エルクライム)とかの下位ね、あと、霊力使いは例外なく特殊位階の魂師(スピットーソ)を持ってるわ」

 

なんかかっこいなそれ

「貴方が文官になるか武官になるか

はたまた工匠になるか はちょっとわからないけどね」

(あっやっぱり冠位は特別なんですね」

「ええ、特別な位階なの、神の血を持つものでなくてはならないわ」

 

(黄金の血って奴か?

あれは輸血が誰にでもできるってだけなんだから違うか)

 

「貴方がどの道を選ぶか分からないけど、近々適性試験を行うわ、覚悟していてね」

 

「りょーかいだ、それより速く回収する」

 

「時折言ってるわね、それ」

「だから、メモリは元来俺のなんだよ」

 

「信じられないわ、個人認証くらい付けときなさいよね」

「付いてるんだけどなぁ…」

 

(T2は適合者と勝手に惹かれ合うから認証とか意味ないし……コネクタなくても使えちゃうから)

 

「ふぅ〜ん、良いわそう言うことにしてあげる、それじゃあ、また明日」

 

「おう、またな」

 

瓏朧亭、と書かれた屋敷に入る

(一応今日から俺が屋敷主なのでな)

 

タイムジャッカーとはなんの関係もない

「それなり以上には整えられてるなあ」

「このサイズのお屋敷ともなると流石に難しいです」

「そうだろうな」

 

「……え?違和感は?」

「別に」

 

最初からいるのはわかっていた

俺はさっさとわずかばかりの携行品を置いて、少女に問う

 

「君の耳は趣味なのか?」

「いえ!これはその、玉兎はみんなこうなので」

 

どうも耳の四つある種族なようだ

てっきり兎耳コスなのかと思っていたが

この世界にはそんな奇特なものまであるらしい

 

ミニスカメイド服も含めて

まったくもって趣味的だ

 

(某ナイトメアフレーム使いもバニーになってたなぁ…)

 

「俺はもう寝るけど、君はどうする?」

床に座り込みながら、彼女に話しかけてみる

 

「あれ?寝ちゃうんですか?」

「あぁ」

「そうですか、、わかりました

では子守唄でも」

「いらん」

 

(子守唄っておい、俺はもう歳だぜ)

 

「いりませんか……じゃあ屋敷の掃除と夕食の支度に」「なぜ最初からそっちを出さなかった」

 

「面白そうだったので!」

「ふざけてんなよ」

笑いを取りに来る必要なかっただろ

 

「まぁまぁ、ご主人様、おやすみなさいです」

 

「あっおう、おやすみ」

 

壁に背を預けて眠る、、和の屋敷でよかった

(木板のある部分で寝れば背中に壁の材質張り付いたりしないからな)

 

 

「ご主人様、起きてください」

「ん?、、もう時間かな?」

 

「はいっ!今19時です」

「そうか」

 

ウサミミメイドの少女に起こされた俺は

背をつけていた壁から離れて、立ち上がる

 

「さて、夕食はもう?」

「もちろんですよ、冷めないうちにどうぞ」

 

「そうか、ありがとう……そういえば君、名前は?」

 

俺が目をこすりながら聞いてみると

少女は驚愕の表情になる

 

「えっ?今更ですか?」

「いやそうだけどね」

 

どうもそれだけだったらしく、さらっと教えてくれた

 

「私は華沙院(かしょういん)ハヤテです、先日まではヤゴコロ様の元で働かせて頂いておりました、玉兎のペット兼メイドです」

 

「華沙院って明らかに良いとこのお名前なんだが」

「えっと、玉兎は仕える家で名前を授かるので、ヤゴコロ様に頂きましたから」

 

満更でもなさそうな表情で照れるハヤテ

(ちょっとかわいい)

 

「あの、、恥ずかしいです……」

(ん!!心を読んだとかじゃないよね?)

 

俺がそんなことを考えるのと同時に

答えられた

 

「私は感情を認識する程度の能力を持っているのです、今は、、その、ご主人様から、かわいいって感情が…」

 

「ずいぶん難儀な能力だな」

「疑念と、心配、優しい方ですね…」

 

(何故だ、何故優しいのか…)

「この能力を知ったお方は大体、私を怖がるんです、その恐怖と嫌悪が伝わってこないのは今までヤゴコロ様だけでしたから」

 

「そうか、、俺はお前を怖いとは思わない、生物には他者の感情を読み取る機能がついてるんだ、それが少し高性能で、鋭敏だったというだけの話だろう」

 

俺はそれだけ言って、ハヤテに夕食を要求する

具体的には空腹を感情にして発しまくった

 

(そもそも隠し事をしているとしても具体的な事はわからんだろうに、隠し方をしている事を漠然と察されることすら嫌なのかバカどもめ)

 

「クスッ、お腹すきましたか?

ごめんなさい、すぐにお出ししますね♪」

 

(嬉しそうだな、さて、俺も食堂の方に行くか)

腹が減ったのは事実だし

 

「なんか和洋折衷なデザインだなぁ」

「和洋…ですか?」

 

ハンバーグと付け合わせのマッシュポテト、人参のグラッセと何故か味噌汁、白米

 

「まぁいっか、いただきます」

 

(もしかしてこの世界には和とか中とか洋とかないのか?)

 

という俺の思考は形になる前に霧散した

理由は、

 

「メッチャうまい…」

この一言である

 

 

味?契約の引き継ぎとか考えていなかったが、リストラするのが惜しくなった、とは言っておこう




好きだろテメェら、バニーメイドだぞオラ
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