弦巻とカイとガールズバンドと・・・   作:シノロピ

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前回までのあらすじ
12月24日、駅のホームで
自殺しようとする少女を見つけ、
とっさに助ける。
その少女の名前は葉加瀬真冬である。
葉加瀬真冬を元気づけたカイは
自殺しようとした理由を聞く。
そして、ついに母が弦巻家へ来て
一緒に帰らないか
というむねを真冬に伝える。


ヒビの入ったクリスタル

「私をよく理解してくれるのは・・・

私の味方はカイだけなの!」

「そう・・・」

 

葉加瀬の母は面食らったような顔をして、

小声でカイに聞こえるだけの声で

 

「ありがとね。」

 

と言っていた。

自分的には葉加瀬は母親と帰って欲しい

ものなのだが・・・

なんせ、俺も弦巻家に長居することは

あまり好ましくないのだから。

葉加瀬単体で弦巻家にいるなら

いいんだが・・・

さっきも葉加瀬が言った通り、

多分俺がいなきゃ()()()()()()()()()()

からな。

かと言って、自分の家に・・・などというのも

それはそれで問題なんだが。

 

「なぁ、ちょっと外に出てみない?」

 

この重い空気を入れ替える必要があると

感じた俺はそう提案していた。

しかし、この提案をしたことが

この後、とても後悔することになるとは

この時のカイは思ってもみなかったのであった。

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こころ視点

はぐみの家でクリスマスパーティーを満喫した

あたしは家に帰ろうとしてたわ。

途中で美咲の心配をしながら、

やっと家についた。

 

「ただいま~」

 

そう言って、玄関の奥を見ると・・・

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

この時、胸がチクリと痛くなったわ。

どうしてかしら?

そして、この気持ちは一体なんなのかしら?

前に1度経験したことあるような・・・

なぜか胸が痛いのよ。

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こころがいた。

そして、なぜかヤバいと感じた。

逃げろ、いや、弁解しろと

心が言っている。

少し余談だが、

俺は人間の中に自分だけのクリスタルが

あると思う。

それは心臓みたいな感じで

誰かの、見えない手でクリスタルを握られると

とても苦しくなり、死にそうになる。

悲しいこと、などの負の感情が

クリスタルに亀裂を入れ、

嬉しいこと、などの感情が

クリスタルの亀裂を

修復してくれるものだと思う。

そういう こころのクリスタル が

あるのではないかと昔から思う。

残念ながら、それは俺だけの

妄想に過ぎないが。

今、こころと出会ったことで

この こころクリスタル に

亀裂が入った気がした。

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こころのクリスタル とかいうわけのわからん

話をする前の話。

とりあえず外に出ようと、

弦巻家の玄関へ。

そしたら、葉加瀬がいきなり抱きついてきた。

しかも、その手は震えている。

 

「カイだけは私の味方だよね?」

「そうだぞ。葉加瀬の味方だ。」

 

こうやって味方を増やしていくから、

色々と面倒事が増えていくのであるが・・・

そんなこと気にしちゃ生きていけない。

なんか、美咲からすごくすごーく冷たい

視線を感じないことないけど

スルーしよう。

そう決めた途端、

玄関のドアが開いたのであった・・・

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葉加瀬視点

「あーそーいう?私邪魔だったか・・・」

 

カイの嘘つき!!

私はそう思いながら、

お世話になった弦巻家を出ていった。

 

「待てよ!」

 

そんな声が聞こえた気がしたが、

邪魔者は去ることにした。

あんなに・・・元気づけてくれたのに・・・

あんなに優しく接してくれたのに!!

なんで、どうして!

どうして・・・

わけのわからない何かが私の中をぐるぐる

回っている。

行先なんて知らない。

どこか遠くへ。

誰もいない、

誰にも見つからないとこに行こう。

そしたら、楽になれる。

そう思って、全力で走り出す。

 

「カイのカイのバカ!

なんであんな、金髪の彼女がいるの!!

なんで隠してたの!!」

 

ドス

誰かに当たったような気がした。

いや、誰かに突進してしまったのだ。

 

「あ、ごめんなさい。」

「ヒーヒーお前まで、笑わせんなよ。」

 

なぜか、目の前にいる女性は

腹をかかえながら笑っていた。

 

「カイが金髪の彼女ぉ?腹痛いって。

お前さん何か勘違いしてるな。」

「勘違い?」

「話せば長くなるが・・・あいつらは

ただのいとこだ。」

「・・・」

 

私は一通り話を聞いた。

ハロー、ハッピーワールド!とか

なんとかかんとか。

 

「そんで、真冬だっけ?

真冬のその感情は

友達から彼氏彼女できたよって言われて、

自分だけが取り残された的な感情だな。

いや、親友と言うべきか。」

「そう・・・なんですか?」

「大親友が盗られた感じがしたんじゃないか?

私にはよく分からんがな。

例によっては

突然の親友のカミングアウトで

眠れない夜があるとかな。

安心しろ。あいつらは()()()()。」

「ひどいいいようですね、()()さん。」

「よく言われなくもないな。

まぁカイ・・・いや大親友に心配かける前に

戻った方がいいぞ。」

「そうですね・・・」

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さらに こころのクリスタル にヒビが入った。

俺は何をすればいいんだ。

いや、こういう時こそ落ち着け・・・

 

「こころ・・・」

「さっきの子は誰かしら?」

「訳あって、24日から弦巻家(ここ)

泊まっていたんだ。

ちょっと追いかけてくる。」

 

そして追いかけようとして、

弦巻家を出ようとした間一髪で

 

「その必要はない。」

 

と声が聞こえた。

 

「桂木先生!?と葉加瀬!?」

「あんたも大変ね。」

「・・・そう思うなら助けてくれ、美咲。」

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一通りの説明を終えて、

無事にこころにご理解いただけました。

 

「人助けをしたのね!」

「結構大きめのな。」

「素晴らしいわね。」

「素晴らしいだろう。」

「やめたらこの会話?」

 

出口が見当たらなさそうと感じたであろう

美咲が俺とこころの会話を中断させる。

 

「・・・ねぇ、これからも・・・さ

弦巻家(ここ)に遊びに来ていい?

しんどくなったらここに来ていい?

カイがまた、素敵な場所へ連れてってくれる?」

「いいと思うぞ。

だけど、俺、ここには住んでないんだ。

ちょっと遠くのマンションに・・・な。」

「今度、遊びに行っていいの?」

「狭くてもいいなら、来ていいぞ。」

 

まぁこんなどでかい屋敷にいたら

どこも狭すぎると感じるだろうが。

 

「わかった。だから、もう1度

お母さんと面と向かって話して、

この問題を対処する。」

「おう、頑張れよ・・・」

「ほんとにお世話になりました。

ありがとうございました。

カイくんも真冬を救ってくれて

ありがとうね。」

 

こうして葉加瀬真冬問題?は解決の方向へと

いったのだった・・・

 

が、これでも俺の こころのクリスタル は

修復しきれていないらしい。

ヒビが入ったままなのであった。




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  • ハロー、ハッピーワールド!
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