MALE DOLLS   作:ガンアーク弐式

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その日編のプロローグとも言える■■■時間前編が始まります
そして、また分割です……どうしてこうなった

アラマキ指揮官がグリフィンを去った後のG01地区前線基地に新たな指揮官が着任しますが……彼が男性型戦術人形を受け入れるという確証はないのである

後、番外編や本編に関連しないコラボ話を投稿した短編集…MALE DOLLS外伝集を投稿しました
https://syosetu.org/novel/207272/


■■■ hours ago 上

アラマキ指揮官がグリフィンを去って二日が経ったが、G01前線基地は特に代わりなく通常通りに、戦術人形達の射撃訓練をしたり、基地の周囲を数時間交代で警備する。または、前日着任したばかりの新しい指揮官の事務仕事を手伝ったりなどをしていた。

 

今まで指揮官代理を務めていたサクラ・カスミさんもグリフィン本部へ招集を受けて、このG01前線基地を去ってしまった事を除いては……。

 

そして、新しく着任した指揮官を俺は好きになれなかった。彼が俺を見る目は、F02前線基地……そして、そこに配属される前のグリフィン本部の一部職員から向けられた物と同じ侮蔑を感じさせた

 

そして、今俺は新任の指揮官から呼び出され、指令室で彼と対峙していた。

 

 

「さて……M16A4君、君の事は前任のアラマキから聞いているよ。男性型なのに、グリフィンの戦術人形部隊に志願するなんて大した度胸だ」

 

俺の目の前でグリフィンの制服を着崩した30代前半のスラブ系男性……新しく着任した指揮官は、嫌見たらしく呟くと手元の資料に目をやった。それが俺の経歴を印刷した物だとすぐに分かった

 

「製造された工場がテロリストが指揮する鉄血製戦術人形部隊の襲撃を受け、焼失。工場の作業員全員が死亡する中で、君は製造されたばかりの自律人形と共に大型ドローンに載せられて、日本を脱出……納品先であるIOPに流れ着いた」

「はい……その後、俺は猫み――ペルシカさんの紹介でグリフィンに戦術人形部隊に志願しました。」

「なるほどね……大方、社長の口実作りで採用されたという所か……」

 

新指揮官は、侮蔑を含んだ目で俺を一瞥すると薄ら笑みを浮かべて言う。指揮官の侮辱ともいえる言葉に、俺は思わず拳を握りしめる。

新任指揮官は俺がどう考えているのか、気にも留めずに言葉をつづける

 

「私は最近、G地区で多発するテロとの戦いに対応するために所属する戦術人形の大半を錬度の高い人形に入れ替えるつもりだ……どうして呼ばれたか、分かるな?」

「俺はクビですか?」

「本部に異動となるだけだ……俺の基地に雑魚はいらないからな」

 

『雑魚』……指揮官の口から出た言葉に俺は彼に怒りをぶつけたかったが……歯を食いしばって、沈黙を保った。下手に逆らえば、どうなるかはF02前線基地で嫌っというほど味わっている

 

新任指揮官は、俺が抗議を言えない事を知りつつ嘲笑うかのような目で俺を見ながら

 

「M16A4、今日付けでG01前線基地から本部の練成部へ転属を命ずる。今日中に荷物をまとめて、明日、本部からの定期便で本部へ向かえ」

はい……M16A4、指揮官の命令を受理しました」

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

その日の午後、私物をまとめ終えた俺はAK-47さんに誘われてG01前線基地近くの居住区にある酒場へ向かう事になった。

ちなみに、道中で盗賊と遭遇する可能性もあるので、護身のためと緊急時に備えて、俺達の愛銃も持って行くことにした。

 

「M16は任務以外でこの居住区を訪れるのは初めてだっけ?」

「えぇ、非番の時は基地の宿舎で過ごしていましたので……それにしてもこの時勢にしては活気のある町ですね」

「そりゃあ、グリフィンと提携しているPMCが警備をしているからさ。じゃあ、酒場はこの先だよ」

 

AK-47さんの質問に俺が答えると彼女は、通りの向こう側を指差しながら歩き始めた。それを見て、俺もおいて

 

俺達が訪れた場所は、廃墟をブルーシートや鉄板等の廃材で簡易修理を施した建物を利用した商店が立ち並ぶ大通りで、人も多く、活気に満ち溢れている。

そして、通行人に紛れて、この町の警備のために配備されたであろう鉄血製戦術人形達が町を巡回している。

その人形達はAK-47さんが言っていたこの町を警備しているPMCのエンブレムらしき模様が書かれた腕章を右腕につけている。

 

そんな大通りを歩く人や人形を自分の店に呼び込もうとする売り子達の呼び声に俺の聴覚モジュールが反応する

 

「D08地区で穫れた天然野菜で作ったスープを封入した缶詰が入荷したよ!!」

「買った、買った!! 今なら弾薬全品が二割引きだ!!」

「 鉄血製機械兵器なら何でも対応する新品バッテリーがお買い得だ!! そこのリッパ―、予備に一つどうだ?」

 

俺は売り子達の掛け声に圧倒されつつもAK-47さんの後をついていく。G01前線基地に転属してからは、自分が皆に追いつこうと訓練と任務に明け暮れて、基地の近くにこんな町があった事を知らなかった。

 

この町とG01地区に転属されてからの事を考えているとAk-47さんが足を止めた。

 

「着いたよ、ここが私の行きつけの酒場だよ」

「ここが……その店ですか?」

 

AK-47さんがいう酒場は、廃墟を改装した周囲の商店とは違って一から建て直したかのような真新しい民家のような店だった。そして、「BARベルベット」と書かれた大きな看板が掛けれている。

 

「店内の音楽を聞きながら、一杯やれば気分も晴れるさ」

 

 

AK-47さんが店のドアを開けるとピアノの音色と女性の歌声が店内から聞こえてくる。その歌を聞いていると俺の感情モジュールの負荷が軽くなっていくような気分になる。

 

AK-47さんと一緒に酒場に足を踏み入れると少し広めの店内には仕事終わりに一杯やろうと訪れた老若男女でテーブルやカウンターは埋まっていた。

 

俺達は群青色の服を着たウェイトレスに愛銃を預けて、カウンターの端で空いている席に座るとグラスを磨いていたサングラスをかけた初老のバーテンダーが口を開いた

 

「いらっしゃいご注文は?」

「あたしはいつものウォッカ、M16は?」

「じゃあ……ウィスキーのシーバスリガルを置いていますか?」

「ありますよ……ちょっとお待ちを」

 

俺達が注文するとバーテンダーは、手早く背後の棚から二つの酒瓶を取り出すと二個のショットグラスに注ぎ、水が入ったグラスと共に差し出した

AK-47さんは差し出されたショットグラスを掴むとそれを一口で飲み干した

 

「かぁ~グリフィンの基地で買える模造酒よりもここで飲むウォッカがずっと美味しいよ。マスター、お代わり」

「AK-47さんイッキはまず……あっ美味しい」

 

AK-47さんがショットグラスに入ったウォッカを一気飲みした事にちょっと引きつつ、俺はショットグラスになめるように口に含んだ瞬間、言葉が零れた

 

確かに、AK-47さんの言う通り……前線基地の購買部で買える嗜好品の模造酒とは比べものにならないほどに美味しい酒だ。俺は自然ともう一口、ショットグラスを傾ける。美味しい酒を飲んでいると肴が欲しくなるな……

 

「マスター、肴を頼みたいのでメニューを見せてくれませんか?」

「いいですよ……どうぞ」

「マスター、お代わり……今度は彼と同じウィスキーで」

 

マスターはそう言って、少々古ぼけたメニューが書かれた白無地の厚紙を差し出した。俺はそれを受け取り、肴のリストを目で追う間にAK-47さんは次の酒のお代わりをマスターに注文する……そんなにハイペースで飲んで大丈夫か?

 

「さて、どれを注文しよ「すいません、となり、いいですか?」」

 

声をかけられた俺はメニューから目を外して、声の方へ顔を振り向くと女物の白いカッターシャツとロングスカートを着た小柄な中性的な顔をした人形が立っていた。見た目からして、俺よりもずっと年下の14~15歳くらいの少女のように見える

 

「あ……いいですよ」

「じゃあ、失礼します……マスター、サイダーを頂戴」

 

その人形は軽く会釈して、カウンターに座って注文するとバーテンダーは大きなグラスに入ったサイダーを彼女に差し出した。

彼女(?)は差し出されたサイダーを一口飲むと俺に話しかけてきた

 

「君は見ない顔だね……何の仕事をしているの?」

「俺はPMCでグリフィンのG01前線基地で働いています、君は?」

「僕は一週間前まではこの街から少し離れたジャンク屋で働いていました」

「一週間前までは……ということは今は無職なのですか?」

 

彼女はうつむきながら、自分の事を語り始めた……グラスを傾けながら自分の小さく語り始めた

 

彼の話によると彼女は元々この地区の戦場跡地などで放置された軍用車両や戦術人形等のスクラップを回収するジャンク屋の主人の仕事を手伝っていたらしい。俗に言う黒い仕事の一つだったらしいが……いまでも戦場跡にいけば、兵器や人形の残骸が多く見つかるため、貧民街の住人とっては一攫千金を狙える唯一の手段でもある

 

だが、一週間前に見た事もない機械兵器の残骸を見つけたのが運のツキ。

その残骸を大型トラックに積み込む作業中に重火器で武装した盗賊達の襲撃で彼女以外は皆殺しにされたらしい

盗賊から逃げのびた彼女は、近くを従軍していた正規軍の輸送部隊に保護された後に、今に至るらしい

 

 

「それは運がいいね。下手すれば、女の子の君が盗賊達に捕まれば「あの一言いいですか?」

 

突然、彼女は俺の言葉を遮ると信じられない事を口にした

 

「よく女装しているせいで間違えられやすいですが……僕、男の子です」

「マジ……嘘でしょう」

「あはは、その子、リーと言うだけどね……君と同じ男の人形さ。女装が趣味でね……俗に言う男の娘というやつだよ」

 

リーと呼ばれた彼女いや、彼の衝撃に唖然とする俺と悪戯っぽく笑うAK-47の冗談交じりの発言に彼ははずかしそうに顔をうつむいた

彼をよく見てみると中性的な顔と女物の服を着ているせいで気づきにくいが、肩幅や体格はれっきとした15歳相当の少年のソレだった。現実で人形とはいえ、男の娘が実在するとは夢にもおもなかったぞ……夢は見れないけどね

 

リーと名乗った人形が少女型ではなく、少年型という衝撃の事実に唖然としている俺にさらに追い打ちをかけるように更に衝撃の言葉が後ろから聞こえてきた

 

「やっと会えたね……M16A4お兄ちゃん!!」

「「「え!?」」」

すごく甘ったるい声で俺をお兄ちゃんと呼び声の主を見ようと俺達が後ろを振りけると赤いメッシュが入ったピンク髪と赤い目が特徴的な一人の人形が満面の笑みで俺を見つめていた

 

誰なんだ……この子、というかなぜをお兄ちゃんと呼ぶ!?

 

 




登場させました……男の娘系かつ、女装大好きっ子の個人的にもイロモノ系のリー君です

そして、彼の背景は最近実装された前線基地やサンダーボルト外伝にでてくる砂ネズミ達から構想を得ました……

後、男の娘ちゃんならぬリー君ですが、彼も後に戦術人形として彼と共に戦う人形です
彼の対応する銃ですが……今は秘密です

ヒントとしては、彼の名前の頭文字とSOCOMにドタキャンされた自動小銃です
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