MALE DOLLS   作:ガンアーク弐式

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リアルがごたついて投稿が遅れました

今回から第二章:空白期間編スタートです


第二章:NOW LOADING
M16A4/リブート


目が覚めて一週間が経った……俺の義体はIOP社――正確には、VTRチームのスタッフ達が丁寧に調整してくれたおかげで外見はほぼ元通りに直った。人工筋肉やフレームが露出していた部分も新しい生体外装で貼り直されて、固定させるための包帯も明日ぐらいに取れるとIOP社の技術スタッフも言っていた

 

内部構造もエクスキューシュナーに斬られた際に損傷した基礎フレームや重要機関部も新品の物に取り換えたおかげで、病室に置かれた専用の機器類と繋げられるケーブルから解放されて、病室から出られるようになった。外を散歩する程度なら、今のままでも十分うごけるだろう

正直、通信モジュールとかも壊れていたので、外がどうなっているのかは時折、見舞いに来るMP5Fさんや居住区で俺を助けてくれた銀髪ボブショートの戦術人形――P228さん、それに無事だったG01前線基地の仲間達の口から伝わる事しか知らない

だからこそ、自分の目と聴覚モジュールで今世界がどうなっているのか、今いる修理工廠がどういう場所なのか、知りたかった……というよりも病室に引きこもっていられなかった。

 

「よし……病室の外に出てみるか」

 

俺は私服代わりの青い上着を羽織ると自動式ドアを開けて、病室を出る。

俺が病室をでてまず、目に飛び込んできたのは白亜の壁紙が張られた廊下と入院着を着たり、破損個所を覆い隠すための包帯や保護カバーを巻いた多数の自立人形達が廊下を歩く光景だった。

廊下を歩く人形達は痛々しい姿で、手足が欠損している人形も少なくなかった。

そして、戦術人形だけではなく、鉄血人形との戦闘に巻き込まれたのであろう民間人形もすくなく、彼女達は暗い顔でただ無言で廊下を歩いている光景に俺は言葉を失った

 

「全員鉄血との戦闘に巻き込まれて……「違うよ」」

 

後ろから俺の言葉を小さな少女の声が聞こえて、振り返ると十代前半くらいの一体のレース付きの白いワンピースを着た少女型人形が首を上に向けて俺を見ていた。腰まで長い銀髪を束ねたツーテールと金色の瞳が特徴的なその人形は、不安げに語り始めた。

 

「鉄血と戦ったり、襲われて怪我をした子ばかりじゃない……人形が嫌いな人間達に虐められて、この工廠に来た人形も多いんだよ。むしろ、虐められた子達の方が多いかな?」

「人形が嫌いな人間……そういうことか。あんな事があったら、IOP社製の人形(俺達)に不信感を抱く人間が出るような」

 

目の前の人形の言葉の意味が理解した瞬間、俺はため息をついた。鉄血工造製の自律人形達が人類に反旗を翻したせいで、IOP社製の人形も反乱を起こすんじゃないか?と考える人間が出てもおかしくはない。

給料をもらっている人がボロの服を着ていたら、他人が見たら『その人は借金でも抱えるとのでは?』と疑うのと同じだ……一度怪しまれるととことん疑惑の念を抱くのが人間だと爺ちゃんから教えられた。

(だから、新しい服を買う金があるなら、それを惜しむなと爺ちゃんによく言われたな……というか、この子誰だ?)

 

俺はふと目の前の人形が誰なのか気になった。この子は一体……誰だ?

 

「ねぇ、さっきからきになっていたんだけど……君は一体誰なんですか?」

「そうだった……私の名前はAUGパラ。IOP所属研究部署TVRチーム所属の試験用戦術人形です。パラって呼んで」

「あのブルパップ式アサルトライフルのAUGか?」

「はい……正確には、短機関銃仕様のAUGパラです。MP5Fさんから話は聞いています。動けるようになったんだね」

 

彼女――パラこと、AUGパラは笑みを浮かべると俺の手を握ると嬉しそうに話し始めた

 

「そうだ!! G01地区前線基地の人形さん達が工廠一階のカフェでMP5Fさんと主任さんがお話しているの。一緒に行こう?」

「G01地区前線基地の皆か……じゃあ、行きましょうか?」

 

俺がそう答えるとパラは俺の手を引っ張りながら、俺も転ばないように歩き始める。

目がさめてから、味気ない栄養剤しか口にしていなかったから……安物のコーヒーか紅茶でもいいから、ちゃんと味がする物を口にしたかった

 

それにMP5Fさん達とチャンと話すにちょうどといい機会だ。この際、例のTVRチームについて質問をぶつけてみよう

そう思いつつも笑みを浮かべながら、鼻歌を歌うパラちゃんを見つめた。一見すると子供のいない夫婦向けの養女人形に見える……とてもじゃないが、俺と同じ戦術人形には見えなかtった

 

(本当に俺と同じ戦術人形には見えないな……こんな小さな子でも指揮官に命令されたら人を殺せる人形だなんて誰も信じないよな))

 

 

――――――――――――

 

 

「サクラ・カスミ指揮官、貴官にS07地区に新設される前線基地の指揮官に任命された。数日以内にS07地区へ向かってもらう」

「辞令、確かに受け取りました」

 

ヘリアン上級代行官に呼び出された私はくだされた伝令に定型の返答後、敬礼をする。

正直、煩わしいが私は雇われの身……この手の礼儀を欠かしたら後が面倒になる。それにG01地区前線基地が陥落した事も心の中に暗い影を落としていた。

指揮官としての教えを受けたアラマキ元指揮官の部下である人形達の大半がバックアップからの復活も不可能なほどに徹底的に殲滅された事を知った時はその場に崩れ落ちてしまうほどだった

 

それに気づいているかどうか、ヘリアンはアンクルの位置を直すと言葉を続けた

 

「貴官が派遣される新設基地には、本部から派遣される戦術人形以外にもIOP社の研究部署【TVRチーム】所属の戦術人形3名を含めた8名が派貴官の指揮下に入る。派遣される人形の詳細は今から送るデータに記載されているから、目を通してくれ」

「IOP社所属と言う事は、試作機か実験機か? 新参者の私に預けるとはずいぶんと物好き……なぁ!?」

 

端末に送信されたデータを見て、私は言葉を失った。

端末に表示された戦術人形はTVRチーム所属の三人を除けば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だったからだ

アラマキ元指揮官(恩師)のと共に戦える事に、私は目から涙が零れ落ちた。

 

「ヘリアン上級代行官……彼女達――アラマキ元指揮官の人形達を私に任せてくれるのか?」

「元々アラマキ元指揮官の後任はカスミに指揮官に一任される予定だったが、テロが増加していたG01地区に新任の貴官では荷が重いという意見であの男が選ばれたんだ。……あの指揮官はついていなかったな」

「感謝する……それと一つあなたに頼みがある」

 

私の頼みを聞いたヘリアンが首を傾げるのを見て、私は言葉を続けた

 

「どうした? 要望が可能な事なら聞くが?」

「アラマキ元指揮官の部下に一人だけ()()()()()()がいたはずだ。彼を私の指揮下に置くのを許可してくれないか?」




今回初登場の戦術人形AUGパラは、別名AUG9mmとも言い、AUGの一部を組み換えて短機関銃仕様にした銃です

そして、外見もバリエーション元のAUGを10代前半までロリ化して、ツートップへアーにしたような外見をしています(より正確にいうとフリーゲーム【ママにあいたい】の六番目と似たような髪型をしたロリAUGと思ってください」
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