MALE DOLLS   作:ガンアーク弐式

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二ヵ月ぶりに本編を投稿できました
まぁ、番外編で独自シナリオ一つとコラボが重なったからですが……

アイサツは大事


M16A4/ウェルカム

俺が新たに着任するS07地区前線基地のヘリポートに降りて立って感じた事は、何もないという事だった

 

周囲を見渡してもあるのは背の低い建物が3軒と倉庫、通信用アンテナ塔以外は物見櫓付きの障壁しか見えない。

それに基地の周囲には廃都市の名残とも言うべきボロボロな廃ビルしか見えなかった

 

いくら辺境のG01前線基地でも司令部とか修復施設等の施設類が密集しているのに……主要な施設は全部地下に集中させているのだろうか?

 

「大規模な基地だと施設の一部が地下に作られる事がある言うがホー、ここまで何もないのは珍しいホーね」

(サクラ指揮官……こんな空き地同然の基地でだいじょうぶなのでしょうか?)

 

ジル主任も予想以上にS07基地の敷地が空き地同然の状態を物珍しさに見渡すのを見て、俺はちょっと不安になった時、背後からききおぼえがある声が聞こえてきた

俺は後ろを振り返るとそこにはベージュのセーラ服を着た栗毛のツインテールの人形――M14さんが立っていた

 

「あ、M16A4さん久しぶりね。隣のキャラクターのマスクを被っている人がTVRチーム主任のジルさんですね」

「M14さん、お久しぶりです」

「私がTVRチーム主任、ジュリエット・フローライトだホー」

「M16さん、彼女って随分と特徴的な口調で喋るのね……そのマスクも気になるけど」

「故郷の言葉の訛りがきついのとマスクについては顔を余り見られたくない殻だって」

 

M14さんが主任の訛りがきつい言葉とマスクに若干引きつつも気を取り直した

 

「じゃあ、二人をS07前線基地を案内してあげる。こっちよ!」

 

そう言ってM14さんはヘリポートから一番近いビルの方へ歩いていき、俺とジル主任も彼女の後を付いていった

 

まばらな基地内でも比較的大きな三階建てのビルの出入り口には「中央棟」と書かれた看板が掛けられており、M14さんが金属製の自動ドアを開けて入るのを見て、俺達もそれに続くとそこは比較的綺麗な床と数台のエレベーターが印象的なエントランスホールだった。このビル自体は出来たばかりなのか内部は比較的綺麗だた

 

「この時間は指揮官は地下三階の中央司令室にいるはずだし、例の研究所へ続く通路があるのは……二人共あのエレベーターで地下に行くよ」

「あ……はい、分かりました」

 

 

M14さんがそう言ってエレベーターの一つを指差すのを来て、俺が頷くと彼女はエレベーターのすぐそばま近づくと彼女が指差したエレベーターが開いた。

そして、M14さんと俺とジル主任がそのエレベーターに乗り込み、M14さんが操作盤のスイッチの一つを押すと扉が閉まって、エレベーターが地下へ下がり始めるとM14さんが俺の方を振り向いてこう言った

 

「ねぇ、この基地を来た時にG01前線基地よりも貧相だと思わなかった?」

「はい……俺がここに到着した頃には何もなさ過ぎて指揮官達が不安になったほどですよ」

「そうよね……でも、ここの基地の()()姿()は地下にあるのよ」

 

M14さんがそう言うのと同時に目的の階層に到着したのかエレベーターが止まり、ドアが開いた

そして、俺の目に飛び込んできたのは、かつて白蘭島事件以前に存在していた日本の地下街を軍事施設に改装したように複数の自動ドアが並ぶ手入れが隅まで行き届いた広いエレベーターホールだった

それを見た瞬間、俺は地上部と地下のギャップに唖然とした

 

「空き地同然な場所の地下にこんな場所が広がっているなんて……」

「ヒホー!? この地下に施設を集約しているとは思っていたが、ここまで立派な施設だったとは予想外だホー!!」

「ようこそ、M16A4さん、ジル主任……私達のS07前線基地へ」

 

ジル主任が興奮したように声を張り上げ、M14さんが胸を張るのを俺は黙って見ていた

 

(ここが俺の配属するS07前線基地……カスミ指揮官の基地なんだ……)

 

 

 

―――――――――

 

 

 

エレベーターを降りてから、先にTVRチームの研究所へ先行していた研究員達と合流したジル主任と別れて、M14さんの案内で指揮官がいる中央司令室へ向かっていた

その道中で、貧相な地上部とグリフィン本部に敗けず劣らずの先進的な内装の地下部とのギャップに俺は圧倒されていた

 

「M14さん……地上の空き地同然の様子と地下の先進的な設備や内装じゃギャップが凄いですね」

「皆も初めて見た時は驚いたわ……貧相な基地かと思いきや、実はグリフィン本部に敗けず劣らずの立派な基地だったの。スコーピオンなんか、はしゃいでいたほどよ」

 

M14さんは思い出すようにクスクスと笑いながら言った。確かに、スコーピオンさんなら、珍しい物……特にメカ類に好奇心旺盛な彼女ならありえそうだ

 

「それにMP5Fが言っていたけど、TVRチームの地下研究所も中々立派だったって。もしかしたら、新作の拡張パーツとか融通してもらえるかも」

「へぇ……民間人形時代は製造工場で人形製造に関わってきたので興味がありますね」

 

かつて製造工場で自律人形のパーツ製造を関わってきた身として、フレーム等のパーツの質が人形のスペックに大きく関わっているのを知っている。

 

(機会があれば、TVRチームの研究所にも寄ってみるか……おや)

「M16A4さん、ここがS07前線基地の中枢部ともいえる中央司令部よ」

 

M14さんが大きな自動ドアの前で立ち止まり、振り返るとそう言うと自動ドアに手を振れた

すると自動ドアが電子音と共に右にスライドすると大小さまざまなモニターと見覚えのある女性の後ろ姿が目に入った。すぐに彼女がカスミ指揮官だと理解できた

 

「E01小隊は東部地下道経由で基地に帰還しろ……来たか?」

「M14、新入りを連れてきました」

「ご苦労……M16A4、よく来たな」

 

M14さんが敬礼をするのをカスミ指揮官は振り返り、薄ら笑みを浮かべるのを見て俺もとっさに敬礼する

そして、俺はF02前線基地へ着任する直前まで考えていた……結果的に言う事が出来なかったあの言葉を口にする

 

戦術人形達にとって衣装と同じ位自分達の本質を示す指揮官への着任の挨拶を……

 

「初めまして、M16A4です。これからあなたの指揮下に入ります!!」




G&K社S07前線基地

元々は富裕層の避難所として建造されるも計画変更により、放置されていた地下施設群でも状態がいい施設の一つをグリフィンの前線基地として改装した施設である

最大の特徴は、元々核シェルターとしても建造されていた施設や構造を流用する形で作られたために、基地の主要な設備はの大半が地下に集中していることである

また、地下施設同士や他の地区へ繋がるための出入り口となるトンネルや地下道が多数現存しているため、地上の鉄血やELIDに見つかることなく移動することが容易である

しかし、長年放置されたされた事で地下道の崩落や施設群の劣化によりその交通網は半ば機能していない
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