あの日、鉄屑共に工場も爺ちゃん達を奪われた俺に唯一手に残ったモノがある
けど……俺は彼女と会う権利があるのだろうか?
S07地区に存在する居住区の一つ、メメントス街はS07前線基地の兵舎や施設類を居住区の商店や住宅地に置き換えたような構造をしている
元々は富裕層向けに建設されたが諸事情で使われることなく半ば放置された3つの大規模シェルターを汚染やELIDからの脅威から逃れるために避難民の居住区に転用したのがメメントス街の始まりだと町の住人達から教えてもらった
そして、その構造故に比較的に多くの汚染地域が点在するS07地区でも有数の汚染とは無縁の居住区とも言える場所だ
俺はパラちゃんと共にその一つである第二メメントス街でも特に貧困街ともいえる地上部の警備任務に就いてた。
ここはで、大破した兵器等をサルページするジャンク屋やそれを売りさばくジャンクショップの経営する人達が多く住む場所で治安は比較的悪い場所だ。
実際、俺を人間だと感じたチンピラに絡まれた事があった。その後は、返り討ちにしてやったが
俺が運転するジープを商業区域の道路の停車させて、午後の警戒ルートを確認しつつ後方座席に乗ったパラちゃんのダミーと俺のダミーが周囲に異常が無いか目を光らせている。
もしも、何かあったらすぐに異常を伝えるようにセットしているが……今の所、異常や事件と行った事はなかった。
おまけに、明日追加の人形達が来る事が決まって、気分も幾分か軽くなった気がする
「今日まで鉄血の侵攻や事件は特に無し……オマケに「追加の人形派遣が前倒しになった」でいい事が続ていますね」
「油断はしちゃだめだよ……ここは平和でも他の場所じゃ鉄血と戦っているだから」
「分かっていますよ……それでもこの穏やかなメメントス街の様子を見ていたらね」
パラちゃんの言葉に気が緩みかけていた事に気づきながらも、俺は周囲の活気のある商店街や道を歩く買い物客を見ながら呟いた
その時、俺の目に買い物客の雑踏に紛れて右往左往する赤い帽子をかぶった小さな人形が目に留まった
「あ、パラちゃん……あそこを見て」
「あの子、道に迷っているのかな?」
「かもしれませんね……ちょっと声をかけてみましょうか?」
パラちゃんも迷子らしき人形を見て頷くと俺はジープを降りると愛銃のM16A4を肩に下げると人形の方に近づいた
遠目では分からなかったがその人形の元に近づくと彼女の手にトランクのような物を手にしている事に気づいたが、気にもせずに俺は彼女に声をかけた
「そこの小さな人形さん……道に迷いましたか?」
「え……あ、はい!?」
彼女は俺を見ると少し躊躇してからこう言った
「グリフィンS07前線基地に向かう途中だったんでけど、他の人形とはぐれてしまったんです」
「……え?」
予想外の言葉に俺は目が点になった。S07前線基地に向かう途中という事は、もしかして……
―――――――
「S07前線基地が男性型戦術人形が所属している珍しい前線基地だと聞いていましたけど、M16A4さんがその男の人形さんなんですね」
「MP5さんの言う通り、男性型戦術人形は俺だけですね……やっぱり、男性型戦術人形って珍しいんですね」
迷子になっていった人形こと、MP5さんが物珍しいそうに俺を見上げると思い出したように口を開いた
俺が思った通り、彼女はS07前線基地に着任する人形の一人で、他の人形二名と共に一足先にS07前線基地に向かっていたのだがメメントス街で他の人形達とはぐれた上に、女メトンス街で一人途方にくれていたらしい
「そう言えば、S07前線基地にはMP5Fという名の私の妹の当たる人形がいるって本当ですか?」
「うん……確かに、銃種的に考えると彼女は君の妹になると思いますね」
「やっぱりそうなんだ……どんな人形なんだろう? 私そっくりな人形だといいな」
「……そっくりだといいですね」
まだ見ぬ妹の姿を想像し、笑みを浮かべるMP5ちゃんを見ながら俺は何とも言えなかった。
確かに、MP5Fさんと彼女は顔立ちはよく似ている……正確に言うと外見年齢10歳ほどのMP5さんを
つまり、どうあがいてもMP5ちゃんがMP5Fさんの姉だと部外者に行っても信用してもらえないだろう
むしろ、MP5さんとMP5Fさんをならべたら、ほぼすべての人が後者を姉だと思うだろう。昔、姉妹の二番機はスケベボディとなるというジンクスを聞いた頃があるが……
パラちゃんもMP5ちゃんに困惑の表情を浮かべていたが、ある事を思い出したのかこう言った
「そう言えば……はぐれた人形さんがいるじゃなかったの?」
「そうでした! SDMRさんとMK16さんを探さないと」
「落ち着いて、僕達の一緒にさがしてあげますから、その人形達の特徴を教えてくれませんか?」
パラちゃんの言葉に右往左往するMP5ちゃんを俺は落ち着かせる
「そ、そうですね、MK16さんの特徴は……」
俺の言葉に彼女は落ち着きを取り戻すとはぐれた人形達の特徴を話し出した
俺とパラちゃんはそれを黙って聞きき、彼女が言い終えると俺は人形達の特徴を復唱する
「MK16は、茶色のセーラー服を着た腰まで伸ばしたストロベリーブロントの髪と青い瞳の人形で、SDMR……正確には、M38SDMRさんは赤ずきんみたいな赤いフード付きケープ、肩まで切りそろえた黒髪と銀眼の人形ということですね」
「はい……あ、そういえばM16A4さんの一人も同じ銀色なんですね」
「あぁ、そうですね……「ダーン!!」
俺達の会話を遮るように周囲に複数の銃声が鳴り響いた。
俺達が振り向いた方向はその方向は一軒のジャンクショップがある裏路地の入り口だった
「銃声、それも複数なんてただ事じゃないよ」
「パラちゃん、行きましょう!!」
「私もついていきます」
俺が銃声が聞こえた裏路地に向かうとその背後に二人もついていった、俺は妙な感覚を感じながら
(なんだ……この妙な胸騒ぎは……会いたいけど、会いたくない誰かと再会するような変な気分だ)
私は目が覚めた時から、私は人間でいう孤児だった
私を作った人達は私が目覚める少し前にテロで全員死んじゃった……