MALE DOLLS   作:ガンアーク弐式

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あれからいろいろありまして……更新が遅れました

今回から第3章:刃桜前線異常アリ編、別名原作開始編です
そして、今回も番外編集から先行登場していた一匹が登場します


刃桜前線異常アリ
刃桜とペンギン、そしてトラック


後方幕僚のマギーさんが着任してから1ヵ月が経った頃、俺はBB小隊の面々と共に指令室へ呼び出された

 

「M14以下BB小隊5名全員揃いました」

「ふむ、早速だがTVRチームのジル主任からBB小隊の実戦での交戦データを収集してほしいと依頼がきた」

「BB小隊の交戦データ? 模擬訓練や電脳空間内でのじゃダメなんですか?」

 

俺はジル主任が実戦データを求めている事に驚きと困惑を隠せなかった

P228さんの話からジル主任がシュミレーションよりも実戦での戦闘データを重視する人だとは聞いていたから、ある程度予想はできたし、そのために訓練も重ねてきたつもりだ

 

しかし、未だBB小隊で実際に鉄血と戦うには連不安があった

隊長であるM14さんならともかく、他のP228さん、パラちゃん、MP5Fさんとの戦闘の癖を掴み切れていないからだ

 

「訓練で得たデータは定期的に送っているが、さらに詳細で実戦で得られるデータが欲しいらしい」

「指揮官、BB小隊はまだ実戦に出るには訓練不足です」

「M14さんの言う通り、戦闘時の連携に不安があります」

 

M14さんとP228さんが抗議すると指揮官は彼女達の反応を予測していたのか、一枚の資料を取り出すとデスクの上に置いた

 

「鉄血の拠点に殴り込みをしろとは言わん。ここに書かれているルートで物資を運ぶ輸送車の護衛をBB小隊に頼みたい」

「目的地は……鉄血の支配領域とスレスレの場所じゃない!?」

 

目的地である居住区はS07地区に存在する鉄血支配領域に近い場所に存在している事にMP5Fさんは驚きを隠せなかった。

鉄血の支配領域の近くにあるという事は鉄血の部隊と遭遇する可能性があるという事を意味しており、皆が顔に緊張の色を隠せず、資料を凝視していた

 

「そうだ……同時にグリフィンS07情報支援基地の補給拠点でもある」

「情報支援基地って、なんですか?」

「簡単に言えば、偵察や監視任務を専門とする前線基地だな……今は鉄血の支配領域の付近での監視が主な任務と聞いている」

 

指揮官は一息つくと真剣な表情で俺達にこう言った

 

「BB小隊、お前らはS07情報支援基地の補給地点である居住区へ向かう物資輸送隊の護衛任務を命じる。これはお前らの初任務だ……気合を入れていけ!!!」

「了解しました、BB小隊総員、指揮官の命令通り物資輸送隊の護衛任務に就きます!!!」

 

M14さんの返礼に俺達は無言で指揮官に敬礼を返し、彼女の命令を受理した事を示した

 

 

その翌日、俺達BB小隊は自身のダミーと共に輸送隊の合流する予定地点で周囲を警戒しつつ護衛対象の輸送体が来るのを待っていた

 

ちなみに、隊長であるM14さんは4LINK編成、俺やP228さんとパラちゃん、Mp5Fさんは3LINK編成で前線から離れた後方のルートを進む輸送部隊の護衛としてはまずまずの錬度だと思う

そして、手元の時計に目をやるとそろそろ輸送隊と合流予定の時間を示していた

 

「M14さん、そろそろ時間ですね」

「そうね……あ、あれですよ」

 

M14さんが指差す方向を見ると数台のトラックの車列がこちらに向かってくるのが見えた

正規軍の放出品らしき旧式のトラック数台とその護衛らしき8輪式装甲車三台で構成されたそれらは俺達から数メートル前で停車すると先頭の装甲車から一体の人形が降りてきた

 

 

その人形を一言でいうなら、全長1mほどのペンギンだった。

白と黒のツートンカラーの皆がイメージするペンギンその物の姿をしたその人形はトラックを降りると辺りをキョロキョロする様子に俺達は顔を見合った

 

「なんでしょうか……あいつは?」

「どうみてもペンギンだよね?」

「あれも自律人形の一種なのかな?」

「たぶん……あ、こっちに向かってくると

 

その人形は俺達を見つけるや否や俺達の方へ向かってゆっくりと近づき、白いくちばしを開いて自己紹介を始めた

 

「S07前線基地BB小隊の皆さん、S()0()7()()()()()()()()()()()()を務めている民間用ペンギン型自律人形のワカだ。今回、輸送予定地までの護衛をよろしくな」

「あ、皆がBB小隊の隊長を務めるM14です。ワカさん、よろしくおねがいします」

「ずいぶんと個性的な喋り方だな……まぁ、装甲車に別れて乗ってくれ」

 

M14の一人称に若干引き気味な反応を示したワカは気を取り直し、俺達に装甲車に乗るようにすすめると俺達はそれぞれ二組に別れて装甲車に乗り込んだ

 

内訳は先頭の装甲車には俺とM14さん、ワカさん、後方の装甲車にP228さん、Mp5Fさん、パラちゃんが乗り込むと輸送隊は最初の輸送目的地であるグリフィンの中間拠点に向かって進み出した

 

揺れる車内で俺はBB小隊初めての任務に対して様々な思いや不安を感じつつ、無言で薄暗い車内を見つめていた

 

(BB小隊初めて任務だ………うん?)

 

ふと俺は車内の奥に小型のドラム缶を横にしたようなワカよりも一回り大きな機械が置かれているのに気づいた

よく見てみるとしたの部分に六個のタイヤが、上部には一対の作業用らしきロボットアームが取り付けられていた

ドラム缶型メカの近くには銃器用のコンテナも数個置かれていた

 

「ワカさん、奥にあるのはなんですか……見た感じドラム缶みたいですが?」

「あぁ、あれは俺の作業用兼戦闘用装備だ」

「ワカさん、戦術人形いえ、戦術ペンギンだったの!?」

「どこぞのブラック企業に務める社畜が主役の動画のタイトルみたいな名前で俺を呼ぶな」

 

ワカさんの爆弾発言にM14さんが驚きの声を上げ、俺も彼の言葉であのロボットアームの用途がすぐに理解できた

俺達の反応にワカさんは少し困惑の表情を浮かべていた

 

「俺は戦術人形じゃないぞ……あえて言うなら、鉄血のプロイラーやダイナゲートなど機械兵器近いな」

「プロイラー……警備用ドローンようなモノだと?」

「あぁ、その認識で正しい……だから、戦力としてはアテにしないでくれ」

 

ワカさんの言葉から彼も幾度も修羅場をくぐりぬけてきたのだろうと言う事はすぐに察した

 

(ぬいぐるみみたいな見た目からは想像できないな)

 




今回、初登場したペンギン型自律人形――ワカですが多分、ユーチューブをよく見る人なら分かるPlottアニメの代表作の一つである動画シリーズの主人公である社畜がモデルです

そして、作中でも言及していますがワカはダイナゲートやプロウラーと同じ機械兵器です(ただし、鉄血製ではありません

彼の作業兼戦闘用ユニットのモデルはMSイグルーに登場するオッゴであり、戦闘スタイルもそれを意識しています
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