恋愛のブシドー   作:火の車

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紗夜視点が始まりました!


覚悟の果てに
運命の出会い


 私は氷川紗夜。

 今年度からとある男子校と合併する花咲川女学園、もとい、花咲川学園で生徒会兼風紀委員を務めています。

 ここ最近は合併に伴い、顔合わせなどの見回りの打ち合わせや、色々な仕事のため春休みでも多忙な毎日を送っていました。

 

紗夜(早く行かないといけないわね。)

日菜「__おねーちゃん?もう学校行くのー?」

紗夜「日菜、おはよう。今日は学校で合併する学校との顔合わせがあるの。」

日菜「そーなんだー。頑張ってねー。」

紗夜「えぇ。じゃあ、行ってくるわね。」

日菜「いってらっしゃーい......」

 

 私は眠たそうな日菜に見送られ家を出ました。

 通学路は季節も春になったこともあり、綺麗な桜が咲いています。気温もちょうどよく、足取りも自然と軽くなります。

 私はそんな通学路を歩いて行き、学校に向かいました。

_______________________

 

 学校に着くと、前日に言われた通り生徒会室に向かいます。

 

燐子「__おはようございます、氷川さん。」

紗夜「おはようございます、白金さん。」

有咲「おはようございます、紗夜先輩。」

紗夜「市ヶ谷さんも、おはようございます。」

 

 生徒会室に行くと、すでに白金さんと市ヶ谷さんがいました。

 少し待たせてしまったでしょうか?

 私はそう思い急いで準備をしました。

 そして会場設営に向かいました。

 

男子「__これそっちかー?」

男子2「おう!さんきゅー!」

紗夜「これは。」

燐子「えっと、こっちに......」

紗夜「はい、わかりました。」

 

 会場の設営は男子の力もあってスムーズに進んでいます。

 結局会場設営は予定していた時間よりも早く終わり、他の生徒たちを待つのみという事になりました。

_______________________

 

 顔合わせが始まりました。

 今回は学校側からの計らいでパーティ形式で親睦を深めようと言う事で会場は大いに盛り上がっています。

 そんな中、私は風紀委員として、不審な行動をとる生徒がいないか見回りをしています。

 

女子「__ねぇ、あれ。」

女子「うん、完全に触ってるよ。」

 

 そんな声が聞こえてきました。

 女子たちの視線の方に目を向けてみると__

 

イヴ「あのー、手を放してもらえませんか......?」

デブ男子「ん?何のことだい?」

 

 若宮さんがいかにもな男子にセクハラを受けているのが見えました。私はそれを見て、体が勝手に動いて__

 

デブ男子「若宮イヴだよね......?パスパレの......僕ずっと、ファンだったんだ......」

イヴ「ひっ!」

紗夜「__そこの男子生徒やめなさい!」

 

 気づいた頃にはそう言って、若宮さんと男子の間に割り込んでいました。

 

紗夜「今すぐその手をどけなさい!」

デブ男子「なんなんだお前は!僕はイヴちゃんと話してるんだ!外野は引っ込め!」

紗夜「きゃっ!」

 

 私は男子に押されると、簡単に飛ばされてしまいました。

 力では全くかないません。男子がまた若宮さんに近づいて行きます、早く、止めないと__

 

紗夜「っ!」

 

 立ち上がろうとすると、足に激痛が走りました。

 恐らく挫いたのでしょう、でも、私が止めないと、若宮さんが......

 そう思っても、立ち上がることは出来ませんでした。

 

紗夜(早く、何をしているんですか!早く、若宮さんを__)

デブ男子「もう邪魔は入らないよ、イヴちゃ__」

栄斗「__おい......」

デブ男子「なんだ!お前も僕の邪魔をするのか!?」

イヴ「エイトさん!?」

栄斗「若宮、もう大丈夫だ。」

デブ男子「おい!僕を無視するな!」

栄斗「__てめぇは発情期の豚か!?あぁ!?」

 

 栄斗、そう呼ばれた男子はセクハラをしていた男子を怒鳴りつけ、圧倒的な力で場を収めてしまいました。

 

イヴ「エイトさん!」

栄斗「ぐほっ!!」

 

 若宮さんが抱き着いています。

 相当親しい間柄なのでしょう。

 抱き着いたさなか、若宮さんが何かを彼に行ったように見えましたが気のせいでしょう。

 私は何とか立ち上がり、彼にお礼を言いに行きました。

 

栄斗「__いや、俺が気に入らなくてやったことだから......」

紗夜「......いえ、今回はありがとうございました。」

イヴ「あ、紗夜さん。」

栄斗「いや、あなたは一人で立ち向かったんだ、貴女の方が立派ですよ。」

紗夜「そんなことは__っ!」

 

 痛めた方の足に体重をかけてしまいました。

 かなりキツイ挫き方をしてしまったようです。

 

栄斗「大丈夫ですか?」

紗夜「こ、このくらい、問題ありません__っ!!!」

栄斗「......やっぱり駄目じゃないか。」

 

 彼は小さくそう呟くと、私の目の前に立ちました。

 

紗夜「な、何を__ひゃ!!///」

栄斗「......すいませんが、これで保健室まで向かいます。」

 

 私はそう言われ、お姫様抱っこで保健室まで運ばれました。

 

 この時の私は、これが私の人生を変える、運命の出会いになることをまだ、知りませんでした。

 

 

 

 




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