一週間が過ぎ、6月25日、体育祭になった。
「...今は梅雨なのに、なんで、こんな晴れてんだよ...」
「絶好の体育会日和ですね!」
「イヴは元気だな...」
イヴは元気そうだ。
「イヴは結局何出るんだ?」
「私は二人三脚とクラブ対抗リレーです!
栄斗さんは?」
「俺は二人三脚と...借り物競争だったはず。」
俺はうろ覚えだが、そう答えた。
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学校についた。
「おーっす!栄斗!」
「おう、真波。」
「え!?」
「どうした?」
「俺...今初めて、お前に挨拶された...」
「そうだったか?」
「そうだよ!」
「...まぁ、お前とはよく喋るからな、
友人と思ってもいいだろ。」
「栄斗...!」
真波は感動してるようだが。
「イヴ、今日は弁当一緒に食べるか?」
「はい!」
俺はいつも通りだ。
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時は流れ、今は開会式だ。
が、なぜ、校長の話ってこう長いんだ?
『~~以上です』
「...やっと終わった。」
「?栄斗さん、どうしたんですか?」
「...何でもない、てか、イヴは元気だな。」
「まだ何も始まってないですよ!」
イヴはいつにもましてテンションが高めのようだ。
「栄斗さんは借り物競争がすぐですね!」
「あぁ、そうだな。」
「頑張ってくださいね!」
俺は集合場所に向かった。
「あら、八舞君?」
「え?氷川さん?」
集合場所に行くと、そこには、氷川さんがいた。
「氷川さんが借り物競争って、意外っすね。」
「そうかしら?...と言っても、今回は委員会の仕事のために、こうなったのだけれど。」
「大変そうっすね。」
俺たちがそんな話をしてると、入場が始まった。
「もう行くのか。」
「そうみたいですね。」
俺たちは入場した。
「「「「「八舞君が出てきやわよーー!!!」」」」」
「「「「「きゃーーーーー!!!!!」」」」」
入場すると、女子からの声援が豪雨のように降り注いだ。
「...相変わらずの人気ですね。」
「なんで...こうなったんでしょうね...」
そろそろ、落ち着いてくれ...
「栄斗さーん!頑張ってくださーい!」
イヴも楽しそうにこっちに手を振っている。
「...楽しそうでよかった。」
そこから、第一走者が走り出した。
...?なんか、様子がおかしいぞ?
そんなことを思ってると第二走者の準備が始まった。
「...じゃあ、行ってきますね。」
「...はい。」
氷川さんがスタートラインについた。
「第一走者の様子が明らかにおかしい...なんなんだ?」
そう言ってるうちに氷川さんがスタートした。
てか、足速いな。
「借り物が書いてまーす!」
「えぇ、どうも...っ!!!」
氷川さんが一瞬固まって、こっちに向かってきた。
「すいません、一緒に来ていただけないでしょうか?」
「?はい。」
俺は氷川さんに連れられ、走った。
『ゴール!』
なんやかんや、一位でゴールした。
「氷川さん、なんて書いてあったんですか?」
「え!?...言いません。」
「なんでっすか?」
「言いませんっ!!」
「あ、はい。」
「それでは...」
そう言って氷川さんは仕事に行った。
何だったんだ?
「__言えるわけないじゃないですか。///
お題が『かっこいい人』なんて!///」
___俺の番になった。
「氷川さんの様子もおかしかったし、注意していかないと。」
そう思っていると、スタートした。
「...結構長いな。」
と思っているうちに、お題がもらえる場所に来た。
「お題でーす!」
お題を渡されたので、確認すると...
「なに!?」
そこに書かれていたのは『好きな人』だった。
てか、さっきから、お題渡す人チラチラ見すぎだろ。
「...はぁ、仕方ないか。」
俺はイヴのもとに向かった。
「おーい!イヴー!」
「はい?なんでしょう、栄斗さん?」
「少しついてきてくれ。」
「?はい!」
俺はイヴを連れてゴールに向かった。
『ゴール!!』
なんやかんや一位なのか。
「栄斗さん、お題って何だったんですか?」
「ん?これだ。」
俺はイヴにお題が書いた紙を渡した。
「!?え、ええ、栄斗さん!?///」
「どうした?」
「栄斗さんは私の事が好きなんですか?///」
イヴが恥ずかしそうに聞いてくる。どうした?
「もちろん好きだぞ。」
「え!?じゃあ__」
「友達としてな。」
「__え?」
イヴは冷静になったようだ。
「?どうした、イヴ?」
「~!!///なんでもないです!!///」
そう言ってイヴは戻っていった。
なんだったんだ?
そうして借り物競争が終わった。
「はぁ、疲れた...」
「...おかえりなさい、栄斗さん。」
「あ、あぁ。ただいま。」
イヴは機嫌が悪そうだ。
「どうしたんだ?イヴ?」
「なんでもないですよ...」
そう言って、イヴはクラブ対抗の準備を始めた。
「イヴはもうすぐか?」
「はい!もう少しで集合です!」
イヴに元気が戻ったようだ。
「じゃあ!行ってきます!」
「おう。」
イヴは集合場所に向かった。
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クラブ対抗でイヴが入場してきた。
「...剣道部ってあの格好で走るのか。」
そう真波が思うのも無理はない。
なんたって、防具着けてるんだから。
「...まぁ、こういう競技だからな。」
そんなことを言っているうちに、スタートした。
「流石に運動部は早いな。」
そんなことを言ってると、イヴにバトンが渡った...が、
「きゃあ!」
盛大にこけた。
「(隣の...バレー部か?...足ひっかけやがった!)」
イヴは立ち上がって走り出した。
終わってみれば、剣道部は三位だった。
「...イヴの様子を見に行こう。」
俺はイヴのもとに向かった。
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「__イヴ。」
「あ、栄斗さん...」
「大丈夫か?」
「...足をひねってしまいました。」
「...あら!ずっこけた若宮さんじゃないの!」
突然、バレー部のらしい女生徒が声をかけてきた。
「...なんだ、あんた。」
「私は西条美代。バレー部の主将よ!
八舞君!」
「そうっすか。」
「ねぇ、そんな子ほっといて私たちといましょうよ!」
そう言って、後ろからぞろぞろ部員と思わしき人たちが出てきた。
「栄斗さん...その人たちといてください...」
「!?」
「若宮さんもそう言ってることだし__」
そう言って、俺の腕を掴もうとしてきた...が、
「お断りします。」
俺は手を払った。
「栄斗さん!?」
「...あんた、イヴに足かけてただろ。」
「...何の事かしら?」
「(腐ってやがるな。)」
「若宮さんは二人三脚にも出られないでしょ?変わってあげましょうか?」
なんて、的外れなことを言ってやがる。
「お断りだ。あんたと組むくらいなら棄権するよ。」
「なんで!?」
「俺は汚いやつが嫌いだ。
特にあんたみたいな卑怯者は。」
「人聞きの悪いこと言わないで!!」
そう言って、発狂している。
「__何より、イヴは出られる。」
「え!?」
西条は驚いている。
「そして、俺たちは一位になれる。」
「へ、へぇ~。そこまで言うなら、一位じゃなかったらバレー部の奴隷だからね。」
「いいだろう。」
「栄斗さん!?」
イヴが慌てている。
「そんな勝負受けちゃダメです!」
「...大丈夫だ。」
「でも!」
「俺はこいつらが許せない。
こいつらの趣味の悪い顔面をさらに趣味悪くしてやる。」
「い、言ってくれるじゃない!!
負けたら、死ぬほどこき使ってやる!」
「あっそう、言ってな。
悪趣味女。」
バレー部は去って行った。
「...なんで、あんなこと...」
「言っただろ?許せないからだ。」
「でも、私はもう走れないです...」
「それも大丈夫だ。
でも、少し行ってくる。」
そうして俺はある場所に向かった。
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午後の二人三脚になった。
「栄斗さん?大丈夫なんですか?」
「あぁ、許可もとった...あとは。」
放送が流れる。
『お知らせします!今回、若宮イヴさんが負傷したため、八舞、若宮ペアは抱きかかえて走ることを認めます!』
と、いうものだ。
「えぇ!?」
「こういうことだ。」
そう言って、イヴを抱えた。
「ひゃ!!(お、お姫様抱っこされてます!!///)」
「じゃあ、行くか。」
そう言って、スタートした。
結果だけ言おう、一位だった。
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「いやー、余裕だったな。」
「__ちょっと!!」
「...なんだ。」
「あれ、反則じゃないの!?」
「なんだ、顔が悪いやつは耳も悪いのか?それとも頭か?」
と、皮肉ってみた。
「あんなの、二人三脚じゃない!卑怯よ!」
「あんたがそれを言うか...」
そろそろ、呆れてきた。
「___あなた達。」
氷川さんと白鷺さんが来た。
「あなた達が若宮さんに足をかけたのは、
今回から配置された『ビデオ判定』で確認済みです。』
「え...?」
「まぁ、そういう事っすよ。」
バレー部員たちは青ざめている。
「バレー部はペナルティとして、部費の減額と八舞君と若宮さんへの接触を禁止します。」
バレー部員は固まってる。
「ざまぁねぇな。」
「...少しかわいそうでは...」
「いいんだよ、このくらいやって。」
「大丈夫かしら?イヴちゃん?」
「白鷺さん、どうも。」
「えぇ、王子様。」
「やめてください。」
「ふふっ、冗談よ♪」
白鷺さんは楽しそうだ。
こうして、体育祭は終わりを迎えた。
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「__ところで、八舞君?」
「なんですか?」
「もう少しで、イヴちゃんの誕生日なのだけれど...聞いてないかしら?」
「え?いつですか?」
「今日から二日後よ?まさか__」
「知らなかったっす...」
「あらら。」
俺は疲れた体に鞭打って、イヴの誕生日の準備を始めた...
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