恋愛のブシドー   作:火の車

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16話です!



第16話

 一週間が過ぎ、6月25日、体育祭になった。

 

「...今は梅雨なのに、なんで、こんな晴れてんだよ...」

「絶好の体育会日和ですね!」

「イヴは元気だな...」

 

 イヴは元気そうだ。

 

「イヴは結局何出るんだ?」

「私は二人三脚とクラブ対抗リレーです!

 栄斗さんは?」

「俺は二人三脚と...借り物競争だったはず。」

 

 俺はうろ覚えだが、そう答えた。

____________________________

 

 学校についた。

 

「おーっす!栄斗!」

「おう、真波。」

「え!?」

「どうした?」

「俺...今初めて、お前に挨拶された...」

「そうだったか?」

「そうだよ!」

「...まぁ、お前とはよく喋るからな、

 友人と思ってもいいだろ。」

「栄斗...!」

 

 真波は感動してるようだが。

 

「イヴ、今日は弁当一緒に食べるか?」

「はい!」

 

 俺はいつも通りだ。

____________________________

 

 時は流れ、今は開会式だ。

 が、なぜ、校長の話ってこう長いんだ?

 

『~~以上です』

「...やっと終わった。」

「?栄斗さん、どうしたんですか?」

「...何でもない、てか、イヴは元気だな。」

「まだ何も始まってないですよ!」

 

 イヴはいつにもましてテンションが高めのようだ。

 

「栄斗さんは借り物競争がすぐですね!」

「あぁ、そうだな。」

「頑張ってくださいね!」

 

 俺は集合場所に向かった。

 

「あら、八舞君?」

「え?氷川さん?」

 

 集合場所に行くと、そこには、氷川さんがいた。

 

「氷川さんが借り物競争って、意外っすね。」

「そうかしら?...と言っても、今回は委員会の仕事のために、こうなったのだけれど。」

「大変そうっすね。」

 

 俺たちがそんな話をしてると、入場が始まった。

 

「もう行くのか。」

「そうみたいですね。」

 

 俺たちは入場した。

 

「「「「「八舞君が出てきやわよーー!!!」」」」」

「「「「「きゃーーーーー!!!!!」」」」」

 

 入場すると、女子からの声援が豪雨のように降り注いだ。

 

「...相変わらずの人気ですね。」

「なんで...こうなったんでしょうね...」

 

 そろそろ、落ち着いてくれ...

 

「栄斗さーん!頑張ってくださーい!」

 

 イヴも楽しそうにこっちに手を振っている。

 

「...楽しそうでよかった。」

 

 そこから、第一走者が走り出した。

 ...?なんか、様子がおかしいぞ?

 そんなことを思ってると第二走者の準備が始まった。 

 

「...じゃあ、行ってきますね。」

「...はい。」

 

 氷川さんがスタートラインについた。

 

「第一走者の様子が明らかにおかしい...なんなんだ?」

 

 そう言ってるうちに氷川さんがスタートした。

 てか、足速いな。

 

「借り物が書いてまーす!」

「えぇ、どうも...っ!!!」

 

 氷川さんが一瞬固まって、こっちに向かってきた。

 

「すいません、一緒に来ていただけないでしょうか?」

「?はい。」

 

 俺は氷川さんに連れられ、走った。

 

『ゴール!』

 

 なんやかんや、一位でゴールした。

 

「氷川さん、なんて書いてあったんですか?」

「え!?...言いません。」

「なんでっすか?」

「言いませんっ!!」

「あ、はい。」

「それでは...」

 

 そう言って氷川さんは仕事に行った。

 何だったんだ?

 

「__言えるわけないじゃないですか。///

 お題が『かっこいい人』なんて!///」

 

 ___俺の番になった。

 

「氷川さんの様子もおかしかったし、注意していかないと。」

 

 そう思っていると、スタートした。

 

「...結構長いな。」

 

 と思っているうちに、お題がもらえる場所に来た。

 

「お題でーす!」

 

 お題を渡されたので、確認すると...

 

「なに!?」

 

 そこに書かれていたのは『好きな人』だった。

 てか、さっきから、お題渡す人チラチラ見すぎだろ。

 

「...はぁ、仕方ないか。」

 

 俺はイヴのもとに向かった。

 

「おーい!イヴー!」

「はい?なんでしょう、栄斗さん?」

「少しついてきてくれ。」

「?はい!」

 

 俺はイヴを連れてゴールに向かった。

 

『ゴール!!』

 

 なんやかんや一位なのか。

 

「栄斗さん、お題って何だったんですか?」

「ん?これだ。」

 

 俺はイヴにお題が書いた紙を渡した。

 

「!?え、ええ、栄斗さん!?///」

「どうした?」

「栄斗さんは私の事が好きなんですか?///」

 

 イヴが恥ずかしそうに聞いてくる。どうした?

 

「もちろん好きだぞ。」

「え!?じゃあ__」

「友達としてな。」

「__え?」

 

 イヴは冷静になったようだ。

 

「?どうした、イヴ?」

「~!!///なんでもないです!!///」

 

 そう言ってイヴは戻っていった。

 なんだったんだ?

 そうして借り物競争が終わった。

 

「はぁ、疲れた...」

「...おかえりなさい、栄斗さん。」

「あ、あぁ。ただいま。」

 

 イヴは機嫌が悪そうだ。

 

「どうしたんだ?イヴ?」

「なんでもないですよ...」

 

 そう言って、イヴはクラブ対抗の準備を始めた。

 

「イヴはもうすぐか?」

「はい!もう少しで集合です!」

 

 イヴに元気が戻ったようだ。

 

「じゃあ!行ってきます!」

「おう。」

 

 イヴは集合場所に向かった。

_________________________________

 

 クラブ対抗でイヴが入場してきた。

 

「...剣道部ってあの格好で走るのか。」

 

 そう真波が思うのも無理はない。

 なんたって、防具着けてるんだから。

 

「...まぁ、こういう競技だからな。」

 

 そんなことを言っているうちに、スタートした。

 

「流石に運動部は早いな。」

 

 そんなことを言ってると、イヴにバトンが渡った...が、

 

「きゃあ!」

 

 盛大にこけた。

 

「(隣の...バレー部か?...足ひっかけやがった!)」

 

 イヴは立ち上がって走り出した。

 終わってみれば、剣道部は三位だった。

 

「...イヴの様子を見に行こう。」

 

 俺はイヴのもとに向かった。

___________________________________

 

「__イヴ。」

「あ、栄斗さん...」

「大丈夫か?」

「...足をひねってしまいました。」

「...あら!ずっこけた若宮さんじゃないの!」

 

 突然、バレー部のらしい女生徒が声をかけてきた。

 

「...なんだ、あんた。」

「私は西条美代。バレー部の主将よ!

 八舞君!」

「そうっすか。」

「ねぇ、そんな子ほっといて私たちといましょうよ!」

 

 そう言って、後ろからぞろぞろ部員と思わしき人たちが出てきた。

 

「栄斗さん...その人たちといてください...」

「!?」

「若宮さんもそう言ってることだし__」

 

 そう言って、俺の腕を掴もうとしてきた...が、

 

「お断りします。」

 

 俺は手を払った。

 

「栄斗さん!?」

「...あんた、イヴに足かけてただろ。」

「...何の事かしら?」

「(腐ってやがるな。)」

「若宮さんは二人三脚にも出られないでしょ?変わってあげましょうか?」

 

 なんて、的外れなことを言ってやがる。

 

「お断りだ。あんたと組むくらいなら棄権するよ。」

「なんで!?」

「俺は汚いやつが嫌いだ。

 特にあんたみたいな卑怯者は。」

「人聞きの悪いこと言わないで!!」

 

 そう言って、発狂している。

 

「__何より、イヴは出られる。」

「え!?」

 

 西条は驚いている。

 

「そして、俺たちは一位になれる。」

「へ、へぇ~。そこまで言うなら、一位じゃなかったらバレー部の奴隷だからね。」

「いいだろう。」

「栄斗さん!?」

 

 イヴが慌てている。

 

「そんな勝負受けちゃダメです!」

「...大丈夫だ。」

「でも!」

「俺はこいつらが許せない。

 こいつらの趣味の悪い顔面をさらに趣味悪くしてやる。」

「い、言ってくれるじゃない!!

 負けたら、死ぬほどこき使ってやる!」

「あっそう、言ってな。

 悪趣味女。」

 

 バレー部は去って行った。

 

「...なんで、あんなこと...」

「言っただろ?許せないからだ。」

「でも、私はもう走れないです...」

「それも大丈夫だ。

 でも、少し行ってくる。」

 

 そうして俺はある場所に向かった。

_______________________________________

 

 午後の二人三脚になった。

 

「栄斗さん?大丈夫なんですか?」

「あぁ、許可もとった...あとは。」

 

 放送が流れる。

 

『お知らせします!今回、若宮イヴさんが負傷したため、八舞、若宮ペアは抱きかかえて走ることを認めます!』

 

 と、いうものだ。

 

「えぇ!?」

「こういうことだ。」

 

 そう言って、イヴを抱えた。

 

「ひゃ!!(お、お姫様抱っこされてます!!///)」

「じゃあ、行くか。」

 

 そう言って、スタートした。

 結果だけ言おう、一位だった。

______________________________________

 

「いやー、余裕だったな。」

「__ちょっと!!」

「...なんだ。」

「あれ、反則じゃないの!?」

「なんだ、顔が悪いやつは耳も悪いのか?それとも頭か?」

 

 と、皮肉ってみた。

 

「あんなの、二人三脚じゃない!卑怯よ!」

「あんたがそれを言うか...」

 

 そろそろ、呆れてきた。

 

「___あなた達。」

 

 氷川さんと白鷺さんが来た。

 

「あなた達が若宮さんに足をかけたのは、

 今回から配置された『ビデオ判定』で確認済みです。』

「え...?」

「まぁ、そういう事っすよ。」

 

 バレー部員たちは青ざめている。

 

「バレー部はペナルティとして、部費の減額と八舞君と若宮さんへの接触を禁止します。」

 

 バレー部員は固まってる。

 

「ざまぁねぇな。」

「...少しかわいそうでは...」

「いいんだよ、このくらいやって。」

「大丈夫かしら?イヴちゃん?」

「白鷺さん、どうも。」

「えぇ、王子様。」

「やめてください。」

「ふふっ、冗談よ♪」

 

 白鷺さんは楽しそうだ。

 

 こうして、体育祭は終わりを迎えた。

___________________________________

 

「__ところで、八舞君?」

「なんですか?」

「もう少しで、イヴちゃんの誕生日なのだけれど...聞いてないかしら?」

「え?いつですか?」

「今日から二日後よ?まさか__」

「知らなかったっす...」

「あらら。」

 

 俺は疲れた体に鞭打って、イヴの誕生日の準備を始めた...

 

 




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