恋愛のブシドー   作:火の車

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19話です!


第19話

 俺はイヴに告白する、が、重大な問題がある。

 

「...告白ってどうやってやるんだ?」

 

 なにせ、今まで無縁だったこと、急にできるわけもない。

 

「...いっそ、誰かに相談してみるか。」

 

 うーん、ここは、やっぱり...

 俺はある人たちに連絡をした。

_____________________________

 

 俺は羽沢珈琲店に来ていた。

 

「おまたせー!」

「来たか。」

 

 呼んだのはイヴ以外のパスパレメンバーだ。

 

「今日は集まってもらってすいません。」

「いやいや~いいよいいよ!」

「そうっすよ!」

「申し訳ないです。」

 

 皆は席に着いて、それぞれ飲み物を注文した。

 

「___それで、相談はなにかしら?わかり切っているけどね。」

 

 白鷺さんがそう言う。

 

「イヴに告白するので、助言をいただきたいんです。」

「やはりね...」

「栄君栄君!」

「はい?」

 

 日菜さんに耳打ちで...

 

「約束、守ってくれるみたいだね♪」

「...はい、氷川さんのためにも、逃げるわけにはいかなくなったので。」

「うん!るんっ♪てきた!」

 

 日菜さんは嬉しそうだ。

 

「___それで、どうすればいいでしょうか?」

「うーん、どうなんだろ?千聖ちゃんはどう思う?」

「そうね、デートなんてどうかしら?」

「ジブンもそれがいいと思います!」

「デートってどうするんですか?」

「そうだね~、ショッピングしたりとか?」

 

 なんか、アイディアがふわふわしてるな。

 

「うーん、どうしたものか...」

「あ!そういえば!」

 

 丸山さんが思い出したように言った。

 

「どうしたんですか?」

「この前、イヴちゃんが武士道展に行きたいって言ってたの思い出して!」

「武士道展?」

「そうそう!これだよ!」

「...なるほど、これならイヴは楽しめそうですね!」

「だよねだよね!」

 

 丸山さんはそう言う。

 

「でも、ここから、どう告白に繋げるんすか?」

「確かにそうね、武士道展だものね。」

「それなら、大丈夫です。場所は決めてますから。」

「え?そうなの~?どこどこ~?」

「...昔から俺の心を支えてくれた場所です。」

 

 そこから、芋ずる式に決まっていった。

_____________________________

 

 俺はイヴを誘う。

 

『俺と武士道展に行かないか?』

 

 と、送ると。

 

『はい!行きたいです!』

 

 と、ノータイムで返信が来た。

 そこから、待ち合わせの時間などを相談し、決まった。

 

「ふぅ、第一段階クリアだな。」

 

 俺はパスパレのみんなに言われた通りの準備をした。

 

「これで、大丈夫、だよな?」

 

 俺は一末の不安を残しつつ、明日に備え眠りについた。

____________________________

 

 ”イヴside”

 

「え、栄斗さんにデートに誘われました...!」

 

 イヴは喜んでいた。

 

「これは期待してもいいんでしょうか...?///」

 

 イヴは首を振り。

 

「ここは気合を入れていかないといえません!」

 

 イヴは服を選び始めた。

 

「栄斗さん...褒めてくれるでしょうか...?

 いえ、きっと、褒めてくれます!...多分。」

 

 イヴは今までの栄斗の鈍感さを思い出していた。が、

 

「明日が楽しみです!」

 

 イヴは明日に備え早く寝た。

_____________________________

 

 デート当日だ。

 俺は家にいるのが落ち着かなくて早く待ち合わせ場所に来ていた。

 

「落ち着け、いつも通りだいつも通り。」

 

 俺は自分に暗示をかけていた。

 すると...

 

「栄斗さーん!」

「よ、よう!イヴ!早いな!」

 

 イヴが来た。

 しかも、めっちゃオシャレしてる。

 

「あ、あの、栄斗さん...?」

「ん?どうした?」

「き、今日の私はどうですか...?///」

「...すっごいかわいいぞ。服もよく似合ってる。」

「そ、そうですか!///」

 

 よし、正直に言ったが正解みたいだな。

 

「少し早いが、行くか、武士道展。」

「はい!」

 

 そうして、俺たちは武士道展の会場に向かった。

_____________________________

 

「ここが武士道展ですか!」

 

 ついてからイヴのテンションが高いな。

 

「早く行きましょう!」

「あぁ。」

 

 少し入ると、武田信玄が着ていた鎧のサンプルが展示されていた。

 

「こ、これが...!毘沙門天の...!」

「...武田信玄は風林火山の人だぞ?」

「し、知ってます!///」

 

 イヴは恥ずかしそうにしている。

 

「まぁ、時間はある。ゆっくり見て回ろう。」

「はい!」

 

 そこから俺たちは色々なものを見た。

 イヴは初めて見る物が多くて目を輝かせていた。

 

「__イヴ?」

「はい?なんでしょうか?」

「そろそろ、昼食にしないか?」

「そうですね!お腹すきました!」

 

 俺たちは武士道展と提携しているファミレスに入った。

 

「すごいです!店員さんが鎧を着ています!」

「おう、そうだな。」

「羽沢珈琲店でも出来ないでしょうか?」

「...やめてやれ。」

 

 俺は切にそう思った。

 そこから、注文をして、料理が運ばれてきた。

 

「ごはんに家紋の旗が刺さっています...!」

「それ、嬉しいのか?」

「はい!とってもかっこいいです!」

「そうか。」

 

 イヴは子供みたいに喜んで食べてる。

 

「(ほんと、外見に見合わず、子供みたいだな。)」

「?どうしたんですか、栄斗さん?」

 

 やばい、見すぎたか。

 

「...何でもないぞ?それより、美味しいか?」

「はい!でも...」

「でも?」

「栄斗さんの料理の方が美味しいです!」

「...そうか。(ほんと、可愛いやつだ。)」

「はい!」

 

 俺たちは昼食を食べ終わった。

 

「じゃあ、会計してくる。」

「あ、私の分__」

 

 と、財布を出そうとしたが。

 

「待て待て、ここは俺が出すよ。」

「え?でも...」

「いいんだよ、気にしなくて。」

 

 そう言って俺は、会計をした。

 

「__じゃあ、行こうか。」

「はい!」

 

 俺たちはファミレスを出た。

_____________________________

 

「ここから、どうするんですか?」

「そうだなぁ、行きたいところはあるか?」

「うーん...あ!雑貨屋さんに行きたいです!」

「じゃあ、行くか。」

 

 雑貨屋に来た。

 

「すごいです!ブシドーな物がたくさんあります!」

「おー、そうかそうか。」

 

 イヴは色んなものを見て目を輝かせている。

 

「(ほんと、子供みたいだな。)」

 

 俺はいつにもましてそう思った。

_____________________________

 

 楽しい時間は早く過ぎ、日が傾きだしていた。

 

「(...そろそろか。)」

「栄斗さん!次はどこに行きますか?」

「あー、少し行きたいところがあるんだがいいか?」

「はい!」

 

 俺たちはある場所に向かった。

_____________________________

 

「ここだ。」

「ここは?」

 

 俺たちが来たのは、とある公園の高台だった。

 

「...ここは、子供の時、よく来ていた、心の支えだった場所だ。」

 

 そう、俺は昔、何かあったらここに来ていた。

 

「綺麗な夜景が見えるだろ?」

「はい...」

 

 イヴは夜景を眺めている。

「...とても、綺麗です...」

「あぁ、そうだな。でも、最近はここにきてなかったんだ。」

「そうなんですか?」

「あぁ、来る必要がなくなってな。」

 

 沈黙する...

 

「なぁ、イヴ。」

「はい?」

「俺とイヴが初めて会ったときは、思いっきりぶつかられたよな。」

「は、はい。」

「そこから、色々あったよな。」

「はい。」

「出会ってまだ二か月とちょっとなのにな。」

「はい。」

「イヴと喋るようになって...」

「栄斗さんが一緒にいられないとも言われましたね。」

「...あの時は悪かった。」

「いえ、気にしてませんよ!今、一緒にいますから。」

「そうか。...そういえば、イヴは世界史、赤点だったなー。」

「もう!栄斗さん!」

「ははっ。...でも、それのせいで...」

「あのことは栄斗さんは悪くありませんよ!」

「あぁ、ありがとう。」

 

 俺は一息置いて。

 

「ここまで、色々あったな。」

「いえ、これからもですよ?」

「そうかもな。」

「そうです!」

 

 覚悟は決まった。

 

「なぁ、イヴ。」

「はい?」

「俺は、イヴが好きだ...」

「!!///」

「いつも元気で、一生懸命で、優しいイヴが好きだ。」

「...」

「イヴ?って、うおっ!」

 

 急にイヴが抱きついてきた。

 

「ど、どうした?イヴ?」

「私...嬉しいんですっ!ずっと、栄斗さんは私の事をお友達としか思っていないと思ってました...」

「そうか...」

「でも、今、栄斗さんに告白されています!」

「...恥ずかしいんだが。」

 

 イヴは顔をあげて...

 

「私も栄斗さんが好きです!大好きです!」

「俺と付き合ってくれるか?」

「はい!もちろんです!」

 

 心が満たされるってこういうことなんだろう。

 この先、もう、体験することはないだろう。

 でも、イヴといる限りは、俺の心は満たされていくだろう。

 

「栄斗さん!」

「どうした?」

「フツツカモノですが、よろしくお願いします!」

「あぁ...!こちらこそ!」

 

 俺たちはこうして付き合うことになった。

 俺たちの日常は始まったばっかりだ!

 

 

 




なんか、終わりっぽいですが、全然、まだですよ!
二人の日常はまだまだ続きます!

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