恋愛のブシドー   作:火の車

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第2話

「若宮イヴって、あの、Pallet*Palletの若宮イヴか!?」

「パスパレをご存じなんですか?うれしいです!」

「知ってるって言うよりは、今朝のニュースで...」

 

 俺は困惑していた...今日の朝にニュースで見た人物が目の前にいるんだ。

感覚的にはテレビから飛び出してきたような、夢を見ているような...。

 

「って、なんでそんなに急いでたんだ?」

「あ!そうでした!今日は剣道部の朝練があるんです!」

「剣道部?」

「はい!剣道部...まさしくブシドーです!」

「で、朝練は何時からなんだ?」

「えーと...あと、20分くらいですね!」

「じゃあ、一緒に学校に行ってくれないか?花咲川について教えてほしいんだ。」

「はい!いいですよ!でも、なんで花咲川について知りたいんですか?」

「今日から花咲川に通うんだ!」

「え?花咲川は女子高ですよ?」

「この春から合併するんだが?聞いてないのか?」

「あ、そういえば!」

「だから、学校について教えてほしいんだが。」

「はい、かまいませんよ!それでは出発しましょー!」

 

 と言って、俺は若宮に学校の設備のことや、部活のこと、若宮自身のことを聞きながら学校に向かった。

 

________________________________________________

 

「ありがとう、若宮」

「いえ!私も人と話せて楽しかったです!」

「若宮は今から朝練だろ?がんばれよ。」

「はい!あ、そういえば名前を聞いていませんでした!」

「あー、そうだった、俺は八舞栄斗だ。」

「栄斗さんですね!これからよろしくです!」

「あぁ。」

 

そして、若宮は部活に俺は指定された待合室に移動した。

 

_________________________________________________

 

 俺は元の学校では友達なんて居なかったから、待合室の端で大人しくしている。

すると、教師が待合室に入ってきた。

 

「えー、これから君たちには、この学校に元からいる女子生徒と顔合わせしてもらう。」

 

正直、顔合わせなんてめんどくさい。

なんてことを考えていると。

 

「顔合わせ楽しみだな~!」

「?」

 

横にいた男子が話しかけてきた。

チャラそうなやつだ。

 

「...俺はそうでもないな。」

「そうなのか?せっかく男子校から共学に代わって女子と喋れるのに?」

「俺はそこまで興味がないんだ。(若宮を除いて)」

「でも、まぁ!やるからには楽しんでこうぜ!」

「そんなのは、人それぞれだ。」

 

そして俺たちは教師の先導のもと顔合わせの会場に向かうのだった。

 

 


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