恋愛のブシドー   作:火の車

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24話です!


第24話

 当日になった。

 夏本番らしく、セミが鳴いていて、なにより暑い。

 

「...暑い。」

 

 俺は指定された駅前にいた。

 

「えいとさーん!!」

「よう、イヴ__ぐほっ!!」

「ハグハグ~!」

 

 イヴに抱き着かれています。

 

「...どうしたんだ?」

「楽しみで、元気が一杯なんです!」

「そ、そうか。」

 

 抱き着いてくれるのは大歓迎なんだが...

 

「イヴ?周り見てみ?」

「まわりって__あ///」

 

 周りの視線が俺たちに集まっていた。

 

「ご、ごめんなさい!///」

「構わんぞ。」

「__朝からお熱いわね。この温度はあなた達の仕業かしら?」

「そんなわけないでしょう、白鷺さん。」

「まぁ、そうよね。おはよう、八舞君。」

「おはようございます。他の皆さんは?」

「もう、来ると思うわよ。」

 

 そう言ってると、みんな来た。

 

「おはよ!八舞君!」

「おはよ~栄君~」

「おはようっす!」

「おはようございます。って、日菜さんは眠そうですね。」

「そうなんだよ~朝は苦手なんだよ~」

「そ、そうっすか。」

 

 絶対寝るな、これは。

 

「そろそろ、時間だから行きましょうか。」

 

 俺たちは駅に入った。

_____________________________

 

 俺たちは今、新幹線に乗っている。

 

「...新幹線、初めて乗った。」

「栄斗さんは初めてが一杯ですね!」

 

 俺は感動していた。

 

「到着までは、まだあるから何かしましょうか。」

「私、トランプ持ってきたよー!」

「いいっすね!トランプ!」

「彩さん、ヨウイシュウトウです!ブシドーです!」

「私は寝るよ~」

「あ、結局寝るんですね。」

「うん~。膝借りるね~栄君~」

「え!?ちょ!?」

 

 日菜さんは俺の膝を枕にして寝てしまった。

 

「まったく...」

「日菜さん、羨ましいです...!」

「イヴにはいくらでもしてやるよ。」

「ほんとですか!?じゃあ、また今度お願いします!」

「あぁ。」

「じゃあ、トランプ始めますか!」

 

 と、大和さんが言い、トランプが始まった

 最初はババ抜きだ。

 

「じゃあ、私から引いていきますね!」

「はい、どうぞ!イヴちゃん!」

 

 イヴが丸山さんの手札から一枚引いた。

 

「ひうっ!」

「?どうした?」

「なな、なんでもないですよ~」

 

 あ、引いたなジョーカー。

 

「ど、どうぞ、栄斗さん...!」

「あ、あぁ。」

 

 俺が引こうとすると...

 

「うぅ...」

 

 引くカードを変えてみると。

 

「!!」

 

 これ、ジョーカーだな、間違いない。

 

「(...はぁ、仕方ないか。)」

 

 俺はジョーカーを引いた。

 

「...なんですか?皆さん?」

「なんでもないよ!」

「そうよ、なんでもないわ。」

「なんでもないっすよ、八舞さん!」

「じゃあ、なんでニヤニヤしてるんですかね...」

「さぁ、早く進めなさい!八舞君!」

 

 白鷺さんに押し切られババ抜きを再開した__

 

「__結局、残るのは、この二人なのね。」

「そうっすね。」

「もう、ここまでくると運命だよね!」

 

 残ったのは俺とイヴだった。

 俺は結局、イヴのジョーカーを全部引いた。

 分かりやす過ぎる...

 

「さ、さぁ、引いてください!栄斗さん!」

「__これは、負けた方は罰ゲームね。」

「「え!?」」

 

 やばいぞ、負けるに負けずらくなった、でも...

 

「うぅ...」

「(ここで勝ったら、男じゃないよな。)」

 

 俺はジョーカーを引いた。

 

「さぁ、引いてみ。」

「は、はい...!」

 

 結果は...

 

「揃いましたー!」

「おーう、おめでとう、イヴ。」

「__じゃあ、罰ゲームは八舞君ね。何にしようかしら?」

 

 白鷺さんが迷っていると...

 

「__イヴちゃんの好きなとこでも言ってもらったら~?」

「ひ、日菜さん!?いつのまに起きて!?」

 

 日菜さんが俺の膝の上でそう言った。

 

「よっと。うーん!よく寝た~!」

「それで、日菜さん、さっきのは?」

「あ~、せっかくだから、栄君から聞きたいこと聞こうかなって!」

「いいわね、それ。」

「白鷺さん?」

「私もいいと思うよ!」

「ジブンもっす!」

「...イヴは?」

「え、えーと、私も気になるかも...です///」

「じゃあ、決定ね。八舞君にはイヴちゃんの好きなところを言ってもらうわ。」

「はい。」

「じゃあ、話してちょうだい。」

 

 白鷺さんがそう言って、俺は話し始めた。

 

「皆さんは俺の家庭の事はご存じでしょう。俺はそれが理由で自分が大嫌いだった。自分は誰にも受け入れてもらえない、このまま、ずっと一人だと思っていました。でも、イヴは一緒にいたいと言ってくれました。そして、俺を受け入れてくれた。その優しさは間違いなく俺の心を救ってくれた。イヴの好きなところは言ってたらキリがないんですけど、一番はイヴの優しさなんだと思います。」

 

 俺は一呼吸おいて...

 

「こんな感じで、いいですか?」

「栄斗さんっ!」

「うおっ!」

 

 イヴが抱き着いてきた。

 

「ど、どうした?」

「私は栄斗さんとずっと一緒にいますよ!」

「...ありがとう、イヴ。」

 

 俺たちがそんなやりとりをしていると

 

「__イヴちゃん、八舞君、お熱いのはいいのだけど、ここ新幹線よ?」

「「あ、」」

 

 また、このパターンか...

 

「栄君~私、柄にもなく感動しちゃったよ~!」

「ジブンも感動しました!」

「八舞君はイヴちゃんが大好きなんだね!」

「...まぁ、事実なんで、否定はしないです。」

「栄斗さん...///」

「__もうすぐ着くわよ?」

 

 どうやら、もう着くらしい。

 急いで降りる準備をした__

_____________________________

 

「着きました~!!」

「パスパレ+栄君 IN...」

「「海~!!」」

 

 イヴと日菜さんが騒いでいる。

 

「イヴちゃん、日菜ちゃん。先に旅館に荷物を預けに行くわよ。」

 

 俺たちは旅館に行った。

_____________________________

 

「...ホームページ見たけど、実物はそれ以上だな...」

「そうだね(っすね)」

「何をボーっとしているのかしら?行くわよ?」

「は、はい!」

「早く行きましょう!栄斗さん!」

「そうだよ~!栄君!」

 

 俺たちは旅館に入った。

_____________________________

 

「内装もやばい、いくらしてるんだ__考えるのはやめよう。」

 

 俺の思考は停止した。

 

「チェックインを済ませてきたわ。はい、八舞君の部屋の鍵よ。」

「あ、はい、ありがとうございます。」

 

 俺は鍵を受け取った。

 

「じゃあ、部屋に荷物置いて海行こ~!」

 

 日菜さんがそういうので、部屋に移動した...

 

「__部屋、広すぎだろ...」

 

 俺は唖然としていた。

 

「ここに一人って、俺にはかなり贅沢だな。白鷺さんに感謝しとこ。」

 

 俺は手を合わせた。

 コンコン

 

『栄斗さーん!』

「どうしたー?」

 

 俺はドアを開けた。

 

「早く海に行きましょう!」

「あぁ、そうだな。」

 

 俺たちは海に向かった。

_____________________________

 

 シーズンなだけあって、浜辺は賑わっていた。

 そんな中、俺は借りてきたパラソルの用意をしていた。

 

「ふぅ、こんなもんかな?」

 

 そうしてると、みんなが来た。

 

「お待たせしましたー!」

「よう、イ__ヴ。」

 

 俺の目の前には...天使かそういう類の存在がいます、はい。

 

「に、似合ってますか...?///」

「__っは!に、似合ってるぞ!世界一可愛いぞ!!」

 

 やっばい、一瞬、意識飛んでた。

 

「そ、そうですか...///よかったです!///」

「__私たち、出ずらいね~」

「...そうね。」

「そうだよね。」

「そうっすね~」

「あれ?皆さん、そんなところでどうしたんですか?」

「今行くわ。」

 

 全員がそろった。

 

「__ねぇねぇ!栄君!」

「はい?」

「どうどう?似合う?可愛い?」

「似合うし可愛いっすよ~」

「やっぱり適当だ~」

「イヴの手前、ほめ過ぎるのもですし。」

「まぁ、栄君はそうだよね~」

 

 なんか、呆れられてない?

 

「あ、白鷺さん、これ、前に言ってた日焼け止めです。」

「あら?これ、私のと同じよ?」

「そうなんですか?奇遇ですね。」

「これに目をつけるなんて、八舞君は見る目があるようね!」

「買い被りですよ。あ、飲み物買いに行きますけど、欲しいものなんですか?」

 

 俺はみんなに聞いて、買い出しに行った。

 

「__これで全部だな...ん?」

 

 戻ると、みんながいかにもチャラそうな人たちに絡まれていた。

 

「まったく...」

 

 ”パスパレside”

 

「__だから、話しかけないでと言ってるでしょう?」

 

 千聖は切れ気味に言った。

 

「いいじゃ~ん!俺たちと遊ぼうぜ~」

「(はぁ、日本語が通じてないのかしら?)」

 

 千聖は一息置いて。

 

「さっさと消えなさい。目障りよ。」

 

 千聖はそう言った。

 

「あ?なんだって?美人だからって調子乗りやがって。おい、お前ら。」

 

 リーダーと思わしき人物が声をかけると...

 

「俺はこの子にしよ~」

「きゃ!や、やめてください!」

 

 イヴが腕を掴まれた。

 

「放してください!!」

「おい!大人しく__」

「__おい。」

「あ?」

 

 栄斗が戻ってきた。

 

「なんだお前?ヒーロー気取りか?」

「違うな、俺はその人らの友人だ。」

「なら引っ込め、この子らは俺らと遊ぶんだ!」

「...自分らが場違いだと気付けないのか...悲しいやつらだ。」

「んだと!?」

「昼間から浜辺で盛りやがって。猿かよ、類人猿だな。」

「あ?」

「それと、人の彼女に手を出したんだから、覚悟、出来てるな?」

「あ?何言って__ぐほっ!!」

 

 栄斗は取り巻きを殴り飛ばした。

 

 ”栄斗side”

 

 とりあえず、取り巻きは殴った。

 

「いてて...おい!なにしやがる!」

「あ?なにが?」

「いきなり殴りやがって!」

「お前は、はい殴りますよって言ってから殴るのか?馬鹿だな。」

「くそ!調子乗りやがって!」

「次は殺す気で殴るからな?」

「は___へぶっ!!!」

 

 取り巻きの顔は血で真っ赤だ。

 

「おい!大丈夫か!?くそ、この野郎!」

「言っておくぞ、俺は運動は得意な方だ。」

「うるさ___ふぐっ!!!」

「はーい、二人目ー、次だー次ー」

 

 俺はもう一人の方を見た。

 

「ひっ!!!」

「今ならそこのゴミ拾っていったら見逃すけど?どうする?」

「は、はい!帰ります!__と、思たっか!馬鹿が!」

 

 リーダーっぽいやつが殴りかかってきた。

 

「__思ってないから、馬鹿はお前だな。」

「ごほっ!!!」

「逃げりゃよかったのに...馬鹿な奴だ。」

 

 とりあえず、チャラ男たちは監視委員に突き出しといた。

 俺は__まぁ、大丈夫だった。

 

「あ、飲み物、暖かくなってる、買いなおさないと...」

「栄斗さんっ!」

「どうした__!」

 

 イヴは力なく抱き着いてきた。

 

「...とても、怖かったです。」

「遅れてごめんな。」

 

 俺はイヴの頭を撫でてやった。

 

「__ありがとうね、八舞君。」

「白鷺さん?」

 

 白鷺さんも震えてる。女優と言っても高校生だからな。

 

「私じゃ抵抗しきれなかったわ...」

「珍しく、弱気なんですね?」

「らしくないかしら?」

「えぇ、いつもの唯我独尊さがないですよ?みんな守ってたんですから、誇ってください。」

 

 俺は笑顔でそう言った。

 

「えぇ。まさか、八舞君に励まされる日が来るなんてね。」

「ははっ、もうないかもですね。」

「栄君すごかったね~!」

「え?」

「うん!すごかった!なんか...こう、ね?」

「前々から思っていましたが、八舞さん、喧嘩とかお強いですね!」

「運動の延長ですよ?あんなの。」

「栄斗さんはすごいです!ミヤモトムサシの様でした!」

「いいすぎだろ。」

 

 俺は気を取り直して。

 

「__せっかく来たんですし、楽しみましょう!」

「そうですね!」

「そうね。」

「そうだね~」

「そうだね!」

「そうっすね!」

 

 俺たちは日が傾くまで遊んだ。

 海に入ったり、白鷺さんが丸山さんを埋めたり。

 イブが「ミヤモトムサシです!」って言って遊んだり。

 大和さんが日菜さんに引っ張りまわされたり。

 

「__そろそろ、旅館に戻りましょうか。」

 

 白鷺さんがそう言って、俺たちは旅館に戻った。

_____________________________

 

「__はぁ~。」

 

 俺は旅館に戻って風呂に入っていた。

 

「ここの風呂はすごいな~すっごい広い。」

 

 体を洗って、湯船につかっていると、一日の疲れが結構来る。

 

「いやー疲れたけど、楽しいな~。てか、イヴの水着似合い過ぎだし...」

 

 俺は少し思い出した。

 

「...そろそろ、上がろ。」

 

 俺は上がった。

 

 ”パスパレside”

 

「すっご~い!ひろ~い!」

「こら!日菜ちゃん!走っちゃダメよ!」

 

 日菜が走るのを千聖が止めてる。

 

「千聖ちゃんお母さんみたい。」

「そうっすね!」

「千聖さんはパスパレのお母さんですね!」

「...もう。」

「あはは、千聖ちゃんが照れてる~!」

「日菜ちゃん!!」

 

 千聖が日菜に怒っている。

 

「__それにしても、お昼の栄君はかっこよかったね~!」

「あ!わかる~!」

「ジブンも思いました!」

「栄斗さんはいつもかっこいいんですよ!」

「『人の彼女に手を出したんだ、覚悟、出来てるな?』って言ってたよね~!」

「かっこよかったすよね~!」

「私も思う!」

「......私も、少し。」

「み、みなさんも栄斗さんを!?」

「それはないわ。」

「だよね!」

「栄君のあれは、イヴちゃんだからこそだよね~」

「八舞さんはイヴさんの王子様っすね!」

「み、皆さん!!///」

 

 イヴの顔は赤い。

 

「__そろそろ、上がりましょうか。」

 

 パスパレメンバーも上がった。

_____________________________

 

 パスパレのみんなと合流した。

 

「あ、栄斗さん!」

「イヴか。どうだった、お風呂は?」

「はい!とっても気持ちよかったです!」

「そうか!よかったな。」

「そろそろ、夜ご飯ね。ご飯は私たちの方の部屋に運んでもらうから、早く戻りましょ?」

 

 俺たちはパスパレメンバーの方の部屋に行った。

 

「__んー!美味しい!」

「るんっ♪ってくるね!」

「美味しいっすね!」

「そうね。」

「美味しいです!」

「あぁ。あ、これいいな、今度、真似してみよう。」

 

 ご飯を食べていると。

 

「栄斗さん栄斗さん!」

「どうした?」

「あの、今日は助けてくれてありがとうございました!」

「いや、むしろ、遅れて悪かった、もうちょっと早くいけたら...」

「いえ!栄斗さんはとってもカッコよかったです!王子様です!」

「お、おう、そうか。」

 

 ほんと、可愛いな。

_____________________________

 

 しばらくして、パスパレのみんなは疲れからか寝ている。

 

「えへへ~栄斗しゃ~ん...」

「...何の夢、見てるんだ?」  

 

 俺はベランダに出てみることにした。

 

「__おー、海が綺麗だ。」

 

 ベランダからはちょうど海が見える。

 

「__えぇ、本当に綺麗ね...」

「白鷺さん?起きたんですか?」

「なぜか目が覚めちゃって。」

「そうなんですか。」

「...隣、いいかしら?」

「どうぞ。」

 

 白鷺さんが隣に来た。

 

「...今日は楽しかったかしら?」

「はい、初めて海に来ましたが、楽しかったですね。」

「それはよかったわ。」

 

 沈黙が流れる。

 

「...あなたは初めて会った時から変わったわね。」

「そうかもですね。」

「初めて会ったときは本心を押し殺す仮面を被っていたのに、随分、正直になったわね。」

「これも、皆のおかげですね。」

「イヴちゃんが学校に来ないようになった時の事を覚えてるかしら?」

「...はい。」

「あの時、私はあなたの事を殺してやろうとまで思ってたわ。」

「...」

「でも、イヴちゃんはそれを望んでなかった。」

「まぁ、そうかもですね。」

「絶対、よ。そして、あなたは見事にイヴちゃんを救って見せた。」

「俺もあの時、救われました。」

「そして、あの事件。」

「っ...」

「イヴちゃんがいなくなったと思ったとき、私は絶望したわ。」

「...すいません。」

「でも、あの時、それ以上に...」

「?」

「__私はあなたに恐怖したわ。」

「え?」

「あの時のあなたは、すべてを失ったような顔をしてた。そして、殺意に満ちてたわ。」

「...」

「私は足がすくんだわ、声も思うように出せなかった。初めてだったわ、あんな恐怖は。」

「...」

「そんなあなたは今ではイヴちゃんの一番大切な人になった。」

「そう...ですね。」

「あなたはイヴちゃんと関わることで大きく変化したわ。」

「イヴだけじゃないですよ。パスパレの皆さんも紗夜さんも出会ったみんなのおかげで変われました。」

「そう、なのね。」

「はい。皆には感謝してます。俺と関わってくれたことを。」

「...本当に、変わったわね。それでこそ、私が認めた男よ!」

「認めてくれてたんですね。」

「もちろんよ。認めてなかったら今頃、あなたは抹消されてるわ。」

「怖いっすね。」

「あなたなら、イヴちゃんを幸せにできるわ。」

「言われまくてもしますよ。」

「泣かせたりしたら__」

「あなたを殺してやるわ...っすか?」

「えぇ♪良く分かってるわね♪」

 

 俺は少し景色を見て。

 

「そろそろ、戻ります、明日もありますから。」

「そう?私は少しいるわ。」

「そうですか?じゃあ、おやすみなさい。」

「えぇ、おやすみなさい。」

 

 そうして、俺はもどった。

 

 ”千聖side”

 

 千聖は景色を見ている。

 

「ほんとに八舞君は成長したわ。」

 

 千聖は感傷に浸っている。

 

「...本当に、よく、ここまで来たわ、八舞君。」

 

 千聖は満天の星空に視線を移し、

 仮面を被っていた少年の成長を噛み締めるのだった...




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