恋愛のブシドー   作:火の車

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25話です!


第25話

 旅行二日目、俺たちは今、朝食を食べている。

 

「朝は和食に限ります。」

「そうですね!」

「そうかしら?私はいつも洋食なのだけれど?」

「私も!」

「私は日によるかな~?」

「ジブンもっす!」

 

 と、他愛のない会話をしている。

 

「そういえば、白鷺さん?」

「どうしたのかしら?」

「今日の予定はどうするんですか?」

「あ、その事ね。今日はここら辺を観光しようと思うの。」

「観光ですか。ここには何があるんですか?」

「わからないわ。」

「えぇ。」

「楽しむことに意味があるのよ!」

「あ、はい。」

 

 俺たちは観光をするようだ。

_____________________________

 

 外に行くと昨日のチャラ男たちと出くわした。

 

「おー、昨日の奴らじゃないか。」

「ひ!!お、おはようございます!」

「「うっす!!」」

「そう堅苦しくするな。だが、もうナンパなんかするんじゃないぞ?」

「は、はい!肝に銘じます!!」

「「うっす!!」」

「ならいい、行ってもいいぞ。」

「「「失礼しました!!」」

 

 チャラ男たちが去って行った。

 

「いやー、我ながら怖がられてたなー」

「栄斗さーん!」

「イヴか。用意はもういいのか?」

「はい!準備完了です!」

 

 白鷺さんたちがチェックアウトを済ませて来た。

 

「みんな揃ってるわね?行くわよ!」

 

 そうして、俺たちは町へ繰り出した。

_____________________________

 

「__意外と色々あるな。」

「栄斗さん!見てください!」

「なんだ?__って、ほんとにそれなんだ!?」

 

 イヴは甲冑を身に着けていた。

 

「そこのお店で試着がありました!」

「なんで、着ようと思ったんだ?」

「ブシドーだったからです!」

 

 イヴは一点の曇りのない目で言っている。

 

「__あなたも大変そうね。」

「白鷺さん。」

「イヴちゃん?それは返してきなさいね?」

「うぅ、ナゴリオシイです...」

 

 イヴはしぶしぶ返しに行った。

 

「さっき見たんですけど、ここら辺には大きな神社があるらしいです。」

「へぇ、そうなの?」

「はい。結構、人気な観光スポットらしいです。」

「じゃあ、行ってみましょうか。」

「栄斗さん!」

 

 イヴが帰ってきた。

 

「何の話をしてたんですか?」

「あぁ、これから神社に行こうって話だ。」

「ジンジャですか!私も行ってみたいです!」

「じゃあ、イヴも行くか...って、あの三人は?」

「...日菜ちゃんに引っ張られていったわ。」

「あ...(察し)俺たち三人で行きましょう。」

「えぇ、そうね。」

「行きましょう!」

 

 俺たちは神社に向かった。

_____________________________

 

「__すごいです!」

 

 俺たちは神社についた。

 

「ほんとにすごいな。」

「えぇ、この大きさの神社は多くないわね。」

「栄斗さん!千聖さん!早く行きましょう!」

「あぁ、そうだな。でも、足元には気をつけろよ?」

「はい!」

「白鷺さんも足元にお気をつけて。」

「わかってるわ。」

 

 俺たちは本殿に向かって歩いた。

 

「__ここは...!」

「どうした、イヴ?」

「ここは、私がこの前見た映画で出てた場所です!」

「そうなのか?すごい偶然だな。」

「そうね。」

 

 イヴは嬉しそうだ。

 

「ここって、どんな神社なんでしょう?」

「確か...学業と恋愛ね。」

「なるほど、だから学生にも人気って書いてあったんですね。」

「そうね、スピリチュアルなこと、好きな子多いもの。」

「栄斗さん!千聖さん!お参りしましょう!」

「そうだな。」

「そうね。」

 

 俺たちは本殿の前に来た。

 

「えーと、たしか、五円を入れるんだっけ?」

「そのはずよ。」

「はい!」

 

 五円を投げ入れた。

 

「あとは、これを。」

 

 ガラガラ!

 手を合わせた。

 

「(イヴとずっと一緒にいたい。あと、イヴの学業の安全を...)」

「(栄斗さんとずっと一緒にいたいです!)」

「(...私にも素敵な人が現れますように。)」

「__じゃあ、お昼、食べに行きましょうか。」

「そうですね!」

「そうね。」

 

 俺たちは町に戻った。

_____________________________

 

「__あ!栄君たちだ!おーい!」

 

 日菜さんたちがいた。

 

「日菜さん、どこに行ってたんですか?」

「ずっと二人といたよ?」

「...疲れたよ。」

「疲れたっす...」

「ご愁傷さまです。」

 

 丸山さんと大和さんは疲れているようだ。

 

「これからお昼食べに行きますけど、日菜さんたちも来ますか?」

「お昼?行きたい行きたい!」

「わ、私たちも...」

「行きたいっす...」

「じゃあ、行行きましょうか。」

「あ!そういえば、さっき、るんっ♪ってくるお店見つけたんだ!」

「へぇ、どんなお店ですか?」

「えーと、蛇の__」

「やめておきましょうか。」

 

 俺は日菜さんの発言を遮った。

 

「デザートが美味しい店があるらしいので、そこにしましょう!」

「そうね、それがいいわ。」

「私もいいと思います!」

「うーん、るんっ♪ってくるのにな~」

 

 俺たちは店に入った。

_________________________

 

「__俺は決まりましたが。皆さんは何にしますか?」

「私はグラタンにします!」

「私はパスタね。」

「私はハンバーグかな~?」

「私はオムライス!」

「ジブンは和食のセットで。」

 

 注文が決まったので、注文した。

 

「お昼を食べたら新幹線の時間的に駅の行くけれど、やり残したことはないかしら?」

「俺とイヴはないですね。」

「はい!」

「私もないかな~」

「私も!」

「ジブンもっす!」

「じゃあ、食べ終わったら駅に向かいましょうか。」

「__お待たせしましたー!」

 

 料理が運ばれてきた。

 挨拶を済ませた。

 

「中々、美味しいです。」

「はい!そうですね!」

「悪くないわ。」

「おいし~!」

「うん!美味しいね!」

「はい!美味しいっす!」

 

 俺たちは旅行先最後のご飯を食べた。

 そして、食べ終えた。

 

「__すいません、少し、お手洗いに行ってきます。」

「えぇ、待ってるわね。」

「はい。」

 

 俺はお手洗いと言ったが、目的は違う。

 

「すいません、お会計、お願いします。」

「はい!」

 

 俺は全員分の会計を済ませた。

 

「__お待たせしました。」

「あら?早かったわね?」

「時間をかける事でもないですよ。」

 

 俺たちは席を立った。

 

「すいません、お会計を__」

「お会計なら、完了しておりますが?」

「え?...八舞君?」

「なんでしょう?」

「さっき、お会計をしたわね?」

「さぁ、なんのことやら。」

「...かっこつけね。」

「白鷺さんこそ。」

 

 俺たちは店を出た。

 

「じゃあ、駅に向かうわよ。」

 

 俺たちは駅に行った。

_________________________

 

 新幹線に乗ると疲れからか俺と白鷺さん以外は眠った。

 

「みんな、すぐに寝ましたね。」

「そうね。」

 

 沈黙になる。

 

「今回は楽しかったかしら?」

「はい。とても。」

「そう...」

 

 白鷺さんは窓の外を見ている。

 

「少し、話してもいいかしら?」

「はい、構いませんよ。」

「私は昔から子役として活躍いていたわ。」

「それは、存じています。」

「そういう環境にいたからか、私は普通の子が体験することがなかったの。」

「...」

「友達とも遊べないし...恋なんて雲の上だったわ。」

「それは__」

「でも、私にはどうでもよかったわ、最近までは。」

「?」

「私も紗夜ちゃんに感化されたのかしら。」

「?」

「私も八舞君が好き。」

「!?」

「イヴちゃんが誘拐された時から。」

「ちょ!横にはイヴが__」

「寝てるから大丈夫よ。で、どうするかしら?」

「申し訳ないですが、俺にはイヴがいるので、お断りします。」

「残念ね...嘘なのだけれど♪」

「......へ?」

 

 俺は唖然とした。

 

「イヴちゃんがいるのに本気なわけがないでしょう?」

「割と本気で焦ったんですけど...」

「これが女優の演技よ♪」

「活躍するのも納得いきました。」

 

 本気で焦った。

 

「うにゅ~えいとしゃ~ん...」

「...可愛い。」

「ほんとに可愛いわ。」

「ですよね。」

 

 そうしている内に着いた。

 

「__おーい、イヴー?起きろー?」

「ん...ふぁい、栄斗さん。」

「みんなも起きなさい。」

 

 みんな起きた。

_________________________

 

「__じゃあ、ここで解散ね。」

「はい。俺はイヴと帰ります。」

「帰りましょう栄斗さん!」

「じゃあ、方向的に私は彩ちゃんと麻弥ちゃんかな~」

「そうだね!」

「そうっすね!でも、千聖さんはお一人で大丈夫っすか?」

「大丈夫よ。それじゃあ、解散!」

 

 そうして解散した。

_________________________

 

 俺はイヴと帰っていた。

 

「楽しかったですね!栄斗さん!」

「そうだな。」

 

 イヴは寝ていたからか元気だ。

 

「栄斗さんとの思い出がまた一つ出来ました!」

「これからも、まだまだ出来るぞ。一緒にいる限りな。」

「そうですね!」

 

 そうしている内にイヴの家に着いた。

 

「あ、栄斗さん!」

「どうした?」

「私のお家でご飯を食べていきませんか?」

「え?いいのか?」

「はい!栄斗さんと一緒に食べたいです!」

「なら、お邪魔していこうか。」

「はい!」

「何か手伝うな。」

「お願いします!」

 

 俺たちはこの後、楽しく夕飯を食べた。

_________________________

 

 ”千聖side”

 

 千聖は一人で歩いていた。

 

「__やぁ、千聖。」

「あら?薫じゃない。」

「こんな夜に一人なんて危ないじゃないか。」

「私を見くびり過ぎじゃなくて?」

 

 そんなやり取りから、薫は一転して、真面目な顔になった。

 

「...なんで、そんなに悲しそうな顔をしてるんだい?」

「...何の事かしら?」

「とぼけても無駄さ。私にはわかるよ。」

「...全く、気に入らないわ。」

「おいで、千聖。」

 

 薫は腕を広げていた。

 

「...何の真似かしら?」

「千聖の心を癒してあげよう、おいで。」

「...今回だけよ。」

 

 千聖は薫の懐に飛び込んだ。

 

「どうしたんだい、千聖?」

「...八舞君にフラれたわ。」

「栄斗に?」

「私は嘘だという嘘をつく事しかできなかったわ。」

「栄斗には、イヴがいるはずじゃ...」

「分かってったわ。でも、言わずにはいられなかったわ。」

「千聖...」

「ほんと、私は惨めね。私は二人を応援する側だったのだけれどね...」

「...」

 

 千聖は泣いている。

 

「違うよ。千聖は惨めじゃない。」

「薫?」

「私にはわかるよ。栄斗に告白できていなかったのは、栄斗とイヴのためなんじゃないかい?」

「それは...」

「千聖は我慢のし過ぎだったんだよ。でも、今回、正直になれたんじゃないか。」

「...」

「私の前では正直になって、ちーちゃん。」

「...私はイヴちゃんのために頑張る八舞君が好きだわ。でも、悔しいわ、八舞君にはイヴちゃんしか写っていないもの...」

「...」

「私の初恋は好きな人には伝わらなかったわ...」

「まだ、終わってないよ。」

「え?どういうこと、かおちゃん?」

「ちーちゃんはもう一度伝えないといけない。」

「でも、どうやって...」

「大丈夫さ。」

「かおちゃん...?」

「ちーちゃんの気持ちは私が運ぶよ。」

 

 薫は千聖にそう言った...

 

 




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