旅行から少し経ち、夏休みは中盤になっていた。
そんな中、俺とイヴは__
「うぅ、難しいです...」
「そこは、こうするといいぞ。」
「なるほど!流石、栄斗さん!」
俺の家で宿題をかたずけていた。
「まぁ、結構かたずいたな。」
「はい!これも栄斗さんのおかげです!」
「いや、イヴの頑張りだ。俺は単なるサポートだ。」
「栄斗さんはやっぱり優しいですね♪」
「...普通だ。」
そんな話をしていると...
ピロリン♪
誰かからメッセージが来た。
「あれ?薫さんから?珍しいな。」
「なんて書いてるんですか?」
「えーと__」
『やぁ、栄斗。儚い朝だね。今回はお願いがあるんだが、すこし、羽丘に来てもらえないかい?』
とのことだ。
「頼み?」
「なんなんでしょうか?」
「薫さんには恩があるから行かないとな。」
「私も行っていいですか?」
「いいんじゃないか?」
俺たちは家を出て、羽丘に向かった。
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「ここが羽丘か。」
「はい!」
「__あら?イヴちゃんに八舞君?」
「あ!千聖さん!」
「どうも、白鷺さん。」
「二人はなんでここに?」
「俺は薫さんに呼ばれてイヴは__」
「付き添いです!」
「薫に?私も薫に呼ばれたわ。」
疑問が増えるばかりだ。
「とりあえず、入りましょうか。」
「そうですね!」
「そうしましょう。」
俺たちは薫さんに指定された場所に向かった。
「__ここは、演劇部?」
「そうみたいね。」
「__やぁ!来てくれたんだね!二人とも!」
薫さんが出てきた。
「薫?私たちを何の用で呼んだのかしら?」
「そのことは中で話そう。」
俺たちは部室に入った。
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「今回、二人を呼んだのは、演劇に出てもらいたいんだ。」
「「「演劇?」」」
「あぁ、そうさ。」
「白鷺さんは分かるんですけど、なんで俺を?」
「それは今回の演劇はロミオとジュリエットだからさ!」
「え?それこそ薫さんが適任では?」
「いや、千聖のロミオに相応しいのは栄斗さ。」
「どういうことですか?」
「つまり、そういうことさ...」
「え?」
「ちょっと!薫、来なさい!」
白鷺さんは薫さんを引っ張っていった。
「__ちょっと!どういう事よ!」
「なんのことだい?」
「なんで、八舞君が__」
「千聖。」
薫が真面目な顔になった。
「私は言ったよ、千聖の気持ちは私が運ぶと。」
「そ、そうね。」
「君はこの演劇をきっかけに栄斗に気持ちを伝えるんだ。」
「でも...」
「大丈夫、協力はする。」
「......分かったわ。」
「じゃあ、戻ろうか。」
白鷺さんと薫さんが戻ってきた。
「何の話をしてたんですか?」
「なに、気にすることはないさ。それで、栄斗は協力してくれるかい?」
「まぁ、俺は大丈夫です。」
「栄斗さんの演劇ですか!楽しみです!」
「感謝するよ、栄斗。これが台本だ。」
「どうも、練習時間などは?」
「だいたい、四時間ほどになるかな?」
「了解しました。」
「明日からお願いできるかい?」
「はい。」
俺たちは羽丘を出た。
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「栄斗さんも役者ですかー!」
「八舞君は演劇の経験はあるのかしら?」
「いや、ないですけど。台本はすぐに覚えられます。」
「あら、頼もしいわね。」
「俺は一回読んだら覚えられるんで。」
「...日菜ちゃんも同じこと言ってたような...」
「言ってました!」
日菜さんも出来るのか、流石だ。
「まぁ、白鷺さん、頑張りましょう。」
「えぇ、そうね。」
「お二人とも!頑張ってください!」
そうして、白鷺さんと別れた。
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「イヴは明日からどうする?」
「うーん、皆さんと遊んだりします!」
「そうか。じゃあ、返ったら宿題終わらせような。」
「はい!」
そこから俺たちは帰って宿題をした。
「__終わりましたー!!」
「おーう、お疲れ様。」
俺はお茶を出しながら言った。
「ありがとうございました!栄斗さん!」
イヴは嬉しそうだ。
「夕飯、食べていくか?」
「いいんですか?」
「あぁ。」
「じゃあ!いただきます!」
俺はイヴと夕飯を食べ、家まで送り届けて、
一日が終わった。
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「さて、今日から練習だな。」
俺は初めての事にわくわくしていた。
「...これも、イヴの影響かもな。」
俺はそんなことを思いながら、家を出た。
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羽丘の演劇部に着いた。
「おはようございます。」
「あ!八舞さん、おはようございます!」
「え?大和さん?なんで?」
「ジブンは演劇部の裏方なんすよ!」
「へぇ、初めて知りました。」
そんな話をしていると。
「やぁ、栄斗。早いね。」
「どうも、薫さん。薫さんこそお早いじゃないですか。」
「私はいつも通りさ。裏方の手伝いもしないといけないからね。」
「へぇ、薫さんも裏方するんですね。」
「舞台は、役者だけで出来ていないのさ。」
「なるほど。」
この人、実はめっちゃ真面目なんじゃ?
「__来たわよ、薫。」
白鷺さんが来た。
「おはようございます。白鷺さん。」
「おはよう、八舞君。」
「千聖さん、おはようございます!」
「麻弥ちゃんもおはよう。」
挨拶を済ませて...
「__さっそくだが、練習を始めようか。」
練習が始まった。
「__栄斗、そこはもっと儚くいこうか。」
「はい!あ、え?」
「栄斗さん!薫さんはもっと悲しそうにと言ってるっす!」
薫さんのアドバイス?は儚いしかなくてわからん!
大和さんがいてくれてよかった。
それにしても__
「ああ、ロミオ様!__」
白鷺さんの演技は流石だな。
「薫?ここの照明なんだけれど__」
「あぁ、そこかい?」
意見も出して、流石、女優だ。
「俺も頑張るか。」
それから、夕方まで練習は続いた。
__それから、本番の前日になった。
俺は会場の設営の手伝いをしている。
「すまないね、栄斗。」
「なにがですか?」
「会場の準備まで手伝わせてしまって。」
「白鷺さんも手伝ってるんですから。お礼は白鷺さん言ってください。」
「そうかい?」
「はい。」
「__何の話をしているのかしら?」
「あ、白鷺さん。」
「やぁ、千聖。」
「口より手を動かしなさい。」
「「はい。」」
「まったく。」
白鷺さんが去って行こうとすると。
立てかけていた木材が倒れ掛かっていた。
「!?___し、白鷺さん!!!」
「え?___きゃあ!!」
木材は案の定倒れた。
「栄斗!千聖!」
薫さんが叫んでる。
「いつつ...大丈夫ですか?白鷺さん?」
「え、えぇ。って!八舞君!血が!」
「ん?あぁ、そうっすね。」
俺は頭から出血していた。
「ご、ごめんなさい...私のせいで...」
白鷺さんがそう言ってると...
「栄斗!千聖!」
「千聖さん!八舞さん!」
薫さんと大和さんが来た。
「大丈夫かい!?」
「大丈夫__っつ!!!」
「栄斗、まさか、腕を__」
「大丈夫っす。あと、白鷺さんには内密に。」
「なんで...」
「白鷺さんには返しきれない恩義があるんです。」
俺はそう言った。
「千聖さん、大丈夫ですか!」
「え、えぇ。八舞君が守ってくれたもの。」
「よかったです...」
白鷺さんは無傷みたいだ。
「...麻弥。」
「薫さん?」
「少し、話が。」
「はい?」
「実は___」
薫は栄斗の状況を話した。
「そんな!じゃあ、明日は...」
「それは、栄斗が拒否した。大丈夫だと...」
「そんなわけないっす!骨折もしてるのに!」
「栄斗の望みだ...私たちじゃ止められない。」
「そんな...」
「栄斗を信じるしかないね。」
「...はい。」
栄斗の意思は固い。
「(何かはわからない。でも、この演劇には演劇以上の何かがある!俺のせいでは止められない!)」
栄斗にはそう思う根拠があった。
「(今回の白鷺さんの演技は何か違う。何か、覚悟を感じるんだ。)」
栄斗は深呼吸をし...
「(このくらい、どうにかしてやる!)」
俺はそう誓った。
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本番前だ...
「栄斗、大丈夫なのかい?」
「はい、この演劇には何かあるんです。やめられない。」
「そこまでは分かっていたのかい?」
「はい。白鷺さんの演技がどこか違いましたから。」
「...すごいね、そこまでわかってるなら、もう止めない。」
「もうすぐ出番でーす!」
「じゃあ、行ってきます。」
「行くといいよ。千聖のロミオ。」
俺は舞台に向かった。
___観客は大勢いる。
すごいな、でも、俺は自分にできることをするだけだ。
「ジュリエット!___」
俺は痛みを忘れ演技に没頭した。
__『そうして、ジュリエットはロミオの後を追うのでした...』
演劇は大盛況に終わった。
「ふぅ。」
「おつかれ、よくやってくれたよ、栄斗。」
「薫さん。」
「素晴らしい演技だった。私も引き込まれたよ...」
「ははは、ありがとうございます。」
「...すまないが、屋上に行ってくれないか?」
「え?何でですか?」
「君に、会いたいお姫様がいるんだ...」
「わかりました。」
俺は屋上に向かった。
_________________________
「...ここか。」
俺が扉を開けるとそこには__
「__来たわね、八舞君。」
衣装に身を包んだままの白鷺さんがいた。
「どうしたんですか?白鷺さん?」
「...薫に聞いたわ。あの時、骨折していたようね...」
「っ!」
やっぱり、話してしまったか。
「なんで、そんなに、無理を?」
「...白鷺さんの演技が違ったからです。」
「...分かってたのね。」
「はい。」
沈黙になる。
「...今回の演技は今までで最高だったわ。」
「はい、俺もそう思います。」
「今回は観客以上に伝えたい人がいたの。」
「?」
「あなたよ、八舞君。」
「え?なんで?」
「あなたの事が八舞君が好きだからよ。」
「え?でも、この前___」
「あの時は怖くて嘘をついて誤魔化してしまった...でも、私はもう、逃げないわ!」
白鷺さんは少し間を置いて...
「私はあなたの事が好きよ!」
白鷺さんはとびきりの笑顔でそう言った。
「...」
「...返事を、聞かせて頂戴。」
「...すいません。」
俺はそう答えた。
「白鷺さんの気持ちは嬉しいです。そして、今日の演技を見れば気持ちの大きさもわかります。」
でも、と続け。
「俺にはイヴがいます。イヴを裏切ることは俺にはできないんです。」
「...やっぱり、そうなのね。」
「すいません。」
「分かってたわよ。あなたがそう答えるなんて。」
「...」
「あなたはやっぱり、イヴちゃんの王子様よ!」
そうは言ってるが、悲しそうな顔をしてる。
「...もう、行ってもいいわよ。」
「白鷺さんは?」
「私はもう少し、この風景を眺めていくわ。」
「...はい。」
俺は屋上から出た。
「__気持ちは通じたかい?」
「薫さん...はい。」
「ありがとう、千聖のために頑張ってくれて。」
「泣かせてしまうので、ダメですよ。」
「...そうかい。」
「後は、お願いします。」
「...あぁ。」
_________________________
”千聖side”
「割り切れると思ったのだけれど、やっぱり、悲しいわね...」
「__千聖?」
「...薫。」
「気持ちは運んであげられたかい?」
「...えぇ。」
千聖は悲しそうだ。
「気持ちは晴れたかい?」
「晴れてる...のかしら?でも、悲しいわ。」
「そういうものさ...」
「...なんで、ダメだったのかしら。」
「それは...」
「いえ、分かってるわ。八舞君はイヴちゃんの王子様だもの。」
「千聖...」
「ほかの誰でもないイヴちゃんにだけ向けられる愛情...それが、八舞君だもの...」
千聖は景色を眺めている。
千聖は一筋の涙を流していた。
「...これからも、幸せじゃなきゃ、許さないんだから...」
「...あぁ、そうだね。」
千聖と薫は並んで夕日を眺めた。
_________________________
「栄斗さん!!」
「んあ?イヴか。」
「薫さんに聞きました!無理をしすぎです!」
「白鷺さんのためだったんだ。」
「それも聞きました。千聖さんが告白すると...」
「俺はまた、傷つけた。紗夜さんに続いて、白鷺さんまで...」
「栄斗さん...」
「でも、後悔はないよ。」
「え?」
「俺はイヴを愛し続けるから...な。」
「栄斗さん!!!」
俺の意識はそこで途絶えた__
感想などお願いします!
日菜と彩ちゃんもヒロイン候補にした方がいいですか?
一応、この話を書きながら、二人のルートも考えました!