恋愛のブシドー   作:火の車

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26話です!


第26話

 旅行から少し経ち、夏休みは中盤になっていた。

 そんな中、俺とイヴは__

 

「うぅ、難しいです...」

「そこは、こうするといいぞ。」

「なるほど!流石、栄斗さん!」

 

 俺の家で宿題をかたずけていた。

 

「まぁ、結構かたずいたな。」

「はい!これも栄斗さんのおかげです!」

「いや、イヴの頑張りだ。俺は単なるサポートだ。」

「栄斗さんはやっぱり優しいですね♪」

「...普通だ。」

 

 そんな話をしていると...

 ピロリン♪

 誰かからメッセージが来た。

 

「あれ?薫さんから?珍しいな。」

「なんて書いてるんですか?」

「えーと__」

 

『やぁ、栄斗。儚い朝だね。今回はお願いがあるんだが、すこし、羽丘に来てもらえないかい?』

 

 とのことだ。

 

「頼み?」

「なんなんでしょうか?」

「薫さんには恩があるから行かないとな。」

「私も行っていいですか?」

「いいんじゃないか?」

 

 俺たちは家を出て、羽丘に向かった。

_________________________

 

「ここが羽丘か。」

「はい!」

「__あら?イヴちゃんに八舞君?」

「あ!千聖さん!」

「どうも、白鷺さん。」

「二人はなんでここに?」

「俺は薫さんに呼ばれてイヴは__」

「付き添いです!」

「薫に?私も薫に呼ばれたわ。」

 

 疑問が増えるばかりだ。

 

「とりあえず、入りましょうか。」

「そうですね!」

「そうしましょう。」

 

 俺たちは薫さんに指定された場所に向かった。

 

「__ここは、演劇部?」

「そうみたいね。」

「__やぁ!来てくれたんだね!二人とも!」

 

 薫さんが出てきた。

 

「薫?私たちを何の用で呼んだのかしら?」

「そのことは中で話そう。」

 

 俺たちは部室に入った。

_________________________

 

「今回、二人を呼んだのは、演劇に出てもらいたいんだ。」

「「「演劇?」」」

「あぁ、そうさ。」

「白鷺さんは分かるんですけど、なんで俺を?」

「それは今回の演劇はロミオとジュリエットだからさ!」

「え?それこそ薫さんが適任では?」

「いや、千聖のロミオに相応しいのは栄斗さ。」

「どういうことですか?」

「つまり、そういうことさ...」

「え?」

「ちょっと!薫、来なさい!」

 

 白鷺さんは薫さんを引っ張っていった。

 

「__ちょっと!どういう事よ!」

「なんのことだい?」

「なんで、八舞君が__」

「千聖。」

 

 薫が真面目な顔になった。

 

「私は言ったよ、千聖の気持ちは私が運ぶと。」

「そ、そうね。」

「君はこの演劇をきっかけに栄斗に気持ちを伝えるんだ。」

「でも...」

「大丈夫、協力はする。」

「......分かったわ。」

「じゃあ、戻ろうか。」

 

 白鷺さんと薫さんが戻ってきた。

 

「何の話をしてたんですか?」

「なに、気にすることはないさ。それで、栄斗は協力してくれるかい?」

「まぁ、俺は大丈夫です。」

「栄斗さんの演劇ですか!楽しみです!」

「感謝するよ、栄斗。これが台本だ。」

「どうも、練習時間などは?」

「だいたい、四時間ほどになるかな?」

「了解しました。」

「明日からお願いできるかい?」

「はい。」

 

 俺たちは羽丘を出た。

_________________________

 

「栄斗さんも役者ですかー!」

「八舞君は演劇の経験はあるのかしら?」

「いや、ないですけど。台本はすぐに覚えられます。」

「あら、頼もしいわね。」

「俺は一回読んだら覚えられるんで。」

「...日菜ちゃんも同じこと言ってたような...」

「言ってました!」

 

 日菜さんも出来るのか、流石だ。

 

「まぁ、白鷺さん、頑張りましょう。」

「えぇ、そうね。」

「お二人とも!頑張ってください!」

 

 そうして、白鷺さんと別れた。

_________________________

 

「イヴは明日からどうする?」

「うーん、皆さんと遊んだりします!」

「そうか。じゃあ、返ったら宿題終わらせような。」

「はい!」

 

 そこから俺たちは帰って宿題をした。

 

「__終わりましたー!!」

「おーう、お疲れ様。」

 

 俺はお茶を出しながら言った。

 

「ありがとうございました!栄斗さん!」

 

 イヴは嬉しそうだ。

 

「夕飯、食べていくか?」

「いいんですか?」

「あぁ。」

「じゃあ!いただきます!」

 

 俺はイヴと夕飯を食べ、家まで送り届けて、

 一日が終わった。

_________________________

 

「さて、今日から練習だな。」

 

 俺は初めての事にわくわくしていた。

 

「...これも、イヴの影響かもな。」

 

 俺はそんなことを思いながら、家を出た。

_________________________

 

 羽丘の演劇部に着いた。

 

「おはようございます。」

「あ!八舞さん、おはようございます!」

「え?大和さん?なんで?」

「ジブンは演劇部の裏方なんすよ!」

「へぇ、初めて知りました。」

 

 そんな話をしていると。

 

「やぁ、栄斗。早いね。」

「どうも、薫さん。薫さんこそお早いじゃないですか。」

「私はいつも通りさ。裏方の手伝いもしないといけないからね。」

「へぇ、薫さんも裏方するんですね。」

「舞台は、役者だけで出来ていないのさ。」

「なるほど。」

 

 この人、実はめっちゃ真面目なんじゃ?

 

「__来たわよ、薫。」

 

 白鷺さんが来た。

 

「おはようございます。白鷺さん。」

「おはよう、八舞君。」

「千聖さん、おはようございます!」

「麻弥ちゃんもおはよう。」

 

 挨拶を済ませて...

 

「__さっそくだが、練習を始めようか。」

 

 練習が始まった。

 

「__栄斗、そこはもっと儚くいこうか。」

「はい!あ、え?」

「栄斗さん!薫さんはもっと悲しそうにと言ってるっす!」

 

 薫さんのアドバイス?は儚いしかなくてわからん!

 大和さんがいてくれてよかった。

 それにしても__

 

「ああ、ロミオ様!__」

 

 白鷺さんの演技は流石だな。

 

「薫?ここの照明なんだけれど__」

「あぁ、そこかい?」

 

 意見も出して、流石、女優だ。

 

「俺も頑張るか。」

 

 それから、夕方まで練習は続いた。

 

__それから、本番の前日になった。

 俺は会場の設営の手伝いをしている。

 

「すまないね、栄斗。」

「なにがですか?」

「会場の準備まで手伝わせてしまって。」

「白鷺さんも手伝ってるんですから。お礼は白鷺さん言ってください。」

「そうかい?」

「はい。」

「__何の話をしているのかしら?」

「あ、白鷺さん。」

「やぁ、千聖。」

「口より手を動かしなさい。」

「「はい。」」

「まったく。」

 

 白鷺さんが去って行こうとすると。

 立てかけていた木材が倒れ掛かっていた。

 

「!?___し、白鷺さん!!!」

「え?___きゃあ!!」

 

 木材は案の定倒れた。

 

「栄斗!千聖!」

 

 薫さんが叫んでる。

 

「いつつ...大丈夫ですか?白鷺さん?」

「え、えぇ。って!八舞君!血が!」

「ん?あぁ、そうっすね。」

 

 俺は頭から出血していた。

 

「ご、ごめんなさい...私のせいで...」

 

 白鷺さんがそう言ってると...

 

「栄斗!千聖!」

「千聖さん!八舞さん!」

 

 薫さんと大和さんが来た。

 

「大丈夫かい!?」

「大丈夫__っつ!!!」

「栄斗、まさか、腕を__」

「大丈夫っす。あと、白鷺さんには内密に。」

「なんで...」

「白鷺さんには返しきれない恩義があるんです。」

 

 俺はそう言った。

 

「千聖さん、大丈夫ですか!」

「え、えぇ。八舞君が守ってくれたもの。」

「よかったです...」

 

 白鷺さんは無傷みたいだ。

 

「...麻弥。」

「薫さん?」

「少し、話が。」

「はい?」

「実は___」

 

 薫は栄斗の状況を話した。

 

「そんな!じゃあ、明日は...」

「それは、栄斗が拒否した。大丈夫だと...」

「そんなわけないっす!骨折もしてるのに!」

「栄斗の望みだ...私たちじゃ止められない。」

「そんな...」

「栄斗を信じるしかないね。」

「...はい。」

 

 栄斗の意思は固い。

 

「(何かはわからない。でも、この演劇には演劇以上の何かがある!俺のせいでは止められない!)」

 

 栄斗にはそう思う根拠があった。

 

「(今回の白鷺さんの演技は何か違う。何か、覚悟を感じるんだ。)」

 

 栄斗は深呼吸をし...

 

「(このくらい、どうにかしてやる!)」

 

 俺はそう誓った。

_________________________

 

 本番前だ...

 

「栄斗、大丈夫なのかい?」

「はい、この演劇には何かあるんです。やめられない。」

「そこまでは分かっていたのかい?」

「はい。白鷺さんの演技がどこか違いましたから。」

「...すごいね、そこまでわかってるなら、もう止めない。」

「もうすぐ出番でーす!」

「じゃあ、行ってきます。」

「行くといいよ。千聖のロミオ。」

 

 俺は舞台に向かった。

 

___観客は大勢いる。

 すごいな、でも、俺は自分にできることをするだけだ。

 

「ジュリエット!___」

 

 俺は痛みを忘れ演技に没頭した。

 

__『そうして、ジュリエットはロミオの後を追うのでした...』

 

 演劇は大盛況に終わった。

 

「ふぅ。」

「おつかれ、よくやってくれたよ、栄斗。」

「薫さん。」

「素晴らしい演技だった。私も引き込まれたよ...」

「ははは、ありがとうございます。」

「...すまないが、屋上に行ってくれないか?」

「え?何でですか?」

「君に、会いたいお姫様がいるんだ...」

「わかりました。」

 

 俺は屋上に向かった。

_________________________

 

「...ここか。」

 

 俺が扉を開けるとそこには__

 

「__来たわね、八舞君。」

 

 衣装に身を包んだままの白鷺さんがいた。

 

「どうしたんですか?白鷺さん?」

「...薫に聞いたわ。あの時、骨折していたようね...」

「っ!」

 

 やっぱり、話してしまったか。

 

「なんで、そんなに、無理を?」

「...白鷺さんの演技が違ったからです。」

「...分かってたのね。」

「はい。」

 

 沈黙になる。

 

「...今回の演技は今までで最高だったわ。」

「はい、俺もそう思います。」

「今回は観客以上に伝えたい人がいたの。」

「?」

「あなたよ、八舞君。」

「え?なんで?」

「あなたの事が八舞君が好きだからよ。」

「え?でも、この前___」

「あの時は怖くて嘘をついて誤魔化してしまった...でも、私はもう、逃げないわ!」

 

 白鷺さんは少し間を置いて...

 

「私はあなたの事が好きよ!」

 

 白鷺さんはとびきりの笑顔でそう言った。

 

「...」

「...返事を、聞かせて頂戴。」

「...すいません。」

 

 俺はそう答えた。

 

「白鷺さんの気持ちは嬉しいです。そして、今日の演技を見れば気持ちの大きさもわかります。」

 

 でも、と続け。

 

「俺にはイヴがいます。イヴを裏切ることは俺にはできないんです。」

「...やっぱり、そうなのね。」

「すいません。」

「分かってたわよ。あなたがそう答えるなんて。」

「...」

「あなたはやっぱり、イヴちゃんの王子様よ!」

 

 そうは言ってるが、悲しそうな顔をしてる。

 

「...もう、行ってもいいわよ。」

「白鷺さんは?」

「私はもう少し、この風景を眺めていくわ。」

「...はい。」

 

 俺は屋上から出た。

 

「__気持ちは通じたかい?」

「薫さん...はい。」

「ありがとう、千聖のために頑張ってくれて。」

「泣かせてしまうので、ダメですよ。」

「...そうかい。」

「後は、お願いします。」

「...あぁ。」

_________________________

 

 ”千聖side”

 

「割り切れると思ったのだけれど、やっぱり、悲しいわね...」

「__千聖?」

「...薫。」

「気持ちは運んであげられたかい?」

「...えぇ。」

 

 千聖は悲しそうだ。

 

「気持ちは晴れたかい?」

「晴れてる...のかしら?でも、悲しいわ。」

「そういうものさ...」

「...なんで、ダメだったのかしら。」

「それは...」

「いえ、分かってるわ。八舞君はイヴちゃんの王子様だもの。」

「千聖...」

「ほかの誰でもないイヴちゃんにだけ向けられる愛情...それが、八舞君だもの...」

 

 千聖は景色を眺めている。

 千聖は一筋の涙を流していた。

 

 

「...これからも、幸せじゃなきゃ、許さないんだから...」

「...あぁ、そうだね。」

 

 千聖と薫は並んで夕日を眺めた。

_________________________

 

「栄斗さん!!」

「んあ?イヴか。」

「薫さんに聞きました!無理をしすぎです!」

「白鷺さんのためだったんだ。」

「それも聞きました。千聖さんが告白すると...」

「俺はまた、傷つけた。紗夜さんに続いて、白鷺さんまで...」

「栄斗さん...」

「でも、後悔はないよ。」

「え?」

「俺はイヴを愛し続けるから...な。」

「栄斗さん!!!」

 

 俺の意識はそこで途絶えた__

 

 




感想などお願いします!

日菜と彩ちゃんもヒロイン候補にした方がいいですか?
一応、この話を書きながら、二人のルートも考えました!
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