恋愛のブシドー   作:火の車

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28話です!


第28話

 文化祭の準備が本格的に始まった。

 俺は日菜さんの手伝いに来ていた。

 

「__書類の量、すごいですね。」

「そう?私は余裕だよ!」

「流石ですね。まぁ、取り掛かりましょう。」

「そうだね!」

 

 俺たちは仕事を始めた。

 

「__ねぇ、栄君?」

「はい?なんでしょう?」

 

 仕事をしばらくしてると、日菜さんが話しかけてきた。

 

「千聖ちゃんに告白されたって本当?」

「...どこからそのことを?」

「なんとなくだけど?」

「っ!...カマかけましたね?」

「まぁまぁ!...で、やっぱりフッちゃったの?」

「...はい。」

「まぁ、そうだよね~。栄君にはイヴちゃんがいるもんね!」

「...人を傷つけるのは、これきりにしたいです。」

「...」

 

 俺がそう言うと、日菜さんは黙った。

 

「日菜さん?」

「あ、ごめんごめん!なんでもないよ!」

 

 何もないようだ。

 

「まぁ、さっさと仕事片付けましょう。」

「うん!そうだね!」

 

 俺たちは仕事にまた取り掛かった。

_____________________________

 

 「__はぁ、疲れた。」

 

 書類仕事が片付きクラスの手伝いに来た。

 

「あ!栄斗さん!」

「よう、イヴ__って、イヴ!?」

 

 イヴはメイド服を着ていた。

 

「...なんで、イヴが着てる?」

「いやー、イヴちゃんも人気だから!」

 

 委員長がそう言った。

 

「私も栄斗さんと接客できますよ!」

「...ダメだ。」

 

 俺はそう言った。

 

「なんでですか!?」

「変な客が来たらイヴが怖い目に合うからだ。」

「大丈夫です!」

「ダメだ。俺が常に付いておけるわけじゃないんだぞ?」

 

 イヴに引く様子はない。

 

「あー。栄斗?」

「あ?なんだ、真波?」

「若宮ちゃんを信用しようぜ?な?」

「信用はしてる、心配なだけだ。」

「まったく...」

 

 真波は頭を抱えている。

 

「栄斗さん。」

「どうした?」

「私はそんなにダメ...ですか?」

 

 イヴが悲しそうな顔でそう言ってきた。

 

「っ!!(俺がイヴを傷つけるなんてあっていいわけない!)」

「栄斗さん...?」

「...仕方ない。接客、しようか。」

「いいんですか?」

「あぁ。」

 

 イヴは喜んでる。

 

「どういう、心境の変化?」

「...俺がイヴを悲しませることは許されない。」

「なるほどね。」

「だが__」

「ん?」

「イヴに手を出す奴がいたら、そいつはすぐに消す。」

「えぇ...」

 

 そうして、イヴの接客の参加が決定してしまった。

_____________________________

 

「__どうして、こうなった?」

 

 俺は今、執事服を着ている。

 

「いいね!似合うよ!八舞君!」

 

 委員長がそう言ってる。

 

「...動きずらい。」

「我慢して!」

「これじゃ、イヴに手を出した奴をすぐに消せないんだが?」

「いや!しちゃダメだからな!?」

 

 真波がそう言った。

 

「何?イヴへのセクハラを容認しろっていうのか?ありえない、容認しろというなら俺はこんなのしないぞ。」

「大丈夫だって!俺も監視はしとくからさ!」

「...確認され次第、俺に報告しろ。」

「ちなみに、報告があった場合は?」

「そのゴミを即ぶっ殺...退店させる。」

「いや!隠せてないよ!?もうちょっと平和にしような?」

「...善処しよう。」

 

 俺はそう答えた。

 

「栄斗さん栄斗さん!」

「どうしたイヴ?」

「接客を教えてもらいました!見てくれませんか?」

「あぁ、いいぞ。」

「じゃあ__」

 

 イヴは一歩下がって...

 

「おかえりなさいませ!ご主人様!」

 

 満面の笑顔でそう言った。

 

「...」

「どうでしたか?」

 

 栄斗は動かない。

 

「おーい、栄斗ー?」

「__真波よ。」

「ん?どうした?」

「...イヴ、可愛過ぎね?」

「キャラがブレてるぞ?」

「はっ!危ない危ない。」

 

 一瞬、意識飛んでた。

 

「栄斗さん?」

「あぁ、すごい可愛かったぞ。」

「そうですか!よかったです!」

「あぁ。」

「それと__」

「ん?」

「さっきのは、栄斗さんだけへのスペシャルバージョン、ですよ?///」

「!?そ、そうか。ありがとな。」

「は、はい///」

 

 イヴは着替えに行った。

 

「真波よ。」

「どうした?...何となく読めるけど。」

「イヴって天使だったんだな。」

「涙出てるぞ?」

「...大丈夫だ。うれし涙だ。」

 

 そこから、準備は進んでいった。

_____________________________

 

 少し経ち、俺は日菜さんのもとに来ていた。

 

「書類はこれで最後ですね?」

「うん!手伝ってくれてありがと!」

 

 俺たちは書類整理を終えた。

 

「いやー、大変でしたねー」

「そうだねー。これには私もるんっ♪って来ないよ。」

「そうですよねー」

「そういえば、栄君って私の表現が分かるの?」

「え?今更ですか?」

 

 日菜さんはそんな事を言ってきた。

 

「まぁ、わかりますよ。」

「...やっぱり。」

「どうしたんですか?」

 

 日菜さんは真面目な顔をしている。

 

「私ね、よく天才って言われるんだ。」

「知ってますよ?」

「そのせいで、お姉ちゃんと険悪になったり、周りの人に受け入れてもらえなかったの。」

「それは初めて知りました。」

 

 俺は少し驚いた。

 

「誰も、私と同じ世界にいる人はいなかったんだ。」

「世の天才は、みんなそうですよ。」

「そうかもね。でも、見つけた。」

「?」

「栄君は気付いてないと思うけど、栄君は私と同じ世界にいる。」

「どういうことですか?」

 

 日菜さんは俺に近づいてきて、こう言った。

 

「私のものにならない?栄君?」

「え...?」

 

 俺は混乱した。

 そして、俺の波乱に満ちた文化祭が始まる...

 

 




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