恋愛のブシドー   作:火の車

3 / 125
今は書いてるのが楽しいので可能な限りは出したいです。


第3話

 俺たちは教師の先導のもと体育館に来た。

今回の顔合わせは特別なようで半ばパーティーのような雰囲気だった。

そんな中俺は、案の定、会場の端にいた。

 

「...こいつら、順応するの早すぎだろ。」

「いや、お前みたいなのが珍しいだけだよ!?」

 

待合室から何故か一緒にいるやつがツッコミを入れてきた。

それにしても...

 

「誰だお前?」

「え?今まで喋ってたよね?誰か知らないで喋ってたの!?」

「あぁ、俺はお前のことなんか今日初めて見た。」

「...まぁ、いいや。俺の名前は

 真波涼だ!」

「あっそ。」

「興味薄すぎ!!??」

 

うるさいやつだ。てかなんで俺に絡んでくんだよ...

 

「てか、お前の名前なんだよ?」

「俺?俺は八舞栄斗だ。」

「栄斗ね...よろしくな!」

「俺はよろしくしたくないんだが。」

「ひど!?...まぁ、いいや。

 俺と一緒に女子と喋りにいかね?」

「断る、一人で行け。」

「まあまあ、そういわずに。」

「ちょ!?」

 

そう言って真波は俺を引っ張って人が多いところに連れて行った。

が、会場の雰囲気が異様だ。

 

「おい、真波、様子がおかしくないか?」

「?言われてみれば」

 

周りを見渡していると、ある声が聞こえてきた。

 

「ねぇあれ。」

「うん。完全に触ってるよ。」

 

と、言っていた女子生徒と同じ方向を見てみると...

 

「あのー、手を放してもらえませんか...?」

「ん?何のことだい?」

 

いかにも性格の悪そうなデブ男子が若宮にセクハラを働いていた。

 

「若宮イヴだよね...?パスパレの...僕、ずっと、ファンだったんだ...」

「ひっ!」

 

 やばい助けないと...

 

「そこの男子生徒やめなさい!!」

 

 水色っぽい髪色の女子生徒が止めに入った。

 

「今すぐその手をどけなさい!」

「なんなんだお前は!僕はイヴちゃんと話してるんだ!外野は引っ込め!」

「きゃっ!」

 

デブは叫ぶのと同時に、止めに入った女子生徒を払いのけた。

 

「うっわ、最低だなあいつ...」

「...ねぇ。」

「ん?」

「その行動はいただけねぇぞ!!!」

 

俺は気づいたら叫んでいた。

それだけ、このデブの行動が許せなかった。

 

「真波...止めんなよ。」

 

と、言い残し俺は現場に歩み寄った。

 

「おい...」

「なんだ!お前も僕に邪魔をするのか!?」

「栄斗さん!?」

「若宮、もう、大丈夫だ。」

「おい!僕を無視するな!」

 

と、デブが喚いている。まったく...

 

「てめぇは発情期の豚か!?あぁ!?」

「な、なにぃ!?」

「さっきから、若宮の迷惑を考えないでセクハラして!

 止めに入った女子生徒を払いのける...?」

「だ、だから何だって言うんだ!」

「それが男のやることか!?ごらぁ!!」

 

と、言って俺はデブを殴り飛ばした。

 

「な、なに、なにするんだぁ!?」

「あぁ?クズには制裁がいるだろ?制裁だ。」

「く、くそぉぉおおお!」

 

デブが掴みかかってきた。が。

 

「ぶっ!!!!」

 

返り討ちにあった。

 

「...おい、選ばせてやる。今から大人しくるか、このまま続けるか。」

「う、うぅ...」

 

と、言ってデブは体育館から出て行った。

 

「ふぅ...疲れた...」

「栄斗さん!?」

「ぐほっ!!」

 

何故かまた若宮にぶつかられた。

 

「な、なんだ?若宮?」

「...ありがとうございました。」

「?」

 

元気なくお礼を言ってきた。

 

「いや、俺が気に入らなくてやったことだから...」

「...いえ、今回は本当にありがとうございました。」

「あ、紗夜さん...」

 

さっき、止めに入っていた女子生徒もお礼を言ってきた。

 

「い、いや、あなたは一人であいつに立ち向かったんだ、貴女のほうが立派ですよ。」

「そんなことは...っ!!」

 

紗夜さんと呼ばれていた女子生徒は苦悶の表情を浮かべている。

さっきので、足を挫いたんだろう。

 

「大丈夫ですか?」

「こ、このくらい、問題ありません...っ!!!」

「...やっぱり駄目じゃないか。」

 

俺は紗夜さんに近づいた。

 

「な、なにを...ひゃ!!」

「...すいませんが、これで保健室まで向かいます。」

 

俺は紗夜さんを抱え保健室に向かった。

 

 




感想、要望、ご指摘などありましたら是非コメントしていってください。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。