恋愛のブシドー   作:火の車

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紗夜ルート開始です!
タイトル変更して、また頑張ります!


メトロノームは乱れない(紗夜ルート)
第1話


「今日も完璧だ。」

 

 俺は八舞栄斗。この春から共学化する花咲川に通う、高校二年生だ。

 

「早く食べて、家を出るか。」

 

 俺は朝食を食べ始めた。

 

「__身支度、よし。持ち物よし。」

 

 俺は身だしなみを確認した。

 

「...よし、行くか。」

 

 俺は家を出た。

_____________________________

 

 学校に着いた。

 

「ここが、花咲川か。」

 

 とりあえず、学校に入った。

 

「...入ったはいいが、待合室ってどこだ?」

「あの、どうしましたか?」

「?」

 

 話しかけてきたのは、水色の髪の人だった。

 

「待合室に指定された場所が分からなくて。」

「良ろしければ、ご案内しましょうか?」

「ほんとですか?助かります。」

「えぇ、では、行きましょう。」

 

 俺は後ろをついていった。

_____________________________

 

「__ここですよ。」

「わざわざ、ありがとうございました。」

「いえ、問題ないですよ。」

「失礼ですが、お名前を伺っても?」

「あら?名乗っていませんでしたね。

 私は氷川紗夜、三年生です。」

「俺は八舞栄斗です。二年生です。」

「あら?年下だったのですね?」

「はい。そうですね。」

「私は仕事があるので行きますね。」

「はい、ありがとうございました。」

「えぇ。」

 

 そう言って、氷川さんはどこかに行った。

 

「さて、入るか。」

 

 俺は待合室に入った。

_____________________________

 

 俺には友達がいない。

 今までは放課後は家事のために早く帰ってたし。

 

「なぁ!そこの奴!」

「?」

 

 急にチャラめな奴が話しかけてきた。

 

「なぁ、なんでそこに一人でいるんだ?」

「お前には関係ないだろ。」

「てか、お前って八舞栄斗だろ?」

「...なぜ、知ってる?」

「なんでって、いっつも学年一位に名前があったからな。」

「なんだ、俺と同じ学校だったのか。」

「俺は真波涼!よろしくな!」

「俺はよろしくしたくない。」

「ひどい!?」

 

 真波はそう言ってる。

 

「__えぇ、これから顔合わせだ!楽しんでくれよ!」

 

 教師が入ってきてそう言った。

 俺は会場に移動した。

_____________________________

 

 俺は予定調和の如く、会場の隅っこにいた。

 顔合わせは校長などの計らいとやらでパーティーだった。

 

「...めんどくさい。」

「もうちょい楽しめねぇか?」

 

 真波がそう言ってきた。

 

「せっかく男子校から共学だぜ?楽しまねぇと!」

「...勝手に楽しんでろ。」

「そう言うなって!行こうぜ!」

「ちょ!引っ張んな!」

「__きゃ!」

 

 誰かにぶつかってしまった。

 

「す、すいません。」

「い、いえ。大丈夫です...って、八舞君?」

「氷川さん。さっきぶりです。」

「えぇ。」

「え?栄斗、この人と知り合いなん?」

「この人は三年の氷川紗夜さんだ。案内をしてもらったんだ。」

「へぇ...やるじゃん!」

「何がだ?」

「あの、そちらの方は?」

「俺は真波涼っす!二年生です!」

「真波君ですね。よろしくお願いします。」

 

 自己紹介を済ませた。

 

「氷川さんはどうしたんですか?難しい顔をしていましたが。」

「私は生徒会、風紀委員を兼ねてますので、見回りをしないといけないんです。」

「なるほど。大変ですね。」

「いえ、仕事なので。」

 

 氷川さんは真面目みたいだ。

 

「...なぁ、栄斗、氷川さん。」

「なんだ?」

「なんですか?」

「あれ...」

 

 真波が指をさした先には、ピンク髪の女生徒がセクハラを受けていて、ブロンドの人が止めてる光景だった。セクハラをしてるのはオタクっぽいやつだ。

 

「...いると思ったよ、あんな奴。」

「止めに行ってきます。」

「え?危ないですよ?」

「私の仕事です。そして、私は正しいことをします。」

「あ、ちょ...」

「八舞君たちはここにいてください。」

 

 氷川さんは走っていった。

 

「__そこの生徒!やめなさい!」

「なんだ!?」

「「紗夜ちゃん!?」」

「あなたの行いは見ていました、今すぐその手を放しなさい!」

「うるさい!僕はこの二人に用があるんだ!外野は引っ込め!」

 

 そいつは氷川さんを押し飛ばした。

 

「きゃっ!!」

「「紗夜ちゃん!」」

「僕に逆らうから、こうなるんだ!」

 

 そいつはそう言って、さっきの二人に向きなおった。

 

「ひでぇな、あれ。」

「...」

「栄斗?」

「真波、教師への報告、頼む。」

「え!?栄斗!?」

 

 俺は騒ぎの中心に向かった。

_____________________________

 

「さぁ!僕と一緒に__」

「おい。」

「もう!なんなんだ!次々と!」

 

 いらだっているようだ。

 

「八舞君!?」

「氷川さん、大人しくしててください。足と手、捻ったでしょ?」

「!?」

 

 氷川さんは驚いている。

 

「さてと...」

 

 俺は男のほうに向きなおって。

 

「おい、お前。選べ、帰るか叩き潰されるか。」

「は?」

「聞こえないのか?選べと言ったんだ。」

「なんで選ばなくちゃいけないんだ?」

「自覚しろよ、お前今、この場で最高に浮いてるんだぜ?」

「僕は僕に相応しい女の子と相応しい接触をしてただけだ!正しいのは僕だ!」

 

 開き直ってやがる。

 

「だから___ぐへっ!!??」

「お前、親に甘やかされ過ぎだ。」

 

 俺はそいつを殴った。

 

「自分の身の程を知れ。お前に人を選ぶ権利もスペックもない。」

「ぐ、な、なんなんだ...?」

「あ?」

「お前は何なんだ!?」

「俺か?俺は八舞栄斗だ。」

 

 一応、自己紹介しておいた。

 

「まぁ、帰るか続けるか選ばせてやるよ。最終だぞ?」

「く、くそ!!覚えてろ!!」

 

 そいつは外に走っていった。

 

「...」

 

 俺は氷川さんの方を向いた。

 

「大丈夫ですか?氷川さん?」

「...なんで、来たんですか?」

「危ないと思ったからです。」

「...私はそんなに、頼りないでしょうか...」

「とりあえず、保健室に行きましょう。応急処置しないと。」

「あの、話を__きゃあ!!///」

 

 俺は氷川さんを抱きかかえた。

 

「足、ひどいでしょ?お連れしますよ。」

 

 俺は保健室に向かった。

_____________________________

 

 保健室に来た。

 先生はいない。多分、騒動の始末に行ったんだろう。

 

「えーっと、包帯に湿布は...っと。」

「あの...八舞君?」

「はい?」

「なぜ、私にここまでしてくれるんでしょうか?」

「まぁ、恩がありますからね。恩返しですよ。」

 

 俺はそう答えた。

 

「...情けないですね、私は。」

「どういうことですか?」

「私じゃ男子を止められません。こんなのじゃ___」

「いや、氷川さんは立派ですよ。」

「__え?」

「あの状況で止めに入ったのは氷川さんだけです。氷川さんは正しいんです。卑下する事はないですよ。」

「...お優しいんですね。」

「いえ、当然の事です。」

 

 俺は氷川さんを応急処置した。

 

「__まぁ、こんなものでしょうか。」

「ありがとうございます。」

「さて、どうしますか?戻りますか?」

「はい。先生方に報告しなくては...っつ!!」

 

 氷川さんは立ち上がったが、まだ痛そうだ。

 

「肩くらい、貸しますよ?」

「...お願いします。」

_____________________________

 

 俺たちは会場に戻っていた。

 

「__八舞君はなんで私にここまでしてくれるんですか?あって間もないのに...」

「氷川さんが正しい人だからですよ。」

「そうなんでしょうか?」

「そう、俺なんかと違う、評価される正しさ。」

「え?どういう___」

「はい、着きましたよ。」

「え、あ、はい。」

 

 俺たちは会場に入った。

 

「__私は先生方に報告に行きます。」

「はい、お気をつけて。」

 

 氷川さんが去って行った。

 

「...やけに視線を感じるな。」

「よう!栄斗!」

「真波?」

「おう!言われた通り教師に報告しておいたぜ!」

「...悪いな。」

「いいっていいって!あ、それと__」

 

 真波がそう言うと、二人の女生徒が近づいてきた。

 

「あれ?さっきの。」

「えぇ、初めまして、白鷺千聖よ。」

「丸山彩だよ。」

「白鷺さんと丸山さんですね。俺は八舞栄斗です。」

 

 俺は頭を下げた。

 

「さっきはありがとね。」

 

 丸山さんがそう言った。

 

「大丈夫ですか?」

「う、うん!大丈夫だよ!」

「感謝するわ、八舞君。」

「いえ、俺は氷川さんにのっかっただけです。お礼は氷川さんに言ってください。」

 

 俺はそう言って、真波に聞いた。

 

「真波、あれから何もなかったか?」

「あぁ。でも...」

「なんだ?歯切れが悪いな。」

「まぁ、時期にわかるよ。」

「(なんなんだ?)」

 

 さっきから視線も感じるし、様子が変だな。

 

「まぁ、いいか。」

 

 俺は疑問を残し、残り時間を過ごした。

_____________________________

 

 ”紗夜side"

 

 紗夜は教師への報告を済ませ、椅子に座っていた。

 

「(八舞君、彼は何者なんでしょう?あの言葉も...気にかけておく必要がありますね。)」

「...なんでしょうか、放っておいたら、ダメな気がします。」

 

 紗夜はそう思うのだった...




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