「__ここが私の家よ。」
「大きいですね。」
「別に普通よ。まぁ、入りなさい。」
俺は湊さんの家に入った。
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「...湊さん。」
「何かしら?」
「最後に掃除したのは、いつでしょう?」
「...忘れたわ。」
家の状態はひどいものだった。
お菓子のゴミ、散らばった雑誌類、あげていったらキリがない。
「...湊さん、この部屋か片付けてもいいでしょうか?」
「あら?いいの?疲れているでしょう?」
「流石にこれはよくないでしょう。」
そう言って俺は片づけを始めた。
「__えっと、これはここに。ゴミはこれがこっち、これが__」
「ねぇ、八舞君?」
「はい?なんでしょう?」
湊さんが話しかけてきた。
「あなた、家が燃えても落ち着いてたわね。」
「いや、焦ってましたよ?」
「それは、私たちが危なかったから、じゃないのかしら?」
「!...気づいてたんですか?」
「これは簡単に分かったわ。分からないのは、あなたの余裕の理由よ。」
湊さんはこっちを見ている。
「答えてもらえるかしら?八舞君?」
「...言えません。仮にも俺と湊さんは初対面だ、話すことじゃない。」
「...まぁ、そうね。余計な詮索はやめましょう、今日はね。」
「そうしてくれると助かります。」
湊さんは立ち上がった。
「お風呂に入ってくるわ。」
「はい。」
湊さんは風呂場に行った。
「...あの人、ポンコツなのかそうじゃないか、分からねぇな。」
俺は片づけを再開しようとした、が
「ん?この雑誌。」
俺が拾ったのはバンド雑誌だ。
「__なるほど、読んでみたら面白いな。」
片付けもほとんど済んで、俺はその雑誌を読んでいた。
「折目のあるページは技術関係、か。」
雑誌の状態的にかなり読まれている。
音楽には真剣みたいだ。
「...全力で取り組める事があるのは良い事だな。」
「__あら。音楽に興味があるのかしら?」
「湊さん...って、髪、乾かしてないじゃないですか。」
「面倒だもの。今日はリサも来ないし。」
「座っててください。俺がやりますので。」
「あら、悪いわね。」
「いえ。」
俺はドライヤーを取りに行った。
「__じゃあ、始めます。」
「えぇ、いつでもいいわ。」
俺は湊さんの髪を乾かした。
「__はい、終わりましたよ。」
「リサより上手だったわ。」
「それ、本人には絶対言わないでくださいね。多分、恨まれるので。」
「?わかったわ。」
ほんとに分かってるのか?
「そういえば、あなたは音楽に興味があるのかしら?」
「いや、興味はないですけど。雑誌の読み込み具合で真剣さが伝わってきましてね。」
「そんなことが分かるの?」
「はい、分かりますよ。感覚ですけど。」
「...それは、音楽の良し悪しも分かるのかしら?」
「中学の時とかは分かりましたね。今は分からないですけど。」
「...試してみたいわ。」
「え?」
「明日、ロゼリアの練習に付き添いなさい。」
「え?良いんですか?」
「えぇ、あなたがどんな感想を言うのか興味が沸いたわ。」
「まぁ、湊さんがいないときは外にいるつもりでしたから、構いませんよ。」
「なら、早くお風呂に入って明日に備えなさい。」
「分かりました。あ、バンドの本とか借りられませんか?」
「構わないけど、なんでかしら?」
「どうせ感想言うなら、参考になること言いたいので。」
「いい意識の高さね。でも、一晩で大丈夫なのかしら?」
「問題ないです。」
「なら、お風呂から上がったら私の部屋に来なさい。」
「了解しました。」
俺は風呂に向かった。
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俺は風呂を上がって。湊さんの部屋の前にいた。
「湊さーん。」
呼ぶと、湊さんが出てきた。
「来たわね、入りなさい。」
「え?いいんですか?」
「問題ないわ。見られて困るものなんて無いもの。」
「なら、失礼します。」
俺は湊さんの部屋に入った。
「...自室は綺麗なんですね。」
「当り前よ。歌に影響が出るもの。」
「なるほど。」
湊さんは本棚から三冊の本を取り出した。
「これを読むといいわ。初歩から専門的なことまで良く書かれてるわ。」
「ありがとうございます。読んだらすぐに返します。」
「焦らなくてもいいのよ?」
「大丈夫ですよ。リビングにいるので、何かあれば呼んでください。」
「えぇ。」
俺は部屋を出た。
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俺はリビングで借りた本を読んでいる。
「なるほどな。今まで感じた違和感はこういう事だったのか...」
読んでみるとなかなか面白い。
「ふむ...」
俺は本を読み込んだ。
「__八舞君?」
「湊さん?どうしました?」
「ずっと読んでいたの?もう朝よ?」
「え?...あ、ほんとだ。」
朝になっていたらしい。
「徹夜なんてして大丈夫なのかしら?」
「大丈夫ですよ。本の内容もあらかた頭に入りました。」
「え?」
湊さんは驚いている。
「基本、一回読めば覚えられるので。」
「...日菜みたいなことを言うのね。」
「誰ですか?」
「まぁ、いいわ。朝ごはんにしないかしら?」
「あ、はい。そうですね。」
俺は朝ごはんの用意をした。
「__即席って言ってたのに、美味しいわ。」
「普通ですよ?」
俺たちは朝食を食べ終えた。
「じゃあ、行きましょうか。」
「はい。」
俺たちは家を出た。
「あ、友希那~!」
「あら、リサ、おはよう。」
「うん!おはよ☆」
今井さんが家から出てきた。
「あれ?なんで八舞君がいるの?」
「少し、感想を聞いてみたくなったの。」
「珍しいね、友希那がそんなこと言うなんて?」
「...もしかしたら、ロゼリアが上に行くのに必要かもしれないわ。」
湊さんはそう言った。
「行くわよ、二人とも。」
「うん!」
「はい。」
俺たちはライブハウスに向かった。
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「ここが、ライブハウスか。」
「早く入るわよ。皆が集まってるわ。」
俺たちはライブハウスに入った。
「皆、待たせたわね。」
「いえ、そんなに待ってな__って、八舞君?」
「どうも、氷川さん。」
氷川さんは驚いた顔をしている。
「湊さん、なんで八舞君が?」
「彼には今日、練習を見てもらうわ。」
「でも、彼は素人なのでは?」
「そうよ。」
「じゃあ、なんで__」
「もしかしたら、ロゼリアが上に行くのに必要になるかもしれないわ。」
「?...どうゆうことですか?」
「すぐにわかるわ。」
湊さんは皆に声をかけた。
「練習を始めるわよ!」
皆、準備に入った。
「八舞君。」
「なんですか、湊さん?」
「あなたには私たちの演奏を聴いて感想を言ってもらうわ。気になったところがあれば言ってちょうだい。」
「はい。わかりました。」
そうして、練習が始まった。
内容は三曲の演奏。次のライブでする曲らしい。
__演奏が終わった。
「__どうだったかしら、八舞君?」
湊さんがそう聞いてきた。
氷川さんも真剣な顔をしている。
「そうですね。完成度は高いと思います。技術も高いですし。」
「そう。(やっぱり、私の思い過ごしだったかしら。)」
「でも。」
「!」
俺は正直な感想を言った。
「今井さんと宇田川さん、走り気味?ってやつですね。それにみんな釣られてましたね。あと、白金さん、一回ミスタッチしましたね?」
「え?そうなの、燐子?」
「はい...すいません。」
「私も気づきませんでした...」
「私もよ。」
「八舞さんすっごーい!」
好印象なようだ。
「白金さん、ミスタッチしたところ苦手なんじゃないですか?」
「え?なんでですか...?」
「そこの部分で指がもつれてたので、苦手なんじゃないかなと。」
「せ、正解...です。」
「うっそ!マジじゃん!?」
「...予想以上だわ。」
「八舞君、バンドの経験があるんですか?」
と、氷川さんが聞いてきた。
「いや、ないですよ?ちょっと本を読んだだけです。」
「そんな!?本を読んだだけで!?」
「八舞さん、天才なんじゃないですか?」
「そんなものでもないと思うけど。あ、白金さん。」
「はい?」
「少し、キーボード借りますね。」
「え?」
俺はキーボードの前に立った。
「見ててください。えっと__」
俺は白金さんが苦手とする部分を弾いてみた。
「__こんな感じですれば指はもつれないかと。」
「あ、ありがとうございます...」
「...」
「湊さん?どうしたんですか?」
湊さんは俺の方を黙ってみている。
「...なんで、キーボードが弾けるのかしら?」
「え?入門編で書いてあったので。」
「それだけで、あんなに弾けるの?」
「実践しないとわからないですが、多分、全部できます。」
「ベースも!?」
「ドラムも!?」
「ギターもですか。これは...」
「天才、と言う事なのかしら?」
「まさか、日菜と同じ...?」
「...もしかしたら、それ以上よ。」
「あの、皆さんどうしたんですか?」
皆は驚いた顔をしながらこっちを見いる。
「八舞君?」
「はい、なんでしょう?」
「ロゼリアのマネージャーにならないかしら?」
「え?」
「私も異論ありません。」
「私もないかな~」
「私もないです!」
「私も...です。」
なんか、すごいことになってるぞ?
「湊さん?」
「なにかしら?」
「俺がマネージャーをするのは決定なんですか?」
「...嫌なら、断ってもいいわ。」
「いや、別にいいんですけど。俺でいいんですか?」
「えぇ、あなたがいればロゼリアはもっと上に行けるわ。」
湊さんはそう言った。
「そうですか。なら、しましょう、ロゼリアのマネージャー。」
「いいの?」
「いいですよ。基本、予定なんか入らないので。」
「なら、お願いするわ。」
「はい。力になれるように頑張ります。」
俺はロゼリアのマネージャーになった。
俺はロゼリアを気に入ったみたいだ。
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