恋愛のブシドー   作:火の車

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紗夜ルート8話です!


第8話

 俺は今、ロゼリアの練習が終わりファミレスにいる。

 

「__そういえば、もう少しでテストですね。」

「そういえば、そうですね。」

「八舞君は勉強は大丈夫ですか?よろしければ私が教えますが?」

「俺は問題ないですね。」

「そうですか...」

「?」

 

 なんか残念そうだな?

 

「八舞さん、勉強得意なんですか?」

「まぁ、苦手ではない。」

「じゃあ!あこの勉強見てくださいよ!」

「いいぞ。どこだ?」

「ここです!」

 

 宇田川さんは問題集を見せてきた。

 

「ここか。ここはまず__」

 

 俺は説明した。

 

「__って、感じだ。分かったか?」

「はい!すごく分かりやすかったです!」

「宇田川さんが理解する気があったからだ。」

「あ、そういえば!」

「?」

 

 宇田川さんが思い出したように言った。

 

「八舞さん、なんで私の事、宇田川さんって呼ぶんですか?」

「えーっと...なんでだ?」

「よければ、あこって呼んでください!」

「うん、いいぞ。あこ。」

「「!?」」

 

 俺があこと呼ぶと湊さんと氷川さんが反応した。

 

「ねぇ、八舞君?」

「はい、なんでしょう湊さん?」

「八舞君はなんで私たちを名字で呼ぶのかしら?」

「そうです!」

「そういえば、そうだね~」

「そう...ですね。」

「えーっと、皆さんは年上なので、名前呼びはちょっと...」

 

 俺はそう答えた。

 

「そんなこと気にしなくていいわ。」

「そうです。私たちは仲間じゃないですか。」

 

 二人はやけに食い気味だな。

 

「うーん...。やっぱり俺には無理ですね。」

「そう...」

「そう、ですか...」

 

 二人はへこんだみたいだ。

 

「友希那!あれだよ!八舞君は友希那を尊敬してるから呼べないんだよ!ね!そうだよね?!」

「は、はい。そうですね。」

「氷川さんも...八舞君に尊敬されてるから...ですよ?」

「...そうですか。」

「まぁ、お二人とも尊敬すべき先輩なので、呼びずらい部分もありますね。」

「そ、そういう事なら仕方ないわね...!」

「そ、そうですね...!」

 

 二人の機嫌は直ったみたいだ。

 

「__そろそろ、解散しましょう。」

「そうね。」

「もうこんな時間か~、楽しい時間は早いね☆」

「楽しかった...です。」

「集いし悪魔たちの...えーと。楽しかったです!!」

「(あこって、高校生、なんだよな?)」

 

 俺は疑問に思った。

 

「それじゃあ、解散よ。」

 

 湊さんの一声で解散した。

_____________________________

 

 そして、テスト一週間前だ。

 

「__ねぇ、八舞君?」

「なんだ、山吹?」

「八舞って勉強得意?」

「苦手じゃない。」

 

 急にどうしたんだ?

 

「いや、いつも寝てるから気になって。」

「そういえば、栄斗はいつも寝てるよなー」

「...授業は好きじゃないからな。」

 

 俺はそう答えた。

 

「もう、一週間後だからなー俺も勉強始めねぇと。」

「私もだー」

「__沙綾!」

 

 突然、誰かが入ってきた。

 

「香澄?どうしたの?」

「助けて!有咲が__」

「こらぁ!香澄!勉強するぞ!!」

「あ、そういう事か。」

「誰だ?」

「私のバンドの仲間だよ。」

「あれ!沙綾、男の子と話してる!珍しい!」

「そんなのじゃないから...」

「はぁはぁ、逃げ足速すぎだろ...って、お前は。」

「あー、どうも。」

「有咲も知り合いなの?!」

「いや、この前脅された。」

「...あの時は悪かったな。」

「え?有咲に何したの?」

「えーっと__」

 

 俺はあの時の事を話した。

 

「なんだ、そういう事だったのか。」

「すまんかったな。」

「いや、そういう事なら仕方ねぇよ。」

「有咲やっさし~!」

「香澄!そんなんじゃねぇ!」

「わー!有咲が怒った~!」

 

 戸山は走っていった。

 

「こら!...じゃあ、行くわ。」

「じゃあね~有咲~」

 

 市ヶ谷も出て行った。

 その時にチャイムもなった。

 

「騒がしい休み時間だ。」

「悪くないだろ?」

「...あぁ。」

 

 そうして、時は流れる__

_____________________________

 

 テストの初日だ

 

「はぁ、憂鬱だ~!!」

「うるさいぞ、涼。」

「だってよ~栄斗~!」

「大丈夫だ、涼。」

「栄斗...」

「お前が留年しても、たまに会いに来てやる。」

「そっち!?」

「...冗談だ。」

「え?間が気になるんだけど?」

 

 テストが始まった。

 

__テストが終わり、テストの結果が返ってきた。

 

「順位出てるから行こうぜ!」

「興味ないんだが。」

「いいから!行こうぜ!」

「ちょ!おい!」

 

 涼に連れていかれた。

 

「__えーっと、俺は...58位か!栄斗は何位だ?」

 

 俺は指をさした。

 

「1位じゃねぇか!てか、満点って、人間じゃねぇ...」

「あんなの、簡単だ。」

「__有咲ぁ!!」

「ん?」

 

 戸山の叫び声が聞こえた。

 

「有咲!大丈夫?!」

「どうした、戸山?」

「あ!八舞君、実は__」

 

 戸山に状況を説明された。

 

「...つまり、テストで1位取れなかったからへこんでるのか。」

「......そうだよ、悪いかよ。」

「いや、なんか悪いな。次からは一個くらい間違えるようにする。」

「馬鹿にすんな!」

「いや、してないぞ。俺は1位なんかに興味がないから、取りたい奴がとればいいと思ってるだけだ。」

 

 俺はそう言った。

 

「お前は間違える必要はねぇ!私も満点取ってやる!!」

「その意気だよ、有咲!」

「お前はもっとどうにかしろ!」

「わー!ごめんなさいー!」

 

 戸山と市ヶ谷は走っていた。

 

「...そういえば、氷川さんと白金さんはどうだったんだろ。」

「__私は2位でした。」

「私は...4位...です。」

「あれ?二人ともどうしたんですか?」

「私たちは八舞君の結果が気になって。」

「どう...でしたか?」

 

 俺は指をさした。

 

「...1位ですか。すごいですね。」

「あの、氷川さん...点数、見ましたか?」

「え?」

 

 氷川さんはもう一回順位表を見た。

 

「え?満点...?」

「えーっと、一応?」

「...日菜みたいですね。」

「日菜?前もそれ言われましたけど、誰なんですか?」

「私の双子の妹です。」

「へぇ、妹さんがいたんですね。双子とはまた珍しい。」

「日菜は天才です。八舞君と気が合うかもしれないですね。」

「そんなことはなさそうですが。」

 

 そんな会話をした。

_____________________________

 

 放課後だ。

 今日からライブが近いらしいので練習時間が増えるらしい。

 

「__あ、来ましたか、八舞君。」

「あれ?2人とも待ってたんですか?」

「えぇ。早く行きましょう。」

「そうですね。」

 

 俺たちはライブハウスに向かった。

 

「__来たわね、三人とも。」

「お待たせしました、湊さん。」

「別に待ってないわ。早く、練習を始めましょう。」

「そうですね__」

「__お姉ちゃん!」

 

 突然、水色の髪の人が入ってきた。

 あれ?誰かに似てるな?

 

「日菜、少し静かに入りなさい。」

「はーい!」

「あの人が氷川さんの妹か。」

「えぇ。妹の日菜です。」

「氷川日菜だよ!」

「八舞栄斗です、よろしくお願いします。」

「へぇ~、君が...」

「何か?」

「お姉ちゃんが君の事いつも話してるんだ~!」

「ちょっと!日菜!///」

 

 氷川さんが止めに入った。

 

「いっつも楽しそうに、八舞君がかっ__」

「やめて!!///」

「?」

 

 なんて言おうとしたんだ?

 

「あの、氷川さん?」

「「はい?(どうしたの?)」」

「あ、二人とも氷川さんだった。妹さんの方です。」

「私?あ、それと、私は名前でいいよ!」

「じゃあ、日菜さんって呼びます。」

 

 湊さんと氷川さんの表情が変わった気がするけど、気のせいだろう。

 

「それで、どうしたの?」

「あ、そうでした。日菜さんは何しにここに?」

「あ!お姉ちゃんにピック届けに来たんだった!」

 

 日菜さんは氷川さんにピックを渡した。

 

「ありがとう、日菜。」

「全然いいよ!じゃあ、私は帰るね!」

 

 日菜さんはライブハウスを出て行った。

 

「さて、練習を始めま...しょうか?」

 

 湊さんと氷川さんに睨まれてる。

 なんでだ?

 

「あの、どうかしました?」

「...日菜は名前で呼ぶのね。」

「え?」

「私たちは呼べないと言っていたのに...」

「あら~、二人とも拗ねちゃったね~」

「え?」

 

 言われてみればそうだな。

 

「日菜さんは年上って感じがしなかっただけですよ?」

「「...」」

「あはは~、ご立腹だね~二人とも~☆」

「え?俺はどうすれば?」

「...私たちも名前で呼びなさい。」

 

 湊さんがそう言った。

 

「いっそのこと、ロゼリア全員を下の名前で呼べばいいのでは?」

「え?」

「お!いいね~それ!」

「いい...と、思います。」

「あこもあこも!」

 

 なんか話が進んでるぞ?

 

「あの__」

「八舞君?」

「はい。」

「これからは私たち全員を名前で呼びなさい。わかったわね?」

「......はい。」

 

 こうして、全員を名前で呼ぶことになった。

 

「__じゃあ、練習をするわよ。ライブ前だからみっちり行くわよ!」

 

 練習が始まった。

 

「あこ、早いぞ。」

「すいません!」

「燐子さんはもう少し速く!」

「はい...!」

「リサさんは速いです。」

「ご、ごめ~ん!」

 

 練習は進んでいった。

 

「__少し、休憩にするわ。」

「あ~、疲れた...」

「そうだね~、かなりハードだね~」

「でも...楽しいです。」

「もっと完璧な演奏をしなくては...」

 

 各々、練習の事を口にしている。

 

「皆さん飲み物ですよ。」

 

 俺は飲み物を配った。

 

「友希那さんは、はいどうぞ。」

「これは?」

「のど飴です。切らしたって言ってたので。」

「助かるわ。」

「紗夜さんは何かいりますか?」

「私は、特にないですね。」

「必要なものは言ってくださいね。」

「はい。」

 

 それから少し休憩が続き、練習が再開された。

 

「__最後に1回通すわよ。」

 

 通しが始まった。

 演奏自体はいい感じだ。

 そうして、練習が終わった。

 

「今日はこれで終わりよ。」

「お疲れさまでした。」

「あー!疲れたー!」

「そうだね、あこちゃん。」

 

 皆が返る用意をして、帰っていった。

 俺は後始末をしていた。

 

「__あれ?リサさん残るんですか?」

「うん~。家にいても落ち着かないからね!」

「じゃあ、俺も残りますよ。手伝います。」

「マジ?助かる~!」

「じゃあ、弾いてみてください。」

「おっけ~☆」

 

 リサさんは演奏した。

 

「__どうだった?」

「そうですね、この部分が__」

 

 改善点の説明をした。

 

「なるほどね!ありがと☆」

「お役に立ててよかったです。」

「じゃあ!もう1回やってみるよ!__!?」

 

 リサさんが一歩下がるとコードに足が引っ掛かった、そして、機材が倒れてきた。

 

「リサさん!」

 

 俺はリサさんをかばった。

 結構、倒れて来たな。

 

「...大丈夫ですか?」

「う、うん。ごめん__!!」

「?」

 

 今、俺はリサさんを抱き寄せてる状態だ。

 

「(ちょっ!近いー!!///)」

「...どうしました?」

「う、ううん!何でもないよ!///

 (あれ?おかしいな...めっちゃドキドキするー!!///)」

「...とりあえず、機材を直しましょうか。」

「う、うん///」

 

 俺はリサさんと機材を直し始めた。

 

「えーっと、これはここでこれは...って、どうしました?リサさん?」

「え!?な、なんでもないよ!///」

「そうですか?」

「(おかしいよ、私はそんなにチョロくな__)」

「?」

「(ダメだよー!!これ完全にオチっちゃってるよー!!///)」

「リサさん?練習はここで切り上げましょう。」

「え?なんで?」

「体調が悪そうだからです。練習も大事ですが、リサさんの方が大事ですから、ね?」

「///(やばいよー!優しすぎでしょ!これは...仕方ないよね?///)」

 

 俺たちは片づけを終えてライブハウスを出た。

 俺はリサさんを送ることにした。

_____________________________

 

「__ねぇ、八舞君?」

「はい?」

 

 帰り道でリサさんが話しかけてきた。

 リサさんは落ち着いたようだ。

 

「ごめんね、さっきはかばってもらっちゃって...」

「いいですよ。リサさんがケガするくらいなら俺がした方がいいです。」

「そんなことないよ。」

「リサさん?」

 

 リサさんは静かにそう言った。

 

「八舞君、私さライブ前になると眠れないんだ...」

「そうなんですか?」

「うん。上手く弾けるかなとか、失敗しないかなとか、そんな事ばっかり考えちゃって...」

「......」

「ロゼリアは皆の技術が高いから、私は浮いちゃうんだよ、足を引っ張っちゃう。」

「...そんな事はないですよ。」

「え?」

「リサさんはロゼリアの精神的主柱です。技術だってリサさんは劣ってないです。」

 

 俺はそう言った。

 

「リサさんがいないとロゼリアは大変ですよ?」

 

 俺は笑いながらそう言った。

 

「そうかもね!」

 

 リサさんも笑ってくれた。

 

「...リサさんが不安なら、俺はいくらでも練習に付き合います。」

「八舞君...」

「リサさんの不安が消えるまで、ね!」

 

 俺は笑顔でそう言った。

 

「っ!///」

「あ、リサさんの家着きましたよ?」

「あ。う、うん!送ってくれてありがと!」

「はい。体調には気を付けてくださいね?」

「うん!またね☆」

 

 リサさんは家に入っていった。

 

「帰るかな。」

 

 俺は帰路についた。

_____________________________

 

 ”リサside”

 

 リサは自分の部屋に戻った。

 

「はぁ~疲れた...」

 

 リサはそう言いつつ、今日の出来事を思い出していた。

 

「八舞君...///」

 

 リサはベッドの上で悶えている。

 

「(友希那と紗夜を応援しようと思ってたのに...///)」

 

 リサは天井を見て。

 

「...あんなのされたら、完全にオチちゃうじゃん...///」

「__リサ?」

「んあっ!ゆ、友希那!?ど、どうしたの?」

 

 友希那がベランダから話しかけてきた。

 

「少し、話さないかしら?」

「うん!いいよ!」

 

 リサは窓を開けて。

 

「(負けないよ!友希那にも紗夜にも!)」

 

 そう思いつつ、友希那と話しに行くのだった。

 




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