俺は今、ロゼリアの練習が終わりファミレスにいる。
「__そういえば、もう少しでテストですね。」
「そういえば、そうですね。」
「八舞君は勉強は大丈夫ですか?よろしければ私が教えますが?」
「俺は問題ないですね。」
「そうですか...」
「?」
なんか残念そうだな?
「八舞さん、勉強得意なんですか?」
「まぁ、苦手ではない。」
「じゃあ!あこの勉強見てくださいよ!」
「いいぞ。どこだ?」
「ここです!」
宇田川さんは問題集を見せてきた。
「ここか。ここはまず__」
俺は説明した。
「__って、感じだ。分かったか?」
「はい!すごく分かりやすかったです!」
「宇田川さんが理解する気があったからだ。」
「あ、そういえば!」
「?」
宇田川さんが思い出したように言った。
「八舞さん、なんで私の事、宇田川さんって呼ぶんですか?」
「えーっと...なんでだ?」
「よければ、あこって呼んでください!」
「うん、いいぞ。あこ。」
「「!?」」
俺があこと呼ぶと湊さんと氷川さんが反応した。
「ねぇ、八舞君?」
「はい、なんでしょう湊さん?」
「八舞君はなんで私たちを名字で呼ぶのかしら?」
「そうです!」
「そういえば、そうだね~」
「そう...ですね。」
「えーっと、皆さんは年上なので、名前呼びはちょっと...」
俺はそう答えた。
「そんなこと気にしなくていいわ。」
「そうです。私たちは仲間じゃないですか。」
二人はやけに食い気味だな。
「うーん...。やっぱり俺には無理ですね。」
「そう...」
「そう、ですか...」
二人はへこんだみたいだ。
「友希那!あれだよ!八舞君は友希那を尊敬してるから呼べないんだよ!ね!そうだよね?!」
「は、はい。そうですね。」
「氷川さんも...八舞君に尊敬されてるから...ですよ?」
「...そうですか。」
「まぁ、お二人とも尊敬すべき先輩なので、呼びずらい部分もありますね。」
「そ、そういう事なら仕方ないわね...!」
「そ、そうですね...!」
二人の機嫌は直ったみたいだ。
「__そろそろ、解散しましょう。」
「そうね。」
「もうこんな時間か~、楽しい時間は早いね☆」
「楽しかった...です。」
「集いし悪魔たちの...えーと。楽しかったです!!」
「(あこって、高校生、なんだよな?)」
俺は疑問に思った。
「それじゃあ、解散よ。」
湊さんの一声で解散した。
_____________________________
そして、テスト一週間前だ。
「__ねぇ、八舞君?」
「なんだ、山吹?」
「八舞って勉強得意?」
「苦手じゃない。」
急にどうしたんだ?
「いや、いつも寝てるから気になって。」
「そういえば、栄斗はいつも寝てるよなー」
「...授業は好きじゃないからな。」
俺はそう答えた。
「もう、一週間後だからなー俺も勉強始めねぇと。」
「私もだー」
「__沙綾!」
突然、誰かが入ってきた。
「香澄?どうしたの?」
「助けて!有咲が__」
「こらぁ!香澄!勉強するぞ!!」
「あ、そういう事か。」
「誰だ?」
「私のバンドの仲間だよ。」
「あれ!沙綾、男の子と話してる!珍しい!」
「そんなのじゃないから...」
「はぁはぁ、逃げ足速すぎだろ...って、お前は。」
「あー、どうも。」
「有咲も知り合いなの?!」
「いや、この前脅された。」
「...あの時は悪かったな。」
「え?有咲に何したの?」
「えーっと__」
俺はあの時の事を話した。
「なんだ、そういう事だったのか。」
「すまんかったな。」
「いや、そういう事なら仕方ねぇよ。」
「有咲やっさし~!」
「香澄!そんなんじゃねぇ!」
「わー!有咲が怒った~!」
戸山は走っていった。
「こら!...じゃあ、行くわ。」
「じゃあね~有咲~」
市ヶ谷も出て行った。
その時にチャイムもなった。
「騒がしい休み時間だ。」
「悪くないだろ?」
「...あぁ。」
そうして、時は流れる__
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テストの初日だ
「はぁ、憂鬱だ~!!」
「うるさいぞ、涼。」
「だってよ~栄斗~!」
「大丈夫だ、涼。」
「栄斗...」
「お前が留年しても、たまに会いに来てやる。」
「そっち!?」
「...冗談だ。」
「え?間が気になるんだけど?」
テストが始まった。
__テストが終わり、テストの結果が返ってきた。
「順位出てるから行こうぜ!」
「興味ないんだが。」
「いいから!行こうぜ!」
「ちょ!おい!」
涼に連れていかれた。
「__えーっと、俺は...58位か!栄斗は何位だ?」
俺は指をさした。
「1位じゃねぇか!てか、満点って、人間じゃねぇ...」
「あんなの、簡単だ。」
「__有咲ぁ!!」
「ん?」
戸山の叫び声が聞こえた。
「有咲!大丈夫?!」
「どうした、戸山?」
「あ!八舞君、実は__」
戸山に状況を説明された。
「...つまり、テストで1位取れなかったからへこんでるのか。」
「......そうだよ、悪いかよ。」
「いや、なんか悪いな。次からは一個くらい間違えるようにする。」
「馬鹿にすんな!」
「いや、してないぞ。俺は1位なんかに興味がないから、取りたい奴がとればいいと思ってるだけだ。」
俺はそう言った。
「お前は間違える必要はねぇ!私も満点取ってやる!!」
「その意気だよ、有咲!」
「お前はもっとどうにかしろ!」
「わー!ごめんなさいー!」
戸山と市ヶ谷は走っていた。
「...そういえば、氷川さんと白金さんはどうだったんだろ。」
「__私は2位でした。」
「私は...4位...です。」
「あれ?二人ともどうしたんですか?」
「私たちは八舞君の結果が気になって。」
「どう...でしたか?」
俺は指をさした。
「...1位ですか。すごいですね。」
「あの、氷川さん...点数、見ましたか?」
「え?」
氷川さんはもう一回順位表を見た。
「え?満点...?」
「えーっと、一応?」
「...日菜みたいですね。」
「日菜?前もそれ言われましたけど、誰なんですか?」
「私の双子の妹です。」
「へぇ、妹さんがいたんですね。双子とはまた珍しい。」
「日菜は天才です。八舞君と気が合うかもしれないですね。」
「そんなことはなさそうですが。」
そんな会話をした。
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放課後だ。
今日からライブが近いらしいので練習時間が増えるらしい。
「__あ、来ましたか、八舞君。」
「あれ?2人とも待ってたんですか?」
「えぇ。早く行きましょう。」
「そうですね。」
俺たちはライブハウスに向かった。
「__来たわね、三人とも。」
「お待たせしました、湊さん。」
「別に待ってないわ。早く、練習を始めましょう。」
「そうですね__」
「__お姉ちゃん!」
突然、水色の髪の人が入ってきた。
あれ?誰かに似てるな?
「日菜、少し静かに入りなさい。」
「はーい!」
「あの人が氷川さんの妹か。」
「えぇ。妹の日菜です。」
「氷川日菜だよ!」
「八舞栄斗です、よろしくお願いします。」
「へぇ~、君が...」
「何か?」
「お姉ちゃんが君の事いつも話してるんだ~!」
「ちょっと!日菜!///」
氷川さんが止めに入った。
「いっつも楽しそうに、八舞君がかっ__」
「やめて!!///」
「?」
なんて言おうとしたんだ?
「あの、氷川さん?」
「「はい?(どうしたの?)」」
「あ、二人とも氷川さんだった。妹さんの方です。」
「私?あ、それと、私は名前でいいよ!」
「じゃあ、日菜さんって呼びます。」
湊さんと氷川さんの表情が変わった気がするけど、気のせいだろう。
「それで、どうしたの?」
「あ、そうでした。日菜さんは何しにここに?」
「あ!お姉ちゃんにピック届けに来たんだった!」
日菜さんは氷川さんにピックを渡した。
「ありがとう、日菜。」
「全然いいよ!じゃあ、私は帰るね!」
日菜さんはライブハウスを出て行った。
「さて、練習を始めま...しょうか?」
湊さんと氷川さんに睨まれてる。
なんでだ?
「あの、どうかしました?」
「...日菜は名前で呼ぶのね。」
「え?」
「私たちは呼べないと言っていたのに...」
「あら~、二人とも拗ねちゃったね~」
「え?」
言われてみればそうだな。
「日菜さんは年上って感じがしなかっただけですよ?」
「「...」」
「あはは~、ご立腹だね~二人とも~☆」
「え?俺はどうすれば?」
「...私たちも名前で呼びなさい。」
湊さんがそう言った。
「いっそのこと、ロゼリア全員を下の名前で呼べばいいのでは?」
「え?」
「お!いいね~それ!」
「いい...と、思います。」
「あこもあこも!」
なんか話が進んでるぞ?
「あの__」
「八舞君?」
「はい。」
「これからは私たち全員を名前で呼びなさい。わかったわね?」
「......はい。」
こうして、全員を名前で呼ぶことになった。
「__じゃあ、練習をするわよ。ライブ前だからみっちり行くわよ!」
練習が始まった。
「あこ、早いぞ。」
「すいません!」
「燐子さんはもう少し速く!」
「はい...!」
「リサさんは速いです。」
「ご、ごめ~ん!」
練習は進んでいった。
「__少し、休憩にするわ。」
「あ~、疲れた...」
「そうだね~、かなりハードだね~」
「でも...楽しいです。」
「もっと完璧な演奏をしなくては...」
各々、練習の事を口にしている。
「皆さん飲み物ですよ。」
俺は飲み物を配った。
「友希那さんは、はいどうぞ。」
「これは?」
「のど飴です。切らしたって言ってたので。」
「助かるわ。」
「紗夜さんは何かいりますか?」
「私は、特にないですね。」
「必要なものは言ってくださいね。」
「はい。」
それから少し休憩が続き、練習が再開された。
「__最後に1回通すわよ。」
通しが始まった。
演奏自体はいい感じだ。
そうして、練習が終わった。
「今日はこれで終わりよ。」
「お疲れさまでした。」
「あー!疲れたー!」
「そうだね、あこちゃん。」
皆が返る用意をして、帰っていった。
俺は後始末をしていた。
「__あれ?リサさん残るんですか?」
「うん~。家にいても落ち着かないからね!」
「じゃあ、俺も残りますよ。手伝います。」
「マジ?助かる~!」
「じゃあ、弾いてみてください。」
「おっけ~☆」
リサさんは演奏した。
「__どうだった?」
「そうですね、この部分が__」
改善点の説明をした。
「なるほどね!ありがと☆」
「お役に立ててよかったです。」
「じゃあ!もう1回やってみるよ!__!?」
リサさんが一歩下がるとコードに足が引っ掛かった、そして、機材が倒れてきた。
「リサさん!」
俺はリサさんをかばった。
結構、倒れて来たな。
「...大丈夫ですか?」
「う、うん。ごめん__!!」
「?」
今、俺はリサさんを抱き寄せてる状態だ。
「(ちょっ!近いー!!///)」
「...どうしました?」
「う、ううん!何でもないよ!///
(あれ?おかしいな...めっちゃドキドキするー!!///)」
「...とりあえず、機材を直しましょうか。」
「う、うん///」
俺はリサさんと機材を直し始めた。
「えーっと、これはここでこれは...って、どうしました?リサさん?」
「え!?な、なんでもないよ!///」
「そうですか?」
「(おかしいよ、私はそんなにチョロくな__)」
「?」
「(ダメだよー!!これ完全にオチっちゃってるよー!!///)」
「リサさん?練習はここで切り上げましょう。」
「え?なんで?」
「体調が悪そうだからです。練習も大事ですが、リサさんの方が大事ですから、ね?」
「///(やばいよー!優しすぎでしょ!これは...仕方ないよね?///)」
俺たちは片づけを終えてライブハウスを出た。
俺はリサさんを送ることにした。
_____________________________
「__ねぇ、八舞君?」
「はい?」
帰り道でリサさんが話しかけてきた。
リサさんは落ち着いたようだ。
「ごめんね、さっきはかばってもらっちゃって...」
「いいですよ。リサさんがケガするくらいなら俺がした方がいいです。」
「そんなことないよ。」
「リサさん?」
リサさんは静かにそう言った。
「八舞君、私さライブ前になると眠れないんだ...」
「そうなんですか?」
「うん。上手く弾けるかなとか、失敗しないかなとか、そんな事ばっかり考えちゃって...」
「......」
「ロゼリアは皆の技術が高いから、私は浮いちゃうんだよ、足を引っ張っちゃう。」
「...そんな事はないですよ。」
「え?」
「リサさんはロゼリアの精神的主柱です。技術だってリサさんは劣ってないです。」
俺はそう言った。
「リサさんがいないとロゼリアは大変ですよ?」
俺は笑いながらそう言った。
「そうかもね!」
リサさんも笑ってくれた。
「...リサさんが不安なら、俺はいくらでも練習に付き合います。」
「八舞君...」
「リサさんの不安が消えるまで、ね!」
俺は笑顔でそう言った。
「っ!///」
「あ、リサさんの家着きましたよ?」
「あ。う、うん!送ってくれてありがと!」
「はい。体調には気を付けてくださいね?」
「うん!またね☆」
リサさんは家に入っていった。
「帰るかな。」
俺は帰路についた。
_____________________________
”リサside”
リサは自分の部屋に戻った。
「はぁ~疲れた...」
リサはそう言いつつ、今日の出来事を思い出していた。
「八舞君...///」
リサはベッドの上で悶えている。
「(友希那と紗夜を応援しようと思ってたのに...///)」
リサは天井を見て。
「...あんなのされたら、完全にオチちゃうじゃん...///」
「__リサ?」
「んあっ!ゆ、友希那!?ど、どうしたの?」
友希那がベランダから話しかけてきた。
「少し、話さないかしら?」
「うん!いいよ!」
リサは窓を開けて。
「(負けないよ!友希那にも紗夜にも!)」
そう思いつつ、友希那と話しに行くのだった。
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