「失礼しまーす...?」
紗夜さんを抱えて保健室にやってきたが。
騒ぎに気づいて対処に行っているからか誰もいなかった。
「誰もいないですね。」
「え、えぇ、そうですね。」
俺は紗夜さんをベッドに座らせて応急処置の準備をしていた。
「えーと、湿布は...あった。」
「申し訳ありません...」
突然、紗夜さんはそう言った。
「どうしたんですか?急に。」
「...今回、私はあの男子を止められませんでした。」
「まぁ、そうですね。」
「...はっきり言いますね。」
と、紗夜さんは悔しそうな表情だ。
「でも、周りが見ているだけの中、あなたは一人で立ち向かったんだ。
それは、評価されるべき勇気ある行動ですよ。」
「...ありがとうございます。」
「...正しいことを評価されない人間なんか俺だけで充分なんだ。」
「?それはどういう_」
「はい!応急処置終わり!」
「え?」
「戻りましょう。
向こうはたぶん混乱している。」
と言って、俺と紗夜さんは保健室を出た。
「...さっきの話はどういうことですか?」
「さっきのとは?」
「だから!_っ!!」
「足、痛むでしょ。
肩貸しますよ?」
という話をしていると
「栄斗さーん!」
若宮が走ってきた。
「どうした?若宮?」
「紗夜さんが心配だったので様子を見に!」
「そうですか、ありがとうござます。」
それと、若宮さんさっきは止めてあげられなくて申し訳ありませんでした。」
「とんでもないです!紗夜さんの行動はまさしくブシドーでした!」
と言って、若宮は紗夜さんを慰めている。
「あー、若宮?」
「はい!なんでしょう栄斗さん!」
「この人に肩を貸してやってくれないか?」
「はい!わかりました!」
と言って若宮と交代した。
「でもなんで交代したんですか?」
「流石に体育館に戻るのに男子と肩組んでたら奇異の目で見られるからな。」
という、説明をしておいた。
「まぁ、体育館に戻るぞ。」
「「はい!(えぇ)」」
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体育館に戻ると、顔合わせは問題なく進行していた。
「おーい!栄斗ー!」
「あ?真波か。」
「いやー、さっきは驚いたぜー!」
と、軽口を叩いてくる。
「...真波、あれから、問題はなかったか?」
「うーん、まぁ、進行に問題はなかったが...」
なんか、歯切れが悪いな
「おい、何かあったのか?」
「いやーそのー。」
「_あなたが八舞栄斗ね。」
「もう!千聖ちゃん!表情硬いよ!」
真波と話していると、ブロンドの女子生徒とピンク髪の女子生徒が話しかけてきた。
「...この人たちは?」
「えーと。」
「私は白鷺千聖です。
そしてこっちが_」
「まんまるお山に彩りを!
丸山彩で~す!」
「...で、俺に何のご用で?」
さっそく、本題に入ってもらうことにした。
「今回はイヴちゃんを助けてもらったことにお礼をしたくて。」
「そうそう!イヴちゃんを助けてくれてありがとねー!」
「いえ、俺は当たり前のことをしただけです。」
と、返しておいた。
あれ、この二人もどこかで...
「...あの、お二人はパスパレの?」
「ベースよ。」
「ボーカルでーす!」
「やっぱり。」
すごいなこの学校、アイドル三人もいんだけど...
ってことを考えていると
「栄斗さーん!」
若宮が走ってきた。よく、走るんだな。
「なんだ?」
「紗夜さんが呼んでいるので伝令に!」
「あ、あぁ。」
俺は紗夜さんのもとに向かった。
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会場の端に置かれている椅子に紗夜さんともう一人の黒髪の人がいた。
「お待たせしました。」
「いえ、大丈夫です。」
「そちらの方は?」
「あぁ、この人は_」
「白金燐子...です。
この学校で...生徒会長を...しています。」
「生徒会長さんですか。よろしくお願いします。」
「今回は...トラブルへの対処...ありがとうございました。」
「いえ、むしろ、大事にして申し訳ないです。」
って、あれ、この雰囲気って...
「あのー、紗夜さんの上の名前は?」
「え?あ、名乗ってなかったですね、氷川です。」
「氷川さんって、三年生ですよね?」
「?はい。」
あぶない、同い年と思ってた。
「...。俺はなぜ呼ばれたんでしょう?」
「...話をそらしませんでしたか?」
「いえ。」
「で、本題は?」
「あぁ、今回は助けてくれてありがとうございました。」
「私からも...ありがとうございました。」
「いえ。」
よかった。怒られるわけではないみたいだ。
「あ、でも...」
「うん?」
「今回の件で、あなたは注目を浴びました・」
「まぁ、結構目立ちましたしね。」
「まぁ、すぐにわかります。」
「?」
このとき、氷川さん言うことが理解できなかった。
そして、気づいていなかった、俺を見ている視線に。
「栄斗さーん!」
「ん?なんだ?」
「一緒に料理をいただきましょう!」
「え、でも...」
「いいですよ行っても。
私には白金さんがついててくれますし。」
「あ、そうですか。では、失礼します。」
「いきましょう!栄斗さん!」
「あぁ。」
そこからの時間は楽しかった。と、思う。
だが、この後に起こる学園生活の苦労をこの時の俺は、知る由もなかった。
ここまでが一応プロローグみたいなものです。
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