ライブが終わって少し経った。
期末テストも終わり、夏休みに突入しようとしていた。
「もうすぐで夏休みだよ!」
リサさんがそう言った。
「そうですね。」
「今年もプール行こうよ!」
「リサ、あんまり遊ぶのは__」
「八舞君にアピールできるよ?」
「「!!」」
リサさんが何かを言うと友希那さんと紗夜さんが反応した。
「二人が来ないなら、私と__」
「ロゼリアは夏休みにプールに行くわ!」
「そうですね、遊ぶのも大事ですね。」
「わーい!楽しみー!」
「そうだね...あこちゃん...!」
「プールって学校にあった、あれですか?」
「...え?違うよもっと大きくて、流れるプールがあったり~」
「流れるプール?」
「知らないのかしら?」
「はい。行ったことないですね。」
「「「「「......」」」」」
「皆さん、どうしました?」
皆は黙っている。
「今回は八舞君にプールを楽しんでもらうわ。」
「そうだね!」
「今までの分を清算してあげましょう!」
「あこの闇の力で...えっと...」
「私も...頑張ります...!」
「?」
なぜか皆、気合が入っている。
「まず、あれだね!」
「あれ?」
リサさんはこう言った。
「水着選びだよ!」
「水着選び?学校のあれですか?」
「違うよ!来たら分かるよ!」
「え?は、はい。」
俺は水着選びに同行することになった。
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「__ここ、女性用の売り場じゃないんですか?」
「大丈夫大丈夫☆」
大丈夫と思えないのは気のせいなのだろうか。
「じゃ!みんな選ぼっか!」
各自、水着を選びに行った。
「...気まずいな。視線もやばいし。俺、ここにいていいのか?」
「あの...八舞さん?」
「なんですか燐子さ...ん!?」
「あの...これ、どう...でしょうか?」
「ど、どう?」
俺は水着とは学校で着用するあれのイメージしかなかった。
「...燐子さんに似合うと思いますよ...?」
経験不足な俺はそう答える事しかできなかった。
「...どういうことだ?水着ってあんなに進化してたのか...」
「あ!八舞さん!」
「ん?あこ...か!?」
「ふふーん!これどうですか?これで、あこも大人に__」
「それはやめておこうか。」
「えー!なんでですかー!」
「あこには、もっと相応しい水着がある。俺はそう思うぞ。」
「そうですか...選びなおしてきますね!」
あこは選びなおしに行った。
燐子さんのより布面積が少なすぎた。
俺は間違ってない...はず。
「頭が整理できないぞ...」
「あら、疲れてるようね、八舞君。」
「友希那さん...」
「八舞君はこれ、どう思うかしら?」
友希那さんが見せてきたのは、猫の柄がプリントされた水着だった。
「...平和だ。」
「?」
「いえ、似合うと思いますよ?」
「そう、じゃあ、これにするわ。」
友希那さんはレジに向かった。
「あこに比べると、なんて平和だったんだろう。」
俺は天を仰いだ。
「あ!八舞君!」
「リサさん__ふぁ!!??」
「ど~う?この水着。ちょ~っと攻めてみたんだけど☆(なにこれ!すっごい恥ずかしいんだけど?!///)」
「...に、似合うと思いますよ...?リサさんらしくて大人っぽい?ですよ。」
「え!?///じゃ、じゃ~これにしよっかな~///(何言ってんの?!私!!///)」
リサさんは小走りでレジの方に行った。
「...多分、俺が未熟なだけだ。そうだ、俺のせいでリサさんに恥をかかせられない。堂々としよう。」
「なにがですか?八舞君?」
「...何となく、来ると思いましたよ。」
「?あの、これにしようと思うのですが、どうでしょうか?」
紗夜さんが見せてきたのは、水色の清楚感が漂う水着だった。
「いいと思いますよ!それにしましょう!きっと紗夜さんに似合いますよ!」
「え?///そ、そうですか///」
これにします、と言って。レジに向かった。
「...紗夜さんは安心だな。」
こうして、ロゼリアの皆の水着が決まった。
「じゃあ、帰りましょうか。」
「いやいや!次は八舞君だよ!」
「...え?」
「じゃ!行くよ!」
「え、あの、ちょっ!!皆、助け__」
「諦めなさい、八舞君。」
「あの今井さんは止められません。」
「リサ姉、ノリノリだね!」
「が、頑張って...ください...」
俺はリサさんに引っ張られていった。
「__つ、疲れた...」
「お、お疲れ様です、八舞君。」
「...大変だったわね。」
「いや~!いいの選べたよ~!」
「...リサさんが楽しそうなので、良しとします。」
「そうですか...」
俺は疲れていたのか、帰った後すぐに眠りについた。
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夏休みに入り、プールに行く日になった。
「待ち合わせ15分前、完璧だ。」
「あら?もう来てたのですか?」
「紗夜さん。早いですね?」
「...えぇ、待たせるのも悪いですから。」
と、口ではクールっぽいが、実際は顔は緩んでる、楽しみだったんですね。
「八舞君は楽しみですか?」
「はい。初めて行くので、楽しみですね。」
「ふふっ、そうですか。」
「__お~い!二人とも~!」
他の皆が来た。
「二人とも早いね~!」
「そんなに楽しみだったのかしら?」
「まぁ、俺はそうですね。」
「あこも楽しみです!」
「私も...です...!」
「私は__」
「紗夜も楽しもだよね~!」
「...はい。」
あ、素直になった。
「じゃ!みんな揃ったし行こうか!」
俺たちはプールに向かった。
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「__すっごいな...」
学校のプールしか知らない俺にはこの光景は驚きだった。
「そういえば、パラソル?だっけ、やったらいいんだった。」
俺は荷物を置く場所を用意したりした。
「__おっ待たせ~!」
「あ、皆さんきまし...たか...」
選ぶ時に見たが、あの時は着てなかった。
着ると違うみたいだ。
「どうどう?似合うかな~!」
「似合いますか、八舞君?」
「似合うかしら?」
「あこ、似合ってますか!」
「似合って...ますか...?」
「は、はい。全員とてもよく、似合ってますよ。」
今の俺には、そう答えるのが精いっぱいだった。
「んふふ~!どう?八舞君?」
「ど、どうとは...?」
「私、ちょーっと攻めてみたんだけど☆(わぁ~!///恥ずかしい恥ずかしい!!!///)」
「とても似合ってますよ!リサさんらしくていいと思いますよ!(よし、堂々と言えたぞ!これなら、リサさんに恥をかかせることはない!)」
「そ、そっか~!///ありがと!///(え!?八舞って私にこんな感じのイメージなの?!///...でも、八舞君なら...///いやいや!流石に早すぎっしょ!!///)」
俺の対応は間違ってなかったみたいだ。
「八舞君?」
「なんですか。友希那さん?」
「私は、どうかしら?」
「とっても可愛らしいですよ。それにしてよかったですね。」
「そ、そう///よかったわ。」
「あの、私はどうでしょうか?」
「紗夜さんは清楚って感じで綺麗です、紗夜さんらしさが出ていて、いいと思います。」
「そうですか///ありがとうございます///」
その後、プールで遊びだした。
「ねぇねぇ!次はスライダー乗ろうよ!」
「嫌よ。」
「あれれ~友希那、怖いの?」
「...上等じゃない、乗ってやるわ。」
「私は__」
「紗夜もだよ?」
「...はい。」
「私、りんりんと乗りたい!」
「一緒に乗ろうね?あこちゃん...!」
「あれ、二人乗りと三人乗りがあるみたいですし、ちょうど分かれましたね。」
「何を言ってるの?八舞君も乗るのよ?」
「え?でも__」
「誰が八舞君とのるか...」
「じゃんけんで...」
「決めるよ...!」
そうして、熾烈?なじゃんけんが始まった。
「なんで、勝った人が俺となんだ?男と乗るなんか罰ゲームだろうに?」
「「八舞さん...」」
「?」
あこと燐子さんに憐れむような眼で見られた。
「__勝ちました...!!」
「あちゃ~」
「...悔しいわ。」
勝ったのは紗夜さんみたいだ。
「じゃあ、俺は紗夜さんとですね。」
「はい...!」
俺たちはスライダーに向かった。
「__結構、高いんですね。」
「え、えぇ。でも、た、大したことないわね!」
「...震えてるように見えるんですが?」
「き、気のせいです!」
「次に方どうぞー!」
係の人に呼ばれた。
「紗夜さんは前か後ろ、どっちにしますか?」
「...後ろで、お願いします。」
「了解です。」
俺たちは浮き輪に乗った。
「じゃあ!スタートしまーす!」
そう言ってスライダーがスタートした。
「うお!意外と早いな__」
「きゃーー!!!」
「うぐっ!!」
叫んだかと思うと、紗夜さんに首を絞められた。
「ちょ...紗夜さ...」
「きゃーーー!!!」
俺は解放されないまま、スライダーを終えた。
「__川の向こうでいろんな人たちが手を振ってた...」
「す、すいません!八舞君!」
「ま、まぁ、生きてるから大丈夫ですよ。」
紗夜さんは申し訳なさそうにしてる。
「でも__!!///」
「」
俺はとっさに顔をそらした。
「きゃ_」
「紗夜さん!静かに!」
俺は紗夜さんを止めた
状況は水着が取れました。はい。
「落ち着いて。着てください。」
「は、はい///」
紗夜さんは無事?水着を着た。
「周りに人が少なくて幸いでした。」
「そ、そうですね...///」
紗夜さんはモジモジしている。
「どうしました?」
「み、見ましたか...?///」
「大丈夫です。何も見てません。」
「そ、そうですか///」
俺も安心した。
ナイスだ俺の反応!
「お~い!紗夜~八舞君~!」
「リサさん。」
「スライダーはどうだった?」
「...楽しかったですよ。」
割と余裕がなかったがそう答えた。
「そっかそっか!そろそろ暗くなるから帰ろっか!」
「そうですね。」
俺は帰る用意をした。
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最初の待ち合わせ場所に帰ってきた。
「今日は楽しかったですね。」
「そうだね~!」
「また、いってもいいわね。」
「そうですね」
「あこもまた生きたいです!」
「私も...です。」
皆、楽しめたみたいだ。
「じゃ!ここで解散しよっか!」
俺たちは解散した。
「八舞君、途中までご一緒してもいいですか?」
「いいですよ。」
俺たちは帰路についた。
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「今日は楽しかったですね。」
「はい。人生初のプールは最高でした。」
「よかったです。」
「また、皆で行きたいですね。」
「行けますよ。」
「紗夜さん。」
「皆でいれば、毎年でも。」
「そうですか...!」
「あ、私の家はここなので。」
「あ、そうですか。」
「さようなら、八舞君。また、練習で。」
「はい。また、練習で。」
俺たちは分かれた。
俺は帰路についた。
「皆でいれば、毎年行けるのか!」
俺は今の幸福に心から喜んだ。
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