俺は三日だけ病院にお世話になった。
俺は今、自分の家にいる。
「__よし。」
俺はあることを準備をしていた。
俺は...
「紗夜さんが好きだ。」
だが、俺は返事をするにあたって問題があった。
「......どうやって、すればいいんだ?」
俺は頭を抱えていた。
「うーん...。あ、デートに誘おう。」
思い立ったが吉日、俺は紗夜さんに連絡をした。
『おはようございます。
よろしければ、今週末に俺と出かけてもらえないでしょうか?』
と、送った。
返事は超高速で返ってきた。
『おはようございます。
はい、大丈夫ですよ。楽しみにしています。』
「よし。後は、準備だな。」
本来、今日は学校だが、俺は休むと連絡してるので問題ない。
「さて、何を準備しようか。」
俺はしばらく考えて...
「...あれだな。」
俺はショッピングモールに向かった。
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ショッピングモールに着いた。
「__さて、いい感じの店は...」
俺はあたりを見回した。
「お、あそことかいいかも。」
俺はその店に入った。
「__いらっしゃいませ。」
店員は優しそうなおじさん一人だ。
俺は商品を見て回った。
「ふーむ...」
「__誰かへの、贈り物ですかな?」
店員のおじさんが話しかけてきた。
「はい。でも、何がいいのか分からなくて。」
「贈る相手は彼女さんかな?」
「まだ、そうではないです。」
「なるほど、まだ、か...。」
おじさんは少し考えて...
「これなんて、いかがですか?」
「これは...時計?」
おじさんが見せてきたのは、シンプルなデザインの綺麗な銀色の腕時計だった。
「これから、ならこれがおすすめです。」
「なんでですか?」
「異性に時計を送る意味は『あなたと同じ時間を刻みたい』。これからの二人にピッタリだと思いませんか?」
「...なるほど。じゃあ、それにします。」
「はい。かしこまりました。でも、お金は大丈夫かな?見たところ学生のようですが?」
「問題ないです。お金には困ってません。」
「ふーむ...。」
おじさんは少し考えて...
「これは、タダでお譲りしましょう。」
「え?いや、ダメでしょう?」
「......この店は、もうすぐ閉店なんです。」
「え?」
「だから、これから幸せな時間を歩むであろう、最後のお客の君に、これを受け取ってほしいんです。」
おじさんは俺を見据えてそう言った。
「受け取ってくれるかな?」
「......はい。」
「ありがとう。」
おじさんは腕時計を綺麗な箱に入れてくれた。
「ありがとうございました。」
「こちらこそ。どうか、お幸せに。」
俺は頭を下げて、店を出た。
「__君は似ている、昔の僕に。
君の未来は愛と言う輝きで満ちているよ...」
おじさんはそう呟いた。
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デート当日になった。
俺は落ち着かないので早く待ち合わせ場所に来た。
「ふぅ、落ち着かないと。」
俺は心を落ち着かせつつ、紗夜さんを待った。
「__おまたせしました。」
それから少しして、紗夜さんが来た。
「いえ、そんなに待ってないですよ。」
「...私でも20分前なんですが?」
「......まぁ、行きましょう。」
「はい__きゃっ!」
紗夜さんが躓いてこけそうになった。
「よっと。」
俺は紗夜さんを抱きとめた。
「大丈夫ですか?」
「え、えぇ。ごめんなさい。」
「気にしなくていいですよ。さぁ、行きましょう。」
俺たちは歩きだした。
「あ、紗夜さん?」
「どうしました?八舞君?」
「今日、オシャレしてくれたんですね。とても可愛いですよ。」
「!!そ、そうですか///」
「はい。」
「...言うのが少し、遅くないですか?///」
「...あの場で言うのが照れくさくて。...まぁ、行きましょう。」
俺たちはある場所に向かった。
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「__着きました、ここです。」
「ここは...水族館ですか?」
「はい。特別な水槽が追加されたらしくて。」
「そうなんですか?」
「はい。俺にはピッタリかなと。」
「?まぁ、入りましょう。」
俺たちは水族館に入った。
「__おぉ、ここが水族館か。」
「初めて来たんですか?はい。来る機会がなくて。」
「なら、私が初めて、ですね。」
「はい。そうですね。」
「そうですか...///」
「?どうしたんですか?」
「い、いえ!なんでもないですよ。」
「?......そうですか?」
「はい。早く行きましょう。」
「はい。」
俺たちは館内を歩いた。
「__きれいですね。」
「はい。...ここは、熱帯魚みたいですね。」
「私も来たのは子供の時以来ですが、昔とは感じるものが違います。」
紗夜さんは水槽に見入っている。
「(人が多いな。日曜だからか?)」
「...どうしました?八舞君?」
「紗夜さん、手をつなぎませんか?」
「え?!///な、なんででしょう...?///」
「人も多いですし、はぐれたら困ります。」
「そ、そうですか...」
紗夜さんはシュンとしてる。
「...紗夜さんとの時間が無くなるのは困るんですよ。」
俺はそう言った。
「や、八舞君?///」
「あと、単純に繋ぎたいです。」
「そ、そうですか!///じゃあ...」
俺たちは手を繋いだ。
「じゃあ、行きましょう、紗夜さん。」
「は、はい...///」
人ごみを進んでいった。
「...こことか、すごいですね。」
「えぇ...。」
俺たちが来たのは天井まで水槽の通路だった。
「水槽が割れたら面白いですね。」
「......不吉ですよ?紗夜さん?」
「冗談ですよ。」
「「あはは...!」」
俺たちは笑った。
「紗夜さん、晴れ女ですか?」
「...雨女です。」
「実は俺も雨男なんです。」
「「......」」
「ここは離れましょう。」
「そうですね。」
俺たちはその場所を離れた。
なんか、ほんとに割れる気がした。
「__あ、そういえば。もうすぐでショーがあるらしいです。」
「そうなんですか?」
「行きますか?」
「行きたいです。」
「じゃあ、行きましょう。」
俺たちはショーの会場に向かった。
「__あ、紗夜さん。この席とか良さそうですよ?」
「そうですね。そこにしましょう。」
俺たちは座った。
「......楽しいですか?紗夜さん?」
「はい。八舞君と一緒だから余計に楽しいです。」
「それなら、よかったです。」
ショーが始まるまでの待ち時間、俺たちは色々な事を話した。
「(ん?紗夜さん、寒そうだな。)
紗夜さん?」
「はい?」
「これ、どうぞ。」
俺は着ていた上着を差し出した。
「寒いでしょう?良ければ来ててください。」
「でも、八舞君が...」
「俺は大丈夫ですから、ね?」
「そ、そういう事でしたら...」
紗夜さんは俺の上着を羽織った。
「(や、八舞君の匂いがします!安心しますね...///)」
「(よかった。ちょっといい上着、着ておいて。)」
そうして、ショーが始まった。
最初はイルカのショーだ。
「え?あんなに飛ぶの?」
「......私も驚きました。」
次は、オットセイ?だった。
「ははは。上手いもんだな。」
「そうですね。すごい技術です。」
最後はペンギンだった。
「か、可愛い......!///」
「(今の紗夜さんの方がどう考えても可愛いな。)」
「み、見てください、八舞君!ペンギン、ペンギンですよ...!」
「そうですね、可愛いですね。」
「あ、小さいペンギンが転びました...!///かわいい...」
「(可愛いもの、また調べておくか)」
そうして、ショーが終わった。
「いやー想像より面白かったですね。」
「そ、そうですね。///」
「どうしたんですか、紗夜さん?」
「い、いえ。なんでもないです!(私としたことが、八舞君の前で恥ずかしい姿を...///)」
「そうですか?あ、そろそろ、お昼にしましょうか。」
「え?もうそんな時間なんですか?」
時刻は12時過ぎ、昼食どきだ。
俺たちは館内の飲食店に入った。
「__紗夜さん、注文は何にしますか?」
「そうですね...!!」
紗夜さんが反応した。
「(多分、これだな。)」
「八舞君、私は決まりました。」
「はい。じゃあ、呼びましょう。」
俺は店員を呼んだ。
「ご注文は何でしょうか?」
「私は、このパスタを。」
「そちらのお客様は?」
「俺はグラタンとフライドポテトで。」
「!!」
「はい!かしこまりました!」
店員は注文を通しに行った。
「...気づいてたんですか?」
「なんのことですか?あ、ポテトは一緒に食べましょう。」
「は、はい。」
しばらくして、料理が運ばれてきた。
「じゃあ、いただきましょう。」
「はい。」
俺たちは食べ始めた。
「...ポテト、おいしい♪」
「...(...可愛い)」
「八舞君は食べないんですか?」
「いいですよ。全部食べてもらっても。」
「そ、そうですか...!」
紗夜さんは嬉しそうに食べてる。
「(そろそろかな。)
紗夜さん、少しお手洗いに行ってきます。」
「はい。」
俺はシレっと伝票を持って行った。
そして、会計を済ませた。
「__お待たせしました。」
「おかえりなさい、八舞君。私もちょうど食べ終わったところですよ。」
「じゃあ、そろそろ出ましょうか。」
「はい、そうですね。...あれ?伝票は...」
紗夜さんが俺を見た。
「また、八舞君が払ったんですか?」
「......さぁ?何のことでしょうか?
優しい妖精さんが持って行っちゃったんじゃないですか?」
「...年上としての面目が立たなくなります。」
「気にしなくてもいいんじゃないですか?
女の人は皆そんな感じですよ(多分)」
「また、今度、お返しします。」
俺たちは店を出た。
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「(そろそろか。)
紗夜さん、あっちに行きませんか?」
「?わかりました。」
俺たちはある場所に向かった。
「__ここは...!」
「この水族館で一番大きくて、一番きれいな水槽です。」
「?!い、色が変わりましたよ?!」
「...もう少し、見ててください。」
「?」
紗夜さんは水槽に視線を戻した。
「__!」
「これです、俺が見せたかった、特別な水槽は。」
「綺麗な、青ですね。」
「泳いでる魚が花びらみたいで、色はロゼリアの色。
俺と紗夜さんには相応しいでしょう?」
「はい...。とても、綺麗です。」
心の準備ができた。
「紗夜さん。」
「?」
「俺はロゼリアに全てをかけると誓いました。」
「そうですね。頼もしいです。」
「でも、それだけじゃなくなりました。」
「あ?どういう__」
「俺と付き合ってください、紗夜さん。」
「!!」
「俺はロゼリアに全てをかける。でも、紗夜さんにも、全てをかけたいです。」
「...」
「紗夜さん?__!」
紗夜さんが抱き着いてきた。
「紗夜さん?」
「嬉しいです...!」
紗夜さんはそう言った。
「待ってましたよ...!八舞君...!///」
「......お待たせしました、紗夜さん。」
俺も紗夜さんを抱きしめた。
「紗夜さん、俺と未来を歩んでくれますか?」
俺がそう聞くと、紗夜さんは少し離れて...
「はい!もちろんです!」
飛び切りの笑顔でそう答えた。
「__紗夜さん、これを受け取ってください。」
「これは?」
「開けてみればわかります。」
「はい。」
紗夜さんは箱を開けた。
「これは、時計ですね?」
「はい。異性に時計を送る意味は『あなたと同じ時間を刻みたい』らしいです。」
「!」
「これも、相応しいでしょう?これからの俺たちには。」
「はい...!
じゃあ、私からも___」
「!!」
紗夜さんがキスをしてきた。
「私のファーストキス、です///」
「さ、紗夜さん///」
「離れたら嫌、ですよ...?///私は意外と寂しがり屋なんですから...!///」
「はい!分かってますよ!」
俺たちはまた水槽を眺めた。
色はゆっくりと変わり続ける。
「俺たちの未来の色はどんなのでしょうか?」
「分かりますよ。私たちが一緒にいるなら。ね?栄斗君?」
「!!...そうですね、紗夜。」
俺たちの未来は果たして何色になるんだろう?でも、その色が明るいのは間違いない。
なんたって、今が明るいから。音楽器具の『メトロノーム』は絶対に乱れないから。
俺たちは乱れないように、幸せと言うリズムを刻み続けるだけだ。
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__少し年月が経った。今、俺は__
「綺麗ですよ、紗夜。」
「...敬語はもういいですよ、栄斗。」
「いやー癖がなかなか抜けなくて。」
「はぁ、名前を呼べるようになっただけでも進歩、なんでしょうか?」
「ははは__」
コンコン
ドアを開けて皆が入ってきた。
「やっほ~!二人とも~!」
「来たわよ。」
「お邪魔...します。」
「わー!紗夜さん綺麗ー!!」
「皆さん、おはようございます。」
ロゼリアの皆が。
「来たよ、八舞。」
「やっほ~八舞君~」
「今日はめでたいな!栄斗!」
「おめでとう!八舞君!」
「おめでとう!」
アフターグロウも、
「よう!栄斗!来たぞー!!」
「あれ?俺、涼に招待状送ったっけ?」
「え?!送られてきたぞ?!」
「冗談だ。俺がお前に送らないわけないだろ。」
「だ、だよな!親友だもんな!」
「あぁ、そうだな。」
涼も来てくれた。
「それにしても、紗夜ももう結婚か~!時間が進むのは早いね~!」
「今井さん...お年寄りみたいなことを言いますね。」
「ちょっ!私まだ23だよ!」
「リサは昔から年と精神が一致してなかったわね。」
「え?」
「リサさんは~みんなのお母さんでしたね~」
「そう...ですね...!」
「え!?リサ姉はリサ姉じゃなくて、お母さんだったの?!」
「私、ずっとそう思われてたの...?」
「......冗談よ、リサ。」
「間が気になるよ?!友希那?!」
「......相変わらずだな。」
「そうですね。」
俺と紗夜は笑いながらその光景を見ていた。
「ねぇ、八舞。」
「なんだ、美竹?」
「今、幸せ?」
「あぁ。」
「そう。」
「やっぱり、青葉の事か?」
「違う、とは言えない。」
俺と紗夜が付き合った後、俺は他の三人をフッた。
その時に青葉は泣いた。
美竹もあんなに泣いた青葉を見たのは初めてだったらしい。
「モカをフッたんだから、幸せにならないと許さないから。」
「分かってるよ。」
俺は真面目な顔で言った。
「俺には紗夜がいるんだ、幸せなのは当り前だよ、永遠にな。」
「え、栄斗ったら...///」
「うん、悪くないね...!」
美竹は皆の方に行った。
「紗夜、八舞君。」
「やっほ~」
「友希那さんとリサさん、どうしました?」
「今日はおめでとう、二人とも。ロゼリアのリーダーとして鼻が高いわ。」
「私もだよ~!」
「「ありがとうございます。」」
「二人も分かってると思うけど__」
「すぐにあの舞台、ですよね?」
「えぇ、そうよ。」
「燃えますね...!」
「そうだね~!私たちもここまで来たか~!」
「そう...ですね!」
「あこも!燃えてきました!」
「あら、二人も来たのね。ちょうどいいわ。」
「?」
「八舞君。」
「はい?」
友希那さんはおおきく息を吸って...
「ロゼリアと紗夜に、全てをかける覚悟があるかしら?」
そう聞いてきた。
「当然です!誓いましたから!」
「そう、なら心配ないわね。」
そろそろ時間なので皆は会場に向かった。
「今日は二人の幸せな姿を楽しませてもらうわ。」
「待ってるよ~☆」
皆は会場に行った。
「__俺たちも、準備しましょうか。」
「そうですね。」
「紗夜は、幸せですか?」
「もちろんです。」
「そうですか。」
俺たちは立ち上がった。
「じゃあ、行こう、紗夜。皆の所に。」
「!!えぇ、そうですね!」
俺たちは歩きだした。
「ここも、頂点かもな。」
「そうですね。」
「なんたって...」
「「俺(私)達の幸せは狂い咲いてるから!」」
時間は進み続ける。
俺たちは今、幸せの頂点だ、
次は音楽の頂点に狂い咲いてやる!
感想などお願いします!
後は残り三人のエンドが終わったら完結です!