顔合わせの翌日の朝...
「...昨日の氷川さんの発言は何だったんだ?」
俺は朝起きるなりそんなことを考えていた。
(注目を浴びた?...教師に目をつけられた?)
「...まぁ、考えても仕方ないな。」
そう言って俺はいつも通り朝食を済ませ。
家を出た。
________________________________________
今日は昨日に比べ、かなり遅く出てしまった。
「生活リズムが少し崩れたからか。」
「おーい!栄斗ー!」
「あ?」
俺が考え事をしていると真波が後ろから走ってきた。
「なんだ、真波か。」
「おう!おはよ!」
「...朝から元気な奴だ。」
「おう!元気が取り柄だからな!
てか、栄斗って家こっちなのかよー!」
「だからなんだ。」
「これから一緒に登校しような!」
「断る。」
と、言い捨て俺は歩き出した。
「おーい!待てよ栄斗ー!」
__________________________________________
今日はクラス替えの発表があるので、それを確認した。
「...E組か。」
「お、栄斗もEか!一緒だな!」
そんな会話をしていると...
「栄斗さーん!」
「若宮か。」
「おはようございます!栄斗さん!」
「あぁ、おはよう。」
「...栄斗、俺の時と対応違いすぎない?」
「若宮はうざくないからな。」
「え?俺うざいの!?」
「あぁ。」
コントじみたやり取りをしてると_
「あのー、そちらの方は誰でしょう?」
「あぁ、こいつは馬鹿だ、覚えなくていい。」
「いやいや!俺は真波!真波涼!」
「涼さんですね?よろしくです!」
と、自己紹介をしていた。
「お二人はどこのクラスですか?」
「俺たちはE組だ。」
「本当ですか!?
私もE組なんです!」
「同じなんだな、改めてよろしく頼む。」
「俺もよろしく!」
「はい!よろしくお願いします!」
挨拶を済ませ俺たちは下駄箱に向かった。
そして、昨日、置いておいた靴に履き替えようと、下駄箱をあけると_
バサバサ!
大量の紙が流れ落ちてきた。
「_なんだこれ...?」
「うお!これ全部ラブレターじゃね!?」
「流石栄斗さん!モテモテです!」
「...いや、なんでだよ。
初登校は昨日だぞ?しかも、俺はほとんど若宮といただろ?」
「そういえばそうですね?」
どういうことだ?なんで、ラブレター(仮)がこんな大量に?
ま、まさか...
「昨日の氷川さんの言ってたのはこういうことか!」
「紗夜さんがどうかしたんですか?」
「実は昨日_」
俺は昨日のことを若宮に話した。
「...なるほど。」
若宮はなるほどと言っているがわかってなさそうだ。
「...つまりあれだろ?
その、氷川さんって人はこうなるのを分かっていたんだろ?」
「えぇ、その通りです。」
真波が考察すると、下駄箱の陰から氷川さんが出てきた。
「なんで...こうなったんでしょう?」
「理由?言わなくてもわかるでしょう?」
「やっぱり、あれっすか?」
「えぇ、それで間違いないです。」
いや、それにしてもおかしい。
「なんであれで、こんな事になるんですか?」
「あぁ、それは_」
「「「そこからは私たちが説明します!!!」」」
「!?」
どこからか女子生徒の集団が現れた。
「え?どなたですか?」
「私たちはあなたのファンクラブです!!」
「は?ファンクラブ?なんで?」
「それは_」
そこから、ファンクラブ結成までの経緯を説明された。
簡単に言うと...
デブがセクハラをしていて男子への評価は地に堕ちていた→周りの男子も止めに行かない→男子はやっぱり駄目だ!と思ってた中、俺が止めに入った
→その時点で評価は鰻のぼりだったが→そのあと、氷川さんを保健室に運ぶ流れが少女漫画みたいであこがれて→そこから、容姿もいいよねと誰かがいいだし
→賛同者が多数いてファンクラブ結成...らしい
「」
「...私も結成までの流れは初めて知りました。」
「ですね...でも、流石、栄斗さんです!」
「よかったじゃないかー!栄斗ー!
羨ましいぜ!」
と、みんな色々言っているが...
「よくねぇぇぇ!!!」
俺は心から、そう思った。
________________________________________________
今、俺たちは教室にいる。
ファンクラブ?泣き脅しされて許可しちまったよ!畜生!
「...どうして、こうなったんだ。」
俺は教室に入るなり机に突っ伏していた。
「まぁ、いいじゃないか栄斗!」
「...なにがだ?」
「男子校から共学になって、おまけにモテるんだぜ!
学校生活、バラ色じゃねぇか!」
「そうです!みんなに好かれるのはいいことですよ!」
「...真波、変わるか?」
「...悪い、それは勘弁。」
今の状況を説明すると、教室にいる女子はもちろん、
廊下にまでギャラリーがいる...
「動物園の動物にでもなった気分だ...」
そんなことを考えていると_
「そこの生徒たち!一つの教室の前で留まらないでください!」
氷川さんが廊下にいる生徒を注意してくれた。
「そして!八舞君のファンクラブについては時期に校則として
ルールが設けられることになりました!」
「え?」
氷川さんが教室に入ってきて...
「それでいいですね?八舞君?」
と、威圧的な笑顔でいってきたので。
「はい...」
俺はそう答える事しかできなかった。
お気に入り登録が増えてきて、とてもうれしいです!ありがとうございます!
よろしければ、感想や要望などもよろしくお願いします!