恋愛のブシドー   作:火の車

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千聖ルート5話です!


第5話

 俺たちはファミレスに移動した。

 

「__それでは話しましょうか。」

「えぇ。」

「お願いします。」

「それでは...」

 

 俺は話し始めた。

________________________

 

「俺は赤子の時に孤児院の前で捨てられた孤児でした。

 勉強は小学四年生の年齢まで孤児院で学んでいました。

 ですが、小学五年生から学校に通うことになりました。

 俺は言われた通り学校に通いました、そこで出会ったのが、西園姉妹です。」

 

「「...」」

 

「西園姉妹は天才姉妹と有名でした。

 学業、運動、全てが秀でていました。

 俺が来るまでは...。」

 

「八舞君が来るまでは...?」

「はい。」

「どういう事ですか?」

「俺の基本性能が全て西園姉妹を上回っていたんです。」

「?!...でも、二人は天才なんですよね?」

「はい、間違いないです。続きを話しますね。」

「えぇ。」

「当時、妹のマナ、今の西園カナは俺に友好的でした。でも、姉の本当の西園カナはプライドがひたすら高かったんです。そんな奴が俺を見逃すわけもなく、イジメてきました。タバコの火を顔に押し付けてきたり、階段から突き落としたり、机の下敷きにしてきたり。」

「ひ、ひどいわ...」

「小学五年生でそんな事を...?」

 

 二人は驚いている。

 

「そうして時間は進み、マナとは友好的なまま、小学六年生になりました。

 そして、事件は起こった。」

「事件?」

「えぇ、あれは6年生の最初に遠足の時の事です。

 遠足は班行動での散策、その時、マナとカナは同じ班にいました。

 ...遠足が終わる頃、マナのいる班が返ってきませんでした。」

「え?なんでかしら?」

「誘拐です。」

「「っ!!」」

「その時、俺はマナを探しに走りました、そして、見つけた。

 俺はその時、誘拐犯を刺し殺しました。」

「!?」

「でも、遅かったんです。」

「遅かった、とは?」

「俺が見つけたころにはマナ以外の班員は全員、殺されていました。姉のカナも。」

 

 俺は当時の風景を思い出していた。

 

「...その時にマナは過度なストレスを味わいました。

 それからです、あいつが狂ったのは。

 そして、今の西園カナは言った...」

 

『今日からは私がカナちゃんだよ♪』

 

「...それからの行動は西園カナそのものでした。

 でも、感情は全く違った。

 あいつはイジメを『愛』と語るようになりました。」

「どういうことかしら?」

「混ざったんです。マナとカナが。」

「混ざった...?」

「マナの恋心とカナの憎しみと殺意、これが今の西園カナを作ったんです。」

「「...」」

 

 二人は何かを考えている。

 

「そんなことがあったのね...」

「普通に生きてきた私たちには想像が付きません。」

「あいつは危険です。誰も巻き込むわけにはいかない。」

「...まさか、最初に公表することを拒否したのも...」

「はい、危険だったからです。」

「そういう事だったのね。」

 

 無言になった。

 

「...あなたがそんな目をしてるのも、西園カナのせいなのかしら?」

「?」

「あなたは西園カナの脅威に誰も巻き込まないために一人に慣れた。」

「!!」

「正解みたいね。」

「まぁ、事実と言えますね。」

「...私はあなたに協力するわ。」

「え?」

「一緒に西園カナに挑むは。」

「やめておいた方がいいです。

 あいつは天才ですよ。」

「大丈夫よ。天才には慣れてるわ。」

「...そういう事なら、私も協力しましょう。」

「氷川さんまで?」

 

 収拾がつかない。

 

「...危険なら絶対に逃げてくださいね。」

「「わかったわ(わかりました)」」

 

 そうして、二人が協力することになった、

________________________

 

 ”西園カナside”

 

「__はぁ、辛いな~」

 

 カナは黄昏ていた。

 

「八舞が愛しくて、愛しくて仕方ないよ~!」

 

 カナは椅子にもたれかかった。

 

「...壊したい。八舞を壊したい...!」

 

 カナは恍惚とした表情をしている。

 

「早く、早く私の所に来て?八舞__」

 

 カナは一人で不気味に笑った。

________________________

 

 後日、緊急朝礼が開かれた。

 

「(__来たか。)」

 

 俺は体育館に来た。

 

『__今日の緊急朝礼はイジメについてです』

 

 ざわめきが起きた。

 俺のクラスの奴らは全員、俺を見ている。

 

『被害者は八舞栄斗君です。

 彼には噂がありますが__』

 

 それから氷川さんは噂が嘘と言う根拠を説明した。

 

『__と言うわけで、噂の情報は全てデマです。』

「ま、待ってください!!」

 

 クラスの奴の一人が叫んだ。

 

『なんでしょうか?』

「最初の机の落書きはこいつの自演です!!」

『そう言うと思ってましたよ』

「え...?」

『警備員に確認を取ったところ、あなたとあなた、かなりお早く学校来てたみたいですね?』

「「!!」」

『名簿を見たところ、部活動には所属していないみたいですね?なぜ、あの日だけ早く学校に?』

 

 反論はなくなったみたいだ。

 

『では、イジメに加担したメンバーは調べてあるので、全員にペナルティが課せられます。』

 

 クラスの奴らがざわめき出した。

 そして、俺に許しを請いて来た。

 

「悪かった!許してくれ!」

「ごめんね?八舞君!」

「悪気はなかったんだ!」

 

 とか、まぁ、色々だ。

 

「__お前らがやったことだ。そもそもペナルティを決めるのは俺じゃない。高校生だろ?自分のしたことには責任を持て。」

 

 俺はそう言った。

 

「この人でなし!」

「クラスメイトでしょ!?少しは軽くしてもらえるように説得しなさいよ!」

「イジメられる方にも問題あるよな!!!」

『__静粛に。」

 

 氷川さんがそう言った。

 

『ペナルティは3日の停学、そして、生活指導上の前科持ちにする事とします。それと、さっきの三人には追加のペナルティが課せられます。」

 

 氷川さんがそう言うと、男子は膝から崩れ落ち、女子は泣きだした。

 そりゃそうだ、前科持ち、つまり進路が絶たれるんだから。

 

『八舞栄斗君には今日からA組に移動してもらいます。』

「え?」

『なので、そのつもりで。』

「...まぁ、いいか。」

 

 ここから、俺の学園生活は再スタートする。




感想などお願いします!

明日は都合により一日家を空けなければならなくなってしまったので、明日は投稿ができません。すいません。

メインのオリキャラの一人は次くらいで出てくると思います。

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