雅の家に行った翌日。
「__よう、八舞。」
「お、来たか、雅。」
雅は言った通り学校に来た。
「じゃあ、俺の友人と話してみようか。」
「お前の友人?」
「あぁ。」
「__おっはよー!」
「来たか。」
戸山が入ってきた。
「おはよう、戸山。」
「どうしたのかな?早く来てなんて?」
「それは、こいつと話してほしいんだ。」
「...おはよう。」
「斎藤君?なんで?」
「斎藤が戸山と仲良くしたいらしい。」
「おい!」
「ほんとに?!」
「あぁ、ほんとだぞ。」
上手く話しを運べた。
「私も仲良くしたかったんだ~!」
「だ、そうだぞ。雅?」
「...そういう事にしておく。」
「斎藤君だから...さい君だね!」
「え?」
「よかったな、さい君。」
「...まじかよ。」
こうして、朝の時間が過ぎた。
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昼休みだ。
俺たちは4人で昼食をとっていた。
「__たく、驚かせやがって...」
「悪かったって、市ヶ谷。」
「そうだよ~!」
「...なんか、すまんな。」
市ヶ谷は戸山が雅と話していることに驚いた。
それで、今、ご立腹みたいだ。
「...もう、いい。」
市ヶ谷がそう言うと
「__よう!栄斗!...って、雅?!」
「よう、真波、久しぶりだな。」
「なんだ、涼か。」
「「ん?」」
俺は疑問に思った。
「真波、お前、雅と友達なのか?」
「おう!バイト仲間だぜ!」
「そうだったのか。」
意外な繋がりだなと思った。
「それよりも、二人は仲良かったのかよ~!」
「俺が雅の家に飯つくりに行くだけだぞ。」
「へ?」
「世話になることにした。」
「え~!」
真波は驚いたみたいだ。
「八舞君ってさい君の家にご飯作りに行ってるの?」
「あぁ。昨日からな。」
「私も食べたい!」
「おい!香澄!」
「俺はいいが。雅は?」
「...俺も構わん。」
「やった!」
「ほんとにいいのかよ。」
「いいんじゃないか?市ヶ谷も来るか?」
「私は__」
「__あ!八舞みーっけ♪」
「西園?!」
俺は立ち上がった
「そんなに構えなくてもいいじゃん~♪」
「お前が来ると碌なことがないからな。」
「おい、誰だ、こいつは。」
「こいつは西園カナ。気をつけろ、こいつは危険だ。」
「こいつ、この前の!」
「あぁ。真波のリンチの犯人だ。」
「戸山と市ヶ谷は下がれ!」
「も~う!今日は何もしないよ~!」
「さぁ、どうだか。」
「今日はお知らせに来ただけだよ♪」
「...お知らせ?」
「そう!お知らせ♪」
西園は楽しそうに笑っている。
不気味だ。
「最近、新しいおもちゃが手に入ったんだ~♪」
「...おもちゃ?」
「そう♪...表現するなら、欲しがりな子たちかな~♪」
「...欲しがり?」
意味が分からない。
「時期にわかるかもね♪」
西園は去ろうとした。
「おい!待て!意味を説明しろ!」
「う~ん...それじゃ、ショーが盛り上がらないからな~...」
西園は考えて。
「じゃあ!ヒントをあげる!
その子たちを表す言葉は、
『アモン』ってところかな!」
「アモン...?たしか強欲の悪魔...?」
「そう♪つまり、それを支配下に置く私はルシファーかな?」
「いいじゃないか、お前にピッタリだ。」
「ありがと♪」
西園は屋上から去った。
「...ふぅ。」
「おい、さっきのはどういう事だ?」
「あいつは俺の...因縁だ。」
「因縁...?」
「あいつ、西園カナ、なのか?」
「市ヶ谷?」
「西園カナは一年の時は目立たない生徒だった。」
市ヶ谷は不思議そうにしている。
「私は分からないな~?」
戸山は西園を知らないみたいだ。
「聞いただろ、市ヶ谷。
あいつの今の目的はショーを楽しむことだ。」
「つまり、そのために目立つようなことをしないって事なのか?そもそも、ショーって...?」
「あいつのショーは、俺を壊すことを目的としてる。
つまり、事は俺の周りで起きる可能性が高い。」
これは言いきれた、だが
「アモン、これが分からない。」
「強欲、だっけか?」
「あぁ。」
「欲しがりで強欲...?」
考えれば考えるほど分からない。
「...とりあえず、そのアモンとやらを探さないと、危険だ。」
「...そうだな。」
俺の行動は決まった。
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放課後、俺はバイトに行かなければならなかった。
「__こんにちわ。」
「来たわね、八舞君。」
「どうも、白鷺さん。
それで、俺は何をすればいいんでしょうか?」
「これに全て書いてあるわ。
基本的にこの業務を終わらせてくれれば自由に帰ってもいいわ。」
「...これなら、すぐに終わりますよ?」
「え?歴の長いマネージャーでも時間がかかる内容なのだけれど?」
「そうなんですか?これくらいなら、一時間くらいで終わりますよ?」
「...どうなってるのかしら?」
「__こんにちわ~!」
氷川さんに似た人が入ってきた。
「あれ?君は昨日の__」
「八舞栄斗です。」
「私は氷川日菜だよ!」
「氷川?」
「お姉ちゃんと会った事あるんじゃないかな~?」
「...なるほど。」
納得した。
確か双子の妹がいると聞いた。
「私の事は日菜って呼んでね!栄君!」
「はい、わかりました。
そういえば、日菜さんは氷川さんと別の学校なんですか?」
「うん!私は羽丘だよ!ちなみに生徒会長なんだよ~!」
「...日菜ちゃんは天才よ。何でもできるわ。」
「氷川さんとは逆って事ですね。」
「まぁ、そうなるわね。」
「まぁ、俺は仕事を片付けてきます。」
「えぇ、お願いね。」
「頑張ってね~!」
俺は書かれてた仕事を終わらせた。
かかった時間は二時間くらいだった。
「__終わりました。」
「...早いわね。しかも完璧よ。」
「ありがとうございます。」
「今日は帰ってもいいわ。またお願いね。」
「はい。」
俺は事務所を出た。
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”戸山家”
「......ただいま。」
「おかえり~!あっちゃん!...って、どうしたの?!」
明日香はずぶ濡れだった。
「...プール入ってた。」
「え?でも、羽丘のプールは閉鎖中って日菜先輩が__」
「プール、入ってたの!」
「あ!あっちゃん!」
明日香は怒鳴ってから、自室に閉じこもった。
「あっちゃん...」
『...あんまり、話しかけないで。』
香澄は自室に戻った。
「__おかしいよ。」
香澄は今までにないくらい考えた。
「あっちゃんに何があったの...?」
香澄は分からない。
「あっちゃん、いっつも自分の事、話さないもん...」
香澄は考えた。
”明日香”
明日香は着替えて、ベッドに倒れた。
「...言えるわけないよ。」
明日香は目に涙を浮かべている。
「先輩に川に落とされたなんて、言えないよ...」
明日香は泣いていた。
その時、知らないアドレスからメッセージが来た。
「...誰だろ__!!」
メッセージには
『返事は一週間待ってあげる。でも、早くしないと、また川に落とすよ?』
と、書かれていた。
差出人は
「水泳部の、部長の人...!」
明日香は携帯を投げ捨て、
布団にくるまった
「なんで、こうなったんだろ...」
明日香への嫌がらせは五月の終わりから始まり、次第にエスカレートしていた。
「あこと六花には何とか気づかれてない、けど...」
明日香は小さくつぶやいた。
「苦しいよ...
誰か、助けて...」
明日香は気を失うように眠りについた。
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