”明日香side”
「...八舞先輩...」
明日香は呟いた。
「なんで、離れて行っちゃうんですか...?」
明日香は自分の思い人の失踪に想像以上のダメージを受けていた。
「あれからもう、二週間。
どこにいるんですか?八舞先輩...」
明日香は消え入りそうな声でそう言った。
「...探しに、行かないと。」
明日香は家を出た。
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”有咲side”
「八舞...」
有咲は後悔していた。
「(私は、八舞を怖がった...。それで、八舞は...)」
有咲は頭を抱えた。
「...折角、助けてくれたのに...。いや__」
有咲は立ち上がった。
「まだ、まだ間に合う。私が八舞を連れ戻す...!」
有咲は家を駆けだした。
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「...」
俺は空を眺めていた。
「(...嫌になるな。一人になると、自分自身の空虚さが見えてきちまうな。)」
俺はあの日以降、学校に行ってない、恐らく、もう夏休みに入っただろう。
俺は家に帰るのも避けていた。
「(所詮、俺に残るのはマナの呪縛だけだ、
俺にはそれしかない。俺は二度とあんな人間を増やしたくないんだ。)」
俺はため息をついた。
「...さて、そろそろ__」
「__見つけたわよ、八舞君。」
「白鷺さん、なんで...?」
「...探してたのよ、ずっと。」
「...俺を探す必要なんかないと思いますが?」
俺は突き放すように言った。
「...そんなに、過去が怖いのかしら?」
「っ...!」
「この前の有咲ちゃんの状況はあなたの最も恐れてる過去と酷似してたわ。」
「あなたは、過去を繰り返すことを恐れてるわ。
二度と失いたくないから。」
「...よく、分かりますね。」
「ここまでは簡単よ。」
「分かってるなら__」
「__失うのは、あなただけなの?」
「っ...」
「この短期間で、あなたは私たちにとって大切な存在になったわ。
あなたがいなくなった時の有咲ちゃんと明日香ちゃんがどんなだったか分かるかしら?」
「...分からないです。」
「二人とも、泣いてたわよ...」
「?!」
「少しくらい、待ってって、離れないでって、ずっと...」
「...」
「失うのが怖いのは分かるわ。でも、失うのはあなただけじゃないのよ。」
「...あんたに何が分かる。」
「え?」
「あんたに何が分かるって言うんだ!」
「!!」
俺は叫んだ。
「俺は一度、マナを、好きな子を失ったんだ!
俺はマナが大切だった、親もいない俺にとっては一番大切な人だったんだ!」
「...」
「...でも、最近、皆が俺の中で大きな存在になっていく、
でも、それじゃ繰り返しなんだ、だから俺は仮面を被ることでそれを誤魔化したんだ。
俺はもう、大切な人を、失いたくないんです...!」
「八舞君...」
「俺はもう、誰とも、いてはいけない。」
俺はその場を去ろうとした
「__待ちなさい。」
「__?!」
白鷺さんが後ろから抱き着いてきた。
「...」
「...あなたの悲しみは、痛いほど伝わってきたわ。
一番大切な人を失って、その影響で人とのつながりが強くなるのを恐れる気持ちも...」
「白鷺さん...」
白鷺さんは力を強めた。
「__でも、もう少し。私たちを信じてもいいじゃない...!」
「...!」
白鷺さんはそう言った。
「少しくらい、私たちを頼っても、いいじゃない...!」
「...」
白鷺さんの手に力が入る。
「私たちは、誰もあなたから離れたりしないわ...!
それでも、あなたが怖いなら、私が全部受け止める...!」
「!!」
「私はいつでも、あなたの味方でいるわ。」
「白鷺さん...。」
「だから、戻ってきて!私たちのもとに!」
俺は一つの記憶が蘇った。
”記憶”
『__...なぁ、マナ?』
『ん?どうしたの、栄斗?』
『マナはなんで、俺と一緒にいるんだ?
皆、俺の事を嫌ってるのに...』
『なんで皆が関係あるの?』
『え...?』
『私は栄斗と一緒にいたいから一緒にいるんだよ!
カナちゃんも皆も関係ない!』
『マナ...』
『それでも怖いなら約束しよ!』
『約束...?』
『うん!私はいつでも、栄斗の味方だよ!』
『味方...』
『うん!』
『そう、か。味方...!』
”現在”
「(__偶然なのか、それとも、運命の巡りあわせか。)」
「八舞君...?」
「(あの時と、同じ...)」
俺は白鷺さんを見つめた
「...白鷺さん。」
「何かしら?」
「...俺、皆の所に戻ります。」
「!!」
「白鷺さんがいれば、大丈夫な気がしてきました。」
「...どこか、変わったかしら?」
「変わった?...まぁ、そうかもしれないですね。
なんたって、仮面が外れたんですから。」
俺に気分は晴れ晴れとしていた。
「皆の所に行きましょう。今すぐ呼ぶわ。」
「え?そんな急に___」
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「__八舞先輩!」
「八舞!」
「うお?!」
あれからすぐに皆がそろった。
「あの、二人とも?なんで、そんなにくっつくんだ?」
「...すいません。でも...」
「もう少し、頼む。」
「え、えぇ?」
「__おい、八舞。」
「雅...」
「お前の事は聞いた。
お前はもっと人を頼れ。」
「...あぁ。」
「ほれ。」
雅は拳を突き出した。
「!あぁ。」
俺たちは拳を合わせた。
「さい君も素直になったね~!」
「うるさい、戸山。」
「わ~!さい君が照れてる~!かわいい~!」
「こいつ...!」
雅は戸山を追いかけていった。
__それから、俺は皆から色んな言葉をかけられた。
そんな中、二人は終始、俺にくっついていた。
「__あの、二人はいつまで、くっついてるんだ?」
「...頭。」
「ん?」
明日香が何か言った。
「頭、撫でてください。」
「ん?あ、あぁ。」
「~♪」
明日香は嬉しそうにしてる。
「...おい、八舞。」
「市ヶ谷?」
「...私も、な、撫でろ...!///」
「おう、いいぞ。」
「!...わ、わるくねぇな!///」
「そうか。」
「__楽しそうね、八舞君。」
白鷺さんが近づいてきた。
「でも、気付いてるかしら?
ここ、公園よ?」
「「「あ、」」」
二人は静かに離れた。
「お、おーい、二人ともー?」
「「...///」」
ふたりの顔は真っ赤だ。
「ふふ♪可愛いわね♪」
「...///」
「うぅ~...///」
「?」
俺にはさっぱり理解できなかった。
それから、しばらく時間が経った。
「__どうかしら、八舞君?」
「...いいものと思ってます。
人を信じるのも。」
「そうでしょう。私もそうだったから。
信じられる仲間がいるのは、良い事よ。」
「そうですね。」
「えぇ__」
ガサガサ!!
草むらから何者かが飛び出してきた。
「?!__し、白鷺さ__」
「きゃあ!__」
そいつは白鷺さんにスタンガンを当てた。
「!!待て!」
「...」
そいつが公園から出ると、一台の車が来た。
そして、荷台に白鷺さん事飛び乗った。
「__クソ!」
その時、電話が来た。
『やっほー!八舞!』
「西園...!お前...!」
『やっと、八舞と踊る最高の舞台が整ったの!』
「...」
『今、八舞を壊すのに一番効果的なのは白鷺千聖、でしょ?』
「...」
『...決着をつけよっか。長年の因縁に。』
西園はそう言った。
「...上等だ...!!」
『私は○○の廃ビルで待ってるよ!』
そう言って、電話が切れた。
「八舞。」
「なんだ、雅。」
「俺も行く。」
「...危険だぞ。」
「舐めんな、喧嘩は上等だ。」
「そうか。」
「私たちも行きたい...!」
「パスパレの皆?」
「千聖ちゃんが攫われたんだもん!」
「黙ってみていられません!」
「そうっす!」
「...危なかったら、逃げてくださいよ。」
俺は一応、忠告しておいた。
「他の皆は、出来るだけ皆で安全な場所にいてくれ。」
俺はそう言って。
「...行くぞ。」
「あぁ。」
俺たちは決戦の地に向かった。
「__これで最後だ、西園!」
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