第1話
「__ん~、いい天気だな。」
俺は今日から、共学化した羽丘に通うことになった。
今日は顔合わせの日だ。
「__お、ここか。」
羽丘に着いた。
「でかいな。まぁ、入るか。」
俺は校舎に入った。
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「__迷った。」
後者に入ったのはよかったが、迷ってしまった。
「ここはどこだ?」
俺はあたりを見回した、すると、
「__あれ?こんなところで何してるの~?」
「俺ですか?」
「そうそう!」
「指定された教室に行こうとしたら、迷いました。」
「迷った?...あはは!面白いね!君!」
「そうですか?」
「学校の中で迷うなんて...アハハ!」
「...そんなに面白いですか?」
「うん!...はぁ~面白かった!」
その人は笑い終えた。
「じゃあ、案内するよ!」
「え?いいんですか?」
「うん!」
「それじゃあ、お願いします。」
「じゃあ!いこー!」
俺はその人について行った。
「__そう言えば、君は何て名前なのー?」
「俺ですか?俺は八舞栄斗です。
二年です。」
「八舞栄斗...じゃあ、栄君だね!」
「まぁ、そう呼んでもらってもいいですけど。
あなたは?」
「私?私は氷川日菜!日菜って呼んで!」
「じゃあ、日菜さんで。」
「うん!るんっ♪ってくるね!」
「るんっ?...あぁ、そういう事か。
そうですね。」
「...え?」
「え?」
日菜さんは驚いたような声を上げた。
「どうしたんですか?」
「私の表現が分かるの?」
「え?普通に分かりますけど。
そんなに不思議ですか?」
「...」
日菜さんは黙った。
「__栄君って、面白い!」
「?」
「私、栄君に興味ある!」
「興味?」
「うん!」
「まぁ、悪い気はしないですね。」
俺たちはしばらく歩いた。
「__ここだよ!」
「ありがとうございました、日菜さん。」
「いいよ!あ、もう行かなくちゃ!」
「?」
「じゃあね!栄君!また後でね!」
「後で?まぁ、はい。」
そう言って日菜さんは走って行った。
「さて、教室入ろ。」
俺は教室に入った。
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「...」
俺は友達がいない。
「(暇だな。)」
俺がそんな事を考えてると、教師が入ってきた。
「__おはよう、皆!今から体育館に行くからついて来てくれ!」
俺たちは体育館に向かった。
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顔合わせはパーティーだ。
生徒会長のあいさつで日菜さんが出てきたときは驚いた。
「(...)」
俺は会場の端の端にいた。
「__あ!いた!」
「ちょっと!日菜さん?!」
日菜さんと眼鏡をかけた人が来た。
眼鏡の人に関しては引っ張られてるけど。
「どうも日菜さん。」
「なんでこんなところにいるの?」
「それは、話す人がいないからですよ。」
「そうなの?栄君、こんなに面白いのに!」
「そう言うのは日菜さんだけですよ。
それで、その人は?」
「...あ!ジブンですか?
ジブンは大和麻弥です!」
「大和さんですね。俺は八舞栄斗です。よろしくお願いします。」
「はい!」
「ねぇねぇ!栄君栄君!」
「どうしました、日菜さん?」
「私たちと一緒に来ない?
皆にも栄君を紹介したい!」
「皆?」
「いいからいいから!行こ!」
「まぁ、いいですよ。」
俺は日菜さんについて行った。
「__皆、お待たせ!」
「あ!来たね、日菜~!」
「うん!お待たせ、リサちー!」
「やぁ、日菜!」
「あ!薫君もいる!」
「私もいるわ。」
「友希那ちゃん!」
そこには日菜さんの友人らしき人たちがいた。
「で、日菜。その子は?」
「あ!この子はね!__」
俺は自己紹介をした。
「なるほど!八舞君ね!私は今井リサ!よろしく!リサって呼んでね!」
「はい、リサさん。」
「私は湊友希那よ。」
「よろしくお願いします。湊さん。」
「私は瀬田薫だ...栄人との出会い、なんて儚いんだ...」
「はい、そうですね。瀬田さん。」
「私の事は、薫と呼んでくれ。」
「はい、薫さん。」
「...ん?待って。」
「どうしました、リサさん?」
「なんで、薫と初見で会話が成立するの?」
「え?」
「いや、儚い...とか言ってんじゃん!」
「それだよ!リサちー!」
日菜さんが入ってきた。
「どういう事?日菜?」
「栄君はね~私の表現も理解できるんだよ!」
「日菜まで?!」
「...そんなに不思議なことなんですか?」
「...少なくとも、私たちには難しいかな~」
「そうね。」
「ジブンもです。」
「うーん、むしろ分かりやすいんですが...?」
「...天才?」
「...異次元ね。」
「...すごすぎます...」
なんか引かれたみたいだ。
「__それでね!お姉ちゃんが犬を撫でてすっごく笑顔だったの、すっごくるんっ♪って来たんだ~!」
「厳しそうな人なのに、ギャップですね。」
「でしょ~!」
「儚い...」
「そうですね、薫さん。」
「__あれ、何の会話?」
「分からないわ。」
「常人のジブン達じゃ、感情表現が分からないですね...」
俺たちは会話をしていた。
すると、
「__この後カラオケ行こうよ~」
「いや、あの...」
「あの、さっきから断ってるんですが。」
「そうだよ!」
「いいじゃんか~!」
絡まれてる女生徒を見つけた。
制服を見る限り、あの三人は一年生、つまり新入生だろう。
「...すいません、日菜さん。
少し、止めてきます。」
「え?私も行こうか?」
「いいですよ。」
俺は近づいて行った。
「__おい。」
「あ?」
「その子たち、困ってるだろ?
あんまり絡んでやるなよ。」
「そんなの俺たちの勝手じゃね?」
「断ってるよな?
断るのはその子たちの自由じゃねぇの?」
「これからオッケーが出るんだよ、な?」
男たちは三人の方を見た。
「嫌、です...」
「嫌だ!」
「お断りします。」
「...だ、そうだが?」
「うるせぇ!黙ってこい!」
「きゃ!」
「六花!」
「六花ちゃん!」
六花、と呼ばれた少女の腕を掴んだ。
「...おい。」
「あ?__!」
俺は男の腹を殴った。
「やめろ。女の子に手を出すのはいただけない。」
「う、ぐ...お前ら!やれ!」
「やめといた方がいいぞ?
怖くなるだけだ。」
「うるせぇ調子乗んな!__??!!」
「ぶっとばして__??!!」
「は?」
俺に殴りかかってきた二人は衝突した。
「な、なんだ!今の?!」
「こいつ、今!」
「す、すり抜けた?!」
「いや、そんなわけないだろ。
でも、まぁ、そう見えるよな。」
俺は男たちを見た。
「どうする?お前らの攻撃は当たらないが、続けるか?」
「うるせぇ!囲め!お前ら!」
「「おお!」」
三人に囲まれた。
「これなら...」
「終わりだ!」
「今度こそ!」
一斉に来た、が
「「「???!!!」」」
「...無駄だって。」
「な、なんで!今のタイミングなら...」
「絶対にあたるはずなのに!」
「なんで当たらなかった?!」
男たちは困惑してる。
俺はこう言った。
「続けるか?どうせ当たらないが暇つぶしくらい付き合うぞ?」
俺はにやけながらそう言った。
「__!!こ、こいつやばい!」
「に、逃げろ!」
「お、おう!!」
三人は体育館を出ていった。
「...お化けを見たみたいな反応しやがって。」
「あ、あの...」
「ん?」
「助けてくれて、あ、ありがとうございました。」
「うん?別にいいぞ?俺はよけただけだし。」
「__えーい君!」
「あ、日菜さん。」
「すっごいね~!あれ!」
「そうですか?」
「うん!なんかシュッ!って感じで~!」
「うーん、普通なんですが。」
「いや!あれはかっこいいです!」
「?」
「私は宇田川あこです!」
「あこ、ね。で、かっこいいのか?あれ。」
「はい!魔法みたいでした!」
「魔法か。いいな、それ。」
「でも、どうやってやったんですか?」
「えっと...」
「あ、私は戸山明日香です。さっきは六花を助けてくれてありがとうございました。」
「明日香か気にしなくてもいいぞ。
あと、あれは、普通の動きだぞ。」
俺は皆と合流した。
「...けほっ。」
「栄君?どうしたの?」
「...いや、なんでもないですよ。
でも、すこし、トイレに行ってきます。」
「うん?」
俺はトイレに行った。
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「__げほっ!ゴホゴホ!」
俺は激しくせき込んだ。
「クソ、これでも動き過ぎかよ。」
口を押えてた手には血がついてる。
「...薬、飲まねぇと。」
俺は薬を飲んだ。
「...戻ろ、遅いと怪しまれる。」
俺は会場に向かった。
これが、始まりだ。
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