恋愛のブシドー   作:火の車

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日菜ルート3話です!


第3話

「__そろそろか。」

 

 俺は校門前にいる。

 

「お待たせしました!」

「そんなに待ってないぞ、六花。」

 

 六花が走ってきた。

 

「そうですか?じゃあ、行きましょう!」

「あぁ。」

 

 俺は六花について行った。

________________________

 

「__ここです!」

「...すごいな。」

「は、はい、私もそう思います。」

 

 六花も苦笑いだ。

 

「なんでこんなでかい建物なんだ?

 あれか、資産家でもメンバーにいるのか?」

「ま、まぁ、入りましょう。」

「そうだな。」

 

 俺たちは建物に入った。

________________________

 

「__こんにちわー」

「来たわね、ロック。」

「お邪魔しまーす。」

「!?だ、誰?」

 

 俺が部屋に入ると、小さな女の子がいた。

 

「俺は八舞栄斗。六花の先輩です。」

「そ、そう...じゃなくて!」

「?」

「ロック!どうして連れてきたの?!」

「え、えっと、興味があると言っていたので...」

 

 六花が小さく見える。

 てか、シュールだな。

 

「__おーっす...って、何してんだ、チュチュ?」

「マスキング!実は__」

 

 チュチュと呼ばれた女の子は事情を説明した。

 

「...なるほどな。それで問題の奴が...って、八舞栄斗じゃねぇか。」

「こんにちわ、ますきさん。」

「おう。で、なんでここに来たんだ?」

「聞いた通りです、興味があって。」

「だがな、チュチュが__」

「__こんにちは、皆。」

 

 長い黒髪の人が入ってきた。

 

「よう、レイ。」

「Hi,レイヤ。」

「こんにちは、レイさん。」

「...えっと、あ、ボーカルの人か。」

「え?君は?...って、八舞栄斗?」

「え?」

 

 向こうは俺に心当たりがあるみたいだ。

 

「どこかで会いました?」

「覚えてない?小学校の時の音楽の時間。」

「うーん?」

 

 俺は記憶をたどった。

 

「もしかして、和奏?!」

「そうよ。」

「思い出した。音楽の時となりだった。

 あと、歌がめちゃくちゃ上手かった。」

「私はずっと体育を見学してた印象があるかな?」

「っ!...和奏、それは言わないでくれ。」

「え?」

「頼む。」

「うん、分かった。

 ...で、なんで、ここにいるの?」

「それは__」

 

 俺は事情を説明した。

 

「__なるほどね。

 ねぇチュチュ?」

「...何?」

「彼に演奏を聴いてもらうのいいかもしれないわよ?」

「why?」

「小学校の時の彼の音楽への感想は一線を隔してたの。」

「それが?」

「彼、もしかしたらチュチュの役に立つかもしれないわよ?」

「...面白そうね。...ねぇ、あんた。」

「なんだ?」

「見ていくのは許可するわ、でも、邪魔はしない事ね。」

「分かった。」

 

 なんとか説得できたみたいだ。

 

「__チュチュ様~!」

「パレオ、遅かったわね?」

「申し訳ありません~、コンビニのジャーキーが売り切れてて...」

「sit!なんで?!」

「分かりません~!」

「あ、忘れてた。」

 

 俺はカバンからあるものを出した。

 

「チュチュ、だっけ?これ。」

「ジャーキー!じゃなくて、なんで持ってるのかしら?」

「いや、手ぶらで来るのもあれと思って差し入れ的なものを。

 あ、ほかの皆にもケーキとかありますよ。後で召し上がってください。」

「ケーキ!」

「あ、ますきさんの好きなケーキはおじさんに聞いていたので買ってますよ。」

「...あの親父、何話してんだ?」

「まぁ、いいじゃない、ますき。

 ありがとうね、八舞君。」

「いえ。」

「わ、私より早くなじんでる...」

「そうでもないぞ?あ、六花も食べろよ?」

「は、はい!ありがとうございます!

 あ、お代を__」

「いいよ。差し入れだから。

 ...あ、冷蔵庫とか無い?」

「こちらにありますよ!」

「お、ありがと。」

 

 ケーキを冷蔵庫に入れた。

 

「__それじゃあ、そろそろ始めるわよ!」

 

 練習が始まった。

 

「マスキング!また入ってるわよ!」

『...わりぃ。』

「ほう...」

 

 しばらく見たが、練習のレベルがすごく高い。

 これをまとめるチュチュの腕もいい、

 いいバンドだな。

 

「...Hey、エイト。」

「ん?」

「この演奏を見てどう思うかしら?」

「いいと思うぞ、レベルも高いし。

 でも、言うとするなら。」

「?」

「パレオ、だっけ?

 キーボード、ミスってただろ?」

『気づきましたかー』

「Really?」

「あぁ。キーボードの音が良く耳に入ってな。」

「...」

 

 そんなこんなで、練習が終わった。

 

「__おやつの時間ですよ!チュチュ様!」

「パレオ!落ち着きなさい!」

「...これ、気になってたところのだ。」

「ますきが前に言ってたやつ?」

「あぁ。」

 

 皆はケーキを選んでいる。

 

「__あれ?」

「どうした?レイ?」

「ケーキ、一個足りてないわ。」

「え?本当ですか?」

「今全員で6人、一人分足りてないわ。」

「?足りてるぞ?

 RASの皆は5人、足りてるだろ?」

「...おい、八舞はどうすんだ?」

「俺はいいですよ。皆で食べてください。ますきさん。」

「だがな__」

「見てみてください。」

 

 俺はチュチュとパレオの方を指さした。

 

「チュチュ様~どれがいいですか?」

「えっと...あ...ショートケーキ!」

「じゃあ、パレオもショートケーキにします~!」

「__あれを見てどう思いますか?」

「...可愛いな。」

「でしょ?俺一人でこの空気を崩すのは野暮ですよ。」

「...今度だ。」

「?」

「礼するから、連絡先教えろ。」

「?気にしなくてもいいですよ?」

「いいから渡せ。」

「あ、はい。」

「あと、同い年だ、敬語はいらねぇ。」

「え?同い年?」

「レイと同い年だろ?私も高2だ。」

「!!!」

 

 驚いた。

 かっこよすぎて年上と思ってた。

 

「まぁ、食べたらどうだ?

 これ、連絡先。」

「あ、私も。」

「和奏もか?」

「うん。話したいこともあるし。」

「話したいこと?まぁ、ますきに聞いてくれ。」

「分かった。」

 

 そうして、お茶会が始まった。

 

「__Hey、エイト?」

「ん?どうした?」

「あなた、このバンドに足りないものが分かるかしら?」

「足りないもの?メンバーの欠員はいないし、設備もいい、メンバー同士の関係も悪くない...なんだ?」

「優秀なマネージャーよ。」

「マネージャー?」

「裏方も出来るのが好ましいわ。」

「それがどうしたんだ?」

「あなたをスカウトしたいわ。」

 

 チュチュはそう言った。

 

「スカウト?俺を?」

「yes.」

「なんでだ?俺は素人だぞ?」

「洞察力が素人のそれじゃないわ。

 大丈夫よ。パソコンとかは出来るかしら?」

「出来るぞ。」

「マネージャー、しないかしら?」

「うーん、時間がある時ならいいが、来れないときもあるかもだぞ?」

「No probrem.」

「なら、いいぞ。」

「Ok。頼りにするわ。」

「おう。」

「栄斗さんがマネージャーですか~。」

「だ、大丈夫なんですか、八舞先輩?」

「大丈夫だぞ。」

「手間が省ける。よろしくな、八舞。」

「よろしくね、八舞君。」

「あぁ、よろしく。」

 

 こうして、RASのマネージャーをすることになった。

________________________

 

「__今日は解散よ。練習日はまた連絡するわ。」

 

 俺は帰る用意をしていた。

 

「ねぇ、八舞君。」

「?どうした、和奏?」

「聞きたいことがあるのだけど。」

「なんだ?」

「...さっきから顔色が悪い気がするのだけど、どうしたの?」

「...」

「昔も体育、してなかったし。」

 

 和奏がそう聞いてきた。

 

「...仕方ない。和奏には隠せなさそうだから教えてやる。」

 

 俺は和奏の耳に口元を寄せて

 

「俺は___だ。」

「!?」

「じゃあな。」

「ちょ、ちょっと待って!」

「まだ、大丈夫だ。」

 

 俺は建物を出た。

 

「__まだ、大丈夫。」

 

 俺はそう呟き、帰路についた。

 




感想などお願いします!

皆さん、RASは好きですか?
私事になりますが、自分は好きです。
特にマスキングこと、ますきさんが。

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