「__手術をします。」
「手術...?」
「はい。成功率は限りなく低いですが、
最善を尽くします。」
「はい。」
「(八舞...)」
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”日菜side”
「栄君...」
『日菜?いるの?』
「お姉ちゃん...?」
『入るわよ。』
紗夜は日菜の部屋に入った。
「...全く、なんて顔してるの?」
「私、どんな顔してるの...?」
「そうね...ひどい顔、かしら?」
「そっか...」
「隣、座るわよ?」
「うん」
紗夜は日菜の隣に座った。
「話は聞いたわよ、日菜。
この前の彼、入院したらしいわね。」
「...うん。」
日菜は元気がない。
「日菜?」
「なに?お姉ちゃん?__?!」
紗夜は日菜を抱き寄せた。
「...悲しいのを我慢なんてしないで、
私に話して。」
「お姉ちゃん...?」
「あなたには私がついてるわよ。」
紗夜は優しくそう言った。
「...栄君が入院したのは私のせいなの...」
「...」
「私が攫われたとき、体は限界だったのに...助けに来てくれて...。
他にも、いっぱい、栄君を振り回して...。」
「そんな事、彼は思ってないわよ。」
「お姉ちゃん...?」
「彼は日菜にずっとついて来てくれてたでしょう?」
「うん。」
「彼が振り回されてると思ってたら、ついて来てなんかくれないわ。」
紗夜はそっと日菜の頭を撫でた。
「...私、栄君が好き。」
「そう。」
「だから、生きててほしい。」
「だったら、祈りなさい。
そして、彼の近くにいてあげなさい。」
「...うん!」
「(八舞栄斗君、出来れば、日菜とこの先も...)」
手術の日近づいてくる。
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手術の日になった。
この日は今まで栄斗に関わった全員が来ていた。
「栄君...皆、来てくれたよ?」
「__そろそろ、お時間です。」
栄斗の手術が始まった。
「栄君...」
「八舞...」
「ノープロブレム。」
「チュチュ?」
「エイトは期待に応えるわ。
私の中では期待に応える天才よ。」
「ですよね~!チュチュ様!」
「八舞先輩はすごいんですよ!」
「そうだよ、日菜!」
「彼は日菜に並ぶ天才なのよ、大丈夫に決まってるわ。」
「儚い...」
「いや、儚かったらダメなんすよ!」
「(...神様、お願い...!
何でもするから、栄君を、助けて...!)」
手術室のランプが点灯した。
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”夢”
「んあ?ここは?」
「ここは夢だ。」
「あれ?俺?」
「あぁ。初めまして。」
「初めまして。それで、何の用で来たんだ?」
「お前、今、手術中だぞ?」
「え?なんで?」
「助かる可能性があるらしい。」
「え、マジか。俺めちゃくちゃかっこ悪いじゃん。」
「そうだな。喜べ。」
「まぁ、助かったら嬉しいよな。」
「氷川日菜の事か?」
「そうだ。」
「まぁ、それはいいとして。」
「?」
「お前は生きたいか?」
「生きたいよ。」
「なら、向こうに歩いていけ。」
「向こうに?」
「そっちが出口だ。
さっさと行け。」
「そうか。じゃあ、行く。」
俺は歩きだした。
「じゃあな、俺。」
「あぁ。」
俺は光のほうに歩いた。
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”日菜side”
手術が始まってから、3時間が経過した。
「__手術が終了しました。」
「ど、どうでしたか...?」
「手術自体は成功しました。
後は本人の気力次第です。」
「は、はい...」
「八舞君は病室に運んであります。」
全員、栄斗の病室に向かった。
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「__入ったら、分かるんだよね...?」
「あぁ...」
「お、起きてなかったりしたら...」
無言になった。
「考えても仕方ないから、開けるよ...!」
日菜は扉を開けた。
「__あれ?皆?どうしたんですか?」
「え、栄君...?」
「え?はい、俺ですけど?__って、うわ!」
日菜は栄斗に抱き着いた。
「どうしたんですか?怖い夢でも見ましたか?」
「...うん。」
「そうですか。」
日菜さんの頭を撫でた。
「どんな夢でしたか?」
「...栄君がいなくなる夢。」
「...すごい不吉な夢ですね。」
「よかった、よかったよ...」
日菜は栄斗の胸に顔をうずめたままだ。
「俺はいなくなりませんよ、日菜さん。」
「うん、うん...!」
「だから、泣かなくてもいいですよ。
日菜さんに涙は似合いませんよ?」
「...うん!」
日菜は輝くような、笑顔になった。
「...」
「ますき?どこ行くの?」
「...帰る。」
「ますき...泣いてるの?」
「泣いてぇ...」
「八舞君に話しかけないの?」
「...いい。」
「なんで?」
「...あの二人の間に入る余地、ないからな。」
「まさか...」
「...八舞は氷川日菜のものだよ。」
「ますき!」
ますきは出口の方に歩いて行った。
その姿は狂犬と呼ばれたドラマーではなく、
報われない恋をした、女の子、だった。
「...第二の人生、幸せにな。八舞。」
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少し、時が経ち、秋になった。
「__栄くーん!!」
「日菜さん...って、また抱き着いて来て。」
「だって...心配なんだもん。」
「はいはい。」
「安心するー...」
「あ!日菜いた!やっぱりここかー」
「あ、リサちーだ。どうしたの?」
「つぐみが探してたよー。早く行ってあげないと。」
「あ、生徒会の仕事!忘れてた!」
「早く行きなよー」
「むぅー。」
「羽沢が困りますよ?
早く行かないと。」
「うーん、仕方ないかー。
じゃあ、行ってくるよ!」
「はい。行ってらっしゃい。」
「また、来るからね!」
日菜さんはそう言って走って行った。
「いやー、日菜は相変わらずだねー。」
「そうですねー。」
「そういえばさ!二人って付き合ってるの?」
「え?付き合ってませんよ?」
「へ?」
「?」
「あのやり取りしてたのに?」
「?いつも通りですよ?」
「...待って、頭痛くなってきた。」
「保健室、行きますか?
お連れしますよ?」
「いや、いいよ。」
「そうですか。」
「(最近、日菜は八舞君に依存してるからねー。
これからどうなるんだろ?)」
「どうしました?」
「なんでもないよ。」
今井さんは頭を抱えている。
「じゃあ、友希那のとこ行くよ!」
「はい。」
「じゃあね!」
今井さんは歩いて行った。
「...体軽いな。」
俺はがんを乗り越えた。
今は健康そのものだ。
これからが俺の第二の人生だ。
世の病気になった人も、最後まで自分を諦めずに戦って、打ち勝ってほしいな。
乗り越えた先には、きっと、幸せがあるから。
少なくとも、俺の世界は輝いてるよ。
日菜さんって言う光があるから。
感想などお願いします!
この作品の本編が完結したら、メタ回的なものをしたんですが、
メタ回に使えそうな質問などないですか?
番外編のリクエストも募集しますので是非!