恋愛のブシドー   作:火の車

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日菜ルート11話です!


第11話

 季節は秋。

 秋の行事と言えば、なんだろう?

 

「__栄君!文化祭だよ!」

「文化祭、ですか?」

 

 日菜さんが突然、そう言った。

 

「うん!」

「楽しそうですね、日菜さん。」

「当り前だよ!だって__」

「?」

「今回は花咲川と合同で文化祭をするんだもん!」

「え?」

「ちなみに発案者は私だよ!」

「確か花咲川と言えば、お姉さんがいましたね。」

「うん!楽しみだなー!」

「日菜さんが楽しそうで嬉しいですよ。」

「栄君も思いっきり楽しんでね!」

「はい。」

「じゃあ!生徒会のお仕事に行ってくるねー!」

「行ってらっしゃい。」

 

 日菜さんは教室を出た。

 

「...ね、ねぇ、八舞?」

「どうした?美竹?」

「なんで、そんなに日菜先輩と仲いいの?」

「え?うーん...日菜さんだからじゃね?」

「そ、そう。」

「いやー!栄斗は大物だなー!」

「テストも満点だったしね~」

「ほんと!びっくりしたよ!」

「普通じゃないか?」

 

 そうして、ホームルームが始まった。

 

「__それでは!文化祭での出し物を決めたいと思います!」

「文化祭の出し物か、美竹は何かよさそうなのは...あるわけないか。」

「...失礼じゃない?」

「でも、ないんだろ?」

「うん。」

 

 それからしばらくして、候補が出そろった。

 候補に挙がったのは、

 おばけ屋敷、カフェ、メイド執事喫茶、だ。

 

「この中で決めていきます!」

「カフェとメイド執事喫茶、混合でよくないー?」

「あ、そうだね!」

 

 黒板を書き換えた

 

「それじゃあ!どっちがいいですか?」

「お化け屋敷は被りそうだから、メイド執事喫茶でよくね?」

 

 と、一人の男子生徒が言った。

 そして__

 

「それじゃあ!メイド執事喫茶で決定します!」

 

 俺のクラスの出し物はメイド執事喫茶になった。

________________________

 

「__ねぇねぇ!栄君!」

「どうしました?」

「栄君のクラスの出し物って何になったの?」

「俺のクラスはメイド執事喫茶になりました。」

「え?それって、栄君も執事するの?」

「そうですね。しますよ。」

「...」

「日菜さん?」

 

 日菜さんは黙り込んだ。

 

「...栄君。」

「はい?」

「絶対に栄君のクラス行くからね?」

「は、はい。」

「栄君が私の接客してね。」

「分かりました。」

「るん♪ってくるね!」

「俺もですよ。体がよくなって初めての文化祭ですから、楽しみです。」

 

 俺たちはしばらく話し込んだ。

 

「__そう言えば、栄君。」

「?」

「今回ね、私の主導で演劇をしたいの!」

「演劇ですか?」

「うん。それでね、栄君にも出てほしいの!」

「俺ですか?午後からなら自由なのでいいですよ。」

「うん!大丈夫だよ!それとね。」

「?」

「栄君の知り合いにも声かけてほしいんだー」

「俺の知り合いですか?」

「うん!」

「まぁ、少ないですが、誘ってみます。」

「お願いね!」

「はい。」

 

 その後、俺は家に帰った。

________________________

 

 今日から文化祭の準備期間だ。

 

「__さて、俺の知り合いかー...あ、あの子かな。」

 

 俺はある場所に向かった。

 

__一年の教室。

 

「__すいません、六花はいますか?」

「え?八舞先輩?」

「あ、六花。おはよう。」

「は、はい。おはようございます。

 今日は何のご用ですか?」

「実は六花に頼みがあってな。」

「頼みですか?」

「実はな___」

 

 俺は六花に事情を説明した。

 

「__という訳なんだ。」

「そういう事なら大丈夫ですよ!

 私もお昼から自由なんです!」

「そうか。ありがとな、助かるよ。

 それじゃあ、練習の事はさっきの通りだから、頼むな。

 チュチュには俺から言っとくから。」

「はい!」

「じゃあ、またな。」

 

 俺は自分のクラスに戻った。

________________________

 

「__あ!八舞君!」

「上原?なんだ?」

「八舞君の衣装だよ!早く着てみて!」

「あ、あぁ。」

 

 俺は衣装を受け取って着替えた。

 

「__良くできてるんだな。」

「うん~!似合う!」

「お!栄斗も着たのか!決まってるじゃねぇか!」

「...いや、巴には敵わん。」

「そうか?」

「あぁ。この中で一番かっこいいぞ。」

「いやー!照れるな!」

「巴はかっこいいよね~!」

「うん、悪くないね。」

「ともちん、イケメン~」

 

 巴の執事服は大人気だ。

 

 俺がそんな事を思ってると、日菜さんから連絡が来た。

 

『もしもし!栄君かな?』

「はい。どうしたんですか?」

『そろそろ練習だから、体育館に来て!』

「はい、わかりました。」

 

 電話が切れた。

 

「六花、忘れてるだろうから迎えに行くか。」

 

 俺は制服に着替えて、一年の教室に向かった。

 

「__六花。」

「八舞先輩?」

「もうすぐ時間だが、抜けられそうか?」

「はい!大丈夫です!」

「じゃあ、行こうか。」

「はい!」

 

 俺たちはある教室に向かった。

________________________

 

「__お待たせしました。」

「あ!八舞君じゃん!」

「今井さん、どうも。」

「私もいるわ。」

「湊さんまで?こういうのには参加しないイメージだったんですが?」

「...リサが来いって言うから仕方なくよ。」

「あはは~」

「なるほど。」

「やぁ、栄斗。」

「薫さんですか?」

「あぁ。お姫様に呼ばれてね。」

「薫さん、この人は?」

「あぁ、花音。この子は栄斗だ。」

「えっと、八舞栄斗です。」

「こ、こんにちわ!花咲川から来ました松原花音です!」

「松原さんですね。薫さんに呼ばれたんですか?」

「うん、そうだよ!」

「新しい出会いというのも、儚いものだね...」

 

 俺たちがそう話していると。

 

「__皆!お待たせ!」

「あ、日菜さん。」

「栄君!」

「__ま、待ってよ~日菜ちゃん~!」

「あれ?彩ちゃん?どうしたの、そんなに息切らせて?」

「日菜ちゃんが走って行くからだよ!もぉ~!」

「あはは!彩ちゃんおっもしろーい!」

「もう...って、君は、八舞栄斗君、だよね?」

「え?はい、そうです。

 なんで、ご存じなんですか?」

「それは日菜ちゃんが__」

「わー!///彩ちゃん!しっ!///」

「え?!」

「...それ以上喋ると、千聖ちゃんに隠れてケーキバイキングに行ったこと話すよ?」

「えぇ?!な、なんで知ってるの?!」

 

 何やら言い合いをしてるみたいだ。

 

「それで、演劇って何をするんですか?」

 

 俺は話しを切り出した。

 

「そうだったね。じゃあ、発表するよ!

 今回の演劇は___」

 

 日菜さんは一息置いて...

 

「私が書いた台本だよ!」

「日菜さんが?」

「うん!これだよ!」

 

 日菜さんはスクリーンに台本を写した。

 

「王子と踊りたい女の子の話、ですか?」

「うん!そうだよ!」

「内容は結構シンプルだね?」

「時間もないからね!シンプルがいいと思って!」

「配役はどうするのかしら?」

「うーん、男の子は栄君だけだし、王子は栄君かな?」

「まぁ、いいですよ。」

「問題は女の子役だよね~」

「私は花音を推すよ。」

「か、薫さん?!」

「じゃあ、私は彩かな~」

「う~ん、私は出られないからな~

 じゃあ、私は六花ちゃん!」

「えぇ?!」

 

 なんやかんやで、くじで決める事のなった。

 

「さぁ!引いて引いて!」

「さぁ、行っておいで、花音。」

「ふぇぇ!」

「彩!ここで引いたら本物だよ!」

「え?何に対して?」

「六花ちゃん!なんて言うか...頑張って!」

「は、はいぃ!」

 

 各々、くじを引いた。

 女の子役を引いたのは...

 

「__ひ、引いちゃい、ました。」

「六花か。よろしくな。」

「あちゃーやっぱり引けなかったかー」

「想定ないよ。丸山さんだもの。」

「そうだねー」

「え?どういう事?」

「つまり、そういう事さ...」

「が、頑張ってね、二人とも?」

「はい。」

「は、はい!」

 

 そうして、演劇の練習が始まった。

________________________

 

 演劇の練習が始まってから、四日。

 演劇の完成形は割と早く見えていた。

 

「__湊さんが語り手というのは正解でしたね。」

「そうかしら?」

「はい。声も綺麗ですし、耳に入りやすいです。」

「彩もいい感じだよ~!優しい友達って感じが出てて!」

「そ、そう?良かった~

 そう言えば、薫君は流石だよね!もう一人の王子役!」

「儚い...」

「うん?」

「六花も良くなったぞ。セリフも完璧だ。」

「あ、ありがとうございます!」

「機材は大和さんがしてくれて助かります。」

「いえいえ!これくらいお安い御用っすよ!」

「俺も何か手伝いますよ。」

「じゃあ、そこの__うわ!」

 

 大和さんがコードに足をひかっけた。

 そのため、ちながってた音響機材が倒れてきた。

 

「六花!」

「え?__」

 

 機材は倒れた。

 

「...大丈夫か、六花?」

「や、八舞先輩...?」

「動いたら駄目だぞ?

 __よっと。」

 

 俺は機材ごと起き上がった

 

「だ、大丈夫ですか?!二人とも?!」

「大丈夫ですよ。皆は大丈夫...そうですね。」

「す、すいません!自分の不注意で...」

「気にしないでください。誰も怪我してないですから。」

 

 俺は六花に歩み寄った。

 驚いて立ち上がれないみたいだ。

 

「ほら、六花。」

「えっと...」

「立てないんだろ?ほら、手。」

「は、はい...」

 

 六花は立ち上がった。

 

「...うん、どこも怪我してないな。」

「あ、ありがとうございました。」

「いいよ。それより、六花に何もなくてよかったよ。」

「~!///」

「?」

 

 六花の顔が急に赤くなった。

 

「どうした?」

「い、いえ、なんでも...///

 (八舞先輩の笑顔...かっこいい...///し、しかも、私を守ってくれた...///)」

「?」

「(あ~これは...)」

 

 リサは何かを察した。

 

「(罪な男だね~八舞君。)」

 

 リサはこの場に日菜がいなかったという事に感謝したのだった。

 

 そして、文化祭は始まる...

 




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