恋愛のブシドー   作:火の車

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八話です。
話を思いっきり動かしたいですね。


第8話

”パスパレの練習場”

 

「~♪♪」

「あら?イヴちゃん、なんだかご機嫌ね?」

「あ、それ私も思った~!」

「ジブンもっす!」

「私も私も!」

 

 と、千聖の言葉に、日菜、麻弥、彩が続いた。

 

「え?そうですか?」

「そうだよ~!今のイヴちゃん、るんっ♪てしてるよ!」

「そ、そうなんですか?」

 

 という話をしていると...

 

「それでそれで!なにがあったの?」

 

 と、彩が聞いてきた。

 

「えーと_」

 

 イヴは栄斗を誘ったことをメンバーに話した。

 

「...イヴちゃん以外、集合。」

「「「うん(はい)」」」

 

 千聖が全員(イヴ以外)を集めた。

 

「これは...あれね。」

「うん、あれだね~」

「あれっすね...」

「あれ...だよね。」

 

「「「「イヴちゃん(さん)こいしてるね(ますね)」」」」

 

 四人の意見が一致した。

 

「でも、アイドルが恋愛って大丈夫なんすか?」

「あ、それ、私も思った。」

 

 麻弥と彩が質問した。 

 

「あら、知らないの?パスパレは大丈夫なのよ?」

「「「そうだったんだ(んすか)」」」

「...まぁ、いいわ。

 問題はイヴちゃんが自覚してるかどうかね。」

「じゃあ、私、聞いてくるー!」

「あ、ちょ!日菜ちゃん!?」

 

 千聖の静止を振り切り、日菜はイヴに突撃した。

 

「ねぇねぇ、イヴちゃん?」

「はい?なんでしょう日菜さん?」

「イヴちゃんって、その男子の事どう思ってるの?」

「栄斗さんの事ですかですか?大切なお友達です!」

「じゃあ、その男子と話したらドキドキしたりしない?」

「はい、しますね?」

(お!これはこれは?)

「でも、これはブシドーの修行なんです!」

「「「「え?」」」」

 

 イヴの発言にメンバーは困惑した。

 

「これを乗り越えて、私は立派なブシになるんですっ!」

(これは...)

(もしかして...)

(まさか...)

(...確定ね。)

((((イヴちゃん(さん)自分の気持ちに気づいてない!?))))

(...大変ね、人気者さん。)

 

 千聖は栄斗を憂いるのだった。

 

 __その頃の栄斗

 

「はっくしゅん!!」

 

 栄斗はいつも通りだった。

__________________________________________

 

 ライブ当日だ、初めて行くから楽しみだな。

と、列に並びながら考えていた。

 

「次の方~!」

 

 呼ばれたので受付に行った。

 

「これ、おねがいします。」

「はいは~い!ってこれ、関係者用?

 ...すいません、これをどこで?」

「若宮イヴに貰いましたが?」

「イヴちゃんが?なるほど...

 失礼しました、こちらを首からかけてあちらの扉に入ってください。」

「はい、わかりました。」

 

 俺は言われた通り、扉に入った。

 

「...これ入って大丈夫だったのか?」

 

 何てことを考えていると...

 

「あ!栄斗さん!」

 

 若宮がいた。

が、いつもと違い、アイドル衣装に身を包み、なんていうか...

 

「...かわいいな。」

「え!?///」

 

 やばい、口に出た。

 

「す、すまん!若宮!」

「い、いえ!少し、おどろいただけです!///」

 

 という、俺たちのやり取りをパスパレメンバーは陰から見ていた。

 

「...あれがイヴちゃんの彼氏?」

 

 と、日菜が聞くと。

 

「...付き合ってないのよ、あの二人。」

「イヴさん自身が気づいてないっすからね...」

「...これ、私たちが何もしなくても

 いいんじゃないの?」

 

 パスパレメンバーはイヴを応援しようと考えていた。

 

「...なんていうか、私たち入る余地、ないよね~。」

「「「そう(ね)(だよね)(すよね)」」」

 

 と、その場を離れようとすると__

 

「あれ?みなさん、こんなところでどうしたんですか?」

 

 イヴが目の前にいた

 

「どうも、白鷺さん、丸山さん。」

「えぇ、こんにちは、人気者さん。」

「こんにちは~!」

 

 と、一応、挨拶をしておいた。

すると_

 

「ねぇねぇ!君が八舞栄斗君だよね!」

 

 突然、水色の髪の人が話しかけてきた。

この人、誰かに_

 

「私は氷川日菜!ギターだよ!」

「えっと、俺は八舞栄斗です。」

「うん、知ってるよ!」

「え?」

 

 なんでだ?ってか、氷川って...

 

「すいません、あなたって氷川紗夜さんの...?」

「うん!双子の妹だよ!」

「双子!?」

 

 驚いた、まさか双子とは...

 

「えーっと、ジブンも自己紹介してもいいっすか?」

 

 と、緑のアイドル衣装を着ている人が話しかけてきた。

 

「あ、はい。」

「ジブンは大和麻弥っす!ドラムをやってます!

 よろしくっす!八舞さん!」

「はい、よろしくお願いします。」

 

 ...すっごいな、この状況。

アイドルバンドが目の前で全員揃ってる。 

てか__全員めちゃめちゃかわいいな。

白鷺さんと丸山さんは知ってたけど。ほかの二人もやべぇ__

 

「いたたたたっ!!!!」

 

 突然、若宮に二の腕を摘ままれた。

 

「むぅ~。栄斗さん!ほかの人たちを見過ぎですっ!!」

「わかった!謝る!謝るから、放して!」

 

 と、言うと若宮は放してくれた。

 

「まったく!栄斗さんはブシドーじゃないです!」

「...いや、何かわからんが、すまんかった。」

「...私の事、もっと褒めてください...」

「え?」

 

 若宮が小さい声でそう言った。

 

「...すごいかわいいぞ、若宮。

 うん、一番かわいい。」

「///そ、そうですか...!///」

 

 よくわからんが、若宮が喜んでるからいいや。

それを近くで見てたメンバーは...

 

「「「「私たち完全にダシに使われてるね(っすね)」」」」

 

 二人の世界に入ってる二人に気付かれないように、メンバーは楽屋に戻るのだった。

________________________________________

 

 一時間後にパスパレの出番が来た。

 

(ライブってすごいんだな。)

 

 ここまで、六つのバンドが演奏したがどれも盛り上がっていて

会場に一体感があった。

 そして、パスパレが出てきた。

 

(すごいな、今日一番の盛り上がりじゃねぇか!!)

 

 て、事を考えていると、

 

『みなさ~ん!!こ~ん~に~ち~わ~!!』

「「「「「こーんーにーちーわー!!!!」」」」」

 

 丸山さんが呼びかけると、観客皆が反応する。

 

『今日も~!!一曲目から!!がんばっていくよ~!!!』

「「「「「おぉぉぉぉ!!!!!」」」」」

 

 そこからの時間はすごかった、会場が、それまでの、すべての時間が

パスパレに集まっているような、そんな感覚だった。

 

(す、すごいっ!ライブってこんなに楽しいのか!!)

__________________________________________

 

『みんな~!!ありがと~!!!』

 

 ライブが終わった。なんていうか、すごかった。

 

「...すこし、若宮に声をかけにいこう。」

 

 俺は楽屋のほうに向かった。

__________________________________________

 

「お、若宮!」 

「栄斗さん!ライブはどうでしたか?」

「あぁ!すごかった!こんなに楽しかったのは久しぶりだ!」

「よかったです!」

「...若宮はこのあと予定あるか?」

「いえ、後は家に帰るだけですね?」

「なら、送っていく、夜も遅いからな。」

 

 ライブが終わったのが九時くらいだったから、

流石に危ないからな。

 

「はい!ありがとうございます! 

 少し待っていてくださいね!」

「ゆっくりでいいぞ。」

 

 と、若宮は楽屋に行った。

 

「...中々、積極的ね、人気者さん♪」

「...白鷺さん。って、積極的ってなんすか?」

「あら?夜に女の子を家まで送ろうとするなんて、 

 かなり積極的と思うのだけれど?」

「...残念ながら、そういう狙いはないんですよ。」

 

 まったく、この人は何を言い出すやら...

 

「...あなた、イヴちゃんをどう思ってるのかしら?」

「若宮を?...いい友達っすね。」

「それだけかしら?」

「...どこまでわかってるんだか、

 そうっすね、かわいいやつっすね。」

「...あなた、気付いてないの?」

「なにをっすか?」

「イヴちゃんは、あなたの事、好きよ、

 生憎、本人は自覚してないようだけど。」

 

 ガタッ!!!

 

「ん?」

 

 物音がしたが気のせいか。

 

「...何をらしくない冗談いってんすか。」

「あら?私は本気よ?」

「...そんなの、ありえないっすよ。」

「そう...でも、覚えてなさいね、

 いずれ、わかるから。」

 

 と、どこかを見ながら言ってきた。

 

「...一応、覚えときます。」

 

 それから、白鷺さんは去って行った。

 

「そういえば、若宮、結構遅いな。

 少し、楽屋に行ってみるか。」

 

 と、楽屋に向かおうとしたら、曲がり角に若宮がいた。

 

「どうしたんだ?こんなところに突っ立って?。」 

 

 と、聞いてみたら...

 

「え?え、栄斗さん!?///い、いえ、いえなんでもないですよっ!!!///」

「...そうか。」

 

 少し顔が赤いが、ライブ後で体温が上がっているんだろう。

 

「まぁ、帰るか。」

「は、はぃ///」

___________________________________________

 

 俺たちは帰路についていた。が、若宮の様子がおかしい。 

妙に静かだ。 

 

「あ、ここが私の家です...」

「お、おう、そうか。」

 

 若宮が指さしたのは結構大きな一軒家だった。

 

「じゃあ、俺はここまでだな。またな。」

 

 と、帰ろうとすると、

 

「ま、まってください!」

 

 若宮に引き留められた。

 

「ど、どうした?」

「あ、あの、その...ライブでの私はどうでしたか?」

「...なんて言っていいかわからないんだが、

 すっごい、輝いてた。そして、綺麗だった。」

「きっ!!///...そ、そうですか。

 よかったです!」

「...ありがとう、若宮。」

「...いえ、私が呼びたかったんです。」

 

 俺たちの間に沈黙が流れる。

 

「あ、あの!」

 

 若宮が沈黙を破った。

 

「よろしければ...連絡先を交換しませんか?」

「連絡先?あぁ、いいぞ。」

 

 俺たちは連絡先を交換した。

 

「...久しぶりに、連絡先、登録した。」

 

 俺は正直な感想を述べた。

 

「これでいつでも、お話しできますね!」

 

 若宮は嬉しそうだ。

 

「ははっ、そうだな。

 ...そろそろ帰るよ。」

「はい!また、学校で!」

「あぁ。」

 

 そう言って俺は家に帰るのだった。

______________________________________

 

”イヴside"

 

 栄斗が帰った後、イヴはすぐに自室に入った。

 

「えへへ~栄斗さんと連絡先を交換しちゃいました~!

 そ、それに...///」

 

『イブちゃんは、あなたの事、すきよ』

 

「...そうだったんですね。

 この、ドキドキは修行じゃなくて、恋だったんですね...///」

 

 イヴは携帯の画面にある『八舞栄斗』の字を見つめている。

 

「栄斗さんは何してるんでしょう?」

 

 イヴは気になっていた。

 ピロリン♪ 栄斗からメッセージが来た。

 

「え、栄斗さん!?

 な、なんでしょう...?」

 

 メッセージを見てみると...

 

『まだ、夜は冷えるから、温かくして寝ろよ?

 ライブ、おつかれさま。』

 

 と、いうものだった。

 

「えへへ、栄斗さんは優しいですね♪」

 

 イヴからは喜びがあふれていた。

 

「大好きです栄斗さん♥」

 

 と、本人に届くわけない言葉が部屋に木霊するのだった...

 

 そして、これが、若宮イヴの初恋の始まりだった。

 

 

 

 




 これも見方によってはイヴちゃん視点のプロローグですね。
ここから、イヴちゃんがアプローチしますが、 
 こんな話を見たい!とか、要望をくれると嬉しいです!
自分でも考えてますが、よろしければおねがいします!
感想などもおねがいします!

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