恋愛のブシドー   作:火の車

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日菜ルート12話です!

演劇パートがありますが、名前が思いつかなかったので、キャラの名前をカタカナにしただけになりました。
すいません。


第12話

 今日は文化祭だ。

 俺は予定通り、仕事中だ。

 

「__いらっしゃいませ。って、今井さんと湊さんと...日菜さん?なにしてるんですか?」

「え、えっと、その...///(え、栄君の執事服かっこよすぎるよーーー!!!///)」

「?」

「あのー席に案内してくれないかな?」

「そうですね。こちらの席にどうぞ。」

 

 俺は三人を席に案内した。

 

「ご注文はお決まりですか?」

「私はこのケーキとコーヒーで!」

「私は...ラテアート?」

「これはリクエストすればなんでも描きますよ。」

「じゃあ、これにするわ。」

「何を書きますか?」

「えっと、にゃーんちゃ...じゃなくて、猫をお願いするわ。」

「かしこまりました...日菜さんはどうしますか?」

「え、えーっと、私もリサちーと同じので!」

「かしこまりました。」

「あ!それと!」

「?」

「スマイル一つ!」

「ここは某ファーストフード店じゃないんですが、まぁ、いいですよ。」

 

 俺は日菜さんに微笑んだ。

 

「~~!!!///」

「満足ですか?」

「う、うん。お腹いっぱい...///」

「あはは。じゃあ、商品を用意してきます。」

 

 俺は一旦、厨房に下がった。

 

「日菜?大丈夫?」

「だ、大丈夫じゃないかも...///」

「日菜の顔、真っ赤ね。」

「日菜もこんな顔するんだね~」

「も、もう!」

 

 三人はしばらく、雑談をした。

 

「__お待たせしました。」

「お!きたきた!」

「日菜さんと今井さんのケーキとコーヒー、

 湊さんのラテアートです。」

 

 俺は注文の品をテーブルに置いた。

 

「おー!美味しそう!」

「お口に合えば幸いです。

 今回は俺が作ってみたので。」

「えぇ?!八舞君の手作り?!

 これは期待だね~!」

「栄君は何でもできるもんね!」

「それは日菜さんもでしょうに。」

「...八舞君。」

「はい?」

「これが、ラテアートなの?」

「はい。どうですか?」

「すごいわ。猫の可愛さがこれでもかと表現されていて。」

「それはよかったです。」

「...もったいなくて飲みずらいわ。」

「冷めますよ?」

 

 三人が食べ始めたので俺は次の仕事に向かった。

________________________

 

 俺は仕事を終え、体育館に来ていた。

 

「__お待たせしました。」

「あ!栄君!」

「さっきぶりですね。」

「こ、ここ、こんにちわ!八舞先輩!!」

「がちがちだな、六花。」

「き、緊張してしまって...。

 こんなに綺麗な衣装を着るのも初めてですし...」

「そんなに気負わなくてもいいぞ。

 あと、衣装、似合ってる。」

「そ、そうですか?///

 ありがとうございます...///」

「?あぁ。」

「八舞さん、着替えお願いします!」

「あ、すいません、大和さん。」

「いえ!大丈夫っす!」

 

 俺は衣装に着替えた。

 

「__ほんとに、良く出来てるな。」

「すごいよね!これ、花咲川の生徒会長ちゃんに頼んだんだよ?」

「え?」

「演劇に出るかって聞いたら、即断られちゃって、代わりにね~」

「(俺、会ったことないんだが、なんで、サイズが分かったんだ?)」

「栄君?」

「...なんでもないです。」

 

 俺は考えるのをやめた。

 

「__出番だよ!皆!頑張ってね!」

 

 俺たちの演劇が始まった。

________________________

 

 ”演劇”

 

『昔昔、ある国に絶対に結婚しない王子がいました。』

 

「__はぁ。」

「やぁ、エイト!」

「...カオルか。今日は何の用だ?」

「今日は君を舞踏会に誘いに来たのさ。」

「舞踏会?なんでだ?」

「君もそろそろ身を固めるべきだろう?

 これを期に素敵な相手を見つけてほしいのさ。」

「素敵な人、か。」

「どうしたんだい?」

「私の心はずっと、あの人のものだ。」

「確か...子供のころに見かけたという彼女かい?」

「あぁ...彼女はどこにいるんだろう...」

「君が見かけたことがあるというなら、どこかの家のものじゃないのかい?」

「そうだな。」

「だったら、今度の舞踏会に来るがいいさ!

 今回は多くの家を呼んでる!見つかるかもしれない!」

「そういうことなら...」

 

『王子は舞踏会に行くことを決めました。』

 

 場面が切り替わる。

 

『ここは遠方の小国。この国には可哀そうなお姫様がいました。』

 

「__ロッカ!」

「は、はい!リサお姉様!」

「また掃除が出来てないわ!

 やり直しなさい!」

「も、申し訳ありません...」

「まったく、だからあなたは__」

 

『ロッカは姉であるリサに働かされる毎日でした。

 そんな毎日にロッカは落ち込んでいました。』

 

「...なんで、私だけこんな目に...。

 私が何をしても、褒められるのはお姉様。

 私は怒られるだけ。...」

「ロッカ...?」

「アヤ...」

「大丈夫?また、リサに怒られてたけど?」

「だ、大丈夫。全部、私が悪いから...」

「ロッカ...」

 

『そう言うロッカを心配するアヤはとある提案を持ちかけました』

 

「ねぇ、ロッカ?」

「どうしたの?」

「今度、東の国で舞踏会があるの。」

「うん。でも、私はいけないよ。」

「大丈夫!」

「え?」

「私たちと一緒に行こ!お父様も喜んでくれるし!」

「良いの...?」

「うん!」

「じゃあ...行きたい...!」

「じゃあ!行こう!」

 

 場面が切り替わった。

 

『舞踏会の当日になりました。』

 

「__来たぞ、カオル。」

「やあ!エイト、いらっしゃい!

 歓迎するよ!」

「こちらこそ、お招き感謝する。」

「そう言うのはいいじゃないか。」

「公の場だ。俺たちはそれなりの振る舞いをする義務がある。」

「そうだな。」

「本当に、見つかるのだろうか。」

 

 場面が切り替わる。

 

「__着いたよ!」

「ここが、東の国?...この風景、どこかで...」

「__なんでロッカがいるの!」

「!リ、リサお姉様...」

「あなたなんかが来たら家の品位が疑われるでしょ!?」

「ロッカは私が呼んだんだよ!」

「アヤ...!」

「それ以上の六花への侮辱は私の家への宣戦布告と受け取るよ?」

「くっ...!あ!」

 

『言い争っていると、あいさつ回りをしていたエイトが近づいてきました。』

 

「これはこれは、エイト様!」

「あなたは遠方の...。」

「はい!リサ、と申します!」

「よろしくお願いします。

 そちらは...」

「私はアヤです。こちらが__」

「!!」

「ロッカと申します。西の王子様。」

「はい、よろしくお願いします。」

「それで、エイト様?今日のお相手はお決まりでしょうか?

 よければ私が__」

「申し訳ない。お誘いしたい相手がいるんです。」

「え?」

「ロッカ姫、私と踊ってくださらないでしょうか?」

「え?えぇ?!」

「これは王子としてでなく、私自身としての誘いです。

 嫌なら断ってくれて構いません。」

「...私なんかでよろしければ...」

「!ありがとうございます。

 それでは、行きましょう。」

 

『エイトはロッカの手を引き、ホールに行きました。』

 

 場面が切り替わった。

 

「ロッカ姫、こちらに。」

「はい__きゃ!」

 

 六花は転んでしまった。

 

「(ど、どうしよう、セリフ、なんだけ?)」

「__ロッカ姫。」

「え?」

「さぁ、手を取って。

 踊りましょう。」

「!...は、はい!」

「まったく、おっちょこちょいだな。」

「!///」

 

『エイトとロッカは踊りました。その姿は周りが見入るほどに美しいものでした。

 二人は踊り終えた後、テラスに出ました。』

 

「__ロッカ姫。」

「は、はい。」

「10年前、あなたはこの国に来たことがおありですか?」

「10年前...。確か、東の王子様のお誕生日の時に...」

「その時、私もいたのです。」

「!」

「私はあの時から、あなたを思っていた。」

「え?」

「私と結婚してください。」

「!!...よ、喜んで!」

「じゃあ___」

「きゃあ!」

「逃げましょう!」

「ど、どこにですか?!」

「そうですね、私とあなたの幸せがある場所に!」

「!...はい!」

 

『こうして二人は結ばれ、生涯、西の国で幸せに過ごしました...』

________________________

 

 演劇は大盛況に終わった。

 そして、今、

 

「文化祭お疲れ様ー!!!」

「「「わー!!!」」」

 

 演劇をしたメンバーで打ち上げをしている。

 

「いやー!リサちー、性格悪そうだったねー!」

「ちょ!やめて?!てか、台本書いたの日菜じゃん!」

「あははーそうだっけ!」

「エイト、儚い演技だったよ。」

「呼び方戻ってませんよ?」

「おっと。」

「いやーお二人とも最高の演技でした!」

 

 打ち上げは進んでいった。

 

「ん?」

 

 俺は違和感に気付いた。

 皆の様子がおかしいのだ。

 

「それもだが、六花は?」

「...八舞先輩。」

「六花?どうした?」

「少し、お手伝いをお願いできませんでしょうか?」

「?あぁ。」

 

 俺は六花について行った。

 来たのは体育倉庫だった。

 

「こんなところで何をするんだ?」

「...」

「六花?何か落としたぞ__って、酒?なんでこんなものが?」

「八舞先輩...」

「ん?__うわ!」

 

 俺は六花に押し倒された。

 

「(このにおい、アルコール?!)」

「八舞先輩。」

「はい...?」

「ぎゅー!///」

 

 と、なんとも可愛らしい声とともに抱き着いてきた。

 

「ちょ!六花?!」

「あったかいです♪」

「いや、そうじゃなくてだな__」

「八舞先輩はすごいです。///」

「え?」

「練習の時も私に完璧に合わせてくれて、本番でこけた時も助けてくれて...///」

「いや、あれくらいなんとも__」

「私、八舞先輩が好き、です///」

「?!」

「優しい八舞先輩が好きです、だから__」

 

 六花の顔が近づいてくる。

 

「ちょっと待て!それはまずい!」

「八舞先輩は、私の事、嫌いですか...?///」

「いや、それはないが__」

「なら、いいですよね!///」

「ちょ!」

 

 六花が再度、顔を近づけてきた。

 

「(やばいやばいやばい!これを受け入れると素に戻った時六花がどう思う?きっと悲しむ。なんとか__)」

 

 俺が考えてると、六花の動きが止まった。

 

「六花?」

「...すぅー...」

「寝た、のか?」

 

 俺は安堵した。

 

「...とりあえず、保健室にでも運ぶか。」

 

 俺は六花を抱えて保健室に向かった。

 

 こうして、俺の文化祭は終わった。

 

 

 




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