俺が酔っ払った六花を保健室に連れてきて結構な時間が経った。
外はもう真っ暗だ。
「__う、うん...ここは?」
「...起きたか、六花。」
「八舞先輩?どうして?」
「...覚えてないか?」
「え?......あ...///」
六花は自分の言動を思い出したらしく、ひどく赤面している。
「...俺は気にしないぞ?」
「え?」
「酔ってたんだ、自分の意にそわない発言だってするだろ?だから__」
「だ、ダメ、です!」
「?!」
六花は俺の言葉をさえぐるように叫んだ。
「ろ、六花?」
「あの言葉は確かに酔っていたから言った事です、
でも、あの言葉に嘘はありません!///」
「そうか...」
「だからですね...その...///」
六花は恥ずかしそうにしてる。
「わ、私とつ、付き合ってください!///」
六花はそう言った。
「...」
「や、八舞先輩...?///」
「...六花。」
「は、はい。」
「ごめん。俺は六花と、付き合えない...」
「!」
「俺には好きな人がいるんだ。だから__」
「氷川先輩、ですよね?」
「あぁ...」
「だったら、仕方ないです!」
「六花...?」
「氷川先輩は素敵な人ですから、私なんかと比べ物にならないですよ!」
「そんなこと...」
「頑張ってくださいね!八舞先輩!」
「六花...」
六花は口ではそう言ってるが、目には涙が溜まってて、今にも泣きそうだ。
「...悪い、俺はもう行くよ。」
「はい!さようなら!」
「あぁ。」
俺は保健室を出た。
俺が出ると、六花の泣き声が聞こえた。
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俺は屋上に来た。
校舎はまだ後夜祭などで盛り上がりを見せている。
「__六花はどんな気持ちで俺に告白した...?
それに俺はなんて答えた...?」
俺は自分に問いかけた。
だが、返ってくるのは、自分勝手に六花を振ったという回答だけだった。
「クソ!!!」
俺はフェンスを殴った。
何度も、何度も...
「__ここで何をして...って!八舞君?!」
「...氷川さん。」
「血が出てるじゃないですか!一体__」
「...何でもありません。」
「何でもないわけないです!」
「これくらい、六花の痛みに比べれば...」
俺は拳を握った。
「...俺は帰ります。残ってる人に合ったらよろしく言っててください。」
「ちょっと!八舞君!」
俺は屋上から出た。
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帰り道だ。
風が酷く冷たい。
「__八舞?」
「...ますき?」
「...ひどい顔してるな、話、聞くぞ?」
「...いい。」
俺は歩きだそうとした
「待てよ、八舞。」
「...なんだ。」
「少し付き合えよ。」
「ちょ...」
俺は、ますきに引っ張られた。
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ますきに連れてこられたのは近くの公園だった。
「__ほら。」
「...さんきゅ。」
ますきにコーヒーをもらった。
「それで、何があったんだ?」
「...さっき、六花に告白されたんだ。」
「六花が?...それで、どうなったんだ?」
「振ったよ。」
「そうか...」
「...泣きそうな顔してたよ。
実際に泣き声も聞こえた。」
「...」
「俺が自分勝手だから、六花を傷つけた。
俺は、最低最悪だよ。」
俺はそう言った。
「それは違う、お前は最低じゃない。」
「ますき?」
「自分勝手がなんだってんだ、
お前を好きなるのも六花の自分勝手だ。」
「そんなことは__」
「あるよ。私も経験があるからな。」
「ますきにも...?」
「あぁ。私もお前が好きだったからな。」
「え...?」
「ただし、それは過去の事だ。今はそんな事はないよ。__よっと。」
そう言うと、ますきは立ち上がった。
「だからよ、お前が六花の事を思うなら、
お前も行動して報いてやれよ。」
「行動で報いる...?」
「好きなんだろ、氷川日菜が。」
「...あぁ。」
「だったら、お前も行動しろ。
そうすれば、六花も報われる。」
「行動...。」
「決めたか?」
「あぁ。」
「...いい目だ。」
「ますきのお陰だよ。ありがとな。」
「気にすんなよ、栄斗。」
「!名前。」
「悪いか?」
「いや、別にいいぞ。」
「そうか。...じゃあな、栄斗。」
「あぁ、またな。」
俺はますきと分かれ、帰路についた。
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文化祭から二日、俺はいつも通りの日常を過ごしていた。
「(日菜さんに告白するが、どうしたらいいんだ?)」
「__えーい君!」
「うわ!...って、日菜さん。」
「うん!おはよ!栄君!」
「おはようございます。」
「どうしたの?難しい顔してたけど?」
「少し考え事を。」
「珍しいね?」
「いや、いつも割と考えてる方ですが。」
「何か困ったことがあったら相談してね!」
「...まぁ、出来たら。」
日菜さんは生徒会の仕事に行った。
「...流石に本人に相談は出来ないよな。
どうするか...あ。」
俺はある人を思い出した。
「...この前あんなことがあった手前、相談しずらいが、謝るか。」
俺は紗夜さんに連絡した。
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放課後になった。
俺は羽沢珈琲店で紗夜さんと待ち合わせていた。
「__こんにちは、八舞君。」
「こんにちは、氷川さん。
この間はすいませんでした。」
「いえ、構いません。
...それで、相談とは?」
「実は___」
俺は氷川さんに事情を話した。
「__まさかとは思っていましたが...まさか本当なんて。」
「姉の氷川さんからしたら聞いてて気持ちい話じゃないと思いますが。」
「いえ、逆に嬉しいです。日菜を思ってくれる人がいることが。」
「そうなんですか?」
「えぇ、過去、色々ありまして...」
氷川さんは遠い目をしている。
何があったかは聞かないことにした。
「...それで、相談なんですが。」
「はい。」
「日菜さんに告白はどうしたらいいですか?」
「そうですね...
(どう告白しようが断られることはないのですが、
ここは日菜に素敵な思い出を作ってもらいたいわ。)」
「氷川さん?」
「そういう事なら、こういうのはどうでしょうか?」
俺は氷川さんにプランの説明を受けた。
「__なるほど。」
「これなら、良いと思いますが?」
「そうですね。日菜さんに相応しいと思います。」
「そうでしょう?」
「はい。このプランで行きます。」
「お役に立ててよかったです。」
「ありがとうございました。」
「えぇ。」
俺たちは羽沢珈琲店を出た。
「__それでは、また。」
「はい、氷川さん。」
「次に会うときは八舞君のお義姉さんかもですね?」
「...成功すれば。」
「大丈夫ですよ。」
「まぁ、頑張ります。
それでは。」
「はい。」
俺は氷川さんと分かれた。
「__全てに報いるために。」
俺は覚悟を決めた。
告白の日まであと、少し。
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