恋愛のブシドー   作:火の車

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番外編の未来編です!



それぞれの未来1

 ”イヴルート”

 

「...」

 

 俺は弦巻に雇われ、弦巻財団系列の会社で働いている。

 俺はそこですぐに出世した。

 

「...ねぇ、八舞君?」

「...奥沢か。何か用か。」

「いや、怖い顔で信じられないスピードで仕事してるから皆怖がってるよ?」

「え?」

 

 俺は周りを見回した。

 

「奥さんが心配なのは分かるけどさ、

 もう少し落ち着きなよ。」

「...そうだな。すまん、奥沢。」

「いや、いいよ。この部署が回ってるのは八舞君のお陰だし。」

「買い被りだ。みんな頑張ってるからな。」

「いやいや、今日どのくらい仕事片付けたの?

「ん?そこの山だが?」

「...やっぱり、異常だよね。」

「そうか?」

 

 栄斗の隣には山のように書類がある

 

「午前中で片付ける量じゃないよ。

 しかも、新人用のマニュアルも作って。」

「仕事だからな。」

 

 奥沢と話していると、電話が来た。

 

「はい?」

『八舞さんですか?奥さんが__』

「!!すぐに向かいます!」

 

 俺は電話を切った。

 

「奥沢!」

「はいはい。行っておいでよ。

 こころには言っておくから。」

「恩に着る!」

 

 俺は会社を飛び出した。

________________________

 

「__つ、着いた...」

「あら、八舞君じゃない。」

「し、白鷺さん。こんにちは。」

「随分急いできたのね?何できたの?」

「走ってきましたが。」

「...相変わらずね。」

「そんな事はいいんです。

 早くイヴの所に行かないと。」

「八舞君!...全く。」

 

 俺が入ったのは病院だ。

 

「__イヴ!」

「エ、エイト...」

「大丈夫か!」

「は、はい。この子が元気過ぎて...」

「大丈夫、いざとなったら俺が助けるから。」

「ふふっ。エイトなら出来そうですね!...っつ!」

「イヴ!?」

 

 イヴが苦悶の表情を浮かべた。

 

「イヴさんを運びます!」

「はい。お願いします。」

 

 イヴは運ばれていった。

 俺はイヴが入った部屋の前にいる。

 

「......」

「(...空気が重苦しいわ。)」

「__栄君!」

「八舞君!」

「八舞さん!」

「...パスパレの皆。」

「イヴちゃんは?!」

「今そこの部屋に。」

「大丈夫?すごく怖い顔してるよ?」

「大丈夫です。」

「イヴさんの状態は?」

「痛い、と思います。」

 

 俺は黙った。

 

「(...イヴ...)」

 

 それから、3時間ほど経った。

 

「!」

 

 部屋のドアが開いた。

 

「八舞さん。」

「イヴは!?」

「大丈夫です。そして、生まれましたよ!

 元気な女の子ですよ!」

「そうですか。

 よ、よかった...」

 

 全身の力が抜けた。

 

「奥さんの所に行きますか?」

「はい。」

「それでは、こちらに。」

 

 俺は案内された。

________________________

 

「__あ!エイト!」

 

 さっきまでと打って変わってイヴは元気そうだった。

 

「見てください!女の子ですよ!」

「あぁ、あぁ、見てるよ、イヴ。」

「八舞君、泣いてるの?」

「珍しいね、栄君が泣くなんて?」

「それだけ、嬉しいんだよ。」

「可愛いっすよね!」

 

 俺はイヴの方に近づいた。

 

「頑張ったな、イヴ。

 俺がせめて痛みだけでも背負えたら...」

「大丈夫です!エイトは毎日お見舞いに来てくれてました!それが一番心の支えでしたから!」

 

 イヴは笑顔でそう言った。

 

「この子には、俺と違って、

 家族の愛をめい一杯感じて育ってほしいな。」

「エイト...はい!そうですね!」

「イヴとこの子のために、俺はもっと頑張るよ。

 二人が誇れるように。」

「エイトは今でも自慢の夫です!...あ!」

「?」

「この子の名前はどうしましょう?」

「あ、少し考えてるのがあるんだ。」

「そうなんですか!どんなのですか?」

「私も気になるわ。」

「私も私も!」

「私も!」

「ジブンもっす!」

「この子の名前は___」

 

 俺は一息置いて。

 

「__イナ、がいいな。」

________________________

 

 ”紗夜ルート”

 

「__紗夜、紅茶が入ったぞ。」

「ありがとう、栄斗。」

 

 今は夜中の一時だ。

 

「ごめんなさい。栄斗を起こしてしまって。」

「気にしないでくれ。

 むしろ、紗夜だけの負担になるのは嫌だからな。」

「ふふ、お優しいですね。」

「当り前だ。俺は紗夜を愛してるからな。」

「そ、そうですか///」

 

 紗夜は赤面してる。

 結婚して2年たっても耐性は薄いらしい。

 

「そう言えば久しぶりですね、こんな風にゆっくりするのは。」

「そうだな。」

「私たちが忙しくなってしまいましたからね。」

「でも、それだけロゼリアが人気になったってことだ。

 今やガールズバンドの頂点だからな。」

「そうですね。これも栄斗のお陰ですね。」

「そんな事はない。皆の努力の成果だ。

 その証拠に__」

「ちょ、ちょっと!栄斗!?///」

「こんなに頑張った手をしてるからな。」

「...やはり、女性らしくないでしょうか...?」

「いや?」

「え?」

「紗夜らしい、美しい手だよ。」

 

 紗夜の手を撫でる。

 

「紗夜は昔から、頑張り屋だな。」

「栄斗も、でしょう?」

「俺が頑張れるのは紗夜と__のお陰だ。

 守るべき人がいるから。」

「そうですか...」

「あぁ。」

 

 時間がゆったり過ぎていく。

 

「__おぎゃあ!おぎゃあ!」

「あら?また泣き出したみたいですね?」

「行こうか。」

「はい。」

 

 俺たちは立ち上がった。

 

「今行きますよ__」

 

 「遥」

________________________

 

 ”千聖ルート”

 

「__ねぇ、栄斗。」

「千聖?どうした?」

「私はすっごく疲れてるの。」

「まぁ、今日はドラマの撮影にパスパレの仕事とか忙しかったから。」

「それでね...」

「あー。いつものあれか?」

「そうよ。」

「じゃあ、こっちにおいで。」

 

 俺がそう言うと、千聖は俺に膝枕をされる状態になった。

 

「栄斗~♪」

「全く、これの何がいいんだか。」

「栄斗のだからいいの~♪」

「全く、これじゃ__と大差ないな。」

「...失礼ね。」

「まぁ、可愛いからいいよ。」

「ふぁ...」

 

 俺は千聖の頭を撫でた。

 

「千聖はいつも頑張ってるよ。

 近くで見てる俺は一番分かってる。」

 

 俺は撫でながらそう言った。

 

「心地いいわ...」

「それならよかった。」

「...栄斗は疲れていないの?」

「俺?俺は大丈夫だよ。」

「でも、家事に仕事、育児は全部、栄斗が...」

「したくてしてるから苦にならないよ。」

「ほんと、できた夫だわ。」

「光栄だよ。...あ、そろそろ時間だ。」

「...行っちゃうの?」

「様子見ないといけないからな。」

「じゃあ、私も行くわ。」

「分かった。」

 

 立ち上がった。

 

「じゃあ行こうか、奈月の所に。」

「えぇ。」

________________________

 

 ”日菜ルート”

 

「__栄く~ん!♡」

「うわ!...って、日菜飛びつくと危ないだろ・」

「だって~、癒されたいんだもん~!」

「そうか。あ、ご飯の用意出来てるぞ。」

「わーい!」

 

 俺たちは夕飯を食べ始めた。

 

「そう言えば、紗夜さんから電話が来てたぞ。」

「え?なになに?」

「今度遊びに来るってさ。__にも会いたいらしい。」

「あ~お姉ちゃん、__ちゃん大好きだからね~」

「紗夜さんも忙しいのにな。」

「そうだよね~!ロゼリアはバンド界で有名になったからね~!」

「パスパレもだろ?今やトップアイドルになってる。」

「これも、敏腕な担当さんのお陰だよね~」

「...そんな事はない。」

「あはは!照れてる!」

 

 しばらくして、夕飯を終え、俺たちはゆっくりしていた。

 

「__あー!美味しかったー!」

「食べてすぐに寝転ぶと体に悪いぞ?」

「でも~ぐで~ってしたい気分なんだよ~」

「全く、日菜は変わらないな。」

「るん♪ってくるでしょ?」

「まぁ、そうだな。

 これが俺が愛する日菜だな。」

「///」

「?」

「栄君って、相変わらずだよね~///」

「え?何が?」

 

 何故か貶され?た。

 

「相変わらずと言うなら、日菜はずっと可愛いよ。」

「今なら、サービスしてあげるよ~?」

「ほう?」

 

 俺は立ち上がった。

 

「え、ちょ!栄君?///」

「サービス、してくれるんだろ?」

「いや、その...それは...///」

「日菜。」

「?」

「...菜々美の下の子、アリと思わないか?」

「...うん///」

「今夜も楽しもうか。」

「~っ///」

 

 




感想などお願いします!

新作も出しましたので、見てない方は見てみていただければ嬉しいです!
こういうのが見たいなどのリクエストも是非!
新作三つめは明日くらいに多い方の一話を出せれば出します!
まぁ、どっちもやりますが

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