”イヴルート”
「...」
俺は弦巻に雇われ、弦巻財団系列の会社で働いている。
俺はそこですぐに出世した。
「...ねぇ、八舞君?」
「...奥沢か。何か用か。」
「いや、怖い顔で信じられないスピードで仕事してるから皆怖がってるよ?」
「え?」
俺は周りを見回した。
「奥さんが心配なのは分かるけどさ、
もう少し落ち着きなよ。」
「...そうだな。すまん、奥沢。」
「いや、いいよ。この部署が回ってるのは八舞君のお陰だし。」
「買い被りだ。みんな頑張ってるからな。」
「いやいや、今日どのくらい仕事片付けたの?
「ん?そこの山だが?」
「...やっぱり、異常だよね。」
「そうか?」
栄斗の隣には山のように書類がある
「午前中で片付ける量じゃないよ。
しかも、新人用のマニュアルも作って。」
「仕事だからな。」
奥沢と話していると、電話が来た。
「はい?」
『八舞さんですか?奥さんが__』
「!!すぐに向かいます!」
俺は電話を切った。
「奥沢!」
「はいはい。行っておいでよ。
こころには言っておくから。」
「恩に着る!」
俺は会社を飛び出した。
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「__つ、着いた...」
「あら、八舞君じゃない。」
「し、白鷺さん。こんにちは。」
「随分急いできたのね?何できたの?」
「走ってきましたが。」
「...相変わらずね。」
「そんな事はいいんです。
早くイヴの所に行かないと。」
「八舞君!...全く。」
俺が入ったのは病院だ。
「__イヴ!」
「エ、エイト...」
「大丈夫か!」
「は、はい。この子が元気過ぎて...」
「大丈夫、いざとなったら俺が助けるから。」
「ふふっ。エイトなら出来そうですね!...っつ!」
「イヴ!?」
イヴが苦悶の表情を浮かべた。
「イヴさんを運びます!」
「はい。お願いします。」
イヴは運ばれていった。
俺はイヴが入った部屋の前にいる。
「......」
「(...空気が重苦しいわ。)」
「__栄君!」
「八舞君!」
「八舞さん!」
「...パスパレの皆。」
「イヴちゃんは?!」
「今そこの部屋に。」
「大丈夫?すごく怖い顔してるよ?」
「大丈夫です。」
「イヴさんの状態は?」
「痛い、と思います。」
俺は黙った。
「(...イヴ...)」
それから、3時間ほど経った。
「!」
部屋のドアが開いた。
「八舞さん。」
「イヴは!?」
「大丈夫です。そして、生まれましたよ!
元気な女の子ですよ!」
「そうですか。
よ、よかった...」
全身の力が抜けた。
「奥さんの所に行きますか?」
「はい。」
「それでは、こちらに。」
俺は案内された。
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「__あ!エイト!」
さっきまでと打って変わってイヴは元気そうだった。
「見てください!女の子ですよ!」
「あぁ、あぁ、見てるよ、イヴ。」
「八舞君、泣いてるの?」
「珍しいね、栄君が泣くなんて?」
「それだけ、嬉しいんだよ。」
「可愛いっすよね!」
俺はイヴの方に近づいた。
「頑張ったな、イヴ。
俺がせめて痛みだけでも背負えたら...」
「大丈夫です!エイトは毎日お見舞いに来てくれてました!それが一番心の支えでしたから!」
イヴは笑顔でそう言った。
「この子には、俺と違って、
家族の愛をめい一杯感じて育ってほしいな。」
「エイト...はい!そうですね!」
「イヴとこの子のために、俺はもっと頑張るよ。
二人が誇れるように。」
「エイトは今でも自慢の夫です!...あ!」
「?」
「この子の名前はどうしましょう?」
「あ、少し考えてるのがあるんだ。」
「そうなんですか!どんなのですか?」
「私も気になるわ。」
「私も私も!」
「私も!」
「ジブンもっす!」
「この子の名前は___」
俺は一息置いて。
「__イナ、がいいな。」
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”紗夜ルート”
「__紗夜、紅茶が入ったぞ。」
「ありがとう、栄斗。」
今は夜中の一時だ。
「ごめんなさい。栄斗を起こしてしまって。」
「気にしないでくれ。
むしろ、紗夜だけの負担になるのは嫌だからな。」
「ふふ、お優しいですね。」
「当り前だ。俺は紗夜を愛してるからな。」
「そ、そうですか///」
紗夜は赤面してる。
結婚して2年たっても耐性は薄いらしい。
「そう言えば久しぶりですね、こんな風にゆっくりするのは。」
「そうだな。」
「私たちが忙しくなってしまいましたからね。」
「でも、それだけロゼリアが人気になったってことだ。
今やガールズバンドの頂点だからな。」
「そうですね。これも栄斗のお陰ですね。」
「そんな事はない。皆の努力の成果だ。
その証拠に__」
「ちょ、ちょっと!栄斗!?///」
「こんなに頑張った手をしてるからな。」
「...やはり、女性らしくないでしょうか...?」
「いや?」
「え?」
「紗夜らしい、美しい手だよ。」
紗夜の手を撫でる。
「紗夜は昔から、頑張り屋だな。」
「栄斗も、でしょう?」
「俺が頑張れるのは紗夜と__のお陰だ。
守るべき人がいるから。」
「そうですか...」
「あぁ。」
時間がゆったり過ぎていく。
「__おぎゃあ!おぎゃあ!」
「あら?また泣き出したみたいですね?」
「行こうか。」
「はい。」
俺たちは立ち上がった。
「今行きますよ__」
「遥」
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”千聖ルート”
「__ねぇ、栄斗。」
「千聖?どうした?」
「私はすっごく疲れてるの。」
「まぁ、今日はドラマの撮影にパスパレの仕事とか忙しかったから。」
「それでね...」
「あー。いつものあれか?」
「そうよ。」
「じゃあ、こっちにおいで。」
俺がそう言うと、千聖は俺に膝枕をされる状態になった。
「栄斗~♪」
「全く、これの何がいいんだか。」
「栄斗のだからいいの~♪」
「全く、これじゃ__と大差ないな。」
「...失礼ね。」
「まぁ、可愛いからいいよ。」
「ふぁ...」
俺は千聖の頭を撫でた。
「千聖はいつも頑張ってるよ。
近くで見てる俺は一番分かってる。」
俺は撫でながらそう言った。
「心地いいわ...」
「それならよかった。」
「...栄斗は疲れていないの?」
「俺?俺は大丈夫だよ。」
「でも、家事に仕事、育児は全部、栄斗が...」
「したくてしてるから苦にならないよ。」
「ほんと、できた夫だわ。」
「光栄だよ。...あ、そろそろ時間だ。」
「...行っちゃうの?」
「様子見ないといけないからな。」
「じゃあ、私も行くわ。」
「分かった。」
立ち上がった。
「じゃあ行こうか、奈月の所に。」
「えぇ。」
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”日菜ルート”
「__栄く~ん!♡」
「うわ!...って、日菜飛びつくと危ないだろ・」
「だって~、癒されたいんだもん~!」
「そうか。あ、ご飯の用意出来てるぞ。」
「わーい!」
俺たちは夕飯を食べ始めた。
「そう言えば、紗夜さんから電話が来てたぞ。」
「え?なになに?」
「今度遊びに来るってさ。__にも会いたいらしい。」
「あ~お姉ちゃん、__ちゃん大好きだからね~」
「紗夜さんも忙しいのにな。」
「そうだよね~!ロゼリアはバンド界で有名になったからね~!」
「パスパレもだろ?今やトップアイドルになってる。」
「これも、敏腕な担当さんのお陰だよね~」
「...そんな事はない。」
「あはは!照れてる!」
しばらくして、夕飯を終え、俺たちはゆっくりしていた。
「__あー!美味しかったー!」
「食べてすぐに寝転ぶと体に悪いぞ?」
「でも~ぐで~ってしたい気分なんだよ~」
「全く、日菜は変わらないな。」
「るん♪ってくるでしょ?」
「まぁ、そうだな。
これが俺が愛する日菜だな。」
「///」
「?」
「栄君って、相変わらずだよね~///」
「え?何が?」
何故か貶され?た。
「相変わらずと言うなら、日菜はずっと可愛いよ。」
「今なら、サービスしてあげるよ~?」
「ほう?」
俺は立ち上がった。
「え、ちょ!栄君?///」
「サービス、してくれるんだろ?」
「いや、その...それは...///」
「日菜。」
「?」
「...菜々美の下の子、アリと思わないか?」
「...うん///」
「今夜も楽しもうか。」
「~っ///」
感想などお願いします!
新作も出しましたので、見てない方は見てみていただければ嬉しいです!
こういうのが見たいなどのリクエストも是非!
新作三つめは明日くらいに多い方の一話を出せれば出します!
まぁ、どっちもやりますが