香澄「__あっちゃーん、ご飯だよー...」
反応はない。
香澄「あっちゃん...」
明日香は栄斗にフラれた。
それ以来、ひどい状態だ。
香澄「...私はどうしたらいいの...」
________________________
学校だ。
栄斗「__おはよう、雅。」
雅「よう、八舞。」
栄斗「うむ、今日も良い表情だな。
彼女のお陰か?」
雅「...うるさいぞ。」
香澄「おはよー...」
雅「!?と、戸山、どうした!?」
雅が香澄に駆け寄った。
栄斗「本当にどうした?いつもの元気がないが。」
香澄「あっちゃんが...」
栄斗「!明日香がどうした?」
香澄「あれから、元気がなくて...」
栄斗「...そうか、やっぱり...」
俺はちょうど1週間前に明日香と市ヶ谷をフッた。
有咲「おはよー。」
栄斗「!お、おはよう。市ヶ谷。」
有咲「おーう、八舞。って、何の話してたんだ?」
栄斗「...」
雅「戸山の妹の話だ、市ヶ谷。」
有咲「!...そうか。」
市ヶ谷はそう言って自分の席に座った。
有咲「(私はよかった。私は傷ついてどうなる性格じゃねぇ。でも、明日香は...)」
有咲は目を閉じた。
有咲「(明日香は誰よりも八舞を思ってた。
だから、あれだけのダメージを受けるのもわかる。)」
栄斗「...市ヶ谷。」
有咲「うお!な、なんだ!?」
栄斗「少し、来てくれ。」
有咲「...あぁ。」
________________________
屋上
有咲「__それで、何の用だ、八舞?」
栄斗「...市ヶ谷は明日香の気持ちが分かるか?」
有咲「...さぁ、分かんねぇな。」
栄斗「そうか。」
俺は市ヶ谷から視線をそらした。
有咲「...ただ、想像は出来る。」
栄斗「!」
有咲「お前の目が見えなくなって、死のうとしてた時。」
栄斗「...」
有咲「それが分かって、誰よりも早くお前のもとに行ったのは明日香だった。」
栄斗「!明日香が...」
有咲「あぁ、だから明日香はお前の想像以上に傷ついてるんじゃねぇのか?」
栄斗「...そうか。」
有咲「八舞がここからどうするか知らねぇが、だいたい決まってるんじゃねぇのか。」
市ヶ谷はそう言って、教室に戻って行った。
有咲「__たくよぉ、私も思い出しちまったじゃねぇか...!」
________________________
教室に戻ってきた。
栄斗「戸山。」
香澄「どうしたの?」
栄斗「明日香はどうしてる。」
香澄「...ずっと、部屋から出ないでいるよ...」
栄斗「そうか...」
俺は戸山を見た。
香澄「八舞君?」
栄斗「俺を家に連れて行ってくれ。」
香澄「えぇ!?」
栄斗「明日香と会わないといけない。」
雅「!そうか、八舞。」
栄斗「俺には責任があるから、果たさないといけない。」
香澄「...うん、分かった!あっちゃんをお願いね!」
栄斗「あぁ。」
こうして、時間は過ぎていった。
________________________
栄斗「__ふぅ、落ち着け。大丈夫。」
香澄「入ろっか。」
栄斗「あ、あぁ。」
戸山の家に入った。
香澄「ただいまー!」
栄斗「お邪魔します。」
香澄「えーっと、親はいないみたい?」
雅「って、なんで俺まで来てるんだ?」
香澄「私の彼氏だからだよ!」
雅「...そうか。」
香澄「あはは!さい君照れてるー!」
雅「...ふん。」
栄斗「...明日香の部屋はどこだ。」
香澄「えっと、上がって右側の2番目の部屋だよ!」
栄斗「そうか。」
香澄「案内しようか?」
栄斗「いや、いい。一人で行く。」
雅「...頑張れよ、八舞。」
栄斗「あぁ。」
俺は階段を上って行った。
栄斗「...ここが、明日香の部屋か。」
とりあえず、ノックした。
栄斗「...反応はないか。」
俺はドアノブをひねってみた。
栄斗「!...空いてる?戸山の話じゃ空いてないんじゃ?」
俺は困惑しつつも部屋に入った。
________________________
栄斗「__明日香?」
明日香「...すぅー...」
栄斗「寝てるのか?」
明日香は眠っていた。
明日香「......八舞先輩。」
栄斗「!!...寝言か__!?」
明日香は涙を流していた。
栄斗「...ごめん、明日香。」
俺は明日香を撫でた。
栄斗「俺はこんな女の子を泣かせたのか...。
ほんとに、自分が情けないよ。」
明日香「__そんなこと、ないです。」
栄斗「!明日香、起きてたのか。」
明日香「今、起きました。」
栄斗「そうか。」
明日香「それで、なんで私の部屋に?」
栄斗「明日香が体調が悪いって聞いてな。
恐らく、俺のせいだろう。」
俺は明日香に目線を合わせた。
明日香「...いえ、私が勝手に...」
栄斗「俺が死のうとしてた時、一番に来てくれたのが明日香だったらしいな。」
明日香「!」
栄斗「ありがとな、明日香。」
明日香「い、いえ!」
栄斗「...俺が生きようと思えたのは間違いなく明日香のお陰だった。」
明日香「...」
栄斗「明日香が告白してくれたから、生きるのも悪くないと思えたし。」
明日香「そうですか、よかったです。」
沈黙が流れる。
栄斗「だから、泣くのはやめてくれ。」
明日香「え...?」
明日香は自分の頬に触れた。
栄斗「...ごめん、ごめんな明日香。」
明日香「...せん、ぱい...」
栄斗「俺に何ができるか分からない、だが、責任はとるよ。」
俺は明日香の頭を撫でた。
明日香「だったら__」
栄斗「!」
明日香が抱き着いてきた。
明日香「...少し、このままで。」
栄斗「...あぁ。」
しばらく、時間が経った。
明日香「あ。」
栄斗「?」
明日香「さっきまで寝て汗をかいたので、汗のにおいが...///」
栄斗「?」
明日香「そろそろ、離れますね...///」
栄斗「ストップ。」
明日香「え?__きゃぁ!///」
俺は明日香を抱きしめた。
栄斗「...ありがとな、明日香。」
明日香「...大好きでした、八舞先輩。」
栄斗「...あぁ。」
________________________
リビングに降りた。
栄斗「二人ともー__あ。」
明日香「お姉ちゃーん__あ。」
リビングに行くと
香澄「ん...///」
雅「...!」
二人がキスしてた。
香澄「え?あっちゃんに八舞君!?///」
明日香「えっと...その...」
雅「おい、八舞、これはだな...」」
栄斗「なんか、すまん。」
明日香「ごめんね、お姉ちゃん。」
俺たちはリビングを出た。
香澄「まってー!!!///」
雅「まて!八舞!誤解だー!」
栄斗「あはは!二人は仲良くなったな!な、明日香!」
明日香「はい!」
栄斗「これからも、よろしくな。友人として。」
明日香「はい!八舞!最高の友人でいましょう!」
俺と明日香はこの日、間違いなく、
最高の友人になった。
感想などお願いします!