チュチュ「ロック?」
六花「は、はい!」
チュチュ「最近、調子が悪いみたいだけど、どうしたの?」
六花「そんなことはないと思いますが...」
チュチュ「あるわ。演奏中もあなたならありえないミスの連発、何かあったの?」
六花「えっと...あの...」
ますき「おい、チュチュ。」
チュチュ「どうしたの?マスキング?」
ますき「ちょっと来てくれ、確認したいことがある。」
チュチュ「OK...ロック、体調が悪いなら無理はしない事ね。」
六花「...はい。」
チュチュはますきの方に行った。
レイ「...あの、六花ちゃん?」
六花「!れ、レイさん。お疲れ様です。」
レイ「うん、お疲れ様。」
六花「今日はご迷惑をお掛けしてすいませんでした...」
レイ「あのくらいなら大丈夫。それよりも大丈夫?」
六花「体調は悪くは__」
レイ「ううん、聞きたいのは八舞君の事。」
六花「!?」
レイ「六花に八舞君に告白したって聞いた時から調子が悪そうだったから、原因かなって。」
六花「...」
レイ「この後、時間ある?」
六花「え?は、はい。」
レイ「じゃ、行こ。」
二人は外に出た。
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レイ「うわ、寒いねー」
六花「はい、もう冬ですからね。」
レイ「六花は大丈夫?」
六花「私は大丈夫です、レイさんこそ...」
レイ「私も大丈夫だよー。でも、何か温かい物、飲もっかー」
六花「はい。」
二人は近くの自動販売機に行った。
レイ「私は...これで。あ、六花はどれにする?」
六花「え!?いえ、自分の分は自分で。」
レイ「気になくてもいいよ、選んで?」
六花「じゃ、じゃあ、これでお願いします。」
レイ「おー、ほうじ茶かー。美味しいよねー」
六花「はい。」
レイ「じゃ、買ったしそこでちょっと話そうよ!」
六花「分かりました。」
二人は近くのベンチに座った。
レイ「__うん、美味しい。」
六花「はい、ほっとします。」
二人はそれぞれが買った飲み物を飲んでいる。
レイ「...それでさ、聞きたいことがあるんだけど、いい?」
六花「!...はい。」
レイ「六花の不調の原因は八舞君なの?」
六花「...八舞先輩のせいじゃないです。私の...」
レイ「ねぇ、六花?」
六花「はい...?」
レイ「六花はさ、遠慮しすぎだよ。」
六花「え...?」
レイ「私も一回、フラれたことがあるんだー。」
六花「え!?レイさんがですか!?」
レイ「うん。それでしばらく歌う気にもならなくなってね。」
六花「...」
レイ「それで、どうやったら気持ちが楽になるのか考えてねー」
六花「それで、どうしたんですか?」
レイ「全部、その男子のせいにしたよ!」
レイは笑いながらそう言った。
六花「えぇ!?」
レイ「そうでもしないと楽になれなくてね、
私は悪くない、悪いのはあの男子だって、自分に言い聞かせてた。」
六花「す、すごいですね。」
レイ「だからさ、六花もそのくらいの気持ちでいれば楽だよー」
六花「でも...」
レイ「(これは、重症だねー...ん?)」
レイの携帯が鳴った。
レイ「...ごめん、六花。仕事の電話来ちゃった。
行かないとだから、行くね?」
六花「は、はい。ありがとうございました。」
レイ「じゃあね。」
そう言ってレイは去って行った。
六花「(...ごめんなさい。私にはやっぱり八舞先輩のせいになんて...)」
ますき「__おい、六花。」
六花「!?ま、ますきさん。なんで?」
ますき「レイから電話が来てな。
ほっといたらずっと、ベンチに座ってるかもって。」
六花「そうですか...」
ますき「...隣、座るぞ。」
六花の隣に座った。
ますき、六花「...」
沈黙だ。
ますき「...なぁ、六花。」
六花「...はい?」
ますき「六花は今、悲しいのか?」
六花「...多分、悲しいんだと思います。」
ますき「多分?」
六花「はい。」
ますき「どういう事だ?」
六花「...私にも分からないんです。
家に帰れば思い出して涙が出ます。
でも、そこまで行っても、自分の感情が分からないんです。」
ますき「分からない?」
六花「ぐちゃぐちゃで何が何だか分からなくて。」
ますき「...分かるぞ。六花の気持ち。」
六花「え...?」
ますき「私も八舞が好きだったからな。」
六花「!?」
ますき「まぁ、私は諦めたがな。」
六花「なんでですか...?」
ますき「氷川日菜がいたからな。
あの2人には割り込めないと思ったからな。」
六花「...」
ますき「諦めてちょっとの間は悲しかったり、どこか満足してたり、ぐちゃぐちゃだった。」
ますきは六花を見た。
ますき「...だから、私が大丈夫だから六花も大丈夫じゃねぇの?」
六花「ますきさん...」
ますき「じゃあ、私は帰る。六花も早く帰れよ。」
六花「はい、ますきさん。」
そう言って、ますきは帰って行った。
六花「...私も帰らないと。」
六花は立ち上がった。
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六花は道を歩いてる。
六花「(うぅ、寒いな。もう少し厚着すればよかった...)」
六花は急ぎ足で歩いた。
暫くすると、雪が降ってきた。
六花「__もう、今日はなんなの...」
栄斗「あれ?六花?」
六花「!?や、八舞先輩!?」
栄斗「奇遇だな、こんなところで。」
六花「は、はい...」
栄斗「って、寒そうだな。」
六花「はい...服装を間違えちゃって...」
栄斗「全く。ほら、これ着とけ。」
六花に上着を着せた。
六花「(暖かい...)」
栄斗「六花の家は近くか?」
六花「え?」
栄斗「送っていく。傘もあるし。」
俺たちは六花の家に向かった。
六花「(き、気まずい。さっきまで、あんな話してたから...)」
栄斗「...六花、どうした?」
六花「え?」
栄斗「さっきから元気がないみたいだが。」
六花「えっと...」
六花は言葉に詰まった。
栄斗「...悪いな。」
六花「!?」
栄斗「多分、俺のせいなんだろ。」
六花「そんな事!__」
栄斗「あるんだろ?」
六花の言葉を遮った。
栄斗「ちょっと、ついて来てくれないか?」
六花「え?」
俺たちはある場所に向かった。
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六花「__ここは...!」
栄斗「最近、もうクリスマスブームだからな。
ここからなら、景色が綺麗に見える。」
俺たちが来たのは町が一望できる場所だ。
六花「なんで、私をここに?」
栄斗「なんとなく、六花に見てほしかった。」
六花「?」
栄斗「星空は日菜さんとの景色だから、
六花との景色を作りたかったんだ。」
六花「私との、景色...?」
栄斗「あぁ。」
2人は景色を眺めた。
栄斗「...ごめんな、六花。」
六花「八舞先輩...」
言葉は少ない、だが、六花に意図は伝わった。
六花「...先輩は今、幸せですか?」
栄斗「...あぁ、最高にな。」
六花「なら、いいですよ。」
栄斗「六花...」
六花は笑ってる。
六花「その代わり。」
栄斗「?」
六花「先輩が幸せじゃなくなったら、すっごく、怒りますからね!」
栄斗「...ははは、それは怖いな。」
六花「はい!だって、私は先輩が大好きですから!」
栄斗「そうか。」
同じ言葉、だが、意味は大きく違う。
そう言う関係だ。
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栄斗「来たぞー」
チュチュ「Hi、栄斗!」
パレオ「こんにちはー!エイトさん!」
栄斗「よう、2人とも。」
栄斗が来ると2人が栄斗のもとに行った。
栄斗「それにしても、2人がお出迎えとは、役得だなー」
チュチュ「はぁ!?別に栄斗の事なんか待ってないし!」
パレオ「私は待ってましたよー!」
栄斗「おー、嬉しいこと言ってくれるじゃないか。
ご褒美にお土産をやろうじゃないか。」
パレオ「やったー!」
チュチュ「わ、私は別に...」
レイ「まるで父親ね。」
ますき「全くだ。」
栄斗「よー、二人とも。あ、二人にも買ってきてるぞ。」
レイ「ありがと。後で貰うよ。」
ますき「サンキュ。」
六花「__お、遅れました!」
六花が部屋に飛び込んできた。
栄斗「よう、六花。」
六花「こんにちは!先輩!」
レイ「...元気になったよね、六花。」
ますき「あぁ。いい顔だ。」
栄斗「おーい、何の話だ?」
ますき「役目は果たしたみたいだな、八舞。」
栄斗「あぁ。もう、六花は大丈夫だと思う。」
レイ「全く、ますきはすぐに八舞君に電話して...」
ますき「こいつが行くのが一番だと思ったんだよ。」
栄斗「ありがとな、ますき。」
ますき「気にすんな。」
六花「みなさーん!練習始まりますよー!」
ますき「あぁ、すぐ行く。」
レイ「いい笑顔だね、六花。」
栄斗「あぁ。」
今日もRASの練習が始まる。
感想などお願いします!
活動報告もあげましたのでそちらも見ていただければ。