何故戦う、家族故。   作:上級奴隷

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初投稿です。いろいろ足りないところがあると思いますが、良ければアドバイスお願いします!!
追記:皆様閲覧ありがとうございます。数か月放置していた関係でちょこちょこ変化している部分が多数ありますが、どうかご容赦願えると幸いです。


決意

 「キミ、可愛いね。アタシと一緒に来ない?」

 

 

 

 またあの日の夢を見た。一人彷徨っていたオレを見つけて、そして拾ってくれた人の夢。言葉通りの、命の恩人である彼女の夢…。

 「決意の日に見る夢かよ、ったく。いや、こんな日だからか」と夢の内容への不満を漏らしつつ、改めて思い返す。そして自らの決意を再確認する。そう、オレは決めたのだ。この地方の闇を取り払うのだと。

 オレがいるここ、オーレ地方は他地方との交流が少ない閉鎖的な地方であり、そしてなんといってもポケモンバトルが盛んに行われていることで有名だ。砂漠が多くの割合を示す厳しい環境で鍛えるポケモントレーナーは、揃いも揃って強豪ばかりで、その環境を望みこの地方へ来るトレーナーも多い。また、最近では今まで見られなかった野生ポケモンが発見され、さらに注目を集めている。

 だが、他地方でいうジムリーダーや四天王、またそれらの上に君臨し、共に秩序を保つチャンピオンというのが存在しないこの地方は、法や秩序と呼べるものが存在せず、そこにつけ込む輩も存在する。彼らは野望のためにオーレのトレーナーたちにポケモンを渡した。当然そんな都合のいい話は存在しない。これらのポケモンは“ダークポケモン”と呼ばれる、人工的に戦闘マシンにさせられたポケモンであり、その製造を行っているのが“シャドー”という組織であり、オレの命の恩人であり、そしてオレであるわけだ。

「グロウ、良いポケモンができたわよ~。ほら!この前手に入れてきたフカマルのダークポケモン、ダークフカマル!」こう意気揚々と語るのがわが恩人である、ラブリナだ。まだ若いのにもかかわらず、シャドーの幹部として数々のダークポケモンを製造してきた、まさにダークポケモン製造の第一人者だ。究極のダークポケモンといわれるXD001を作り出したのも彼女であり、シャドーには欠かせない存在だ。なぜ彼女がオレを助けてくれたのかは未だにわからない。

 ダークポケモンとは、その名の通り闇を内包したポケモンたちであり、感情や記憶など生き物としてのアイデンティティと呼べるものを人工的にすべて消去し心を閉ざさせたポケモンで、まさに戦闘マシンという言葉が適当だろう。。見た目は普通のポケモンと変わりはないが、残虐性が増し、黒い闇のオーラを纏う技を使うため、ダークポケモンについて知識を持つ人が見ればすぐにわかる。しかし、オーレ地方の水面下で製造されているダークポケモンについて詳細に知り人間は少なく、意味を理解せずにシャドーから譲渡されたダークポケモンを使うトレーナーも少なくはない。

 こう語るオレもシャドーとしてダークポケモンの製造に携わっている。といってもラブリナのように科学者としてではなく、普通のポケモンを確保することでだ。いわば“スナッチャー”だろうか。スナッチャーといっても、相手にするのは当然トレーナー、それもオーレの凄腕トレーナーだ。シャドーから支給品としてダークポケモン、姉さんからもポケモンを借りているとはいえ、そこそこのトレーナースキルを有していると自負することは自惚れではないだろう。名はグロウ、姉さんに拾われたときに唯一覚えていたものだ。

 スナッチとは、トレーナーからポケモンを奪う行為であり、本来であれば禁じられている。それを可能にするのが”スナッチマシン”だ。この装置を腕にはめ、そこにモンスターボールをセットすることで、禁じられた行いは可能となる。かつては一つしか存在しなかったマシンだが、シャドーの科学力の元、かつては叶わなかった「通常ポケモンのスナッチ」をも可能にして復活し、シャドーの厳重な管理の元、スナッチ班であるオレや他数名に貸し出されている。

 しかし、スナッチにももう一つのやり方がある。そもそもオーレでも野生ポケモンが見かけられるようになったとはいえ、ポケモンの確保は依然スナッチに依存したものである。それにはスナッチマシンが必須というのは効率の悪い話だ。そのため、シャドーはもう一つのスナッチを開発、というより偶発的に見つけ出した。すなわち、文字通りの強奪(スナッチ)強奪、トレーナー・ポケモンを徹底的に打ちのめし、モンスターボールごと回収していくやり方だ。倫理や秩序など知ったことかと言わんばかりの悪行であるが、シャドーの中でも指折りの凄腕、ジムリーダーや四天王レベルの者しか行えない究極の荒業である。

「…ねえ姉さん、オーレのポケモンはかなり捕まえたんだし、ダークポケモンもかなりの個体数がもうできてる。もう充分なんじゃないの…?」

「なぁに言ってんのよ、デスゴルド様の野望のためなら何匹いても不足はないでしょ~。なんかカントーではアタシたちシャドーのとは違うダークポケモンが見られてるらしいし、もっと作らなきゃよ。それともなに、グロウあんたまだスナッチにビビってんの?いい加減長いんだから慣れなさいよ~。またあのゴリガンの猿に怒られるわよ?」

「勘弁してくれよ、あの人まじでキレると面倒だし拳骨は痛いしであんま得意じゃないんだって」

 そう、彼女の言う通りオレはスナッチが苦手だ。シャドーのポケモンの確保の手段は主に二つ、野生のポケモンの捕獲、そして人のポケモンを奪うスナッチだ。最近はXD001が大型客船リブラ号を運び、そのなかのポケモンをダークポケモンにしているが、基本は他者のポケモンを奪い、ダークポケモンにしていく。その規模は地方を超えるほどであり、様々な地方からポケモンが送られてくる。オレはオーレ地方の強者のポケモンをスナッチする役目だが、姉さんの言う通りオレは人のポケモンを奪うことに嫌悪感を抱いている。恩義あるラブリナのためとはいえ、トレーナーとポケモンを引き剥がすことにはいまだに抵抗がある。そしてこの嫌悪感もそろそろ本格的に我慢の域を超えてきた。そもそも姉さんに才能があるとはいえ、これ以上罪を重ねてほしくはない。しかし、ラブリナ自身はデスゴルド総帥、そしてダークポケモンに心酔している。そもそもダークポケモン製造計画そのものが彼女に依存した計画であり、そんな彼女を真の意味で救いたいというオレのこの考えは、シャドーひいてはデスゴルド総帥の野望を打ち砕くことを意味する。

 だがオレは姉さんに正道に戻ってほしい。そのためにはシャドーを壊滅させ、デスゴルドの野望を打ち砕かなければならない。ダークポケモンという悲しき存在も一匹残らず無くしていかなくてはならない。

 かつてシャドーにポケモンを提供していた”スナッチ団”という組織があった。かつてはオーレ内で大きく幅を利かせていた組織だったが、スナッチ団員だったとある青年がアジトを爆破しスナッチマシンとともに脱走したことを皮切りに、シャドーから見放され、かつてのシャドーとともに衰退の一途をたどっていった。

 ならばオレもこの手段をとるしか最早ないのではなかろうか。いくらスナッチ班で一定の成果を上げてきたといっても、強大な組織に単身立ち向かうのは無謀であり、無茶であり、愚行である。しかし、親愛な義姉を救うにはこのくらいやってのけなくてはならない。そう決めたのが半年前。それから脱走の準備はしっかりとした。今日がその決意の日。さあ、やろう。オレの人生を懸けた早すぎる戦いだ。

 

 




キャラ設定等、未だ不透明な部分を残したまま行き当たりばったりで書いているのでお見苦しい点が多数見受けられると思われますが、温かく見守っていただければと思います。感想などもよければお願いします。
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