一応最終話なので色々詰め込みました。
羽沢つぐみさんへ
こんにちは。植田 海です。
つぐみちゃんがこれを読んでいるってことは、僕はもうこの世にいないってことですね。
なんてありきたりな入り方をしてしまいましたが(笑)
まずは、病気のこと黙っていてごめん。
つぐみちゃんと出会う少し前には病気のことはわかっていて、余命宣告までされていました。
残された期間、
何をしようかと思ったけど特別なことをするより、
いつも通りのんびりと読書をするのが一番好きなことだと思って、
毎日色んな本を読むことにしました。
そんな時、羽沢珈琲店に出会い、つぐみちゃんに出会いました。
僕にとってそこはすぐに居心地の良い場所となりました。
静かな雰囲気と、優しくて可愛い店員さんがいるそのお店を
僕の死ぬまでの第2の住処にしようと思いました。
通っているうちに、つぐみちゃんも僕の顔を覚えてくれるようになり、会話もするようになってきましたね。
たまに来るつぐみちゃんの幼馴染みのみんなとお話しすることもありました。
つぐみちゃんがいない時にこっそり色んな話を聞かせてもらいましたよ?
いつもみんなのために動いて、頑張り屋で、でも頑張りすぎてみんなに心配かけて。
無理はしすぎちゃダメですよ?
でも、そーゆーつぐみちゃんの優しさとか、暖かさを知っていくたびに、僕はつぐみちゃんにいつしか惹かれていくようになりました。
常連さんの話し相手をしていたり、そんな時でも周りに気を配ったり、どんなに忙しくても笑顔を絶やさなかったり、、、
惹かれるポイントは数え切れないくらいありました。
そんなつぐみちゃんを眺めながら過ごす日常は幸せでした。
あ、もちろん本も読んでますよ!(笑)
少なくなりつつも幸せな日常を送っていたある日、
つぐみちゃんからデートのお誘いがきました。
実は、つぐみちゃんが僕に好意を抱いてくれていることは知っていました。
誰かが教えてくれたわけじゃなかったけど、気づいてしまいました。
悩みました。
恐らく僕の人生が残り少ないことは確かです。
デートに行って、変に期待させたら悲しませてしまうんじゃないかと思いました。
でも、答えはすぐに決めました。
死ぬ前くらい好きにしたって良いじゃんと自分に言い聞かせて返信しました。
申し訳なさをほんの少し抱きながらも、楽しみの方が溢れかえってました。
映画が始まってすぐつぐみちゃんをチラッと見ると、すごいワクワクした表情でスクリーンを見てて、慌てて僕も映画に集中しました(笑)
映画も面白かったしランチも楽しかったし、何よりつぐみちゃんが隣にいることが幸せで仕方ありませんでした。
そして帰り際。つぐみちゃんが告白してくれました。
嬉しくて涙が出そうでした。
でも、これから答えることを考えると僕が泣くわけにはいきませんでした。
グッとこらえて。謝りました。
涙を流しながら、それでも笑ってお礼を言って、走って帰っていく姿を僕は追うことができませんでした。
あの日、用事があったと言いましたが、その用事というのは定期検査でした。
そこで数値に異常があり、僕の入院生活が始まりました。
つぐみちゃんを泣かせてしまった今、僕から連絡することができませんでした。
病院のベットの上で読書をしていると、ついつぐみちゃんから連絡が来てないかチェックしてしまいました。
来るわけなんてないのに。
でも、つぐみちゃんは僕を心配してくれました。
僕は事実を伝えましたが、1つだけ嘘をつきました。
僕はもう長くないことを感じていました。
そこでこの手紙を書くことにしました。
これで退院できちゃったら少し恥ずかしいけどね(笑)
その時はこっそりこの手紙を捨てることにします!(笑)
羽沢つぐみさん。僕は君のことが大好きです。今この手紙でしか伝えることができないかもしれないから、何度でも言います。
つぐみちゃんの事が好きで好きで好きで本当に大好きです。
頑張り屋なつぐみちゃんが大好きです。
僕に笑顔を向けてくれるつぐみちゃんが大好きです。
いつも僕が来るとカフェラテの準備をしてくれるつぐみちゃんが大好きです。
僕のことを好きと言ってくれたつぐみちゃんのことが大好きで大好きです。
少しは伝わったかな?
結局泣かせてしまったけど、告白をOKしたら病気のことも言わないといけないし、それで心配させて頑張りすぎちゃうつぐみちゃんは見たくなかったので全て隠しました。
4つも年下の女の子を泣かせてしまうひどい先輩だけど、そんな僕を好きでいてくれてありがとう。
泣かせてしまったお詫びにプレゼントを同封します。
僕のことを忘れてしまいたかったら、捨ててください(笑)
長々と書いてしまったけど、結局はつぐみちゃんがこれから幸せにいてくれることを願っています。
今までありがとう。
植田 海より
お気に入り登録してくれた方、ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございました