灼熱炎吐ける至高の存在に転生しちゃいました   作:こまるん

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感想、高評価本当にありがとうございます。励みになります。

お陰様でちょっとだけ続いちゃいました。スライムの冒険をお楽しみください。


第2話

 

 

 

 

 やっほーみんな元気?スライムのスラリんだよー!!

 

 いやまぁスライムといえばスラリんってだけで私自身がそうである保証なんて一つもないんだけどね。

 やっぱりなんというかこう、イメージするのは常に最強の存在ってやつ?ちょっと違うか。まーちょっと夢見るくらいなら良いでしょう。

 

 すらきちさんとかでも良いなぁ。くしゃみしたらこう……ぶわって炎が出てきちゃったり、勇者のメダルでモードチェンジしてみたり!

 

 ……うん。現実逃避はこの辺にして状況を確認しようか。

 

 取り敢えず私の状況。

 気づいたらスライムになっていました。終わり。

 

 え、雑いって?しゃーないでしょう!それしか分からないんだから!

 

 周囲の状況は……初手でも確認したけど、一面の岩肌。ところどころに巨大な植物が茂っていると感じたのは、これ多分ただの雑草だ。

 私の目線が低すぎるから、ジャングルのように感じたんだと思う。

 

 んー取りあえずは、ここがどういう場所なのかを確認しなきゃいけないか。そもそもどういう世界なのか。ドラクエの世界に来ちゃったのか、それとも全然違う世界にスライムとしてきてしまったのか……

 

 さしあたって、私のこの体色は大きなヒントになるかもしれない。少なくとも、私の知る限り、ここまで純粋な濃い青色なのは……もしかして、もしかするのか!?

 

 ちょっとだけテンションが上がるのを感じる。動かない事にははじまらないし、色々と探ってみようか。

 

 ずりずりっ、ぽよーん。ずりずりー

 

 なんとも気の抜ける音を響かせながら、洞窟内を散策してみる。

 どうやらそれなりに入り組んでいるようで、ちょっとやそっとじゃ進展がある気がしない。

 なんというか、この洞窟が広すぎる……ってよりは、私の身体が小さすぎるのが悪いと思う。

 

 泣き言ばっかり言ってられない。幸いこの身体にも少しづつ慣れてきたのか、ぽよんぽよんとリズム良く跳ねられるようになってきた。

 目線が激しく動くので酔いそうにはなるけど、これ案外楽しいんだよね。

 

 ぽよん。ぽよーん。ぽよん。

 

 時々長めの跳躍を混ぜながら移動していると、不意に、ガサガサと茂みがなった。

 草をかき分けるようにして、のっそりと何かがこちらに近づいてくる。

 音から判断するに、小型の生き物っぽい。

 さてさて、この世界でのファーストコンタクト。一体全体…………

 

 ──固唾を呑んで見守っていた私の目の前に現れたのは。

 ──やたらどでかい杵を抱えた、栗みたいな形に紫色の頭巾を被った…………

 

 ってこれ、おおきづちじゃん!

 ということはなるほど。ここはドラクエの世界ってことはまず間違いないとみて良いのかな。

 

 いやーそれにしても、身体よりも大きい木槌を振り回すモンスター。ちっちゃいけれど超力持ち。みたいな設定だったはずだけども。

 正直今の私からすれば体躯の時点で既にでっかいんだよな!

 なにこれおおきづちってこんなに大きいの!?スライムになったことにこんな弊害があるなんて…………

 

 ま、まあいい。折角のファーストコンタクト。ここは友好的に……

 

「ピ、ピィ?」

 

 そーっと声をかけてみたつもり。想像以上に高く可愛い声が聞こえた気がしたけど、今はキニシナイ。

 寧ろ良いかも。スライムの愛らしさも相まって、このきづっち君(勝手に命名)もきっと…………

 

 ダンッと力強い音とともに、きづっち君が飛び上がる。

 大きな木槌を高々と振り上げ、渾身の力を込めて振り下ろす地点は──

 

 ──私ですかそーですか!!!

 

 咄嗟に後ろにぽよんと跳ねて、なんとか回避。

 先程まで私がいた地点にハンマーが叩き付けられ、轟音を鳴らす。

 きづっち君がゆっくりと木槌を振りあげた後の地面にはひび割れが出来ていた。

 

 こ、こいつ、パワーが尋常じゃない。伊達に主人公の体力半分以上削る攻撃力じゃないってことか。

 これ駄目だ。スライムにすぎない私が食らったら1発でお陀仏。間違いない。

 

 外したのを理解した彼はまた大きく飛び上がり、私を見据える。

 流石に不味いぞ。いきなり死ぬなんてごめんだ。ここはいったん逃げ…………あっ

 

 すっぽ抜けたのか、振りあげようとした木槌がきづっち君の手から離れて浮かび上がる。

 バランスを崩した彼はそのまま地面に落下し……その上に、綺麗に木槌が落下した。

 

 え、えっと……空振り?

 なんとも言えない空気が流れる。

 

 はっ!惚けている場合じゃない!今だ、今こそチャンスなんだ。

 咄嗟に体を動かし、憐れにもひっくり返っているきづっち君に体当たりをする。

 

 ぽよんっという間の抜けた音になんとも不安になるが、大丈夫……と信じよう。

 えいっ、えいっ、と体当たりを繰り返す。

 これで倒せるのか不安しかなかったが……何度目かの体当たりを決めたところで、きづっち君は力を失ったように消滅した。

 その場には小さな金貨のようなものがいくつか落ちている。

 

 倒せた…………のかな。まあ、消えちゃったしゴールドみたいなものも落としたし、間違いないだろう。

 ……でも、そっか。この世界だと……死んだ魔物は消えちゃうのか。

 

 私自身がスライムになったからなのか、何とも言えない寂しさを感じる。もしやられちゃったら……私もああなるってこと。

 でも、主人公の仲間になった魔物はどうなんだろう。消えるのかな。

 ゲームだった頃は気にも止めなかった事だけど……いざこうして直面してみると、色々と気になることはあるね。

 まあ、うじうじ気にしても仕方ないか。今は出来ることをやらないと……

 

 ぽよんっと跳ねて更に先に進む。

 まずはこの洞窟の地形を把握して、どこに出口があるのか。そしてそれはどこに繋がっているのか。それを把握できるように頑張ろう。

 

 そして……あれだな。出来るならレベルアップしないと。

 仮に設定そのままのスライムだとすれば、初期ステータスじゃあまりにも軟弱すぎるからね。

 

 

 さーて、色々大変だけど、頑張っていこうか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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