灼熱炎吐ける至高の存在に転生しちゃいました   作:こまるん

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おっそろしいほど伸びて戦慄しておりました。お気に入り500越えすら全く知らない世界なのに……
皆様本当にありがとうございます。励みになります。

基本月一で更新できればと思っております。スローペースですが、過去を懐かしみながら楽しんで頂ければ幸いにございます。




……といいながらお気に入り1000突破に感謝の土下座投稿です。



第5話

 

 

 

 思いの外あっさりと主人公君に受けいれられてしまった。身構えていた分、若干拍子抜けではあるけれど……拒絶されないに越したことは無い。

 これから村に入った時に大丈夫なのかという件については、まぁ問題ないだろう。

 なにせ、将来的にはキラーマシンやグレイトドラゴンを連れて街を出歩いても何も言われないほどの人物なわけで。スライム一匹どうってことない……と思う。

 迷惑かけたいわけじゃあないし、一応大人しくはするつもりだけどね!

 

 さて、これから彼と行動を共にしつつ、地上に戻ることになる。

 そうだ、1階の宝箱に隠しておいたゴールドも渡さなきゃ。ああ、でもどうする?このピキピキしか言えない口でどうやって伝えようか。

 ん?いやちょっと待てよ。歴代の作品……というかV自体にも、人間の言葉を話すスライムって結構な数が登場してきたはず。

 その点わたしはどうなの?一応、人間の言葉についてはよく理解できるわけだけども。案外できると思えば話せるかもしれない!

 

「ピキキー」

 

 駄目だったわ。

 いやまあ、知ってたけどね!できるなら最初の時点で喋れてるよ。うん、わかってる。だからそんな目で見るな。

 

「うん?どうしたの?」

 

 急に鳴いた(この言い方が既にちょっと虚しい)私のことが気になったのか、主人公くんが声をかけてくる。

 うーん。無視するのもあれだし、伝わるとは思えないけど返すか。

 いやね?そういえば、まだ名前聞いてなかったなって。

 

「あー、確かにそうだったね。ボクはリュカだよ」

 

 おーそっかそっか!名前はリュカなのか。小説版準拠ってのもあって最もポピュラーとも言える名前だよね。

 ってあれ?今なんて言ったのか伝わったの?

 

「うん。はっきりとじゃないけど、なんとなく言いたいことは伝わるよ」

 

 へぇー。大したもんだね。流石"伝説の魔物使い"と言ったところか。

 ああ、それじゃあ、これまで遭遇してきた魔物はどうだったの?道中いっぱい居たでしょ。襲ってくる奴ら。

 

「うーん。スライムさんだけかな。ほかは何も感じなかったから」

 

 ふーむなるほど。実際『おきあがった』魔物は何もいなかったわけだし、やっぱりそういうことなのかなぁ。

 ああ、そうそう。話が通じるなら一つ案内したいところがあるんだよね。先導するから付いてきてもらえる?

 

「付いてこいって……?うん。わかった」

 

 思いのほかトントン拍子に進んでいることに気を良くしながら、リュカを導くようにして洞窟内を進んでいく。

 道中たまに襲いかかってくる魔物は、共闘するまでもなく私がすべて弾き飛ばした。

 最弱の存在たるスライムが魔物を蹴散らしていることに対して驚いている様子ではあったけれど、正直私からすれば、前世で言えば幼稚園レベルの君がでっかい杖振り回して襲い来るモンスターをなぎ倒していることの方がよっぽど凄いと思うのよ。

 

 

 さて、そんなこんなで1階の宝箱の影に隠しておいたゴールドも押し付け、無事地上に戻ってきた。

 ゴールドに関してはちょっと遠慮されたけど、スライムがどうやって使うんだって感じだし御主人が金銭管理するのは自然でしょって押し切った。というか6歳児なんだから貰えるもんは素直にもらっときなさいよ。

 他人様の家のたんすやツボの中身は平気でm……(この文章は検閲されました)

 

 

 スライムが村に入ることに関しては、驚くほどにスムーズだった。流石おおらかなサンタローズの人々と言うべきか、最初こそはリュカの頭に乗る見慣れないスライムに驚いてみせるのだけども、直ぐに人懐っこい笑みを浮かべて受け入れてくれる。

 武器屋のおっちゃんにはがっしがしと撫でられた。びっくりしたけど……温かいなって。いい所だよね、ここ。

 

 薬屋のおじちゃんのところへ行くと、置いて帰ってしまったことを詫びてもらった後で、ちょっとした礼を引き出しに入れてあるから持っていってくれと言われる。

 現実になっても杜撰すぎるそれは変わらないのねと思いつつも素直に手織りのケープを回収。

 私らどっちも装備できねーよ!!……と思っていたけれど、どうも現実となったこの世界では違うらしい。

 私の頭からすっぽりと覆うように被せてくれたリュカが、『うん!似合ってる!これならスライムさんってわかりやすいしね』と笑う。その純粋すぎる笑顔がとても眩しい。

 

 でもねリュカ。これはケープって言ってね、本来首元から胸くらいまでをすっぽり覆うものなんだよ。決して帽子みたいにしてかぶるものではないと思うんだ。

 もちろんそんな指摘を出来るわけもなく。何だかんだで温かくて悪くないしで、こうして私が手織りの帽子(?)を装備することになった。

 

 これでサンタローズでのイベントは終わり。あとは翌朝になればビアンカ達を送り届けるのみ……と思っていたのだけど。

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「ただいまー」

 

 元気よく言い放ちながら、リュカが家の扉をくぐる。もちろん、私も一緒だ。

 家に入ってすぐのところにある長机には男性が二人。豪快な髭を生やした半裸のおじさんと、恰幅の良い穏やかそうなおじさん。

 うん。これだけ聞くとどこの不審者やねんって感じなんだけど、これこそが平常なのだ。それにしても、やっぱり現実となってもパパスおじさんは半裸なのね。だから片乳首露出男とか言われるんだよ。

 

「おやおやリュカ坊ちゃん。お帰りなさいませ。ビアンカちゃんがお待ちですよ」

 

「リュカ。どうやら洞窟へ行っていたらしいな。人助けをしたのは感心だが、あまり1人で無茶をしてはいけないぞ」

 

 大人二人が声をかけてくる。言葉は違えど、両者ともにリュカのことを想っているというのがよく伝わってきた。というかもう話届いているのね。早い。

 ……ん?ビアンカ?

 

「リュカ!」

 

 思わぬ単語に疑問を覚えると同時に、2階から幼子特有の高い声が聞こえてきた。

 とたとたと軽やかな音を立てながら、少女が階段を駆け下りてくる。

 

「ビアンカ!来てたの?」

 

「ええ。たいくつだったから、リュカと遊んであげようと思って。それなのに、あなたったら居ないんだもん……あら?」

 

 金色の三つ編みが特徴的な少女──ビアンカは不満をあらわにしていたが、ふとなにかに気づき声を上げる。その目線の先は……ああ、私か。

 

「かわいいじゃない!何処で見つけたの?」

 

 その言葉で、大人二人もはっきりと私を認識したらしい。驚いた様子を……うん?どうも驚き方が村の人たちと違うような。

 

「スライムじゃないか。リュカ。それはどうしたんだ?」

 

「うん!洞窟でお友達になったんだよ!」

 

 何処か硬い様子のパパスおじさんの問いに、満面の笑みで答えるリュカ。

 あらやだ、友達だなんて嬉しいこと言ってくれるじゃないの。

 

 同意するように、頭の上で体をぷるぷると震わせてみせる。気分はそう。『ぷるぷる。ボクは悪いスライムじゃないよ!』ってね。

 

「そうか……リュカ。父さんは魔物を連れ歩くことを悪くいうつもりは無い。だが、一緒に過ごすのならば、大事にしてあげなさい。わかったね?」

 

 諭すようにして息子に言い聞かせる姿は、まさに父親といったものだった。半裸の不審者とか思ってごめん。やっぱあんた立派なお父さんだよ。

 私としてはさっきから謎に涙ぐんでいるサンチョさんの方が気になるのだけど……どうやらそこに触れてはくれないらしい。

 

「こうしてみるとスライムって可愛いのね……そうだ、名前はなんていうの?」

 

 ふと気づいたかのようにビアンカが問う。それを聞いて、2人共にあ、という顔をした。

 そっか名前……前世の名前は違うし……

 

「まだ聞いてなかったね。スライムさん。名前はあるの?」

 

 いやーそれがね、ぱっと思いつく名前が無いというか、所詮スライムっていう種族に過ぎないっていうか。まぁスライムで良いんじゃない?

 

「うーん。名前無いみたい。スライムで良いって言ってるけど」

 

 リュカが通訳してくれた訳だが、それを受けて顔をしかめたのはビアンカだった。

 

「えー!駄目よ!この子はただのスライムじゃないわ。私たちのお友達なんだから。そうだわ!私たちで名前をつけてあげましょうよ!」

 

 いつの間にかビアンカにもお友達認定してもらっていたらしい。嬉しいけどね!

 そんなこんなで急遽始まった名付け大会。それはもう、酷いものだった。

 

「そうね……スラッシュっていうのはどうかしら」

 

 初っ端がそれ!?もっと他になかったのかよ!

 

「ダメ?じゃあ……スラきちって言うのはどうかしら」

 

 さっきよりは良いけども!くしゃみと一緒に灼熱炎吐きそうな名前だな!

 

「じゃあ……スラお」

 

 その名前はクリオくんと冒険するスライムにこそ相応しい!

 てか何でこう全部バリバリの男っぽい名前なんですかね!

 

「よし、浮かんだぞ!サスケというのはどうだ?」

 

 パパスおじさんや!そんなあたかも超名案みたいなノリで変な名前を挙げないで!

 いやトンヌラサトチーの時点で、貴方に期待は最初からしてませんけど。

 ついていけずに困った様子の息子がなんとも哀愁を誘っている。

 

 それからも、摩訶不思議な名付け大会は続いた。スラッシュスラおスラきちサスケに始まり、スラひこ、ブルッピ、アキーラにスライバ。

 色々と突っ込みどころはあるけど、スライバはあかん。私あんなクール(笑)になれない。好きだけどね?

 それにしても、ここまで程度の差はあれ馴染みある名前ばかりが列挙されているのに、どうしてアレが出てこないのか。

 そう。アレだよ。スライムと言えばな名前。公式が激推しのアレが!!

 

「うーん…………スラりんってどうかな?」

 

 本人なりにかなり悩み抜いた末だったのだろう。リュカが初めて発した案。ようやく出てきた、定番の名前。

 ここまでの寸劇を観ていた私が一も二もなく飛びついたのは、言うまでもないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 




名付け大喜利はベビーパンサーだけの特権じゃないんだよ!!



名前、色々悩みましたが安定と伝統をとることに致しました。オリジナルでつけてもよかったんだけど、まぁ5のお供スライムならこれがしっくりくるかなって。


また、スライムちゃんの会話の扱いについても悩みました。喋る事にピキピキ言わせても(書いても)よかったんですけど、こっちの方がテンポも良いかなって。
基本、スライムちゃんの一人称ではこんな感じで進めていこうと思います。




(あくまで暫定だけど)スライムちゃんとの意思疎通について

(将来の)伝説の魔物使いことリュカは、スライムちゃんの言葉に乗せられた意思をなんとなく読み取れます。(あーこいつ多分こんなこと言ってるな)ってレベルです。

あとはもう1人、随分と先にはなりそうですが、リュカよりさらに魔物の言葉を理解できる子が出てくる予定です。いやーだれなんでしょうねまったくよそうつきませんよね!!!


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