誤字脱字報告ありがとうございます。
番外編です。
今回はメインストーリーと全く関係ないお話を挟んでます。
まあ、日常系のですかね。
休憩話みたいな。
「エド、リゼちゃんのちゃんと選んであげないと」
「アンナさん。何?藪から棒に?」
近所のアンナさんがまた野菜のおすそ分けをしてくれたんだが、俺にこんな事を耳打ちする。だが何の事か俺には分からなかった。
リゼの何を選ぶんだ?一応学校に必要なものは全部用意してるし、欲しいものが在れば言う様に言ってる。多少の小遣いも渡してる。
「リゼちゃんこの頃、ちょっと膨らんできたでしょ?」
「何が?」
膨らむってなんだ?
まさか食いすぎで腹が…いやいや、リゼはどちらかというと線が細いぞ。
「胸よ胸!リゼちゃんもそろそろブラジャーが必要よ」
アンナさんに肩を軽くたたかれる。
「おっ?」
ブラジャーって、そう言う事か、リゼの乳房が発達したという事か……1年前と見た目あまり変わらない気がするが……
「おっ、じゃないわよ。まったくどこか抜けてるんだから。リゼちゃんは何時までも子供じゃないのよ。今からドンドン女性になって行くんだから」
「気が付かなかったな。ありがとうアンナさん。リゼが学校から帰ったら一緒に買いに行ってくる」
そうか、リゼもそんな年頃か、そう言えば亡くなった上の妹もそんな時期があったな。
「……エドだけでは心配だわ。私がついて行って上げようか?」
「大丈夫、大丈夫、これでも医者だぜ」
「……気が付かなかったのに?」
アンナさんにジトっとした目で見られる。
確かにそうなんだが、毎日顔を突き合わせているから微妙な違いは気が付き難いというのは、単なるいいわけか。
「下着の買い物ぐらい大丈夫だって」
と、アンナさんに言ったものの……この15番コロニーの中心街にあるショッピングセンターに買いに行くつもりだが、俺が選ぶわけじゃない。もちろん下着売り場で店員さんに頼んで選んでもらうんだけなんだけどな。
ちょっとまてよ。子供下着売り場に行けばいいのか?それとも女性下着売り場か?
リゼはもうすぐ13歳だが……どっちなんだ?
一応ハマーンにも声を掛けておく。2時間外出していても大丈夫だろう。
まあ今迄だって、1時間程度なら今迄スーパーやらの買い物で出て行っていたしな。
まだ本人には外出許可を出していない。リハビリは進み、室内程度ならゆっくりだが歩けるようになったが、まだ外には出るには早い。
今ではトイレの補助もいらないし。この頃は一人でシャワーにも入れるようにはなった。
順調に来ている。
…ん?んん?
しまった!……うちにはもう一人女性が居た。
完全に失念していた。
ハマーンもいつまでも患者衣ってわけにもいかんだろう。
リハビリも次の段階にいくと体を結構動かすからな。
下着や寝間着、動きやすい室内着は勿論そのうち近辺の散歩ぐらいは出来るようになるから普段着ぐらいは用意してやるか。
ん?そう言えば、その事に文句ひとつ言わなかったな、ハマーン。
リゼが中学校から帰った後、事情を説明してブラジャーを買いに行くことになる。
何故か嬉しそうなリゼ。
たかが下着買うのに何が楽しいんだか……
一応ハマーンに一言言ってからリゼと街に出かけた。
女性用下着売り場に到着、ジュニア用などもちゃんと置いてあった。
店員さんにお願いして、リゼの下着選びが始まる。
「お兄ちゃんどれがいいかな~」
「好きなのを選んだらいい」
「お兄ちゃん選んでよ~」
「勘弁してくれ……まあ、学校に行って恥ずかしくない奴にしとけよ」
「お兄ちゃんの意地悪!」
「……はぁ」
20代中半の女性店員さんはそんな会話を微笑ましそうに見ていた。
後はこの店員さんに任せよう。
店員さんは親切丁寧に、サイズを図り、ブラジャーの付け方やら選び方などもリゼに教えてくれる。
リゼは店員さんに任せて俺はハマーンの下着を買わなくては。
よく考えるとこっちはかなり難易度高いぞ。
本人が居ない上に、大人の女性の下着だ。
まあ、今更だな。
とっとと選んで買って帰ろう。
早速、女性の下着コーナーに踏み入れたのだが…
うーむ。なにこれ?女性用下着って種類がこんなにもあるのかよ?
ブラジャーだけでもこんなに色々あるのか。
カップ?胸のサイズか……
ハマーンの治療初期の頃に身体データを全て測っている。自動診察台がオートで全部データ化させていた。ただ……カップが分からん。アンダーとトップとの差だったか?たしかCかDぐらいか?ちゃんと事前にネットで調べるべきだった。
店員さんに聞くしかないか……
しかし、色々あるな。
あいつはまだ病人だし、窮屈なのは避けた方が良さそうだ。サイズは余裕を持った方がいいか、肌触りもいい奴がいいだろう。
色は……黒か?紫か?レザーとか超ぴったりだが、それは入院患者には流石に不味いか?
ちょっと待てよ。あいつ、ブランド物の高級品しかいらねーとか言いだしそうだぞ。
その時は贅沢言うなと言って有無を言わさずに着させるしかないか。
「あの~、彼女さんにプレゼントを選ばれてるのですか?」
俺と同じ年代ぐらいの店員さんが俺に声を掛けて来る。
なんかちょっと言い方にトゲがあるんだが……不審者だと思われたか?
「ああ、そう言うのとはちょっと違う。妹だ。あっちで下着を選んでる子の姉の物だ。入院していて下着やらを一式新調しないと行けなくてな。サイズは聞いてるんだが……」
「そうですか。では……」
店員さんはちょっとホッとしたような表情した後に、親切丁寧に選ぶのを手伝ってくれた。
やっぱ、女性下着コーナーに男一人ってのは、怪しがられるか。
店員さんに勧められてたのは、なんか柔らかい素材のブラ、スポーツブラに近い形状だ。締め付け感などが少ないものらしい。色も無難なホワイトとグレー。
次はパンツか……サイズは腰などの大きさのデータからって……まあ、店員さんに聞いた方が早いな。
その次は寝間着を選ぶとするか……
ネグリジェとか着てそうなイメージだが……病人だし、シンプルな奴でいいか。
無難に淡いピンクの無地のパジャマとかにするか。
ハマーンの寝間着を選んでいると、ブラジャーを選び終えたリゼが、短めのツインテールを揺らしながら俺の元に駆け寄って来る。
「お兄ちゃん!これとこれとこれいい?」
「ああ、全部買い物籠にいれとけ」
「ありがとう!お兄ちゃん!」
「ついでにリゼもパジャマを買うか?」
「うん!」
結局、リゼもブラジャー以外にパンツや寝間着、普段着一式を買う事になった。
ハマーンの寝間着を選んでると、リゼがお揃いが良いと言って、リゼは可愛らしいウサギキャラクターデザインが散りばめられているピンクのパジャマを俺に勧めて来るが…俺は丁重に断る。リゼの分はそれでいいとして、流石に22歳のハマーンにそれは無いだろう。
ハマーンの分は俺が最初に目をつけていた、大人し目の淡いピンク地のパジャマに決める。
普段着と室内着は、店員さんに無難な奴を三着選んでもらった。
これで一応大丈夫だろう。
後は、当のハマーンが文句言わなきゃいいがな。
明日には、後編を投稿いたします。