なんか、ハマーン拾っちまった。   作:ローファイト

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⑪閑話:下着選び後編

買い物から帰った後、リゼは買った服を次々と着せ替え、ポーズを取って俺に見せる。

要するにプチファッションショーだな。

下着姿も見せようとしていたが流石に止める。

その後、病室のハマーンの所に、買った服を見せに行ったそうだ

ついでにリゼに今日買ったハマーンの服やら下着も渡してもらえばよかったか。

 

その晩にハマーンにも買ったものを渡しに行く。

 

「なんだこれは?」

ベッドの淵に腰を掛けていたハマーンの横に大きめの紙袋を置いてやると、訝し気に聞いてきた。

 

「リゼがさっき言ってなかったか?服やら下着やらお前の分だ。何時までも、患者衣じゃ不都合だろ?」

 

「私はかまわん」

 

「リハビリも本格化するからな。もう少しすれば、近所に散歩程度、出来るようになる。動きやすい服も必要だし、何より下着は必須だ」

俺はこの個室にある木製の椅子をハマーンの正面に持って行き腰掛ける。

 

「ふん」

相変わらずのツンケン具合だが、もう慣れた。

こいつは人に頭を下げた事が無いのだろう。

礼の言葉は知っていても礼の仕方が分からないのかもしれん。

 

「自分で着替えが出来るようになっただろ?これもリハビリの一環だと思って着るように」

 

「……お前が選んだのか?」

 

「いいや。店員に選んでもらった」

 

「………ならば仕方がない、着てやる」

ハマーンの奴、一瞬不機嫌な顔をするが、俺に含みのある笑みでこんな事を言いやがった。

 

「おい、俺が選んだら着ないつもりだったのかよ」

 

「……ふん」

ツンツンしやがって。

 

 

 

翌日の午後

ハマーンのリハビリを次の段階に移行させる。

この個室病室で出来る簡単なプログラムだが、結構体を動かすことになる。

ハマーンは昨日買ってやったゆったり目の室内着に着替えていた。

 

リハビリの際、ハマーンの体支えたりとサポートを行っていたのだが違和感を感じる。

「ん?……下着付けてないのか?」

 

「バカにするな」

 

「いや……ブラしてないだろそれ」

 

「ふん、私はしない主義だ」

 

「いや、胸張って言う事じゃないだろ?擦れるんじゃないのか?」

ゆったりした室内着だからな。まあ、個人差はあるだろうが……

この様子だとパンツの方はちゃんと履いてるようだ。

 

「ちっ……放っておけ」

 

「お前もしかして、ブラしたことがないとか?」

 

「…………」

だんまりかよ。

このパターンは…図星だったようだな。

マジでか、まあ、世の中ブラをしない女性も確かにいるが…ごく少数だぞ。

 

「はぁ、リゼが昨日店員さんに付け方を教えて貰ってるから、リゼに教えて貰え」

 

「必要ない」

 

「……まあ、人それぞれだけどよ。リハビリするときはつけた方が楽だぞ。それと病室では構わないが……。他人の前や、家の外に出るようになったら着けるようにしろよ。マナーでもあるし、無用なトラブルに巻き込まれる可能性だってある。こののどかな田舎だからって油断はできん。お前さんは結構な美人だからな」

買った普段着は露出が多いわけではない。普通にしていればノーブラでも気づかれにくいだろう。

だが、こう言うマナーは学んだ方が良い。

普通に社会の中で生きていくには、トラブルに巻き込まれるリスクはなるべく減らした方がいいからだ。

 

「…………」

 

「お前が前いた環境ではそれがまかり通っていたが……ここは違う。皆普通に生きている人間ばかりだ」

こいつの場合、お付きの人がいて、着替えやらを全部やって貰ってたとか、ありそうだよな。

きっと、超セレブだったのだろうし。

 

「………考えておこう」

少々間をあけ、ハマーンは答える。

ほう、大分マシな返事じゃねーか。

また、だんまりか文句の一言二言あるかと思ったが……

 

「わかった。リゼが学校から帰ったら言っておく」

ハマーンと少ないながらも言葉を重ねて来て分かった事だが、俺らが一般常識だと思っている事がハマーンに通じない事がある。

こんな些細な事でもそうだ。

ハマーンがどういう風な環境に置かれ、育ってきたのかは分からん。詳しい事情もわからん。

だが、ニュースやらで見れば、16、7歳ぐらいからネオ・ジオンの実質トップをやっていたらしい。

普通の環境ではないのは誰が見たってわかる。

はっきり言って異常だ。

周りの大人は何をやっていたんだ?

今のハマーンを見て、そんな話を聞いてしまえば、16、7歳の子供にそんな重責を押し付けた大人連中に憤りもわく。

確かに旧世代王政時代には、王族は帝王学を学び、若くして王になる事も在った。

だが、ハマーンは違う。家臣の出だ。

飽くまでもネオ・ジオンの王はザビ家の生き残り、その生き残りがほんの子供であるとは聞いているが……

 

ああ、くそ!なんだこの感情は?……ハマーンに同情か?あいつはああ見えて悪党だった…その事実は変わらない。

しかし……

 

 

 

数日後、リゼから申し訳なさそうに……

「お兄ちゃん。お兄ちゃんに買ってもらったね。クマさんのパンツが無いの。無くしちゃったかもしれないの。まだ、履いててないのに。ごめんなさい」

 

「そうか、誰だってミスはある。ちゃんと謝るのは偉い……ん?クマさん?」

どこかで見た事があるような……確か白地のパンツにクマの顔のマスコットが大きくプリントされたのを見たよな。

そういえば……今日洗濯したな。

という事は誰が履いていた……まさか?

 

という事はだ。

そう言う事なのだろう。

ハマーン……気がついてほしいが……、一般庶民は大人でもクマさんパンツを履くものだと認識してしまったのかもしれん。

 

「リゼ……こんど新しいのを買いに行こう」

「本当!ありがとうお兄ちゃん」

 

俺のミスだなそれ、ハマーンに渡した下着や服に、リゼのクマさんパンツが紛れさせていたようだ。

 

……ちょっとクマさんの顔が伸びてたしな。

 

ふぅ、あのクマさんパンツの処遇をどうすべきか、ハマーンにどう説明したらいいのか?

 




閑話終了です。
ちょっとしたギャグテイストでした。

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